リスナーからの質問「牛乳とチーズ、どっちが貢献できる?」
今回の配信では、リスナーから届いた質問に答えていきます。ポポポという配信アプリのコルトマルテスさんからの質問です。
牛乳を飲む、チーズを食べるをサラッと比較して、どちらが酪農家さんに貢献できますか?どちらも同じですか?
川上さんはまず、こうした視点で考えてもらえること自体がありがたいと話します。
結論から言うと、どちらも大事です。ただし、役割が違うとのこと。この違いをわかりやすく整理していきます。
大前提は「全部同じ生乳から」できている
まず押さえておきたいのは、牛乳もチーズも元は同じ生乳からできているという点です。
牛から出てきたそのままの牛乳のことを、生乳と呼びます。生乳牛からしぼったままの、加工されていない乳のこと。牛乳やチーズ、バターなど乳製品の原料になります。
つまり、どちらを選んでも酪農にはつながっている、ということです。ここはまず安心してよいと川上さんは話します。
牛乳は「今」を支える消費
牛乳の特徴は、そのまま飲む、毎日消費される、流通が早い、という点にあります。つまり今の酪農を支えているのが牛乳です。
もし牛乳が売れないと、余ってしまって価格が下がり、それでも売れないと最悪は廃棄になってしまいます。
牛は毎日休まず牛乳を出しています。だからこそ、まとめてではなく毎日安定的に飲んでもらえることが一番ありがたいそうです。
チーズは「未来」を支える消費
一方でチーズは、長期保存できて、加工されて、付加価値がつくという特徴を持ちます。ここが牛乳との大きな違いです。
チーズを1キログラム作るのに、大体10キロほどの牛乳が必要になります。
つまり、大量の生乳を価値の高い形に変えてくれる。これがチーズの役割だと川上さんは説明します。
そのまま飲む。毎日消費され流通が早い。今の酪農を支える安定収入のベース。
長期保存でき付加価値がつく。1kgに牛乳約10kg。余った生乳を価値に変える調整役。
酪農家から見たリアルな違い
現場の感覚として、牛乳は毎日の安定収入のベースになっていると川上さんは話します。
そしてチーズは、需給の調整役をしてくれています。牛乳が余ったときはチーズに加工し、足りないときは生産を抑える。余剰を吸収してくれる存在です。
たとえば、夏場は牛乳の生産量が落ちる一方で消費は増え、冬場は生産量が上がるのに消費は落ちます。この需給のギャップを埋めてくれるのがチーズなのです。
つまりどっちかだけだと回らないということになります。牛乳が余った時はチーズに加工して、なかなか足りないっていう時はチーズの生産を抑えて。この余剰を吸収してくれるのがチーズのすごいありがたいところですね。
結論は「日常は牛乳、構造的にはチーズ」
では、どちらが貢献するのか。あえて答えるなら、日常的には牛乳を飲んで、構造的にはチーズを食べていただくのが大事だと川上さんは言います。
牛乳は毎日の消費で支え、チーズは余った分を価値に変える、という役割分担です。
ここには日本の酪農の特徴も関係しています。日本は飲用牛乳が中心の国です。海外はチーズやバターを食べる文化が根づき、乳製品の消費量が日本人の倍ほどになる国もあります。
そのため日本では、牛乳の消費が落ちるとダメージが大きくなります。飲用が主流なので、飲む人が減ると影響が出やすいのです。
だからこそ一番ありがたいのは、どちらもバランスよく消費してもらうこと。牛乳を飲んで、チーズも食べる。これが理想だと話されています。
チーズを選ぶなら国産原料を
最後に川上さんは、チーズには輸入品が多いという点にも触れます。手に取りやすい価格帯のものは、海外の乳製品を使ったチーズや加工品が多いそうです。
酪農を応援したい気持ちで選ぶなら、裏の表示表を見て、国産原料のものを選んでほしいと呼びかけます。
海外製品がたくさん売れると、海外から牛乳や乳製品を輸入する力が強まります。逆に国内のチーズをしっかり食べてもらえれば、輸入に頼らなくても大丈夫だと示すことにつながります。
牛乳もチーズも食べにくいという人は、お菓子やアイス、ケーキなどの加工品でも大丈夫とのこと。その場合も国産原料のものを選ぶのがポイントです。
まとめ
牛乳もチーズも、どちらも酪農に貢献しています。牛乳は今を支える貢献、チーズは未来の調整を支える貢献。結論はどちらも大事で、そして一番大事なのは継続して消費してもらうことだと締めくくられました。
- 牛乳もチーズも元は同じ生乳からできており、どちらを選んでも酪農につながる
- 牛乳は毎日消費される「今」を支える存在、チーズは余剰を価値に変える「未来」の調整役
- 日本は飲用牛乳が中心の国なので、牛乳の消費が落ちると影響が大きい
- 理想は牛乳とチーズをバランスよく、継続して消費すること
- チーズや加工品を選ぶときは、裏の表示を見て国産原料のものを選びたい
