牛乳を飲むと脳卒中リスクが下がる?
乾杯のあと、川上さんは前日に見たニュースの話から始めます。乳業会社の明治の報告として、牛乳を飲むと脳卒中にかかる確率が下がるという内容が紹介されました。
今、脳卒中や脳梗塞は死亡要因の上位に上がってきていると話されています。牛乳を飲むことで医療費を四千億円削減できるという試算も出ているそうです。
一日の推奨量はコップ一杯、約百八十ミリリットルとされています。川上さんは、それが百円もしないのに病気の予防につながるかもしれないと語りました。
百八十ミリリットルなんてもう百円満たないやつですからね。それでもその病気が防げるっていう、そんな報告出ております。皆さんもこれ、知らない人に教えてあげてください。
今日の質問「牛さんが死んでしまったらどうなる?」
続いてお便りのコーナーです。YouTubeネームのかんしんさんから、牧場で牛が死んでしまったらどのような処理をされるのか、という質問が寄せられました。
川上さんは、子牛が生まれてSNSで「可愛い」と喜ばれる一方で、牧場には限られた土地しかないと切り出します。子牛が生まれるということは、どの牛かが牧場から出ていかなければならないという現実があるからです。
出ていく牛には、役目を終えてお肉になる牛もいれば、夏の暑さや事故、病気で急に亡くなってしまう牛もいます。少なからず起こることで、ゼロではないと話されています。
牧場で牛さんが死んでしまったらどのような処理をされるのでしょうか?
なるべく重くならないように、淡々と現状を報告するような感じでお話ししていこうと思いますので、皆さんもそんなに深くグッとならずに、こういう風に牛乳が作られてるんだなっていうのを知ってもらえたら嬉しいなと思います。
専門業者による処理と個体識別番号
まず結論として、牧場で牛が亡くなった場合、酪農家が勝手に埋めたり捨てたりすることはできません。日本では法律で決められており、専門の処理業者に依頼して適切に処理してもらいます。
牛は耳に個体識別番号がつけられ、国が管理する仕組みになっています。生まれてから親牛になり、最後まで追えるようになっているとのことです。
牛が亡くなると、農業共済の組合に所属している場合はまず死亡の届けを報告し、どの牛が亡くなったかを記録します。その後、専門の業者に連絡して引き取りに来てもらいます。地域によっては共済がそのまま業者に依頼する場合も、酪農家が依頼する場合もあります。
牛は大きいものだと七百キロ以上あり、人の力だけでは動かせません。そのため牛舎の外まで出したうえで、クレーン車で吊り上げ、運搬車に積み込みます。
死亡した牛は食肉にはならない
ここで誤解されやすい点として、死亡した牛は基本的に食肉として流通することはないと説明されています。
病気や事故、老衰などで死亡した家畜は食用に利用できないため、法律に基づいて処理されます。多くの場合は燃やして処理されるとのことです。
配信中には「事故や病気の場合は食肉にならないのか」というコメントも届きました。川上さんは、もし感染性や伝染性の病気で亡くなった牛を食肉にすれば問題が起こると答えます。
そのため、そうした牛は検査を経たうえで産業廃棄物として処理され、お肉にはならないと話されています。
トラウマになった別れと、感情を捨てない選び方
処理の流れを説明したうえで、川上さんは自身の経験を語り始めます。死亡のリスクが高いのは子牛と年配の牛だといいます。
子牛は寒さや暑さに弱く、ミルクの飲みが悪くて下痢をし、薬を打っても翌朝には亡くなっていることがあると話されています。夏の暑さで熱中症になり、過呼吸のような状態で亡くなる牛もいるそうです。
川上さんが最も落ち込んだのは、就農してすぐの頃の出来事でした。牧場の改良のためにお金を集め、海外から一頭二十万円する受精卵を買ったのです。
一頭ですよ、一頭。それを、もう受胎して、めちゃめちゃ嬉しくて。よし、しっかり産ませようって思って、いざ分娩になった時に子牛が逆子だったんですよ。頭を突っ込んだまま逆子で生まれてきて、目の前で引き取ってしまったっていうのが、今でも夢の中でトラウマで出てくるぐらい、本当に落ち込みましたね。
さらに、廃業した農家から「これから頑張って」と引き受けた牛から生まれた子牛を、夏場の暑さで亡くしたこともありました。その農家にはもう牛がいないため、自分の牧場で育てて広げていくしかない、といたたまれない思いを語ります。
川上さんの牧場は子牛の頃から育てる自家育成という管理方法です。だからこそ、他の牧場より思いを寄せる場面が多いのかもしれないと話されています。
一頭を産業動物として割り切り、淡々と切り替えたほうが生産性は上がると川上さんは認めます。それでも、感情を捨てたくないという姿勢で牛と向き合っていると語りました。
まとめ
牛が亡くなった場合は、法律に基づいて専門業者が回収し、適切な施設で処理されます。死亡した牛は食肉にはならず、酪農家にとっては単なる処理作業ではなく、一緒に牧場を支えてくれた牛との別れでもあります。牛乳の向こう側にはこうした現実もあることを知ってほしい、と締めくくられました。
- 牧場で牛が亡くなると、酪農家が勝手に処理することはできず、専門業者が回収して適切な施設で処理する
- 牛は個体識別番号で管理され、生まれてから最後まで追えるトレーサビリティの仕組みがある
- 病気や事故、老衰などで死亡した牛は食肉として流通せず、産業廃棄物として処理される
- 川上さんは受精卵から期待した子牛を逆子で亡くした経験を、今もトラウマとして語る
- 生産性を考えれば割り切るほうが有利でも、川上さんは牛への感情を捨てずに向き合っている
