チーズ専門店って都会にあるんですか?
今回はスタンドFMに届いたコメントとレターに答えていく回です。まずは、チーズの違いを深掘りした過去の配信に寄せられたコメントから。
リスナーからは「エダムチーズは食べたことがない。チーズ専門店か百貨店なら試食があるので食べ比べてみます」という声が届きました。
チーズ専門店というものがあるんですか?都会にあるんですか、そういうのは。
川上さん自身は「チーズについては本当に無知」と正直に話しつつ、エダムチーズを食べたらぜひ感想やYouTubeコミュニティへの写真投稿をしてほしいと呼びかけていました。
「自分を殺菌したい」への酪農家流の回答
続いては、牛乳の殺菌方法を扱った配信に届いた、ちょっと変わった質問です。ブーさんから「私自身を殺菌したいのですが、川上牧場さんで可能でしょうか?」というコメントが寄せられました。
川上さんは大真面目に、牛乳の殺菌になぞらえて答えていきます。まずは高温殺菌か低温殺菌かを選んでほしい、というところから。
低温殺菌だと60度になるんでね、ちょっと熱いなって。お風呂の温度を60度に設定してもらって、30分入ってもらうと、これで低温殺菌の感じになりますんで。
さらに牛舎にある洗剤にもなぞらえて、アルカリはアルコール(度数の高いお酒)、酸性はお酢を飲むこと、と冗談まじりに提案。パイプライン用の洗剤を体に使うのはおすすめしない、とちゃんと釘も刺していました。
最後は「今はいい治療法やサプリメント、食生活の見直しもあるので大丈夫では」と、やさしくフォローしていました。
代替肉はなぜお肉の形をしているのか
3つ目は、酪農を敵視するビーガンについて深掘りした配信へのコメントです。リスナーからは、代替肉が肉汁や血の滴る感じを再現しようとしている点への疑問が寄せられました。
滴るお肉を代替肉で作るなら、お肉食べればいいじゃないかって思っちゃうんですけど。なんで代替肉を作る時もお肉の形にしなくていいじゃないですか。
川上さんは、日本の開発は培養肉や細胞性食品で完全なステーキを作ろうとしている、と現状を説明します。いずれ3Dプリンターで家庭でも作れるような時代や、完全栄養食も近く出てくるだろうと見ています。
そのうえで、ビーガンという選択は自由だとしつつ、他者を否定したり敵対したりするのはやめてほしい、とスタンスを示しました。
まあビーガンの方はもう自由です。自由な選択してますけども、否定とか敵対するのはやめてほしいなと思っております。
タイトルに惹かれて来た新しいリスナー
初めての方からのコメントも紹介されました。トモミンさんが「タイトルに惹かれて立ち寄りました。牛乳で乾杯、いいですね。動物好きなので牧場憧れます」とフォローしてくれたそうです。
そのタイトルというのが「骨が石灰化する」という回。川上さんも予想外だったようで、驚きを隠せない様子でした。
タイトルがあれですね、骨が石灰化するっていう。まさかこのコメントで聞き始める人がいるとは、驚きを隠しきれませんけれども、ありがとうございます。
川上さんは、レター機能を使えば長文でも送れると案内し、「普段飲んでいる牛乳」や「こんな乳製品を食べたけどどう?」といった質問を気軽に送ってほしいと呼びかけました。
牛乳大好きなのにキレやすい太田くんの謎
この回のメインは、ラジオネーム「沈黙の海原ソニーパレード」さんから届いた長文レターです。テーマはずばり、カルシウムと怒りの関係。
昔から「イライラするのはカルシウム不足だから牛乳を飲め」とよく耳にする、とレターは始まります。そこで思い出したのが、小学生時代の同級生の話でした。
その同級生は給食のたびに牛乳をおかわりし、周囲から「カルシウムの化身」扱いされるほどの牛乳好き。ところが、実はめちゃくちゃキレやすい子だったといいます。
些細なことでキレ散らかし、机を叩き、先生にもキレていました。極めつけは調子に乗って牛乳を1日に7本飲んだ日。
その日はさすがに盛大に嘔吐してクラスが騒然。それでも彼は、吐いた直後も普通にキレ続けていた、というのがレターのオチです。朝の配信でこの内容を読み上げる川上さんも、思わず謝りながらの朗読になっていました。
あれだけ牛乳を飲んでもなおキレ続ける太田くんを見て、カルシウムって本当にイライラに効くのかと疑問に思っています。牛乳はどこまで頑張れば人の怒りを鎮められるのでしょうか。
カルシウム=イライラ防止説の正体
川上さんは「AIでも調べつつ、酪農家としての意見も入れて答える」として、まず結論からはっきり伝えます。
では、なぜ「カルシウム=イライラ防止」という話が広まったのか。川上さんはその背景を整理します。
カルシウムは神経の興奮を伝える働きと抑える働きの両方に関わるミネラルで、極端に不足すると筋肉の痙攣や神経過敏が起きることは医学的にも知られています。
ところが、そこから「神経に関わる→足りないとイライラする→じゃあ牛乳を飲めばいい」という、かなり雑な短縮が起きてしまった、というわけです。
大事なのは、現代日本で普通の食事をしている人が、カルシウム不足だけでキレ散らかすケースはかなり考えにくいという点。カルシウムは体内で厳密に調整されていて、不足してもすぐに性格が変わるわけではありません。
怒りやイライラは、心理・環境・発達・睡眠・ストレスの影響が圧倒的に大きいものです。だから「キレやすい=カルシウム不足」というのは、原因の切り取りが雑すぎる、というのが川上さんの答えです。
カルシウムは神経の興奮の伝達と抑制の両方に関わり、極端な不足で痙攣や神経過敏が起きうる
「キレる=カルシウム不足=牛乳を飲め」という短絡。普通の食事の人には当てはまりにくい
心理・環境・発達特性・睡眠・ストレス耐性などの組み合わせ
牛乳にできること、できないこと
では太田くんはどうだったのか。川上さんは「大量に牛乳を飲み、それでもキレ、嘔吐してもキレていた」時点で、これはもうカルシウムの管轄外だと結論づけます。
牛乳は人格形成を肩代わりできません。
とはいえ「牛乳は意味がないの?」というと、それも違う、とすぐにフォローが入ります。ここが誤解してほしくないポイントです。
牛乳はカルシウム・タンパク質・ビタミンB群などを含む栄養価の高い食品で、不足している人が補えば「なんとなく調子がいい」と感じることはあります。ただし、それはイライラを直接止める薬ではなく、体調を整える一要素だということです。
本当にイライラしている人に必要なのは、寝る・環境を変える・話を聞いてもらう・ストレス源を減らすこと。こっちのほうが牛乳7本よりはるかに効く、と川上さんは言い切ります。
川上さんは「笑いながらちゃんと考えさせられた、いい質問だった」と締めくくり、牛乳のできること・できないことを正しく理解するほうが、牛乳にも人にも優しいと話していました。
まとめ
チーズや代替肉の話から、名物レターへの回答まで、笑いながらも真面目に考えさせられるコメント返し回でした。「牛乳でキレなくなる」という身近な言い伝えを、酪農家が科学と実感の両面から丁寧にほぐしていきます。
- カルシウムは神経に関わるミネラルだが、牛乳は怒りを鎮める鎮静剤ではない
- 現代日本で普通に食事している人が、カルシウム不足だけでキレるケースは考えにくい
- イライラの主因は心理・環境・睡眠・ストレスなどで、対処は「寝る・環境を変える・話を聞いてもらう」ほう
- 牛乳は栄養価の高い食品で体調を整える一要素だが、人格形成や怒りを肩代わりはできない
- 代替肉は海外で急速に改良が進み、今後5年ほどで市場に出てくる可能性があると川上さんは見ている
