蒸し暑い牛舎から、今日のニュースへ
配信は島根県出雲市の小さな牧場から。6月21日土曜日、この日は曇りで湿度が高く、最高気温は31度という蒸し暑さでした。
牛たちは暑さで餌をあまり食べず、配合飼料も進まない様子。川上さんも「これから7月、8月もあると思うと」と、この先の夏を心配しています。
いやもう武士がもうバタバタです。マジで。これからまだあと7月、8月もあると思うと、どうなるんですかね、今年はね。
この日の仕事は、毎週恒例の種付けと育成牛舎の掃除。獣医さんに診てもらったところ、採卵予定の牛には6個ほど卵があったそうで、それに合わせて種付けをする予定と話されています。
そもそもフォアグラって、どうやって作られてる?
この日のニュースは、川上さんの配信ではおなじみの培養肉、細胞性農業の話題です。取り上げたのはフォアグラでした。
フォアグラは、ガチョウに強制的に餌を与えて内臓を肥大させる飼い方をします。そのため、動物福祉の観点から世界中で規制が進んできた食材でもあります。
そのフォアグラが、細胞性農業によって別の形で復活し、増えていく。畜産の課題を、細胞を培養する技術が解こうとしているという点が、この回のポイントです。
日本のインテグリカルチャーが発表した「養殖アヒル」
紹介されたのは、海外メディア「グリーンクイーン」の記事です。タイトルは「日本のフードテックがレストランやスーパーマーケット向けに養殖アヒル製品を展示」というもの。
記事によると、日本初の培養肉企業インテグリカルチャーが、アヒルの肝細胞を使った試作品や製品をいくつか発表したそうです。
発表されたのは、レストランのメニューとして4品、パッケージ商品として3品。培養肉技術を応用して細胞を培養し、フォアグラの味を再現しているとのことです。
味や食感、栄養面で天然にかなり近づくと言われていて、環境負荷はアヒルを育てる従来の方法に比べて低く、水や飼料を効率的に使えるのが特徴だと紹介されています。
メリットと課題、そして「これは肉なのか」問題
展示イベントでは、レストランやスーパー向けに試作品を公開し、試食会やデモンストレーションも開催。業界関係者からの反応も上々で、見た目や香り、調理しやすさが評価されたそうです。
メリットとしては、天候や輸入に左右されず国内で生産できること。フォアグラは輸入品ばかりなので、この点は大きいと川上さんは話します。
課題として大きいのが、消費者の心理です。これは肉なのか、肉として受け入れられるかは未知数だと、川上さんは慎重に語ります。
以前この配信で扱った昆虫食のように、批判が多かったりSNSで炎上したりすると、評価は一瞬でひっくり返ってしまう。遺伝子組み換えの議論なども同じだと振り返ります。
あんな感じにならなきゃいいなとは思ってますけども。
海外はすでに市場へ、日本はまだ食べられない
気になるのは、海外の進み具合です。記事によると、培養フォアグラはすでに市場に出回っています。
オーストラリアのVOW社は、シンガポールのレストランにフォアグラを販売し、香港でも販売許可を取得。これまでに5,500万ドルを調達し、オーストラリアとニュージーランドでも予備承認を取得しているそうです。
もう一社、フランスのジャージャーメイ({要確認: Gourmey})という会社は、昨年ヨーロッパで初めて認可申請を行いました。
この会社はイギリス、スイス、アメリカ、シンガポールにも同時に申請し、投資家から5,800万ドルを調達。2026年までに養殖鴨肉をフォアグラとして市場に投入することを目指しているとのことです。
一方で、日本ではまだ培養肉を食べることができません。政府による法規制が少しずつ進んではいるものの、国内の開発は進んでいても口にできない状況が続いています。
川上さんは、日本の消費者からも「食べたい」「認可してほしい」という声が上がれば、日本の食の幅が広がるのではと呼びかけています。
お便りコーナーと、6月30日発刊のKindle本
後半はお便りコーナー。前日に牧場へ立ち寄った業者の方から、快く対応してもらったお礼のコメントが届きました。次は川上牧場Tシャツを着て行くと書かれていて、川上さんは照れ笑いです。
グッズ展開してるの着て営業へ来られたらどんな顔をすればいいんですか、僕は。恥ずかしくて恥ずかしくて。
別のリスナーからは、牛の第一胃「ルーメン」について「ルーメンって光量?ルーメンが発酵する、で覚えやすいかも」というコメントも。
川上さんは、ルーメン発酵の発酵は漬物などが発酵するのと同じイメージで、光の単位のルーメンとは別物だと補足しつつ、覚え方としては面白いと受け止めていました。
お知らせも盛りだくさんでした。6月30日には、酪農未経験者に向けたKindle本「酪農未経験者のために」を発刊予定。川上さん自身が子どもの頃、何から勉強すればいいかわからなかった経験から生まれた一冊だそうです。
さらに6月は牛乳月間として「#牛乳で歌おう」企画も実施中。オープニングで流れる「牛乳で乾杯」を歌ったり踊ったりしてSNSに投稿すると、プレゼントが当たるそうです。
- #牛乳の日
- #ワールドミルクデー
- #牛乳で歌おう
まとめ
蒸し暑い牛舎の様子から始まり、細胞性農業で復活しつつある培養フォアグラの話題まで、酪農家の視点でやさしく語られた回でした。海外ではすでに市場が動き始めている一方、日本ではまだ食べられない現状も見えてきます。
- フォアグラは動物福祉の観点から規制が進む食材で、細胞性農業による代替が注目されている
- 日本のインテグリカルチャーがアヒル由来の培養フォアグラ試作品を発表し、レストラン向け4品・商品3品を展示した
- 海外ではVOW社やフランスのジャージャーメイが承認取得や資金調達を進め、市場化が進行中
- 日本は法規制が追いついておらず、開発は進んでも消費者はまだ食べられない
- 6月30日にKindle本「酪農未経験者のために」を発刊、「#牛乳で歌おう」企画も実施中


