牛乳の陰謀論はなぜ書かれるのか
最初に紹介されたのは、YouTubeネームのメイプルさんからのコメントです。「食べ物は敵同士じゃない。それぞれに長所があるのに、なぜ牛乳と争う記事を書くのか」という内容でした。
川上さんは、その理由をはっきりと語ります。牛乳が体に悪いという記事は、注目が集まりやすいのだそうです。
牛乳のこの陰謀論、牛乳体に悪い論を書くと、もうインプレッションが伸びるからです。燃やしやすい題材っていうのもあったりするかもしれないですけど、まあちょこちょこありますよね。
川上さんは、いわゆる「四毒」と呼ばれる考え方にも触れました。砂糖、小麦粉、お米、牛乳を毒とみなす見方があるといいます。
ただ川上さんは、これらこそが人類の繁栄を支えてきたものだと話します。とはいえ、いろいろな考え方があるとして、疑問があれば牛乳のことは牧場に質問してほしいと呼びかけました。
作る人がいても、飲む人がいなければ続かない
同じくメイプルさんからは、「酪農は大変でも、作った牛乳を飲む人がいなくなったらもっと辛い」というコメントも寄せられました。
川上さんは深く同意しつつ、コロナ禍で多くの酪農家がこれを実感したのではないかと振り返ります。それでも、自分の経営だけを考えて搾り続けたい酪農家も少なくないといいます。
その背景には、酪農特有の制度があります。牛乳は指定団体を通じてまとめて集められ、まとめて販売される仕組みになっているのです。
この構造では、一人が売上を大きく伸ばしても、みんなが良くなるわけではありません。だからこそ全体最適を求めないと産業が潰れてしまう、と川上さんは指摘します。
生産と販売が別々のまま、消費者は減っていく
北海道で酪農を営むstand.fmネームのサイロさんからは、系統外の乳業メーカーや取引交渉のリアルさについてコメントが届きました。
川上さんは、これまでの構図を整理します。酪農家が生産を頑張り、メーカーや指定団体が販売を頑張る。生産と販売が別々に分かれ、それぞれが努力する形です。
しかし根本の問題は、その先にいる消費者が減り続けていることだといいます。人口が減り、牛乳を飲む人も減っていく中では、この仕組みは長続きしないと話します。
酪農家はなんで売れないんだっていうし、乳業メーカーさんは牛乳ちょっと絞らないでくださいよっていうし。ここがね、本当に不毛なんで、もうちょっと変えないといけないよと思ってますけども。
一方で世界に目を向ければ、経済が豊かになり牛乳を飲む人が増えている地域もあります。タンパク質不足という課題も含め、解決の余地はあると川上さんは考えています。
マクドナルドで牛乳を選ぶのは「偉い」のか
stand.fmネームのブーさんからは、少し肩の力が抜けるコメントが届きました。マクドナルドのセットで飲み物を牛乳にしたが「偉いですか?」という質問です。
川上さんは素晴らしい選択だと答えつつ、本音も明かします。ジャンクフードを食べるときは、やはり炭酸が飲みたくなるというのです。
これ本当に酪農家ですけど、やっぱり炭酸が飲みたいです。コーラかな。あとはペプシとかジンジャーエールとか、あれの方が美味しいな。
川上さんは、ジャンクフードを食べるときに健康を気遣う人は少ないという説にも触れました。だから無理に我慢せず、牛乳も炭酸も両方頼めばいいと語ります。
争うのはダメです。食品で争うのはダメです。両方取りましょう。
“命の授業”は学校でどこまでやるべきか
この回で最も深いテーマになったのが、学校での“命の授業”についてです。教員だという「よしだま」さんから、追加のコメントが寄せられました。
そこには、教育現場の変化が具体的に書かれていました。生活科や理科では昆虫や卵から成虫までを扱うものの、カエルやフナの解剖はしなくなったといいます。
さらに、以前は高校であった鶏やウサギの解剖もなくなり、死と向き合う機会が減っていると指摘します。それでも、パックになる前の姿を伝えることが大事だという思いが綴られていました。
それでもパック前の姿、特に温度や匂い、動きがあることに折に触れて子供たちに伝えることが大事だと私は思います。
川上さんは、この問いの難しさを率直に語ります。教育として動物を扱うのは大切でも、その命のリスクを誰が負うのかが問題になるからです。
だからこそ、学校だけの問題ではないと川上さんは言います。地域の畜産農家や関係機関の協力がなければ、実現は難しいという考えです。
一方で、生き物の死に触れずに育つ子どもたちがどうなっていくのか、川上さんは怖さも感じています。動物の死を感じないことが、人への優しさにどう影響するのかという問いです。
川上さん自身は、動物は大好きでも人の気持ちはよく分からないと正直に打ち明けます。それでも、やるかやらないかなら、やった方が子どもにいい影響があるはずだと話しました。
やるかやらないかだったら、やった方がやっぱり子供たちにはいい影響があるのかなと思うので、引き続き酪農教育ファームという活動を頑張って続けていきたいなと思ってます。
まとめ
日曜恒例のコメント返しから、牛乳をめぐる誤解や流通の仕組み、そして学校での“命の授業”まで、酪農家ならではの本音が語られた回でした。作る側と食べる側の両方を見つめる姿勢が一貫しています。
- 牛乳の陰謀論が広まるのは、注目が集まりやすいからだと川上さんは指摘します。
- 一元集荷一元販売の仕組みは需給を安定させる一方、長期的には見直しが必要だと考えられています。
- 食品同士を争わせるのではなく、牛乳も炭酸も両方楽しめばいいという柔らかな姿勢が語られました。
- “命の授業”は学校だけでなく、地域の畜産農家や関係機関の協力があってこそ成り立つものだとされています。
- やるかやらないかなら、やった方が子どもにいい影響があるとして、酪農教育ファームの活動を続けたいと話しました。
