酪農家戸数が9千戸割れ?危機的な現状
日本農業新聞に、酪農家戸数が9千戸を切るのではないかというニュースが出ていると紹介されました。
2025年に1万戸を割り込んだばかりで、1年間で千件が辞めている計算になります。1日に2〜3件のペースで酪農家が減っているということです。
一方で、戸数は減っても生産量そのものは維持されていると話されています。
この美味しい牛乳を、次の世代にも飲めるようにしたいんですよね、僕は。地元の牛乳を地元の方に飲んでもらって、子供たちがいつでもどこでも牛乳や乳製品を飲める。そんなのを続けていきたいなと思ってるんで。
海外の生産技術や流通技術も上がっているため、輸入でも美味しい牛乳は届くかもしれないと前置きした上で、それでも地元の牛乳を地元で飲んでもらいたいという思いが語られました。
ジャージーとホルスタインは一緒に飼える?
YouTubeネームのメイプルさんから、ジャージーとホルスタインは一緒に飼えるのかという質問が寄せられました。フリーストールだと体の小さいジャージーはいじめられるのでは、という心配です。
川上さんは酪農ヘルパーの経験から、ジャージーをフリーストールで飼っている牧場もあったと答えます。
その子は好奇心が旺盛で、小さな体でもホルスタインに負けずに餌を横取りするほどだったそうです。性格は牛によると話されています。
ただしジャージーは太りやすく、種がつきにくい太りすぎると発情や受胎に影響が出やすく、次の妊娠・出産につながりにくくなることを指しますという課題があります。ホルスタイン用の餌は濃く、それで太ってしまい悩んだこともあるそうです。
個体ごとに餌を管理すればなんとかなるものの、できれば別飼いしてあげるのがよいという結論でした。
でもいろんな牛がいると本当に楽しいですよ、牛舎に出るのが。僕もやりたいな、ほんとジャージー飼いたいし、ブラウンスイスも飼いたいなとか思ってますね。
冬の牛乳はなぜ美味しくてお買い得なのか
TikTokネームのマユさんから「冬は美味しいイメージがあります」というコメントが届きました。
川上さんは、冬の牛乳が美味しいとわかっている人は本当に違いがわかる人だと反応します。夏に比べてかなり濃い牛乳になるそうです。
ただし冬は牛乳を飲む人が少なく、需要と供給のバランスが崩れがちだといいます。そのぶん濃い牛乳が安い価格で売られているため、お買い得だと勧められました。
続いて田中章さんからは、水臭い牛乳もあればしょっぱく感じる牛乳もあって、飲み比べると面白いというコメントが。
川上さんは、水っぽいと感じるものは牛乳ではなく乳飲料や加工乳、還元乳の可能性があると指摘します。
牛乳パックの上の切り込みがあるやつが牛乳ですので、ぜひそこをちょっと見てもらって。
しょっぱく感じるのは、体細胞が高いと乳糖が下がるためだと説明されました。季節の変わり目にも出やすく、これも牛乳の楽しさや美味しさとして受け止めてほしいと話されています。
学校給食から牛乳がなくなったら?
TikTokネームのヒデさんから「学校給食から牛乳がなくなったら飲む人いなくなるよね」というコメントが寄せられました。
川上さんは、中高生の9割はそのまま牛乳を飲まず、家庭でも3分の1が飲まないというJミルクのアンケートを紹介します。
給食からなくなれば飲む人はさらに減るだろうとしつつ、それでも習慣は大事だと強調されました。
牛乳を飲まない習慣が健康や病気につながる可能性は、まだ十分に調べられていないものの、必ずあると考えていると話されています。基礎栄養の基盤として牛乳を使ってほしいという願いです。
農場に外部の人を入れることと防疫のリスク
YouTubeの恒例キンさんから、外部の人の受け入れについてのコメントが届きました。農家の家で育ったため病気の侵入が怖く、口蹄疫などで周りの農場に迷惑をかけないよう、基本的によその農場には入らないという内容です。
川上さんは、農家はこうした防疫意識を持って他の牧場に入らないよう気をつけていると応じます。一方で消費者は動物園や観光牧場のような感覚で、受け入れ体制の整っていない牧場に入ってしまうことが毎年どこかで起きていると話されました。
川上牧場は酪農教育ファーム牛や酪農に触れる体験学習を受け入れる牧場を認証する制度です。安全や衛生の基準を満たしているかが定期的にチェックされますの認証を受けており、3年に1回農場がチェックされるそうです。
専用の防護ブーツや防護服、牛舎に入る人向けの長靴などを準備して対応しているといいます。
それでもリスクは残るため保険にも入っていますが、すべてを禁止すると子供たちの体験の場がなくなってしまうと語られました。
できる限り自分の可能な範囲でね、やってはいきたいなと思ってるんで。これ本当に理解してもらうのが大事なんで、周りの牧場とか、コミュニケーションとか関係機関との連携も本当に大事になってきます。
酪農家が辞めたら、牛はどうなる?
Instagramの船田さんから、昔牛を飼っていたが辞める際に近所の牧場に引き取ってもらった、という経験に基づくコメントが届きました。
川上さんは、近所の牧場に引き取ってもらうのが一番多いルートだろうと答えます。
ただし辞める理由はさまざまで、餌代が払えず牛が痩せてしまい、他の牧場も引き取れないというケースもあると話されました。綺麗に辞めたいと思いつつ、そうはいかない状況にもなっていると、苦しい胸の内が語られています。
野生の牛はいるのか、酪農家目線の答え
noteのヨシダマさんから、鹿児島の口之島には野生の牛がのびのび生きていた、沖縄の石垣島にも近年野良牛が出始めている、というコメントが寄せられました。ホルスタインのように改良が進んだ種は野生では生きていけないだろう、とも書かれています。
川上さんは、口之島の牛は「ここから先は野生の原種なので入らないでください」というバリケードで人間が入れないように保護されていると説明します。
保護してる時点でもう野生ではないと僕は思ってまして。人間が研究の一環としてそういうエリアを作っている時点で、自然な動きではないですよね。
ガラパゴス諸島も人間が介入しないようにしている時点で、それはもう自然ではないのではないかと個人的な考えを述べます。広々とした放牧場で人の手がかからない牛も、やはり家畜だという見方です。
野生の鳥を見つけても保護のためにバリケードは張らない、という例を挙げながら、人間が管理した時点ですでに自然ではないと話が展開しました。
最後は不思議な余韻を残しつつ、リスナーはどう思うかをぜひ教えてほしいと呼びかけて締めくくられました。
まとめ
日曜恒例のコメント返し回として、牛の飼い方から牛乳の選び方、防疫、そして「野生の牛」をめぐる問いまで、リスナーの疑問に酪農家目線で一つずつ答えた回でした。
- 酪農家戸数は1万戸を割り、1日2〜3件のペースで減少しているが、生産量は維持されている
- ジャージーは太りやすく種がつきにくいため、飼うなら個体管理か別飼いが望ましい
- 冬の牛乳は濃くて美味しいが飲む人が少なく、そのぶんお買い得
- 牛乳パックの切り込みが牛乳の目印で、水っぽく感じるものは乳飲料や加工乳の可能性がある
- 保護された口之島の牛も家畜の一種であり、人間が管理した時点で野生とは言えないという川上さんの見解
