和牛の赤ちゃん誕生と、伸び続ける分娩動画
この日は1月18日の日曜日。前日には黒毛和牛のメスが無事に生まれたことが報告されました。
お母さん牛の陣痛が弱かったため引っ張り出したそうですが、母子ともに健康。しっかりミルクも飲んでいるとのことです。
日曜恒例のコメント返しのコーナーでは、1週間に寄せられた質問やコメントに答えていきます。今回はTikTokで伸びている話題を中心に取り上げるため、少し長めの回になりました。
きっかけは、1月3日に分娩した逆子お腹の中で赤ちゃんの向きが通常と逆になっている状態。出産の難易度が上がることが多い。のホルスタインのオスの様子を、分娩用の監視カメラで撮った動画。これをいろんなSNSに上げたところ大きく伸びました。
坂後ベイビーも苦しいですが、お母さんもお疲れ様でした。本当に出産は命懸け。
これはTikTokネームのイイサンさんから寄せられたコメント。川上さんは「分娩は命懸け。これはどの生き物も一緒ですね」と応じます。
TikTokのリール動画は44,000回再生され、最初の1週間は通知が止まらなかったそう。ただ、お母さんや子牛が事故で亡くなる場合もあるため、センシティブな内容は選びながら上げていきたいと話されています。
どの飼い方にも長所と短所がある
続いては、飼い方をめぐる酪農家からのコメント。研修生との配信で、つなぎ牛舎やフリーストール、放牧の話をしたことへの反応です。
どの飼い方にも必ず長所と短所はありますよね。うちはフリーストール牛舎で飼っていて、アニマルウェルフェアの目線では自由に動けるのはいいことですが、牛は上下関係を作る生き物なので、強い子にいじめられて転んで足痛めたとかトラブルは起きますよ。
これはYouTubeネームのメイプルさんからのコメント。川上さんは、放牧には牧歌的でいいイメージがある一方、つなぎ牛舎は動物福祉の観点であまり良くないと言われることがあると触れます。
そのうえで「どの使用スタイルにも長所と短所がある」と話し、実際の酪農家からこうした声が届くのはリスナーにも参考になると歓迎していました。
「動物で金稼ぎ」という批判が届いた
ここから話題は、TikTokライブでの餌やり配信をめぐる批判へ。川上牧場では、視聴者がギフトを送ると牛に餌をあげられる配信をしていました。
ギフトで牛さんに餌じゃなくて、自分の魅力で配信しないんですか?ギフトが飛ばないから牛さんを使うんですか?
これはあるリスナーから寄せられたコメント。プライバシー保護のため名前は伏せられています。
その方は自身の配信で「川上牧場は最低な野郎だ」「動物で金稼いでいる」といったことを話しているそうで、それを見たリスナーから川上さんへ心配のDMが多数届いたといいます。
川上さんは「間違ったことをしているような感じではない」と受け止めつつ、誤解を解くために内容をまとめて丁寧に説明していきます。
ルールと法律から見た餌やり配信
まず川上さんが確認したのは、TikTokの規約上の問題です。
TikTokには「ギフトを送ってくれたら◯◯します」という交換条件を提示する行為が、不適切な誘導と見なされるリスクがあるとのこと。生成AIが検知し、アカウント停止やギフト無効化につながる場合もあります。
次に日本の法律の観点。川上さんは複数の法律を挙げつつ、一般的な酪農家が行う場合はクリアできるものが多いと整理します。
| 観点 | 内容 | 川上牧場の場合 |
|---|---|---|
| 動物愛護管理法 | 展示・触れ合いの登録が必要なのは哺乳類・鳥類・爬虫類 | 産業動物は除外され、登録は不要な可能性が高い |
| 賭博罪 | 偶然で餌が当たる抽選は疑いあり | ギフト=確定した餌やりなので該当しない |
| 軽犯罪法 | 同情を引いて金品を乞うのは違法 | 餌やり体験というサービス提供のため該当しない |
| 景品表示法 | おまけや懸賞は規制の対象 | 直接取引のため景品規制には当たらない |
ここで川上さんは、川上牧場が酪農教育ファーム牧場を使って食育活動や命の大切さを伝える、全国の酪農家による団体の認証制度。講習会を受ける必要があります。の認証を受けていることにも触れます。SNSで消費者とつながる活動の一環として、この配信を行っていると説明しました。
愛玩動物と産業動物、動物愛護の違い
一方で川上さんは、TikTokのガイドライン上、ギフトと餌やりを結びつける言い方には不適切な部分もあると認め、今後は文面を変えていくと話します。
ご指摘していただいた方、ちょっと改善していきますので、また来ていただけたら嬉しい。
そのうえで、批判の背景にある動物愛護の誤解にも向き合います。ポイントは、動物愛護のルールが動物の種類によって違うということ。
犬や猫などのペット。動物愛護の登録や規制の対象になる
豚・鶏・牛など。アニマルウェルフェアという動物福祉のルールに沿って飼育される
川上さんが飼っているホルスタインは産業動物という括り。アニマルウェルフェアに遵守した形でやっていると説明します。
餌やり配信についても、餌の時間に合わせて行っており、牛はお腹いっぱいになると食べなくなると補足。「もっと食えよ」と無理に食べさせているわけではないと話しました。
そのうえで「どこが違うのかしっかり教えてもらえたら改善する」と、批判にも開かれた姿勢を示していました。
まとめ
分娩動画の反響から餌やり配信への批判まで、川上さんが一つひとつ丁寧に答えた回でした。愛玩動物と産業動物では動物愛護のルールが違うという視点が、誤解を解く鍵になっています。
- 黒毛和牛のメスが無事誕生し、母子ともに健康
- 飼い方には放牧・つなぎ牛舎・フリーストールそれぞれに長所と短所がある
- ギフトで餌やりする配信は、規約・法律の両面から整理された
- 愛玩動物と産業動物では動物愛護のルールが異なり、牛はアニマルウェルフェアに沿って飼育されている
- 批判や誤解には向き合い、指摘があれば改善していく姿勢が示された
