リスナーの質問と今日のテーマ
今回の配信は、リスナーからの質問に答える回です。
栄養補助食品やトクホの中には、カルシウムの吸収率を上げる、カルシウムが取れる、とうたう商品があります。
そうした商品と牛乳の関係はどうなのか、という質問が寄せられました。
川上さんは、実際に研究や論文を調べたうえで答えていくと話しています。
カルシウムのサプリメントの吸収率を上げる食事などはありますか?私は牛乳で足りない分を摂りたいです。毎日骨ケアMBPは曲者のネットCMだと思っています。原材料にカルシウムは入っていないのに、CMでは牛乳に置き換えても良いと勘違いを引き起こすCMになっています。少しひどいのではないかと感じています。
骨は「作って終わり」ではない
川上さんはまず、大前提として骨の仕組みから説明します。
骨はコンクリートのように一度作ったら終わりではありません。毎日、古い骨を壊して新しい骨を作り直しているそうです。
つまり骨は生きている組織だ、というのがポイントです。
カルシウムだけ入れても、工事現場の職人さんが働いていなければ骨は強くならない。ここは重要なところなので覚えておいてほしいですね。
MBPとは何か、牛乳との役割の違い
続いて、CMでよく見るMBPが何なのかを説明します。
MBPはミルクベーシックプロテインの略で、乳塩基性タンパク質と呼ばれます。
これはカルシウムそのものではありません。だから原材料にカルシウムが入っていないという指摘は間違いではない、と川上さんは言います。
ただしMBPの役割は、カルシウムを入れることではなく、骨を作る細胞を元気にして、骨を壊しすぎる細胞を抑えることだそうです。
いわば骨の工事現場の管理者のような役割だと説明されています。
ここで川上さんが強調するのが、牛乳とMBPは対立ではなく、役割が違うという点です。
カルシウム、タンパク質、リン、ビタミンなど骨の材料をバランスよく含み、手軽に飲める
材料をどう使うかという骨代謝側にアプローチする機能性成分
だから本来は牛乳VS MBPではなく、牛乳プラス骨代謝サポートという考え方の方が科学的には自然だ、と話されています。
カルシウムの吸収率を上げる4つのポイント
では、寄せられた質問の本題である「カルシウムの吸収率を上げるには」という点です。
川上さんは、効率よくカルシウムを使うために大事なことを4つ挙げています。
一度に大量のカルシウムを入れると、体が一定の数値を保とうとして外に出そうとするため、分けてとる方がよいと説明されています。
運動については、牛も同じだと川上さんは言います。寝てばかりいる牛は骨や足が弱くなりやすいそうです。
牛乳は万能薬でも悪者でもない
一方で川上さんは、牛乳だけ飲めばOKでもない、とも言います。
栄養、運動、睡眠、ホルモン、日光など、すべてが関わっているからです。
なので牛乳を悪者にするのも違うし、牛乳を万能薬にするのも違います。ここは酪農家として冷静にお話ししたいところかなと思います。
質問にあったCMの表現については、見る人によっては牛乳に置き換えてよいと感じる可能性はある、と認めています。
ただしMBPそのものには、実際に研究されてきた骨代謝への作用があるとも話されています。
だからインチキというわけではなく、何をしている成分なのかが伝わりにくいことがCMの問題なのではないか、という見方です。
酪農家として伝えたい牛乳の価値
川上さんは、牛乳は単にカルシウムをとって骨を強くするための飲み物ではない、とまとめます。
カルシウムだけでなく、タンパク質、乳糖、ミネラルもセットで入っているのが牛乳の強みだと話されています。
それが全部そろっているからこそ、昔から長く人間の食生活を支えてきた飲み物なのではないか、というのが川上さんの考えです。
最後に、食事の量が取れない人や食事が難しい人は、サプリメントを上手に使って健康を続けてほしいとも話しています。
まとめ
MBP飲料は牛乳の代わりではなく、役割が違う飲み物です。牛乳は骨の材料を、MBPはその材料をどう使うかをサポートする、という整理が科学的には自然だと解説されました。カルシウムを活かすには、ビタミンD、タンパク質、こまめな摂取、運動が大事だと語られています。
- 骨は毎日壊して作り直される生きた組織で、カルシウムを入れるだけでは強くならない
- MBPはカルシウムそのものではなく、骨を作る細胞を元気にし壊しすぎを抑える成分
- 牛乳とMBPは対立ではなく、牛乳プラス骨代謝サポートという考え方が自然
- カルシウムを活かすにはビタミンD、タンパク質、分けてとること、運動が大切
- 牛乳は万能薬でも悪者でもなく、材料がそろった飲み物として冷静に位置づけたい
