牛乳で乾杯から始まる令和8年度最初の配信
配信は島根県出雲市の小さな牧場から届けられています。スーパーやコンビニでいつでも買える牛乳、その魅力や酪農の魅力を酪農家が語る放送です。
この日は4月1日、令和8年度の初日でした。新生活や新社会人を迎える人たちへ、川上さんはエールを送ります。
本当に粉になるほど働こう。働いて働いて働いていこう。頑張っていこう。令和8年度もやっていきます。
この日の予定は繁殖検診の処置、堆肥の配達、そして酪農雑誌からの取材対応でした。取材テーマは、3月の酪農DXサミット酪農分野のDX(デジタル化)をテーマにした催し。川上さんはここでAI活用について話したと述べています。で話した酪農とAIの掛け合わせだといいます。
乳価が上がらないこと、脱脂粉乳の積み上がりを解消するための拠出金の話など、業界には明るくないニュースも続いていると触れられます。
皆さんが成分無調整牛乳をコップ1杯、1日1杯飲む人が増えてくれるっていうのが本当に大事になってきてます。
乾杯のあとには、エイプリルフールらしい小さな仕掛けも挟まれました。
まずい。ちょっとエイプリルフール出してみました。嘘嘘嘘嘘。めちゃめちゃうまいです。
リスナーから届いた「乳牛と肉牛は育て方が違う?」
お便りコーナーでは、配信アプリのPOPOPOに届いた質問が紹介されます。POPOPOネームのニッシーさんからの初めての質問でした。
乳牛と肉用牛ですと、育て方も違うものでしょうか?
川上さんは酪農家なので、専門は乳牛です。ただ、牧場には黒毛和牛も4頭ほどいると話されています。
これは、黒毛和牛の母牛から受精卵を採り、ホルスタインに移植して産ませる方法によるものです。いわば代理母出産のような形です。
そのため川上さんは黒毛和牛の生産も手伝っており、和牛側の話もできる立場から答えていきます。
結論は「めちゃめちゃ違う」、でも本質はシンプル
質問への結論は明快でした。育て方は大きく違う、というものです。
結論から言うとめちゃめちゃ違います。でも本質はシンプルで、目的が違うから、その育て方も変わるということですね。
一番大きな違いは「仕事」だといいます。乳牛の仕事は牛乳を出すこと、肉牛の仕事はお肉になることです。
この目的の違いがあるからこそ、餌も管理も、そして牛の一生も変わってくると説明されます。
仕事は毎日牛乳を出すこと。安定して出し続けることが求められます。
仕事はお肉になること。体を大きく育て、おいしく仕上げることが求められます。
乳牛は「毎日働くアスリート」
乳牛の育て方から解説されます。乳牛は毎日牛乳を出すため、いくつかのことが重視されると話されています。
川上さんは、乳牛を消費者にイメージしてもらいやすいたとえで表現します。
毎日働くアスリートみたいな感じだと受け取ってもらえたらいいかなと思います。
だからこそ、安定・継続・効率が大事で、長く飼うことや毎日搾乳することも乳牛ならではの特徴だと語られました。
肉牛は「短時間で仕上げるボディメイク」
一方、肉牛の最終ゴールは体をなるべく大きくし、そのお肉がおいしいことです。肉牛で大事なのは、体重を増やす増体、サシなどの肉質、柔らかさ、そして出荷のタイミングだといいます。
肉牛のたとえは、乳牛とは対照的なものでした。
短時間で仕上げるボディメイク、ボディビルダー、まあちょっと形は違うけど、そういう感じですかね。
特に和牛は脂の質をコントロールするため、飼料設計がかなり特殊だと補足されています。
餌は真逆、でも共通点もある
リスナーが一番気になるであろう餌の違いにも触れられます。乳牛は草の繊維と配合飼料のエネルギーのバランスが大事で、毎日健康を保つために牛の第一胃を安定させることが重要です。
対して肉牛はエネルギー多めの餌で、太らせる方向に設計されます。同じ牛でも飼料設計は全く真逆だといいます。
繊維とエネルギーのバランス重視。第一胃を安定させ、健康を保ちます。
エネルギー多めの餌で太らせる方向へ。脂の質までコントロールします。
ただし共通点もあると強調されます。どちらも水や清潔な環境、ストレスを減らすことが大切だという点です。
肉牛の「健康と肥満」のギリギリのライン
質問に答えたあとも、川上さんは補足を続けます。肉牛は太らせる=肥満にしていく仕事ですが、健康との両立が難しいといいます。
途中で不健康になると餌を食べなくなり、体が大きくならないため、不健康にならないよう健康に飼うことがギリギリのラインだと話されました。
乳牛は健康に飼うほど乳量が出ますが、その分カロリーが消費されて体が痩せていきます。だから増えた乳量を補う飼料設計が必要になります。
しかし食べられる量には限りがあるため、餌の品質を上げたり環境を変えたりと、乳量が出るほど管理はシビアになっていくと語られました。
乳量が増えるほど体が痩せる。限られた採食量の中で栄養を補う工夫が必要です。
太らせつつ不健康にしない。健康と肥満のギリギリのラインを見極めます。
配信の後半では、別のリスナーから「繁殖検診って何ですか?」という質問も届きました。
乳牛は赤ちゃんを産まないと牛乳が出ないため、種付けをして出産させます。繁殖検診では、妊娠しているかの確認や、産める体になっていない牛への治療などを行うと説明されます。
なるべく早く妊娠させないと乳量が減ってしまう一方、体が回復していないと妊娠できません。夏になると受胎しにくくなるため、涼しいうちに妊娠させたいという事情も語られました。
まとめ
乳牛と肉牛は、目的が違うから育て方も大きく変わる、というのが今回の答えでした。乳牛は出し続ける仕事、肉牛は仕上げる仕事。それでも本質は、牛に合った環境を作ることにあると語られています。
- 乳牛の仕事は牛乳を出すこと、肉牛の仕事はお肉になること。目的の違いが育て方を決めます。
- 乳牛は毎日働くアスリート、肉牛は短時間で仕上げるボディメイクにたとえられました。
- 餌の飼料設計は真逆でも、水・清潔な環境・ストレス軽減という共通点があります。
- 乳牛も肉牛も、健康と目的の両立を探る「ギリギリのライン」の管理が求められます。
