「ビクティム」を合いの手にできないか
番組の冒頭、二人はある企画を思いつきます。ニュース番組の「熱盛」や芸人の決まり文句のように、番組名の「ビクティム」を会話の合いの手として使えないかというアイデアです。
todayは、GAKUの発言に対して「うわぁGAKUさんビクティム」とツッコむような使い方を提案します。誰かのファッションへの執着や熱量に対して差し込む言葉のイメージです。
それは俺、すでにもう実社会で言われてるよ。
GAKUによると、限定アイテムを裏口ではなくちゃんと並んで買う姿勢が、周囲から「ビクティムですね」と言われるのだといいます。番組名の由来にも通じる話です。
普通の人たちからすると、俺たちのこのファッションアイテムに対する姿勢は、まさに犠牲者のように見える。
この日は3月8日の日曜日で、前日は暖かかったのに当日は激寒。そんな中でtodayは短パンにウエスコのブーツという格好で、GAKUはその「絶対領域」に北風が吹き込む様子を面白がります。
珍しい505とコムリのフリース、そして春の色
この日GAKUが履いているのは、めったに履かないリーバイス505。藤原ヒロシのグッドイナフ ── 藤原ヒロシが手がけたブランド。ストリートファッションに大きな影響を与えた存在で、この回では505ベースのデニムを作っていた点が語られますやエレクトリックコテージで若い頃に愛用していたものの、20代後半以降はしばらく履いていなかったといいます。
今回の505はウエスト40インチにレングス30。太いウエストをギュッと絞って履くと逆三角形のシルエットが際立つという、業界人の間で語られる履き方を試したものです。
太いウエストをギュッと絞って履くって、いろんなね、ファッション業界の人たちが言ってて。
大阪の古着店の505デッドストック祭で手に入れたこの一本を、GAKUは30年ものの糊を落とし、自宅の乾燥機で仕上げました。ただウエストがダボダボになり、todayに写真を送って相談したといいます。
痩せたからですよ。だから前だったら、ちょっと大きいぐらい。今痩せたんでダボダボドットJPになってるんです。
収録前夜、GAKUは大学生の時以来だという「デニムを履いたまま寝る」なじませ方を実践。夜中に2回起きるほど寝づらかったものの、朝には結構馴染んでいたといいます。
上には愛用しているコムリのフリースを着ています。どの店に行っても「どこのですか」と聞かれるほどのアイテムで、洗い込むほど表情が豊かになる一着だといいます。
ティモシー・シャラメが火をつけたMARTY SUPREMEのジャケット
寒さ対策にGAKUが羽織ったのは、映画「MARTY SUPREME」のジャケット。世界中でゲリラ的に販売されたもので、todayはひと目でティモシー・シャラメ絡みのアイテムだと気づきます。
G8はいらないかもしれない。でもそれだけでやっぱ着るのがかっこいいと思います。
価格は税込4万4000円。メルカリでは20万円台、アメリカのSTOCKXでは1着2000ドルなどのプレミア価格がついており、日本ではまだ入手しやすかったといいます。
そもそも「MARTY SUPREME」は、卓球で賭けをして稼いだ実在の人物をモデルにした映画だと、GAKUは紹介します。日本からやってきた選手にティモシー演じる主人公がボロ負けし、日本へ行く金を貯めるために奮闘する物語だといいます。
ティモシーが着る服は何でも話題になり、どこのブランドか調べられます。番組内では、ニックスのチームカラーで特注したバーシティジャケットや、卓球ラケットを入れるクロムハーツのレザーケースなどが例に挙げられました。
クロムハーツのベストと、誰も知らないブランドADON
todayが着ているのは、ティモシーが露出イベントで着ていたのと同じクロムハーツのヘリンボーンのベスト。3年前に実物を見たときは買わず、ずっと後悔していたアイテムだといいます。
超玄人向けのアイテムで、GAKUさん言う通りスタッフがめっちゃ着てるんですよ。
このベストはシーズンものですでに廃番となっており、二次流通でしか手に入らないヴィンテージ状態になっています。ティモシーが着たことで一気に脚光を浴びたアイテムです。
一方、ティモシーが着ていたジャケットのブランドを二人は最初わからず、todayの友人「メガデブさん」がADON ── この回で話題になったイギリスのブランド。土に埋めた生地や日本の泥染め生地を使うなど、独特な加工で服を作る点が語られていますだと教えてくれたといいます。
ADONは、日本の泥染め生地を6か月かけて染めたジャケットや、コーティングを施したスモックなどを展開。価格は数十万円に及び、ほとんどがソールドアウトだといいます。
日本の泥染め生地を使って、しかも6ヶ月泥染め。
結果として、この日の二人はクロムハーツのベストとMARTY SUPREMEのジャケットで、はからずも「ティモシー合わせ」になっていたと確認し合います。
短パン×ロングブーツ、ギャルとギャル男の同居
todayの短パンにウエスコのブーツという組み合わせを、GAKUは「ギャルファッション」だと評します。丈の長いブーツにミニ丈のボトムを合わせるのはギャルの手法だという指摘です。
さらにtodayはパタゴニアのチェックシャツにウォレットチェーン、中はサーマルという構成。GAKUはこれを「ギャル男」だとし、一人の中にギャルとギャル男が同居している状態だと面白がります。
どっちなんだろう?どっちだ?おしゃれかおしゃれじゃないのか、いいのか悪いのか、どっちだどっちだ?
GAKUの提案は、ブーツをやめてビルケンシュトックのボストンにし、ソックスをクロムハーツのラインソックスにするというもの。スケーターのように長い靴下を履く合わせなら成立するという見立てです。
現金レジで50人を抜いたビクティム的争奪戦
ここからは、GAKUがどうやってMARTY SUPREMEのジャケットを手に入れたかの話になります。ポップアップの整理券は木曜にオンラインで配布され、GAKUは出遅れて取れませんでした。
そこでSNSに「行きたい」と投稿し続けたところ、整理券を取れた友人が遅い5時の回を譲ってくれたといいます。1時開始の会場に在庫が多く残っていると聞き、望みをつなぎます。
もう俺ほんと欲しすぎて、5時よりだいぶ手前にパルコの辺りに着いて。
GAKUがこの日一番強調したのは、ギリギリまで情報収集を諦めなかった点です。SNSで店内をレポートする人の情報から、クレカレジが長蛇の列で、現金レジが空いているとつかんだのです。
クレカレジ20人ぐらいずつ、うなぎのように並んでるのに、現金レジ0。
現金をポケットに用意していたGAKUは、4時半の回の人々を含む50人ほどを現金レジで一気に抜き、目当てのネイビーと黒のジャケットを、最後に残っていた自分のサイズのXLで手に入れたといいます。
この一連の顛末を、todayは「ビクティムライフハック」と呼びます。SNSで海外カップルに声をかけたのは伏線ではなく、勝負を分けたのは現金レジの情報だったというオチです。
女子ウケ抜群のシュプリームGジャンと、この番組の締め
GAKUは前回紹介したシュプリームのピンクのGジャン、通称「デニトラ」の女子ウケの良さにも触れます。歌舞伎町でヒコロヒーの店に行った際のエピソードが語られます。
有無を言わさず俺の首のネック裏をグッて持ってタグ見てきましたから。
派手で華やかなアイテムは、遊びに行くときに気持ちがパーッとして良いという話に。todayは映画「国宝」のセリフを引こうとしますが、うろ覚えでいまいち締まらなかったとGAKUに突っ込まれます。
この日の収録はすでに1時間を超え、さらにコメント紹介が続く長丁場になる見込みだと二人は予告します。溜めていた「ご自愛服」のコメントと、ブランド合わせのコメントを紹介していきます。
「ご自愛服」コメント特集で見えた自分の労わり方
ここからは「ご自愛服」をテーマに寄せられたリスナーコメントの紹介です。まずShogoが、寝巻きとして石川さんのキャッシュアンドバルバ ── カシミヤなどの原料にこだわったブランド。この回では、寝巻きとして使えるカシミヤセットアップが紹介されていますのカシミヤセットアップに固定されたと投稿します。
寝巻きとして春、秋、冬はキャッシュアンドバルバのカシミヤセットアップを着ています。パジャマどうしようか問題は長年の悩みで紆余曲折を経ていたのですが、スイカ感が半端なく、購入後はこれに固定されて大変満足しております。
パジャマ選びに二人は共感します。GAKUは静電気が発生する生地は避け、コットン一択だといい、最初からパジャマ目的で服を買える人はかなりの大人だと語ります。
一群持ちしたやつらってそうなってっちゃう。一群選手、そこからジム着になり、ジム着からさらに移行すると部屋着パジャマ着みたいになっちゃう。
続くはっぺえのコメントは、モンベルのメリノウール5本指ソックス。GAKUも同じものを愛用しており、登山家も予備なしで履き続けるほどの快適さだと補足します。
ゴジアイテム、私はモンベルのメリノウール5本指ソックスです。5本指を履くのが面倒という理由で全く履いてませんでしたが、おじさんになり、足の指の冷えから、ものは試しと買ってみたら最後、どハマりし、毎日私の足を護侍しております。
GAKUは、色がグレーと青しかない点にこだわりを見せます。左右のペアが混ざるのが嫌で、グレーと青を分けて買っているという細かなルールを明かします。
フリースの静電気と、スナップTが女性に広がった理由
フリースをめぐるコメントも紹介されます。ソーマは、32年前のグッドイナフやエイプのフリースから始まり、近年のポーラテック ── 高機能なフリース素材の代表的なブランド。この回では、米軍も採用するほどの機能性を持つ素材として語られていますの素晴らしさに気づいて集め始めたと投稿します。
一昨年あたりから近年のポーラテックの素晴らしさに気づいたので、好きなUNDERCOVER、ザシェパード、Supremeなどのアイテムでこの素材を使用しているのを買い集めています。米軍も使用するヘビーデューティーなこの素材は、ネクストヴィンテージマテリアルとしての可能性も感じられます。
GAKUはフリースが好きな一方で、静電気が悩みだといいます。せっかくフリースにこだわって手に入れた矢先に春が来てしまい、この日は着られなかったと残念がります。
スナップTが女性にも広がった背景も語られます。GAKUは、田中シェンがファッション文脈で着たのが火付け役ではないかと見立てます。
シェンさんがファッション文脈で、これ女の人もスナップT着てるみたいになって。その流れを受けてドラマでもああいう風に使われて、一気に女性にも火がついた。
話は、値上がりを嘆く「おじさん」的なコメントへの向き合い方にも及びます。二人は、かつて自分たちも年長者に同じことを言われた側だと振り返ります。
黄ばみ知らずになる洗濯のライフハック
白Tの黄ばみに悩むハマのコメントから、GAKUが自身の洗濯術を披露します。値の張る白Tを買うのをためらう気持ちに、todayも乳首の透けと黄ばみの両面で共感します。
私はそこそこ値段が張る白いTシャツを買うことを躊躇してます。なぜなら、放っておくとすぐ首回りが黄ばむからです。ファミマTくらいならまあ割り切れますが、皆さんはその辺り考えることはあるでしょうか。
GAKUの解決策は、ライオンのナノックスの「シミ・食べ残し」用の青ボトルを黄ばみ部分にジュクジュクに使うこと。襟袖用の赤ボトルはあまり効かないといいます。
さらにシャープの超音波ウォッシャーを組み合わせます。ナノックスを塗った上から超音波で震わせると汚れが分解され、これで落ちなかった汚れは今のところないと断言します。
これで落ちなかった汚れ今んとこないです。俺この組み合わせは強い味方になるかなと思います。
お気に入りの服を並べる時間こそがご自愛
ゆってぃのコメントが、この日の「ご自愛服」テーマの核心を突きます。服をクローゼットから取り出して並べ、写真を撮ったり手入れをしたりする時間そのものが幸せだという内容です。
たまにおもむろに服をクローゼットから取り出して並べ、写真を撮ってみたり、この汚れ落ちそうだなとお手入れしてみたり。ただ服をまとうだけではなく、子供の頃のおもちゃのようなワクワクを感じられるのも魅力の一つだと思います。たまたまそれが服だっただけかもしれませんが、幸せです。
todayもまさに同じ経験をしたと語ります。メルカリで服を売る準備をするつもりが、気づけば手持ちの服をただ出して並べ、畳んでを2時間繰り返していたといいます。
服見たら興奮しちゃって、腕立て伏せやったらさらに興奮しちゃって。朝6時まで寝れなくてサウナ行ってきましたから。
GAKUも、明日のコーディネートを考えるのが楽しみで眠れなくなることがあると共感します。二人にとってはお気に入りの服すべてが「ご自愛アイテム」なのだと結論づけ、この視点をベストコメントに選びます。
トップスかボトムスか。ブランド合わせの「顔と土台」
後半のハイライトは、前回結論が出せなかった「ブランド合わせ」の話です。まずミスターGが、リーバイスのリジット(生糊)は洗って理想形になるかがギャンブルであり、最初から完成されたシルエットのアプレッセと迷ったと投稿します。
洗濯乾燥で理想形になるか、神のみぞ知るギャンブルより最初から完成されたシルエットを選ぶべきではと悟り、抽選をキャンセルしました。ちなみにポロチノにはNewBalance992という縛りがあり、中でもポロチノ×992は究極の組み合わせだと思っています。
続くShogoは、ユニクロの世界観を作る木下崇裕のインタビューを引き、ワードローブがユニクロ8割、エンジニアドガーメンツとアプレッセが各1割という発言に衝撃を受けたと投稿します。
今のワードローブはユニクロが80パー、イージーとアプレセが各10パーとの発言は衝撃で、ずっとそれについて考えています。アプレスには古着やユニクロ等のアノニマスな服にバフをかけ、全体を引き上げる魅力もある気がします。
GAKUは、アプレッセの魅力をバフ ── ゲーム用語で、味方の能力を一時的に高める効果のこと。この回では、アプレッセが周囲の服の魅力を引き上げる役割にたとえられていますにたとえます。自分が主役になるテアトラと違い、アプレッセは周りの服を際立たせる存在だという整理です。
テアトラは俺が俺がなんだけど、アプレッセはみんなでガンガン行こうぜっていう感じになる。
そしてペディのコメントが、議論を一気に前へ進めます。ブランドを「トップスのブランドか、ボトムスのブランドか」で捉えるという視点です。
ロゴやグラフィックでスタイルの顔を作るSUPREMEはトップス重視。一方、COMOLIやAPRESSEは生地の落ち感やシルエットで全体の土台を作るボトムスに圧倒的な強みがあると思います。この顔と土台の役割が合致しているからこそ、直感的にこの組み合わせを正解だと感じるのだと考えました。
ペディは、パタゴニアやアークテリクスがシュプリームと合わせにくいのは、どちらもトップスの象徴性が強すぎて主役同士が喧嘩するからではないかと分析します。ロゴの衝突を超えた「ブランドの重力が上か下か」という力学の話です。
シュプリームなど。ロゴやグラフィックでスタイルの顔を作る。同じレイヤーで主役同士が喧嘩しやすい
コモリやアプレッセなど。生地の落ち感やシルエットで全体の土台を作る。他の服を引き立てる
この視点でGAKUは、シュプリームのボックスロゴTを、生地の良いコモリのコーデュロイパンツと合わせると大人の着方になると腑に落ちたといいます。土台としてのコモリが、粗悪な生地のトップスにバフをかけるという理解です。
話が盛り上がったため、二人はブランド合わせの続きを次回に持ち越すことに決めます。リスナーには「顔と土台」「役作り」を意識した合わせを改めて投稿してほしいと呼びかけて、この回を締めます。
まとめ
今回は、ティモシー・シャラメ絡みのアイテム争奪戦から、リスナーコメントが導いたブランド合わせの新しい考え方までを語り合う回でした。特に「顔と土台」という視点は、二人が長く抱えていた合わせの疑問に一つの答えを与えました。
- MARTY SUPREMEのジャケットは、SNSでの情報収集と現金レジという判断で手に入れた、まさにビクティム的な争奪戦の成果だった
- 寝巻きやソックス、洗濯術など、リスナーの「ご自愛服」コメントから、服を通じた自分の労わり方が語られた
- お気に入りの服を並べて眺める時間そのものが「ご自愛」であり、二人はこの視点をベストコメントに選んだ
- ブランド合わせは「顔(トップス重視)」と「土台(ボトムス重視)」の役割で捉えると腑に落ちるという、リスナー発の新法則が生まれた
- 土台となるブランドが、トップスにバフをかけて大人の着こなしに引き上げるという発想が、二人の合わせの悩みを解いた




