熊本地震を受けて考える防災とファッション
この回は七月二十九日水曜日の収録です。前日の熊本の地震を受けて、いつもと変わらないノリを届けつつアンサーしていきたいという思いから始まります。
テーマは、フジロックのような過酷な屋外環境を想定した夏のファッションです。来年フジロックは三十周年を迎えるという話題も出ています。
横山さんは、地震のニュースを見て、家の中にいられず屋外や車中泊をするケースが多いと感じたと話します。そこから防災とファッションが結びついていきます。
いつもとね、変わらないノリをお届けしたい。我々らしく、ちょっとアンサーしていきたいみたいなところもあって。
ただ備えようとしてもなかなか動けないもので、防災バッグも何年も開けていない、という話に。そこで二人は「物欲」を入り口にしようと考えます。
物欲というものをきっかけに備えよう。機能美のあるものだったらなんか買いたくなっちゃうじゃない。
前回のレインウェア回で語った「機能美」が、フェスでも防災でもフル活用される、という流れです。
ノースリーブは機能美という発見
この日、二人はノースリーブ姿で収録しています。横山さんは大阪・京都出張で、あまりの暑さに袖なしを試したと話します。
京都は盆地で風が抜けず、タクシー運転手が「暑すぎて誰も歩いてない」と言うほどだったそうです。
もう袖いらないわと思って。着てしまえば、灼熱の大阪でも、袖がないだけでこんなに違うの?って驚いちゃって。
横山さんは、熱は脇に溜まると指摘します。体温計を脇で測るように、脇を布が覆わないだけで体感温度が大きく変わると感じたそうです。
我々男性からしたら、袖がないタンクトップの女性を見て「露出が多いな」と思ってましたけど、違う、あれ機能美です。全リスナーのおじさんたちは改めた方がいいですね。
筋トレをしている人はもちろん、していない人も一度着てみてほしい、これを着るために頑張ろうと思えるほど快適だ、と二人は口を揃えます。
ノースリーブの合わせ方とおすすめアイテム
一方で課題もあります。ノースリーブに普通の短パンだと、どうしても「ジム行くの?」というスポーティーな印象になってしまう点です。
家出る時に奥さんに「ジム行くの?」って言われて。「会社だよ」って。それぐらいスポーティーさを醸し出してしまうのがノースリーブ。
そこで下にボリュームを持たせる合わせ方が提案されます。リックオーウェンスの短パンや、コモリのコンバーチブルパンツ、ダブルニーのパンツなどです。
横山さんはコモリのシルクコットンのカーゴパンツを紹介します。ジップを開けて履くと、短パンの次に涼しいと感じたそうです。
膝が開くだけで、全然空気の抜けが違うんですよ。短パンの次に涼しいのはこれだね。
手持ちの捨てる予定のジーンズの膝を半分だけ切ってダメージにするだけでも涼しくなる、という応用も語られます。
普通の短パン。楽だが「ジム帰り」のスポーティーな印象になりやすい。
リックオーウェンスの短パンやカーゴなど、機能や紐でボリュームが出るボトム。上のコンパクトさと釣り合う。
手軽に試すなら、ユニクロのエアリズムコットンノースリーブTシャツが約千五百円で、寝巻きからでもいいので一度着てほしいと勧められています。
フジロックの三大テーマ その一「靴」
ここから本題のフェス・屋外ファッションへ。横山さんは論点を三つに整理します。靴、被り物、ギアです。
定番は野鳥の会の緑の長靴です。安く、雨に強く、ドローコードで絞れてカポカポしにくいのが魅力です。
ただし横山さんは、暑い時は蒸れる上に片足約四百六十グラムと重く、近年の気温差の激しいフジロックにはあまりおすすめしないと言います。
代わりに提案するのが「水陸両用の靴+靴下」の組み合わせです。KEENのニューポートや、カニエ・ウェストのイージーフォームランナーが挙げられます。
鍵になるのが、靴下の上から履くモンベルのゴアテックスのオーバーソックスです。雨でも靴下が濡れず、風を通さないので夜の冷えにも強いと絶賛します。
靴下プラス、このゴアテックスのオーバーソックス。これはもう絶対採用した方がいい。今すぐ買った方がいい。
靴下はウール製が良いとされます。吸湿放湿に優れ、オーバーソックスの中で蒸れて濡れるのを防げるからです。
水陸両用の靴
KEENやフォームランナーなど、水に強く足を守れるものを選ぶ。
ウールソックス
蒸れず、吸湿放湿に優れたものを合わせる。
ゴアテックスのオーバーソックス
雨の時だけ上から履く。防水に加え防風で夜の冷えにも対応。
このウールソックスとゴアテックスのソックスは、防災バッグにも入れておくと様々な状況に対応できる、と二人は話します。
フジロックの三大テーマ その二「被り物」
被り物は、かつてはハットが有利でした。傘代わりになり、首の後ろの日焼けも防げ、顎紐があれば飛ばされないからです。
ところが近年は流れが変わり、キャップが優勢だと横山さんは言います。ただし単なるキャップではなく「ほっかむりスタイル」です。
ほっかむりスタイルですよ。韓国の女子がよくやってるあれ。モンベルのビッグバンダナをくるっと巻いて、その上にキャップ。
大判のバンダナで首の後ろを守りつつ、上にキャップを重ねるとスタイリッシュに見えます。ハット特有の山ガール感を避けられる点も評価されています。
そこで明石さんの趣味であるヴィンテージのビッグサイズバンダナ集めが生きてくる、という話に。エルメスのコットンのカレなど大判の布も候補に挙がります。
大判の布は用途が広く、掛けたり敷いたり、水を汲んだりもできます。防災の観点でも、布が一枚あるだけで安心感が違うと語られます。
布が一枚あると人間すごい安心する。野宿しなきゃいけない時に、掛けるものが一枚あるだけで、すごいよく寝れるらしいんですよ。
キャップ本体は、後ろがナイロンメッシュで前がコットンのものが、蒸れにくく乾きやすいとして横山さんの好みだそうです。
フジロックの三大テーマ その三「ギア」
最後はギア。昔と今で圧倒的に変わったのがバッグで、今はトレイルランニング用のバッグが主流だと横山さんは指摘します。
トレランバッグなんですよ。肩ベルトのところにペットボトルが入る。あれは絶対みんな買った方がいいと思う。
サロモンの小型バッグが人気ですが、横山さんはアークテリクスのAERIOS、明石さんはパタゴニアのスロープランナーを使っていたそうです。
AERIOS 30は約五百六十七グラムと軽く、給水チューブにポカリを入れておけば熱中症知らずだと話されています。
椅子も一つ入れておくと快適です。ヘリノックスは禁止された流れがあるため、fashionsnap.comの社長がおすすめしていたロゴスの軽量チェアが紹介されます。
二人が繰り返し語るのは「軽く、多用途に」という思想です。ゴアテックスのソックスは手袋代わりにもなるなど、一つで何役もこなすものを組み合わせるのが良いとまとめます。
一つ二役。テントポールにもトレッキングポールにもなる。いくつかの使い道になるものを組み合わせていった方がいい。
フジロックの記憶をめぐる小噺と告知
この回では、明石さんのフジロック体験が本当かどうか、というやり取りも繰り返されます。感想の浅さと写真の不在から、横山さんは疑いを深めていきます。
目の前の民宿みたいなとこに雑魚寝して、グリーンの広場でパンピーを見て感動して涙を流しました。あとは飲み広場で六時間も七時間もだべってた。
今年のフジロックで話題になったマッシブアタックの「自分の感情や思考は本当に自分のものだったのだろうか」という問いになぞらえ、疑似記憶ではないかとイジられます。
今まさに、本当に行った気になってるんだと思うよ。だって感想が浅すぎるもん。
最後に告知として、防災バッグを一度開いてみてほしいという呼びかけと、イベント「Fashion Victim Festival」の別インスタアカウントを開設したことが伝えられます。
まとめ
この回は、熊本地震をきっかけに、来年のフジロックを題材として夏の屋外ファッションを考える雑談でした。ノースリーブの機能美から靴・被り物・ギアの具体策まで、「軽く多用途に組み合わせる」という思想が一貫して語られています。物欲を入り口に、いつか自分を助ける備えにつなげようという着地です。
- 暑さ対策としてノースリーブは想像以上に効果的で、脇の熱がこもらず体感温度が大きく変わる。
- フェスの靴は防水ブーツ一発ではなく、水陸両用の靴とウールソックス、ゴアテックスのオーバーソックスの組み合わせが有効。
- 被り物はハットよりキャップとビッグサイズバンダナの「ほっかむりスタイル」が今の潮流で、大判の布は用途が広い。
- バッグはトレイルランニング用のベスト型が主流で、軽量の椅子とあわせて「軽く多用途に」を意識するとよい。
- これらは防災バッグにも応用でき、物欲をきっかけに一度備えを見直すことがすすめられている。
