Spotify登録者千人突破とビクティマー村の誕生
冒頭、横山さんから「Spotifyの登録者数が千人を突破しました」という発表があります。配信開始から約1年で到達した節目で、明石さんも「感慨深い」と応じます。
横山さんは千人という数字を「村」と表現し、「FashionVictim村」「犠牲者がいっぱいいる村」と冗談めかして語ります。イカゲームの参加人数より多い規模になったと盛り上がります。
本当にこれはあのビクティマーたちの支えによって行っていてですね、ほんと嬉しい。
最近ではある雑誌の編集長番組名は伏せられていますが、二人が「とんでもない雑誌」と評する出版物の編集長ですがリスナーであることが判明し、筋トレしながら聴いてくれているというエピソードも紹介されます。
また明石さんは、動画クリエイターのシュウイチロウさんからYouTube経由で番組を聴いていると伝えられたと話します。実はYouTubeにもPodcastが配信されており、横山さん自身が初耳だった点に二人で驚きます。
本日の装いとパラブーツの引き算
「TodayNaniKiru」のコーナーでは、明石さんがラルフローレンの長袖チェックシャツに、クロムハーツのクロスパッチがついたショーツ、足元はパラブーツのモカシン別注を合わせています。
モカシンにクロムハーツのチャームを付けていることに、横山さんはすぐに反応します。
絶対ない方がいいです。チョロリンチョつけない方が絶対いいです。引き算欲しかったな。
明石さんは時間がなく、ソックスがジョーダンになってしまったと弁明します。横山さんは「今日の主役はシャツだから」と返し、ラルフローレンの爽やかなブルーチェックを評価します。
リンチシルバースミスのコブラバックルベルト
続いて横山さんが今日の主役級アイテムを披露します。それが「リンチシルバースミス神戸を拠点に職人の矢野さんがほぼ一人で制作するシルバーアクセサリーブランドです。ヘビのモチーフや手仕事の密度の高さで知られ、近年世界的にも注目されています」のコブラバックルベルトです。
前回のウエスコ回でカスタムしたガラガラヘビのモチーフから、ベルトもリンチで合わせたくなったと話します。すでに廃盤になっているコブラバックルのモデルを、吉祥寺のあるアポイントメント制のお店で偶然手に入れたといいます。
問い合わせたら、すごい、まあいついつなんかお店に来てくれるんであればみたいな。もうあれだからね、もうあの予定調整の概念とかなかったから。ピンポイント、何月何日何時みたいな。
そのお店の紳士は、以前はクロムハーツを扱っていたものの、リンチを手にして「こいつはヤバい」と感じ、扱いを切り替えたほどだといいます。
横山さんは「いわゆる今、世界中で生きているシルバースミスの最高峰」と紹介します。バールヴィンテージの松田さんからも10年前にすでに「アクロバット」や「シェーンダンク」と並んで名前が挙がっていたと振り返ります。
アイコニックで認知度が高く、ロック界のエルメスとも称されるブランド
矢野さん本人が制作量を絞り、世界のコレクターに注目され始めた手仕事の最高峰
手仕事の密度と「サバイブした証」のデザイン
ベルトを手に取った明石さんは、その手仕事の細かさに驚きます。バックルの鱗状の模様は一つひとつ手で削られており、キャストから出したまま磨いて終わるシルバーとは別物だと横山さんは語ります。
しかもこの、手仕事が非常に丁寧。
横山さんはさらに、矢野さんが病気を経て生み出した南京錠型の鍵のアイテムを紹介します。本体が心臓、キー部分が血液の粒子をモチーフにしたデザインで、入院前に思いついたといいます。
そういう自分の、サバイブした証みたいなアイテムらしくて。
加えて、リンチのカラビナがあまりに完成度が高いと熱弁します。すべて銀製で、バネ以外シルバーで構成されており、製造難易度が極めて高いそうです。ウエスト恵比寿の唐沢さんも愛用していると話します。
横山さん自身はこのカラビナを求めて、神戸のアトリエに矢野さん本人に会いに行く予定だと明かします。アポイントが取りづらい状況の中、ウエスコのインスタ投稿などから矢野さん側にも認知されていたことが幸いし、訪問が叶ったといいます。
疎に見せかけた密と「自分自身」のファッション
コメ返コーナーに移ります。リスナーのゆってぃさんから寄せられた、COMOLIやAURALEEの静かさに惹かれる人が増えているという考察に、横山さんは哲学者の福尾匠ドスモロスのShing02さんとPodcastを行う哲学者で、ファッションを語る文脈でも引用されることがありますさんの「疎と密」という概念を紹介します。
「疎」は離れていること、「密」は集合していること。COMOLIは一見「疎」に見えながら、知っている人には強く伝わる「密」の側面を持つというのです。
The RowのMargauxThe Rowを象徴するレザートートバッグですもまさにその象徴で、知らない人には普通のレザーバッグに見えても、わかる人にはThe Rowだとすぐ伝わると話します。
今のクロムハーツはもう密じゃん。でも昔クロムハーツって疎に見せかけた密だった。
横山さんは、自分の現在の関心が「疎」へ向かいつつあると語ります。一方で疎に振り切りすぎるとファッションがコレクションになり、コミュニケーションツールとして機能しなくなる難しさにも触れます。
クロムハーツ対エルメス、年を取って外注する輝き
シップさんからは、ピンキーリングをクロムハーツとエルメスのどちらにするか迷っているという相談が寄せられます。横山さんは、表面的にはどちらも入手困難で芸能人が使う高級アクセサリーとして同列に語られがちだと整理します。
そのうえで、各ブランドの思想を知ったうえで選んでほしいと話します。エルメスについては『エルメスの道』という少女漫画、クロムハーツについてはHeyPodcastの「クロムハーツの歴史回」を勧めます。
ピンキーリングのデザイン面では、横山さんはクロムハーツなら「ダガー」を推します。
ダガーを小指につけるの一番かっこいいと思う。クラシックであり、みんなと被らず。
また、藤原ヒロシ氏が説く「異質なものを混ぜることでスタイルが生まれる」という考えから、綺麗めな服にクロムハーツを外しで使うか、ヴィンテージデニムにエルメスで格を上げるか、コーディネート全体の文脈で考えるべきだとアドバイスします。
別のリスナー「始まりはApe」さんからは、過去回のフレーズに刺さったという感想が届きます。デイトジャストのスチールゴールドをきっかけにゴールドへ目覚めたという体験談です。
コミュニケーションを生む服とブランドのミッション
リスナーの「始まりはいい」さんからは、ISSEY MIYAKEのオムプリッセISSEY MIYAKEが展開する、プリーツ加工を施した日常着のラインです。シワになりにくく洗濯後すぐに乾く点でも知られていますについてのコメントが届きます。プリーツの斬新さがきっかけで会話が生まれた体験を「服が個性とみなされ、会話が生まれる」と紹介しています。
横山さんもオムプリッセを所有していると明かし、主に結婚式などのパーティーで着用しているといいます。一日中着ても汗をかいてもすぐ洗えて乾く実用性と、華やかさを兼ね備えている点を高く評価します。
続いてペディさんからは、HUMAN MADEとVISVIMのコーポレートサイトを比較し、ブランドのミッションと実際のスタイルにギャップを感じるという指摘が寄せられます。
やっぱりHUMANMADEってこう、IPの会社だというふうにやっぱ今言われてるんですよね。
HUMAN MADEはアニメや漫画に続く日本発のポップカルチャーを志向するIPブランドとしての顔があり、VISVIMは文化・技術・職人へのリスペクトがそのままスタイルに表れていると整理します。
明石さんは、自分が44歳に近づくにつれ手仕事や職人技に惹かれるようになったと話します。世代によって惹かれる軸足が異なる前提のうえで、自分自身の軸足をどこに置くかを考える時期だと語ります。
Supremeの世代横断力とコモリの素材選び
HSKさんからは、白金台のBIOTOPでCOMOLIのシャツを衝動買いしたという報告が届きます。横山さんは秋冬向けの一本としてコーデュロイとモールスキンを推します。
そうまさんからは、SupremeとGOOD ENOUGHについての投稿が届きます。グラフィックTシャツは恥ずかしくて着られず開封即コレクション行きでも、所有満足が得られるという正直な吐露です。
明石さんは、Supremeが世代を超えて支持されている点を強調します。
若い子しかわからないコラボもやるし、逆におじさんじゃないとわかんないコラボまで、なんか分け隔てなくやってくじゃん。
最後にキクさんからは、バーベキューなどで着られるニッチなアウトドアブランドを教えてほしいという質問が寄せられます。
横山さんはパタゴニアのバギーショーツを推し、明石さんは「アメリカのハンバーガー屋のTシャツ」を提案します。バーベキューのソースが付いても味わいとして受け入れられる連想ゲーム的なTシャツがちょうどよいというアイデアです。
ベストコメントと千人記念のこれから
今回のベストコメントには「始まりはApe」さんが選ばれました。オムプリッセ回での「ボンタンで変わった服を着てるやつがいる」と話しかけられたエピソードと、コモリのリファインウールオールインワンを愛用する仕上がった大人像が、二人の印象に強く残ったことが理由です。
なお、過去にプレゼントを送ったつもりだったゆってぃさん、ペディさん、Show、マスアキさんへの発送も改めて行うと明言されています。
番組はこれから一周年やマーケットイベントFVMの第二回も視野に入れています。横山さん自身のブランド「TANG」も準備中で、リードタイムを意識して早めに告知していく方針だと語られています。
まとめ
Spotify登録者千人を達成した記念回は、リンチシルバースミスという新たな最高峰の発見と、リスナーとの濃密な対話を通じて、ファッションにおける「自分自身の軸足」を考える回となりました。
- Spotify登録者千人を突破し、FashionVictimは世代を超えたコミュニティとして成長している
- リンチシルバースミスは職人・矢野さん本人が手掛ける、現代における手仕事の最高峰として注目されている
- COMOLIやThe Rowに代表される「疎に見せかけた密」の感覚が、現代のファッションを読み解く鍵となる
- ブランドのミッションとスタイルを理解したうえで、自分の軸足をどこに置くかを選ぶことが重要である
- Supremeのように世代を横断するブランドや、オムプリッセのようにコミュニケーションを生む服が、現代のファッションを豊かにしている
