春の新生活スペシャル〜服もブランドもカムバックする春
Fashion Victimの横山昴さんと明石ガクトさんが、春の衣替えに合わせた当日コーデ紹介から始まり、Supreme × MM6Supremeとマルジェラのライン「MM6 Maison Margiela」による2026年春のコラボレーション。ペイント加工やカレンダーロゴが特徴。パーカーのレビュー、金子恵治さんとの出会いを通じたOUTDOORカムバック、COMOLIの迷彩カーゴに込められた深い文脈、そしてリスナーのブランドカムバック体験談まで、「また好きになる」きっかけについて語り尽くしたエピソードです。その内容をまとめます。
Supreme × MM6 パーカーと「抜き」の春コーデ
明石さんがこの日着てきたのは、Supreme × MM6 コラボのボックスロゴ ジップパーカー2026年春リリース。ペイント加工とカレンダーロゴが施された限定コラボ。MADE IN CANADAながらライトオンスで春に最適。。見た目のインパクトとは裏腹に、生地が意外なほど薄く軽いのがポイントだそうです。MADE IN CANADAのパーカーといえばガシッとした厚手のイメージがありますが、これはライトオンスで日本の気候にフィットする仕上がりとのこと。
開けてもよし、閉めてもよし、フードを被ってもよし。薄いのに襟がちゃんと立つんですよ
ペイント加工が散りばめられ、カレンダーロゴも入った実物は「賛否あると言っていたけど、これは賛」と横山さんも太鼓判。DMで「配信を聴いて意を決して買いました」という報告も多かったそうです。
インナーにはCONTRAST(コントラスト)上出良平氏がニューヨーク・ブルックリンにオープンした山道具屋。MADE IN USAのボディにこだわったオリジナルTシャツを展開。のTシャツを合わせ、ボトムはLevi's 550リーバイスのリラックスフィットモデル。先染めの生地で丈詰めして履くのが今の気分とのこと。の先染め、足元はNike × Tom Sachsアーティストのトム・サックスとNikeのコラボスニーカー。一見すると地味な見た目がポイント。のスニーカー。Supremeという「顔」をトップスに使っているぶん、他はとことん抜くというコーディネートです。
一方の横山さんは、クロムハーツ1988年にリチャード・スタークが設立したシルバーアクセサリー・レザーブランド。近年は布もの(アパレル)にも注力。のナイロン半袖ジャケットにリーバイスの80年代501をシングルロールで合わせ、指輪も1個だけという「抜き始めた」スタイル。足元の新顔はWESCO(ウエスコ)のROMEO(ロメオ)ウエスコが作るスリッポン型のシューズ。一度廃盤になったが復活。履き口の浅さとゴムの耐久性が改善された。でした。
ロメオはもともと履き口が浅すぎて脱げやすく、ゴムも交換不可で廃盤になった経緯がありますが、復活版は改善されており、横山さんは買って数日で11時間歩いても平気だったそうです。クロムハーツコラボ版にはシルバープレートが付きますが、トップスでクロムハーツを主張しているからこそ、あえてノーマル版を選ぶ──これもまた「抜き」の実践です。
顔:Supreme × MM6 パーカー
抜き:CONTRAST Tシャツ / Levi's 550 先染め / Nike Tom Sachs スニーカー
顔:クロムハーツ 半袖ジャケット
抜き:Levi's 501 80s / WESCO ROMEO(ノーマル版)/ 指輪1個だけ
明石さんからは靴下へのダメ出しも。横山さんの3パック靴下は「弱い」とバッサリで、クロムハーツのラインソックスをチラ見せするぐらいのこだわりが欲しいとのことでした。
恵比寿の古着屋で声バレ事件
横山さんがぜひ話したかったという嬉しいエピソード。恵比寿のレディース専門古着屋(メンズは入る服がないものの、バンダナなど小物を見に行く店)がまもなく閉店するとのことで、ガレージセール中の店に立ち寄ったそうです。
靴下の値札について店員さんに質問した瞬間、「え?トゥデイさん?」と声で気づかれるという「声バレ」が発生。初対面にもかかわらず番組リスナーだったのです。
「お会いするの初めてです。お会いしたかったんです」って言われて。しかもアメリカへの買い付けの車中でこの番組を聴いてくれてたんですよ
店長の男性も裏から飛び出してきて「トゥデイさん本物だ!」と驚いたとのこと。ストーリーの投稿から二人の行動エリアを推測して探してくれていたという、ちょっと山崎まさよし的な話も。閉店についても「寂しくないですよ、これからも僕らの耳のそばにお二人がいるんで」とロマンチックな言葉をもらったそうです。
お店は恵比寿の美容院「アクア」の1階にあり、4月中はまだ営業中。ヴィンテージが70%オフのガレージセール状態とのことなので、気になるビクティマーはぜひ足を運んでみてください。
金子恵治さんとOUTDOORの奥行き
明石さんが週末に会ったのが金子恵治さん元RESHOP(リショップ)ディレクター。現在はFRUIT OF THE LOOMのセットアップ別注ラインや、OUTDOORの別注バッグ、青山のヴィンテージショップ「BOUTIQUE」などを手掛ける。。友人の紹介で青山のヴィンテージショップ「BOUTIQUE」を訪れた際、なんと「ファッションビクティムってポッドキャストやってます」と紹介されたそうです。
金子さんはFRUIT OF THE LOOM1851年創業のアメリカの老舗アンダーウェアブランド。金子恵治さんディレクションの洗えるセットアップが即完売・転売されるほどの人気。の洗えるセットアップで話題の人ですが、この日注目だったのはOUTDOOR(アウトドア)アメリカ発のバッグブランド。リュックが代表的で、日本では中学生くらいの頃に使った記憶がある人も多い。金子恵治さんがMade in USAの別注ラインを展開中。の別注バッグライン。3つのバッグにはそれぞれ深い文脈がありました。
明石さんが購入したのは3番目の肩掛けトートバッグ。たすきがけできるから持ち手を短くでき、手持ち時に床に引きずらないのが実用的な利点です。ほぼロゴがなく真っ黒な外観は、まさに「抜き」のバッグとして最適。アークテリクスやパタゴニアだとロゴが「顔」になってしまうところを、OUTDOORの別注なら主張を消せます。
明石さんにとってOUTDOORは中学生の時以来。金子さんとの出会い、そしてポッドキャストで話してきた「抜き」の思想とちょうど合致したことで、一生買わなかったかもしれないブランドにカムバックしたという象徴的なエピソードでした。
COMOLI初の迷彩カーゴに宿る思想
明石さんのCOMOLIカムバックのきっかけは、直近のデリバリーで登場した迷彩カーゴパンツ。COMOLIで迷彩柄が出るのは初めてのことで、業界内でもかなりの注目を集めたそうです。膝下を外してショーツにもなるコンバーチブル仕様です。
しかし明石さんは迷彩を着ることに躊躇いがあったそうです。藤原ヒロシ日本のファッション・音楽シーンのレジェンド。fragment designの主宰。裏原宿カルチャーの立役者の一人。さんや神谷遼平ファッション関係者。藤原ヒロシ氏と親交があり、迷彩を「戦争のためのもの」として着ないスタンスを持つ。さんとの会話で「迷彩は戦争のためのものだから着ない」と聞いたこと、そしてリアルに戦争が起きている今の状況を踏まえると、純粋には楽しめないという思いがあったそうです。
そこで調べてみると、この迷彩はウッドランドではなくインビジブルリーフ迷彩(シビリアンリーフ)アメリカ軍が試作したが正式採用されなかった迷彩パターン。民間のハンティングウェアや南ベトナム軍のエリート部隊に流れた。洗うと柄が薄まることから「Invisible(見えなくなる)Leaf」と呼ばれる。と呼ばれるもの。アメリカ軍が作ったものの正式採用はされず、生地はベトナムの一部部隊や民間のハンティングウェアに流れたという、純粋な軍モノとは言い切れない曖昧なバランスの迷彩です。
インビジブルリーフ迷彩の出自
米軍が試作→不採用→南ベトナム軍エリート部隊&民間ハンティングへ流出。「純粋な軍用迷彩」ではない
COMOLIの思想との合致
高温多湿のベトナムで使われた=風の抜けが重要。実際に生地は想像以上に薄い
膝下を「少し開ける」提案
完全に外すのではなく、少し開けて風穴を作る。ダメージ加工は出さないブランドとしての矜持を保ちつつ、通気性と表情を両立
「買いすぎた」「もう持ってる」で一度距離を置いたブランドでも、こうした深い文脈を知ることでまた火がつく。これが今回のエピソードの核にある「カムバックの方程式」と言えそうです。
リスナーのブランドカムバック群像
リスナーから寄せられたブランドカムバックエピソードも紹介されました。どれも「外からの刺激がきっかけになっている」という共通点があります。
ソウマさん:Alden(オールデン)カムバック
20数年前に買った9901Aldenのプレーントゥシューズ。コードバン素材でドレスフォーマル寄りのモデル。をリペアしたもののサイズが合わなくなり、香港でA1404Aldenのクロムエクセルレザーのプレーントゥ。9901よりカジュアルでヘビーデューティーな位置づけ。を購入。さらにクロムハーツカスタム(スニーカープレートを装着)するという上級テクニックまで。そこから怒涛の如く1340チャッカのコードバン、990バーガンディのコードバンとオールデン沼にハマったそうです。
すこやかさん:PAPAS(パパス)に興味再燃
デパートの紳士服フロアの印象だったPAPAS日本のメンズブランド。百貨店の上層階に出店していることが多い。最近、松浦弥太郎氏がクリエイティブに関わるようになったことで注目度が上昇。が、松浦弥太郎さんのクリエイティブ参画で気になり出したとのこと。明石さんは「20代の終わりは迷子になりやすい」と共感しつつ、「本当にパパスなのか自分に問いかけてほしい」と辛口のアドバイスも。
ペディさん:visvim(ビズビム)カムバック
2軍落ちしてパジャマにしていたシーアイランドコットンカリブ海原産の超長綿。カシミヤに匹敵する肌触りと光沢が特徴。visvimではTシャツなどに使用。のTシャツが、酷使しても全くヘタれないことに気づき、愛着が再燃。「日常で酷使できること自体が価値になる」「洗濯に耐える丈夫さはヴィンテージになり得る条件」という考え方が印象的です。
visvimって顔と土台のすごく中間にいる。派手な主張はないけど、一癖はある
二人はvisvimへの興味が急上昇するものの、オンラインストアを開いた瞬間「パックTが7万4800円」という価格に面食らうことに。横山さんは原宿のFLストアで実物に触れて「ウィンガーディオ、Expensive」と呪文のようにタグをめくったそうです。
ケイアンさん:素材カムバック&テック×アルチザン問題
スケーターファッションからアルチザン系に移行し、今度はテック素材も取り入れたいという相談。明石さんの回答はACRONYM(アクロニム)エロゾン・ヒューが手掛けるテクニカルウェアブランド。GORE-TEXを使ったジャケットが代表的で、型番で語り合うコアなファンコミュニティが形成されている。。「アルチザンが縫製とパターンへの異常なこだわりをクラフトマンシップで実現しているなら、それをGORE-TEXでやっているのがアクロニム」という考え方です。また、C.P. Companyイタリアのスポーツウェアブランド。マッシモ・オスティが創業。生地の実験的な染め加工が特徴。ヴィンテージのアーカイブ品はアルチザン的な風合いがある。のヴィンテージやStone Islandのアーカイブもアルチザンとの相性がよさそうと提案していました。
ハッピさん:宮妃さん経由でSupremeカムバック
中学〜高校時代にバイト代で原宿に通い詰めたSupremeを、YouTuberの宮妃さんSupremeの店員モノマネで人気のYouTuber。最近は毎週のドロップ予想・レビュー動画の比率が増え、リスナーを「またSupremeを買いたい」気持ちにさせている。のドロップ予想動画をきっかけにカムバック。明石さんも毎週必ず観ているそうで、「一度スルーしたドロップでも宮妃さんの動画を見ると欲しくなって眠れなくなる」と告白していました。
ビクティム初グッズはタンクトップ?
リスナーのゆってぃさんから「Fashion VictimのTシャツがあったらなぁ」というコメントが。しかし明石さんは即座に「Tシャツは作りません。理由は俺たちが着なそうだから」とバッサリ。
代わりに浮上したのがタンクトップ案。インナーにもジムにも使え、「誰も番組グッズでタンクトップは作っていない」というニッチさがポイント。漢字の刺繍を入れるプランも飛び出しました。
俺たちが作るならタンクトップ。いいボディ探して、プリントじゃなくて刺繍。漢字刺繍であえての
ゆってぃさんの「長く使うアウターはトラディショナル、Tシャツは冒険できる」という整理について、明石さんはMARKA(マーカ)デザイナー石川俊介氏のブランド。自身に歴史がない代わりに、トーマスメイソンの生地やケブラーの素材など生産背景の歴史を借りることで説得力を生んだ。の石川さんの言葉を引用。「歴史のないブランドが生産背景の歴史を借りることで成立する」という話と、Tシャツやキャップは使い捨て感があるからこそ冒険しやすいという話がきれいにつながっていました。
まとめ
今回のエピソードの通奏低音は、「ブランドカムバックは偶然ではなく、外からの刺激で起きる」ということ。金子恵治さんとの会話でOUTDOORにカムバックし、COMOLIの迷彩の文脈を知って再び心を奪われ、宮妃さんの動画でSupremeが気になって眠れなくなる──どれも「人」か「コンテンツ」がきっかけになっています。
そしてもうひとつの軸は「抜き」。春の軽装になるほどアイテム数が減り、1点1点の存在感が増すからこそ、顔を1つに絞って残りを抜く技術が問われます。横山さんも指輪1個、ウエスコのノーマル版と、具体的に「抜き始めた」春を見せてくれました。
コメントテーマは引き続き「ブランドカムバック」と「抜きの美学」。特に抜きのエピソードを多めに募集中とのことです。
- Supreme × MM6 パーカーはライトオンスで春向き。「顔」をトップスに持ってきたら他は抜くのが鉄則
- 横山さんがWESCO ROMEO(復活モデル)を即一軍投入。クロムハーツ版をあえて選ばない「抜き」も実践中
- 金子恵治さんのOUTDOOR別注バッグは、アーカイブの復刻とオリジナル設計の両面で「奥行き」が際立つ
- COMOLI初の迷彩カーゴは、軍に正式採用されなかった「インビジブルリーフ」を使い、ブランドの高温多湿への思想と一致させている
- ブランドカムバックのきっかけは「人との出会い」「コンテンツ」「サイズアウトからの買い直し」「2軍落ちからの再発見」など多彩
- 番組初グッズはTシャツではなくタンクトップ案が浮上。漢字刺繍で「自分たちが着るもの」を目指す方向
