結論から:指示1時間、審査申請までできた
今回のテーマは「AstraやFableでアプリ開発は本当に簡単になったか」です。AIでアプリが簡単に作れるという言葉は聞き飽きているとしつつ、Y平さんが実際どこまで楽になったかを検証しています。
検証のために、この1週間で自分用のiOSアプリをゼロから作り、審査申請まで出したそうです。結論はシンプルで、本当に簡単になりましたという一言でした。
指示に使った時間は合計1時間ぐらいで、あとは待ってただけで、今は(iOSアプリの)審査待ちって感じですね。
ただ、簡単になったと言っても、その中身がY平さん自身の想像とは違っていたといいます。この回は、その「どこが簡単になったのか」を具体的に掘り下げる内容になっています。
なぜ自作したか:有料スクリーンロックアプリへの不満
作ったのはスクリーンロックアプリです。XなどのSNS系アプリを、指定した時間帯にロックして開けなくするものだと説明されています。
もともとY平さんは有料のスクリーンロックアプリを使っていました。ただ、ロックしても長押しだけで簡単に解除できてしまい、意思が弱くてつい解除してしまうことが多かったといいます。
さらに料金は月1900円ほどで、音楽や瞑想、英語でいい話を聞けるといった機能が多くありました。しかしY平さんはロック機能しか使わず、機能が多すぎてどこを操作すれば何があるのかもわかりにくいと感じていたそうです。
機能もめちゃくちゃいっぱいあって、ロックしか使わねえんだけどなみたいな感じがあって、ちょっと微妙だなあって思ってたんですよね。
そこで、機能をシンプルにしつつ、ロック解除のハードルを少し上げ、もう少しエモい体験に落とし込んだスクリーンロックアプリを自作できるのではないかと考えて作ったと話されています。
CryptoNinjaのカルマを使ったアプリの中身
作ったアプリの名前は「カルマロック」です。CryptoNinjaというフリーで使えるIPに登場する、カルマという男性忍者キャラクターがモチーフになっています。
アプリの体験としては、ロックを解除しようとするたびに、カルマに引き止めてもらえるという仕組みです。本当に簡単になったかを試す題材としては、ちょうどいいサイズだったと振り返っています。
Y平さんは、あえて鬱陶しい仕様も入れました。ロック解除するには広告を見なければならないという条件です。誰も広告は見たくないという心理を利用して、ロックを継続させる狙いがあります。
広告を絶対に見たくないという心理を利用してロックを継続させるっていう、ギミックというか仕様が入ってます。
さらに「広告を見る」を押すと、その前にカルマが出てきて「本当にいいのか」と問いかけ、ユーザーの罪悪感を刺激してくる作りにもなっているそうです。
最初の30分〜1時間:要件定義から動くアプリまで
動くものが出るまでは、30分から1時間ほどだったといいます。Y平さんはこの速さを「めっちゃ楽」と表現しています。
手順としては、まずブラウザ版のChatGPT Proで、最低限の機能を持ったスクリーンロックアプリを作りたいと相談し、壁打ちしながら要件定義書を作ります。
次に、その要件定義書をCodex側のAstraに渡します。effortをextra highに設定し、この要件定義でiOSアプリを開発してほしいと依頼する流れです。
この依頼だけで、30分から1時間ほどで動くものが完成し、自分のスマホの中に第一弾のアプリが入ってきたと話されています。この段階で、Y平さんはすでにこのロックアプリを実際に使えていたそうです。
デザインをどう刷新したか:AI同士の受け渡し
最初の段階では便利に使えていたものの、デザインがしょぼいのが気になっていたとY平さんは言います。何もデザインの指示を与えていなかったためです。
そこでまず、Astraに今のアプリの説明書PDFを、スクリーンショット付きで作らせました。このとき、ユーザーのスクリーンロックを利用して悪習を断ち切るという大元の目的や背景も説明したそうです。
Astraはシミュレーターのアプリを動かしながら各所でスクリーンショットを撮り、10分ほどで説明書のPDFを作って渡してきたといいます。
次に、その説明書をClaudeのデザイン特化機能に投入します。番組内ではClaude DesignやClaude Designの中のデザインシステムとして語られ、クール系や自然派系など複数のパターンから選んで、一貫したアプリデザインをさせられると説明されています。
20分ほどFableで稼働させると、第一弾からすでにかなり良いデザインが出てきたそうです。やたら説明的な文章など細かい点は、コメントで指摘して直す形で進めました。
そのデザイン成果物をHTMLにして、今度はそのHTMLをCodexのAstraに戻し、これを元にデザインを刷新してほしいと指示します。すると15分ほどでアプリ全体のデザインが完成したといいます。
説明書作成
Astraがスクショ付き説明書PDFを作る
デザイン生成
説明書をClaude Designに渡し、Fableでデザインを作る
HTML化
成果物をHTMLにする
反映
HTMLをAstraに戻し、アプリ全体のデザインを刷新する
NinjaMCPでキャラのセリフをカルマらしくする
見た目は良くなったものの、ロック解除時にカルマが引き止めるセリフはまだチープで、単なるツンデレキャラで止まっていたとY平さんは振り返ります。
そこで、CryptoNinjaの公式情報を読み込めるNinjaMCPをCodexで接続しました。カルマのキャラクター設定や武器、性質、公式絵、3Dモデルの情報を読み込ませたうえで、立ち絵とセリフをよりカルマらしく改修するよう依頼したそうです。
依頼の際には、ユーザーは誘惑に負けず悪習を必ず断ち切れると信じ切っている、ただしツンデレなので素直になれないが基本は励まして支援するタイプ、という裏のコンセプトを入れたといいます。
すると10分ほどで、立ち絵とセリフが10パターンほど上がってきて、それをランダムに出力する設定にしました。その時点で、セリフがめちゃくちゃ良くなったとY平さんは話しています。
「めちゃくちゃいいこと言うじゃんこいつ」みたいな感じで。「カルマっぽい」みたいな感じなんですよね。
一方で、AstraやFableが思考の中で「カルマはこういうことを言わない」と言い出す場面もあったそうです。公式情報のこだわりが強く反映され、キャラが立ち、世界観も維持できたと面白がっています。
Y平さんは、細かいことを指示せず、イメージだけを伝えるやり方が良かったと言います。「ここではこう思っているからセリフをお願い」と伝え、細部は任せた方が良いものができたと振り返っています。
コンピューターユースで申請まで自動化
アプリが完成したあとは、審査申請の作業です。ここではAstraのコンピューターユースを使ったと説明されています。
コンピューターユースを使うと、ブラウザやアプリを操作できます。あらかじめSafariでApple側のサイトや、広告に必要なGoogleにサインインしておき、あとの申請や広告設定を任せる流れです。
「あとは君で申請とか広告の設定とか全部やってね」みたいな感じで投げると、コンピューターユースを使ってブワーってアストラがやった。
この申請作業には、コンピューターユースでブラウザを動かして30分から1時間ほどかかり、申請まで全部やってくれたそうです。
Y平さんは8年前ほどに仕事でiOSアプリをリリースした経験があり、当時から申請が非常に面倒で、さらに面倒になっているという印象を語ります。それを人の手でやるのはうんざりだったと言います。
それをもう人の手でやるのは本当うんざりだったんですが、もう全部やってくれて、申請まで行っちゃったんで、マジすごいなと思ってますね。
もし自分で全部やっていたら1ヶ月以上かかったのではないかとしつつ、実際は指示して待っている時間の方が長く、トータルの指示は1時間ほど、1日半待ったら一気にできたと振り返っています。
人間に残った仕事:何を作るかという審美眼
では、このワークフローで人間に何が残ったのか。Y平さんは、何を作るかや、カルマはこう思っているといった、より上位の要求だけが大事だったと話します。
コードの細部やデザインの細かい部分よりも、有料アプリのどこが嫌だったかといった、上位概念の要求こそが重要だったという整理です。
楽になったのはコードを書く部分というより、AIに説明書を書かせて別のAIに渡す、実装と申請はAstraに任せる、デザインはClaude Designを使う、世界観はNinjaMCPをつなぐといった、役割を分担してワークフローをうまく組む点だと結論づけています。
その結果、人間に残るのは、何を作るか、どれを選ぶかという審美眼だといいます。だからこそ、映画や読書、美術鑑賞など日頃のインプットが本当に重要になってくるのではないかと語られています。
自分が使いたいものを申請まで持っていける時代
Y平さんのモチベーションは、既存の有料アプリが微妙だったから自分で作ろうというだけだったといいます。同じように、既存アプリに不満がある人へ、その機能だけ即興で作って申請まで出すのは良い体験ではないかと提案しています。
儲かるかもしれないとしつつ、自身のカルマロックは無料アプリで課金要素が広告しかないため、基本的には儲からないと率直に話します。そもそも広告はロック解除のハードルとして置いているだけで、うまく使えば開かなくて済むからです。
自分が本当に使いたいものなら、申請まで持っていける、簡単に持っていけるみたいな時代になったねっていう話ですね。
Y平さんは、儲からなくても自分にとって便利なアプリを作れたという満足感に包まれていると締めくくっています。カルマロックは近くiOSでリリース予定で、出たら改めて紹介するとのことです。
まとめ
AstraやFableでアプリ開発は本当に簡単になったか、という問いへの答えは「本当に簡単になった」でした。ただし楽になったのはコードを書く部分というより、複数のAIツールに役割を分担させ、ワークフローとしてつなぐ部分であり、人間には何を作り何を選ぶかという審美眼が残る、という整理です。
- 自分用スクリーンロックアプリを、指示合計1時間・1日半待ちでiOSの審査申請まで出せた
- ChatGPT Proで要件定義、Astraで実装と申請、Claude Design(Fable)でデザイン、NinjaMCPで世界観と、AI同士を分担させてワークフローを組んだ
- 楽になったのはコードを書く部分より、AI同士の受け渡しと役割分担の設計だった
- 人間に残るのは「何を作るか」「どれを選ぶか」という審美眼で、日頃のインプットが重要になる
- 既存アプリへの不満から欲しい機能だけ作って申請まで出すのは、儲からなくても満足度の高い体験になり得る





