なぜフレーズは覚えるしかないのか
今の『ラジオ英会話』は8月号で、便利なフレーズをテーマにレッスンが展開されています。
フレーズというのは、覚えてしまう必要があるんですね。
たとえば「よかったね」を英語にすると“Good for you”、“Good on you”になります。これを“Great for you”と言い換えても、まあ通じるんでしょうけど、あんまり聞かない。
つまり“Good for you”で一つのフレーズになっている訳です。だから覚えていないと使えません。
この点で、ラジオ英会話が求めている音読・暗唱にぴったりだと思います。
そのまま使わなくても、覚える意味がある
ラジオ英会話では、フレーズだけでなく、普段のダイアログの例文やキーセンテンスにまつわる例文も扱われています。こういう英文も覚えましょうと基本的に言われます。
覚えた英文をそっくりそのまま使うことはない、と思うかもしれません。
仮にそのまま使わなかったとしても、自分の中にその英文が残っているんですね。
だから主語や目的語を入れ替えて、英文をすっと出せるようになる訳です。
会話中に作文している暇はない
もう少し深く話すと、そもそも会話中に、主語が何で、動詞が何で、受動態にして、なんて作文している暇はないんですよ。
日本語で話すときも、形を決めてから話している感じはあまりないと思うんですね。英語も本来そうなんです。
ただ英語は外国語なので、どうしても作文っぽく頭を動かしてしまいがちです。でも会話ではその時間がありません。
自分が書いている場面なら、推敲したり修正したりできます。でも会話は、語順通り、文の形通りに発信していかなきゃいけない。
暗唱は「組み立てる時間」を減らしてくれる
ラジオ英会話を長く聴いていると、番組中やテキストで「この文、レッスンいくつで出てきたので、すっと出てきましたよね」と言われるんです。
そう言われるということは、音読、そして暗唱まで仕上げておかないと使い物にならないですよね。
相手に何か言われたら、間を置かずに返したいじゃないですか。「えーと、主語は何で」なんてやっている暇はない。
そのまま使えるものなら組み立てる時間はいりません。パッと出せます。
ワンセットで頭に入っている英文は、考えずに出てくるはず。そこまで出てこないと暗唱とは言えないと思います。
抵抗していた僕が、TOEIC指導でも勧めるようになった
正直に言うと、僕もこの音読・暗唱には最初抵抗していました。覚えてもそのまま使わないし、調整しなきゃいけない、と思っていたんです。
確かにそうなんです。でも何も覚えていない状態だと、本当に一からなんですよね。
ある程度、自分が参考にする軸があれば、多少はマシになる。僕らが日本語をスムーズに話せるのも、型が入っているからだと思うんです。
その型というのは、今まで聞いたり読んだり話したりしてきた文そのものなんじゃないかと思います。
自分が知っている英文と似た形はスムーズに読める。だから僕も指導では暗唱を勧めています。たくさん英文を頭の中に入れましょう、そうすることで頭の余裕、リソースが生まれるから、と伝えています。
覚えても忘れる。だから繰り返す
最後に一つだけお伝えすると、やっぱり覚えても忘れるんです。
僕は5分前に覚えた英文を、その後パッと言えないときがあるんですよ。
僕は普通の人より英語をたくさんやってきましたし、一般の人より英語力が高いと言えるはずです。でもこんな感じなんですね。
だから最近英語を始めた人は、より忘れる確率は高いと思います。それは当たり前のことなんです。
だから英語は何度も繰り返しやる。忘れては覚えて、また忘れて覚えて、を続けていく。繰り返すのみですね。
まとめ
暗唱に抵抗していた僕が今こうして勧めているのは、それが会話で頭を働かせる余裕をつくってくれると実感したからです。覚えることそのものが目的ではなく、スムーズに使えるようにするための一歩として、納得感を持って取り組んでもらえたら嬉しいです。
- フレーズは取り替えがきかないから、覚えるしかない
- 覚えた英文は、そのまま使えなくても組み立ての土台になる
- 会話には作文する時間がないから、暗唱で余裕をつくる
- 覚えても忘れるのは当たり前。繰り返すことが前提





