「普通」を極めるというコンセプトが好き
この本、私はまずタイトルからしていいなと思っているんです。
ここで言う「普通」というのは、ネイティブにとって当たり前で、しょっちゅう出てくる単語のこと。それを「普通の英単語」と呼んでいます。
帯も大好きで、後ろに「まずは普通を極めよう」とあるんですよ。まさにこの普通の単語を使えないと、話す上でお話にならない訳です。
もちろん「普通こう使わないよ」「こっちの単語の方が使うよ」という意見はいろいろあると思います。
でも、大西先生というかネイティブが使う「普通」を一つ定義してくれている。この指標があるだけで、自分の勉強はぐっとしやすくなるんじゃないかと思います。
特にラジオ英会話をやっている人は、まず手元に置いておいた方がいいなと思うくらいです。
何より例文がいい。とにかく短い
この本で私が一番好きなのは、なんといっても例文なんです。
とにかく短い。1行で、平均すると7、8語くらいでしょうか。長くても2行に収まっています。
つまり、コンパクトに自分の中へ放り込みやすいんですよね。
単語や表現を覚えたいとき、私はやっぱり例文で覚えていくのが一番いいと思っています。
例文があると、多少なりとも文脈が意識される。こういう場面で使うんだろうな、と想像しながら音読・暗唱していくと、染み込みやすいんです。
逆に、フレーズだけ、単語だけを覚えるやり方は、どうしても自分に染み込みにくい訳です。
例文のデメリットとして、自分が日本語でも言わないような使えない例文だと使い勝手が悪い、と言われることがあります。
でも『普通の英単語』を見ている限り、外れた例文というのは基本的にないんですよね。そのまま覚えて、そのまま使えるという良さがあります。
この短さには、だいぶこだわっていると思います。短くすることに命を懸けている感じすらします。まあ、これは私がそう思うだけかもしれませんが。
「知ってる」と「使える」は違う
たとえば「rough」という単語。粗いとか凸凹とか大雑把とか、この本を手に取る人ならみんな知っていると思うんです。
でも、それを例文付きで、具体的な英語として自分で示せるかというと、ちょっと違うんじゃないでしょうか。
「roughだな」と頭に思い浮かべられても、実際の英会話の中で「rough」を使えているかというと微妙。これは私自身がそうなんです。
だからこそ、全部の単語に例文がついているこの本を、しっかり音読・暗唱していく。教材としてすごく優れているなと思いました。
派生情報と星のグラデーションが地味に効く
地味にいいなと思うのが、派生の情報です。
熟語や、覚えておくといい語源。語源って、辞書を引かないと載っていなかったりするじゃないですか。
中学・高校でやる単語は、語源に遡る前に単語としてそのまま覚えてしまっているので、案外見直せていないんですよね。そういうものを振り返れるのはいいです。
語源絡みの類義語や、一緒に覚えておくといい単語をグルーピングできるのも助かります。
品詞ごとに分かれていて、さらにその中でも「変化創造を表す動詞」のようにカテゴライズしてくれているので、頭の整理もしやすいんです。
もう一つ、星がついているんですよ。重要度のグラデーションですね。星 ── 単語の重要度を3段階で示したマーク
これを使って、1周目は星3つだけ、2周目で星2つ、3周目で星1つ、と手を広げていくといいと思います。
欲張って最初から全部やるより、この段階的なやり方の方が楽しめるんじゃないでしょうか。
音読・暗唱にこだわりすぎないコツ
音読・暗唱をするとき、素材が長かったり状況が具体的すぎたりすると、覚えにくくなると思うんです。
その点、この本は短いからサッと覚えられて使い勝手がいい。
ただ、暗唱にこだわりすぎると、覚えられないストレスが出てきてしまうんですよね。
なので私は、1日100文とか何チャプターとか決めて、ひたすらぐるぐる繰り返しています。
そうすると自然と覚えるし、似たような英語に出会うことも多いなというのが、今の私の印象です。
まとめ
この本は3月に出たものなので、私も年内には確実に一周を終えて、改めてレビューを撮りたいと思っています。使い方はまだ模索中ですが、いい一冊なのは間違いないというのが、今の私の実感です。
- 『普通の英単語』は、ネイティブが使う「普通」を一つの指標として定義してくれている
- 1行7、8語の短い例文が中心で、音読・暗唱にとても向いている
- 派生情報や語源、品詞ごとのカテゴライズで頭の整理がしやすい
- 星のグラデーションを使い、周回ごとに範囲を広げていくのがおすすめ

