数字は追わず「1ミリ誰かの役に立つ」ラジオへ
今回の収録は、足立区北綾瀬にあるシェアスペースPLUG-IN 北綾瀬足立区北綾瀬・東和エリアの古い一軒家をリノベーションしたシェアスペース。カフェやショップ、貸し部屋、ワークショップなどに使われる街の居場所。オーナーは鈴木さん。から。冒頭ではYouTubeの登録者数が「十数人」であることが赤裸々に語られました。それでもいずみさんは「優しい10人ぐらいがいるという事実が嬉しい」と前向きです。
番組の目標は数字ではありません。いずみさんが掲げたのは「足立区内を歩いている時に、知らない人から“聞いてます”と言われてみたい」というもの。誰かの人生を左右する力はなくても、クスッと笑ってもらえたら嬉しい、という等身大の願いです。おしょうによると、YouTubeより配信のPodcastのほうが反響は大きいとのこと。
誰かのどこかの誰かの役に1ミリぐらい立ってたら嬉しいかなみたいな。
雑誌「ガチアダチ」の全貌と現在地
この回のメインテーマは、制作中の雑誌「ガチアダチ」(仮タイトルながらロゴは完成済み)の進捗報告です。きっかけは安心堂の丸山優子社長おしょうが「ゆうちゃん」「大社長」と呼ぶ人物。雑誌の制作費を作る際に協力し、「進捗をちゃんと伝えたほうがいい」と広報についてアドバイスした。から「せっかくグッズを作って出したのだから、もっと広報して伝えたほうがいい」と言われたことでした。
制作費は、えんせんグラスのIPを使ったコラボグッズ「えんせんグラス × ガチアダチ」を作って販売し、約50万円を得たとのこと。その資金で今、制作を進めています。
雑誌の中身については、大特集が「ガチアダチの100人」。100人が載る予定で、その大特集は5つの章で構成されています。進捗は章によってばらつきがあります。
発信が遅れた理由について、おしょうは「言い訳もある」と前置きしつつ説明します。ほぼ一人でプロデューサー兼ディレクター兼ライターを担っており、状況が刻一刻と変わり続けているため、伝えた後に内容が変わってしまうのが怖かったのだといいます。
常に頭の中は目次で、あ、これこの人がこうで出るからこうなるなみたいな。ずっと変わり続けてる。
なぜ雑誌なのか──小説家志望からの回り道
雑誌を作ろうと思ったのは2023年12月。編集長の「しーちゃん」が加わって手が空いたタイミングで、「じゃあ雑誌やろう」というノリから始まったといいます。ただ、その背景には「紙をやりたかった」「本を出したかった」という長年の思いがありました。
おしょうはもともと小説家になりたかったものの、それは早々に諦め、ビジネス書での商業出版も「自分のレベルが達していない」と判断。そこで、地域の人たちのことを編集する立場、つまり著者ではなく編集者として雑誌を作ることが、当時の自分にできる最大値だと考えたそうです。
話は膨らみ、おしょうの「目標のロードマップ」が語られる場面も。むっちゃん(奥さん)に登場してもらい、ブルータス、情熱大陸、著書という段階を勝ち取っていきたいと宣言しました。ただし「夢はタイミングが来ないとできない」「メディア出演は自分でコントロールできない」ため、これらは夢ではなく目標だと整理していました。
タイミングが来ないと実現できないもの
自分で動いて近づいていけるもの
SNSでは流れていく物語を、資産として残す
地域には頑張っている人、活躍している人がたくさんいる。けれど、その人たちの物語はあまり表に出ていない――おしょうはそう感じています。だからこそトネリライナーノーツおしょうが手がける、地域の人の物語を伝えるメディア。SNSのように消費されて流れていくのではなく、物語をきちんと残すことを目的としている。のような活動も続けているといいます。
今のSNSは「喧嘩して目立った人が勝ち」のような文脈になりがちで、投稿は瞬間で消費されて流れていってしまう。それに対して、雑誌もPodcastも「消費されず資産になる」から続けている、というのがおしょうの考えです。
誰に読んでほしいか──子供たちの選択肢を広げる一冊
「誰に読んでほしいか」という問いに、おしょうはまず「売り切ることが前提。でもできたら結構満足」と答えます。書店に並んでいるのを見たら満足する、というのです。さらに「聞いてほしい人というより、自分が誰よりも聞いている」「自分が一番のファンであり続ける」という制作の姿勢を明かしました。それでいうと、出てくれた人たちが喜ぶように作っているので、まずは出演者に読んでほしいとのこと。
一方、いずみさんには明確な思いがありました。自身の子育て経験や、思春期に多くの大人に育ててもらった原体験を踏まえ、この雑誌は子供たちに読んでほしいと語ります。
いずみさんは「かっこいい大人だけを載せた本を作りたい」と2年ほど前から言っていたそうで、おしょうから声がかかった雑誌がまさにそれだったと語ります。おしょう自身も「これは俺が言ったことにしてもらっていい」と即座に共感を示しました。なお、おしょうには「表紙に出てほしい芸能人がいる」という個人的な原動力もあり、それが制作を頑張れるドーパミンになっているそうです。
好きな人としか仕事をしないという姿勢
「憧れの人と仕事をしたいか」という話題から、いずみさんは自身の仕事観を語ります。有名人かどうかではなく、生き方がかっこいい・好きだと思える人と一緒にいたいし、仕事もしたい。今はまさに好きな人としか仕事をしていない、と断言しました。
会社員とフリーランスの違いは「自分で選べること」。嫌だと思う人と仕事をするなら、何のためにフリーランスになったのかわからない、と語ります。さらに印象的なのは、共感できないときの受け止め方です。
相手のせいにして距離を置く
「相手のリサーチが足りていない、自分の努力不足」と捉え、まず相手を知ろうとする
この矢印を自分に向ける姿勢に、おしょうも「偉いね」と感心。番組のトークテーマは基本的にいずみさんが考えて持ってきており、おしょうはそこに“茶化す”アドリブを乗せていく――そんな二人の役割分担も垣間見えました。真面目すぎる話は聞いていられない、緩さが大事、という点でも二人の息はぴったりです。
まとめ
雑誌「ガチアダチ」は、地域で頑張る100人の物語を、消費されず“資産”として残すためのプロジェクトです。制作費はコラボグッズで捻出し、章ごとに撮影・デザイン・ライティングが順次進行中。おしょうにとっては編集者としての集大成であり、いずみさんにとっては「かっこいい大人を集めた本を作りたい」という長年の夢が重なった場でもあります。
最後には、収録場所であるPLUG-IN 北綾瀬の告知も。早い時間のモーニングやビリヤニランチ、質の高いワークショップが開かれている街の居場所として紹介されました。
- 雑誌「ガチアダチ」は「ガチアダチの100人」を大特集に、5章構成で制作中。ロゴは完成済み、章ごとに進捗はまちまち
- 制作費はえんせんグラスとのコラボグッズで約50万円を捻出。丸山優子社長の助言をきっかけに進捗を発信
- SNSは流れて消費されるが、雑誌やPodcastは資産として残る──だからこそ地域の物語を紙にしたい
- いずみさんは「子供の選択肢は見たものからしか生まれない」と考え、いろんな大人に出会える一冊を目指す
- 「好きな人としか仕事をしない」「共感できないのは自分の努力不足」というフリーランスの仕事観も語られた
