お願いが苦手な二人の共通点
テーマは「喜んで引き受けてもらえるお願いの仕方」。ところが切り出した途端、おしょうは「これ結構苦手分野かも」と本音をこぼします。人にお願いするのがとにかく苦手なのだそうです。
実際、清水いずみに仕事を依頼したときも、メッセージを送るまで1週間ほどもじもじしていたと明かします。その理由は明快で、「何よりも断られるのを嫌う人間」だから。油断して頼んだ相手に断られたときのダメージが大きすぎて、いつも慎重になってしまうといいます。
いずみちゃんにお願いするのもさ、1週間ぐらいもじもじして、メッセ送れなかったもん。
清水いずみも「それがほんと苦手分野」と応じます。二人ともお願い下手──だからこそこの回は「自分たちがどう頼むか」ではなく、「お願いされて気持ちよかった経験」から本質を探ることになりました。
「あなただから」が動く理由
清水いずみが「お願いされて嬉しかった経験」として挙げたのが、おしょう自身からの依頼でした。仕事を一緒にやってほしいと直接会って話したとき、「いろんな人にお願いしているわけではなく、あなただからお願いしたい」と言ってもらえたことがやる気につながったといいます。
おしょうによれば、これは嘘偽りのない本音でした。声をかけたのは彼女が唯一で、「これでダメだったら自分の活動は終わりだと思っていた」とまで語ります。地域活動においては、募集をかけるのではなく、これまで出会った人の中から「このポジションはこの人だ」と思う相手に直接お願いするスタイルに切り替えているのだそうです。
公募をやめる
地域活動では採用募集ではなく、知り合いの中から適任者を探す
「あなただから」を伝える
相手のこれまでの活動を見てきたうえで、名指しで依頼する
「私だからお願いしたい」という一言は、相手に特別感を与え、依頼を単なる作業ではなく期待の表明に変えます。ここに「モテるお願い」のヒントが早くも見えてきます。
遠い相手には「先に差し出す」
では、まだ関係が近くない相手にどうお願いするのか。おしょうが「遠い人にお願いすると想像して」と振ると、清水いずみは自身の流儀を語り出します。
まず相手の商品を実際に買って使う。そして自分が良いと思ったポイントを感想として伝える。つまり「自分から差し出せるもの」を先に相手に渡すのです。そのうえで話せる間柄になってきたら、はじめて「実は困っていて、ぜひお願いしたい」と切り出します。
「何かをください、やってほしいが苦手だから、先に相手のためになることをやりたい」と清水いずみ。ただし時間はかかります。おしょうは「もっと早く言えばいいのに、と思われそう」と笑いますが、それも結局は関係性の問題。関係ゼロの相手には、おしょう自身も「お願いは無理だ」と認めます。
興味深いのは、清水いずみがおしょうの癖を指摘した場面です。おしょうは相手の発言に必ず肯定から入り、「めっちゃいいですね」というフィードバックを全力で先に出しているというのです。おしょう本人は無意識ながら、それが相手を知り、関係を近づける入り口になっていました。
コンパで培った「話させる技術」
おしょうが肯定から入る「めっちゃいいですね」という相槌。その正体は、かつて1年間で相当な回数をこなしたコンパの名残だと明かします。相槌は「めっちゃいいですね」「マジで?」「おお、マジか」の三パターンほど。この“三段活用”で相手の話を引き出していたといいます。
コンパで否定から入ったら嫌われちゃうから、なるべく喋ってもらった方がいい。
清水いずみが「気に入られたい相手を前にすると、普通は自分の話をしたくなるのでは」と問うと、おしょうは失敗を繰り返すうちに「話させることがまず大事」だと気づいたと答えます。当時は9割ほど相手に話させることを目的に喋っていたそうです。
特に印象的なのが、コンパは「冷え冷えから始まる」という視点。相手の緊張をほぐし、顔の筋肉を動かさせる=喋らせて笑わせることが、場を温める第一歩だという考え方です。
相手に9割話させる。とにかく喋らせて場を温めることが目的
自分の物語もちゃんと入れる。一緒に何かをするには双方向が必要
今は目的が変わり、自分のことも語るように比率を変えたといいます。聞くだけでは一緒に何かを始められないからです。ちなみに、この三段活用を一緒にやっていた同級生とは先日8年ぶりに再会。彼は「人と喋るのが嫌」で技術を活かしていなかった一方、紹介した相手と結婚して幸せな家庭を築いており、清水いずみは「その人なりの幸せを生きている」とまとめます。
家族へのお願いはなぜ得意なのか
お願い下手を自認するおしょうにも、実は得意な相手がいました。妻の「むっちゃん」です。ガチ仇倶楽部のトラブル対応中に「美容室に行きたいから子供を見てくれる?」と電話がかかってきても、それが一番嬉しいと語ります。清水いずみは「対応中の電話を嬉しいと思えるなんて」と愛妻家ぶりに驚きます。
逆におしょうから妻へのお願いも多いといいます。イベント「新大島ナイト」では、おしょうがレシピを出し、それを妻が営業中に大量の野菜を切りながら形にしていくスタイル。「このサイズに切って」と指定し、大きいと言えば怒られる──そんなやりとりの中で、おしょうは「家族にお願いするのは得意だ」と気づきます。
いい気づきあったわ。むっちゃんにお願いするのは得意だわ。
一方の清水いずみは、家族へのお願いも「めちゃくちゃ少ない」と告白。ここで話題は、二人に共通するもうひとつの壁へと向かいます。なお、清水いずみは会話の中で「お願いは一方通行ではなく、お互いにするのが大事」とも語っており、頼み合える関係こそが土台になっていることがうかがえます。
「自分でやった方が早い」という壁
なぜ家族にお願いできないのか。清水いずみの答えは「自分でやったら早くない?ってなる」。相手に期待していないわけではなく、「そんなお願いするほどのことなのか」と毎回自分に問うてしまい、結局一人でやってしまうのだといいます。
その積み重ねで「鋼のメンタル」「石みたいになっている」と表現し、それを良くないと感じているとも。今年は「殻を破りたい」と語っており、人に頼ること・お願いすることを増やしたいという願いがこの回のテーマにもつながっていました。
「自分でやった方が早い」と考え、頼まずに一人で抱え込む
殻を破って、人に頼ったりお願いしたりできるようになる
おしょうも「自分でやった方が早い論」に深く共感しつつ、あえて心を無にして家の外ではやらないようにしていると語ります。頼るのが苦手な二人が、それぞれのやり方で殻を破ろうとしている姿が見えてきます。
まとめ
「モテるお願いの仕方」を探る回でしたが、行き着いた答えは意外にもシンプルでした。おしょうの「飲みに行って酔わせるか、関係値を近くするか」という身も蓋もない結論と、清水いずみの「先に差し出してから頼む」という丁寧な流儀。手法は正反対に見えて、どちらも根っこは「関係性を育ててからお願いする」という一点に集約されます。
近い相手には名指しで「あなただから」と伝え、遠い相手にはまず自分から与える。そして、頼ることそのものが苦手な人は、まず「自分でやった方が早い」という思い込みの殻を破ること。二人は今後、リスナーからの質問や「上手なお願いの仕方」を募集する質問フォームを作りたいと語り、この回を締めくくりました。
- おしょう・清水いずみともに「お願いが苦手」で、その最大の理由は「断られるのが嫌」という点で共通している。
- 近い相手には「いろんな人ではなく、あなただから」と名指しで伝えると、相手のやる気が引き出せる。
- 遠い相手には、まず商品や活動を体験して感想を伝えるなど「自分から先に差し出す」ことで関係を育ててから頼む。
- おしょうの「肯定から入る相槌」や「相手に話させる技術」はコンパ時代に培ったもので、今の活動にも活きている。
- 「自分でやった方が早い」という思い込みが、人に頼れない大きな壁になっている。
