30代からの人間関係むず過ぎて滅──友達6人の漫画家と、繊細すぎる妻の本音
漫画家のかっぴー漫画『左ききのエレン』の作者。累計400万部突破、アニメ化も実現した人気漫画家。さんと妻でモデルの深見えりこさんが、夫婦ポッドキャスト「ここだけの話」第4回で語ったのは「30代からの人間関係」。子どもが生まれて飲み会が激減した夫、"一番身近なアンチ"と呼ぶマネージャーとの関係、自己肯定感モンスターだった過去、そして産後にナイーブになった妻の悩み──笑いと本音が入り混じるトークの内容をまとめます。
子どもが生まれて飲み会が消えた
子どもが生まれる前と後で、人間関係は大きく変わったとかっぴーさんは語ります。もともとお酒が弱く、飲み会はそこまで多くなかったものの、仕事で出会った人との食事の誘いにはそれなりに応じていたそうです。ところが子どもの誕生後、直前になって「行ける状況じゃない」と気づくことが続き、何度もドタキャンを重ねてしまったとのこと。
夜ご飯行くってなったら、埋め合わせを前後でどっかで絶対すべきじゃん。それが全然できなくて
たとえば明石ガクトワンメディア代表。動画メディアやコンテンツビジネスで知られる起業家・クリエイター。さんやGO三浦崇宏クリエイティブカンパニー「The Breakthrough Company GO」代表。広告・PR業界で活躍するクリエイティブディレクター。さんに予約困難店のお寿司に誘われても、急遽自分の友人を代わりに行かせるという荒業に出てしまったそうです。結果、「半端な付き合いだったら行かない」というスタンスに落ち着き、友達はますます減ったと苦笑いしていました。
一方で、かっぴーさんは今でも明石さんや三浦さんのことは「人として好き」だと話しています。仕事につながるかどうかではなく、純粋に会いたい人とだけ会う──子どもの誕生がそんな優先順位の整理を促したようです。
一番身近にいるアンチ、ことマネージャー
話題は友達の少なさから、意外な方向へ転がります。「友達いないくせに気にしい」と妻に指摘されたかっぴーさんが語り出したのは、現マネージャー・今村さんとの関係でした。
俺は一番身近にいるアンチって呼んでるんだけど。ちょっと言動がアンチ風なんだよね
具体例が強烈です。今村さんが社会人の交流会に参加し、左ききのエレンかっぴー原作の漫画。広告業界を舞台にした群像劇で、累計400万部を突破しアニメ化も実現。の話題を出したところ「誰も知らなかった」と正直に報告。かっぴーさんが「広告業界の人ぐらいだよ」とフォローすると、「広告業界の人も知らなかったです」と追い打ち。
さらに、渋谷に左ききのエレンの大型広告が掲出された日。アニメの製作委員会の方と3人で見に行った際、今村さんは「駅の近くのあかね噺集英社「週刊少年ジャンプ」連載の落語漫画。アニメ化が決定し大きな話題となった作品。の広告すごかったっす。渋谷はあかね噺ですね」と悪気なく発言。製作委員会の方が「あわわわ」と慌てる事態になったそうです。
いや、マジでアンチ隣にいるじゃん
ただし、かっぴーさん自身も「本当に悪気なく思ったことを言ってるだけ」とフォローしています。嘘がつけない性格で、左ききのエレンという作品自体は大好き。作者のことは……まあ、好みではないようです。
初代マネージャーVS現マネージャー
対照的なのが、初代マネージャーの小林さんの存在です。かっぴーさんいわく「息を吐くようにおべんちゃらが出てくる」タイプ。先日、かっぴーさん・今村さん・小林さんの3人でお茶をした際のエピソードが語られました。
小林さんはまず現状を褒め、「いよいよかっぴーの時代ですよ」と持ち上げます。かっぴーさんが「400万部突破したけど、この先の目標がわからない」と悩みを打ち明けると、まっすぐ目を見て「1000万部いきましょう」と即答。認めた上で、さらに上を目指させる──マネージャーとしての模範的なムーブです。
そして極めつけは、その決めゼリフを言った直後に今村さんの方を向いて「こう言うんだよ」と伝えたこと。「かっぴーはこう言うとやる気になるから」と、後任マネージャーへの引き継ぎまで完璧にこなしたのです。
息を吐くようにおべんちゃら
現状を褒める → 高い目標を提示
「1000万部いきましょう」
嘘がつけず思ったことを言う
「誰もエレンのこと知らなかったです」
「渋谷はあかね噺ですね」
かっぴーさんは今村さんに小林さんムーブを求めているわけではなく、「アンチ活動だけやめてほしい」というのが本音。えりこさんは「今村さんゲストに呼んでインタビューしよう」と提案していましたが、実現するかは不明です。
自己肯定感のモンスターだった過去
人間関係の話は、かっぴーさん自身の「かつてのヤバさ」へと掘り下げられていきます。仲の良い友達は6人。その全員と本気で喧嘩した経験があるといいます。
えりこさんに「デリカシーがなかった」と指摘されると、かっぴーさんは素直に認めました。30代前半の頃は「俺こそがアンサーだ」と信じて、頼まれてもいないのに勝手にアドバイスをしていたそうです。
何でもなかった、ただの大学生の時からこうだったの。自己肯定感のモンスターだったのかもしれない
漫画家として成功したから自信過剰になったのではなく、何者でもなかった大学時代からそうだったと振り返ります。自己愛性パーソナリティ障害自分を過大評価し、他者への共感が乏しく、批判を受け入れにくい傾向を持つパーソナリティ障害の一類型。DSM-5(精神疾患の診断基準)に記載されている。について真剣に調べたこともあるそうで、「絶対に自分が正しいと思っている」「指摘されても全く響かない」という特徴に心当たりがあったとのことです。
自分が正しいと疑わない/勝手にアドバイス/指摘が全く響かない/「俺こそが世界のアンサー」
妻の教育で「人間に近づいている」/イラッとしても一拍おける/相手ができないことを受け入れられるように
えりこさんは「気づいてる時点で多分違う」「結婚した当初と比べてめちゃくちゃ改善してる」とフォロー。かっぴーさん自身も、妻との生活を通じて「自分ができるからって相手ができると思わなくなった」と話しています。イラッとした時に「ちょっと待ってよ」と思えるようになったのは、えりこさんに"教育された"成果だそうです。
ちなみに、カジサックキングコング梶原雄太のYouTubeチャンネル名および活動名。登録者数200万人超の人気チャンネル。のカメラマンであるヤスタケカジサックチャンネルのカメラマン兼出演者。カジサックファミリーの一員として人気が高い。さんと食事に行くたびに「本当に梶原さんに似てますね」と言われるのだとか。マネージャーに「あけましておめでとうメール」が来ないことにイラつく感覚が、まさに梶原さん的な"昭和の男"だと笑い話にしていました。
30代女性の人間関係、距離感という難題
後半では、えりこさん側の人間関係の悩みが語られます。30代、女性、子どもあり──この3つの要素が組み合わさることで、人間関係は一気に複雑になるといいます。
母になると強くなるって言うじゃん。うち全然もう弱くなった。めっちゃナイーブになった
20代の頃は「ちゃらんぽらんで何を言われても平気」だったのに、子どもが生まれてからは些細な一言でもずっと考え込んでしまうように。えりこさんは「守るべきものが増えて、攻撃に弱くなった」と分析します。産後のホルモンバランスの変化も大きく影響しているそうです。
子どもがいる女性といない女性とのすれ違い、友達関係の変化をポジティブに捉えられないもどかしさ。えりこさんは「信じられないぐらい気を使う」性格で、「全部の言葉をナイーブに受け取ってしまう」と吐露しています。
かっぴーさんは「考えすぎだよ」「そんな意味じゃないよ」と声をかけてきたそうですが、えりこさんが本当に求めていたのは「共感」でした。
「考えすぎだよ」って言われるよりも、「そうだね、つらかったね」って言ってほしい。確かにって言っとけばいいの
確かに
一方で、えりこさんは前向きな変化も語っています。最近はママ友に対しても壁を作るのをやめ、モデルやSNS界隈でも積極的に友達を作るようにしているそうです。「依存先をどんどん増やした方が世界が楽しくなる」という考え方にシフトしたとのこと。「30過ぎて人見知りってキモい」という自分への戒めも効いているようです。
かっぴーさんは「30代からが大人。20代は振り返ると全然子供だった」と語り、えりこさんは「30代は距離をうまく保てる人が人生を謳歌できる」と結論づけていました。距離感の達人への道は、まだまだ続きそうです。
まとめ
子どもの誕生で飲み会が消え、友達は6人に絞られた夫。「一番身近にいるアンチ」と呼ぶマネージャーとの関係に苦笑しながらも、初代マネージャーとの対比で「人をやる気にさせる言葉の力」を実感しています。かつて「自己肯定感のモンスター」だったかっぴーさんは、妻との生活を通じて少しずつ人間に近づいていると自覚。一方のえりこさんは、産後のメンタル変化と30代女性特有の人間関係の難しさに向き合いながら、「依存先を増やす」「壁を作らない」と前を向いています。30代の人間関係は難しい──でもだからこそ、残った関係は本物なのかもしれません。
- 子どもが生まれると「埋め合わせ」が必要になり、半端な飲み会には行けなくなる。結果、本当に会いたい人だけが残る
- マネージャーとの関係に見る「正直すぎる人」の功罪。悪気がなくても言葉は人を傷つける
- 初代マネージャーの「認めた上で高い目標を示す」コミュニケーションは、人を動かす技術そのもの
- 「自分ができるからって相手ができると思わない」──自己肯定感モンスターから人間への成長記録
- 産後のホルモン変化でナイーブになるのは自然なこと。求めているのはアドバイスではなく共感
- 30代の人間関係は「距離感」がすべて。依存先を増やしつつ、適切な距離を保つのが鍵
