正反対の夫婦が語る生い立ち──未熟児だった夫と"メイちゃん"だった妻
夫婦ポッドキャスト「ここだけの話」第6回では、漫画家のかっぴーさんとモデルの深見えり子さんが、それぞれの幼少期から家族の話までを語りました。神奈川の写真屋の息子として生まれたかっぴーさんと、熊本の葬儀屋の家庭で育った深見えり子さん。正反対の生い立ちをもつ二人が、家族との思い出や父の死を経て気づいた「家族の大切さ」にたどり着くまでの内容をまとめます。
スレッズがバズった話とライブでの"奇行"
前回のエピソード「夫を垢抜けさせる術」に合わせて、ThreadsMeta社が運営するテキスト共有型SNS。Instagramのアカウントと連携して利用する。にビフォーアフター画像を投稿したところ、約3,000ハートがついたとのこと。かっぴーさんいわく「どの漫画よりもハートがついた」「アニメの告知よりついた」そうで、コメント欄には「タキマキモデル・タレントの滝沢眞規子さんの愛称。おしゃれな夫婦像の代名詞として使われることが多い。様夫婦のよう」という声も。二人は大喜びしつつ、リスナーに「コンビ名を考えてほしい」と呼びかけています。
私のどの漫画よりハートがつきました。アニメの告知よりハートがつきました。
続いて話題は「今週の夫の奇行」へ。AIアメリカ出身の歌手・ソングライター。かっぴーさんの漫画『左ききのエレン』のアニメ版主題歌を担当。さんのライブに夫婦で招待された際、関係者席に案内されたかっぴーさんが、マネージャーやスタッフに対して「今日は妻とデートだから」と身振り手振りで"どけー"と追い払うような態度をとったというエピソードです。
かっぴーさんの弁明によると、「囲まれるのが嫌だった」「学生時代にクラブで乗り方が変と言われて以来、ライブで乗っている姿を見られたくない」「関係者席は見渡す限り知り合いだから二人きりで楽しみたかった」とのこと。深見えり子さんは「マネージャーさんもドン引きしていた」と振り返りつつも、「めっちゃ面白かった」と笑っていました。
かっぴーの生い立ち──未熟児から英語科の洗礼まで
かっぴーさんは神奈川県大和市神奈川県のほぼ中央に位置する市。鎌倉・湘南・横浜のどれにも当てはまらない、渋谷から私鉄の終点にあるエリア。の写真屋の息子として、四人家族(父・母・姉・自分)で育ちました。生まれたときは未熟児に近い状態で保育器に入っており、祖母が「かわいそうで会えない」と見に来なかったほどだったそうです。「大きくなるように」という願いを込めて「だいすけ」と名付けられました。
四十年まで生きててラッキーって感じでね。そもそも。
自転車に乗れなかった小学校時代
幼稚園はキリスト教系。小学校時代の最大の特徴は「自転車に乗れなかった」こと。友達がチャリで移動する後ろを、小学6年生まで走って追いかけていたそうです。そのおかげで小学3年生頃までは足が速く、運動会でもそこそこ活躍。ただし中高学年になると運動神経の差が出て負けるようになったとのこと。机の中はぐちゃぐちゃで、奥からコッペパンが出てくるような「のび太くん」タイプだったと振り返っています。
英語科に入ったら周りがブライアンだった
中学時代は「パッとしなさすぎて何も頑張っていなかった」と語るかっぴーさん。推薦で行ける高校を探し、「英語を勉強したい」という理由で横浜隼人高校神奈川県横浜市瀬谷区にある私立高校。かっぴーさんの漫画『左ききのエレン』のアニメ版では、スタッフが実際に取材に訪れ、制服や校舎が忠実に再現された。の国際語科(英語科)に進学します。
ところが入学してみると、周囲はハーフや外国籍の生徒ばかりで、英語がすでに堪能な人たちの集まりでした。焦ったかっぴーさんは「和風の顔のやつ」を探して話しかけたところ、出席を取る際にその相手が「ブライアン」と呼ばれ、衝撃を受けたそうです。ブライアンはスクールカーストの一軍で、モテていたとのこと。
「おめえ、ブライアンっていうの?」って言って。「よろしく」みたいな。全然もう。
海外旅行に行けなくなった家族会議
かっぴーさんの家庭は「普通よりちょっとお金がない」状態。毎年恒例だった海外旅行は、中学の途中で開かれた家族会議をきっかけに終了しました。父親が経済的に厳しいことを隠したまま無理をしていたことが発覚し、母親が「言ってよ。伊藤家は海外旅行に行く余裕ありません」と怒ったのだそうです。
姉との関係は幼い頃は「姉ちゃん子」で、姉の部屋のカーテンに隠れて驚かそうと待ち伏せするような可愛い弟だったと懐かしそうに語っていました。
深見えり子の生い立ち──トトロのメイちゃん時代
深見えり子さんは熊本県八代市熊本県南部に位置する市。い草の産地として有名で、自然豊かな田舎町。で四人兄弟の中に生まれました。自ら「爆誕」と表現する通り、幼稚園時代は「トトロのメイちゃんスタジオジブリの映画『となりのトトロ』に登場する4歳の女の子。好奇心旺盛で怖いもの知らず、やんちゃな性格で知られる。そのもの」だったそうです。
田舎で野放しに育ち、怖いもの知らず。家の庭にあった岩から飛び降りるのにハマった結果、おでこに石が刺さるケガを負います。しかし病院に着いても血を垂らしながら水槽の魚をバンバン叩いて遊んでいたという強烈なエピソードが語られました。
トトロのメイちゃんみたいな感じ。もうメイちゃん。マジで。
3歳の予防接種では、母親に騙されて病院に連れて行かれたことに激怒し、「一人で家に帰る」とプンプン怒って宣言したそうです。
運動神経抜群、吹奏楽部へ
小学校では運動神経が抜群で、学校の代表リレーにも選ばれるほど。小学3年生のとき、陸上部と吹奏楽部で迷った末に、幼稚園から続けていたピアノの影響で吹奏楽部を選択。そこから高校3年生までずっと吹奏楽を続けました。
未熟児で保育器に入る
自転車に乗れず走って追いかける
机の中からコッペパンが出てくる
マラソンは「伊藤がゴールしたら終わり」
岩から飛び降りて頭に石が刺さる
3歳で予防接種に激怒し一人で帰ろうとする
代表リレーに選ばれるほど足が速い
吹奏楽部で高3までプロ並みの練習
かっぴーさんは「生命力が溢れている。俺とは違う」とえり子さんの活発さを評し、自分はマラソンの授業で「伊藤がゴールしたら終わります」と先生に言われるビリ常連だったことを対比的に語りました。ただし「一位と俺だけ拍手をもらえる」とポジティブに振り返るあたりが、かっぴーさんらしいところです。
えり子の母と下宿──25年間の里親のような暮らし
深見家の父親は葬儀屋のサラリーマン。えり子さんにとっては当たり前の環境ですが、かっぴーさんは「いつ仕事が入るかわからない大変さがある」「葬儀屋なのにハチャメチャに明るい家族」と驚きを隠しません。
特に印象的なのは、えり子さんの母親が高校生の下宿他県から通学するために、一般家庭に住み込むこと。えり子さんの実家では、近隣の高校に通いたい生徒を自宅に受け入れていた。を25年間にわたって続けていることです。えり子さんが高校1〜2年の頃に始まり、代わる代わるいろんな学生を受け入れ、現在も継続中。えり子さんの部屋は潰され、増築を重ねて「変な間取り」になっているそうです。
元下宿生・てっぺいさんの話
象徴的なエピソードとして語られたのが、かつて1年だけ下宿していた「てっぺい」さんの話です。当時はかなりの不良で、何度も警察に捕まり、えり子さんの母が交番に迎えに行っては本気で叱っていたそうです。
そのてっぺいさんが社会人になり、結婚が決まったとき、真っ先にえり子さんの母に電話で報告。「奥さんを紹介したいので、東京に来た時に会ってください」とお願いし、正月には実家に帰ってくるようになったとのこと。
かっぴーさんは、えり子さんの母について「聖母マリアのような人かと思いきや、娘と大喧嘩もするし破天荒」「でも人としては本当に面白い」と評し、「がばいばあちゃん島田洋七の自伝的小説『佐賀のがばいばあちゃん』のこと。貧しくも明るく生きる祖母との暮らしを描き、大ベストセラーになった。みたいに本を書いてほしい」「八代ばあちゃんだ」と出版を本気で勧めていました。
父の死と「見えなきゃやだ」──家族について考えたこと
話題は、かっぴーさんの父親が2年前に亡くなったことへ。かっぴーさんは父と「全然話さなかった」関係でしたが、長女の空(そら)ちゃんが生まれてからは劇的に変わり、「それまでの会話量を超えた」と語ります。父にとって空ちゃんは「生きがい」だったそうです。
亡くなる直前は「今夜が峠」という状態が2〜3日続き、かっぴーさんが病院に残って母と姉をホテルに休ませていたところ、危篤の連絡が入り、結果的に家族全員で看取ることができました。
空ちゃんの「見えなきゃやだ」
5歳の空ちゃんにじいじの死をどう伝えるか悩んだ末、「じいじは死んじゃっていないけど、絶対に空ちゃんのこと見てるからね」と繰り返し伝えていたそうです。しかしある夜、空ちゃんは我慢できずに「見えなきゃやだよ」と泣き出しました。
今でもお風呂で一人きりの時に「じいじ、天国で元気ですか?」「じいじ、また会いたいよ」とつぶやいているそうです。ただしその後、「でも私は天国にはまだ行けません。行く予定もありません」とちゃんとお断りを入れるのが、空ちゃんらしいところだとかっぴーさんは笑いながら話していました。
父の死が二人目を望むきっかけに
この経験が、二人目の子供を望むきっかけにもなったとかっぴーさんは明かします。父を看取ったとき、「自分が死ぬときの病室」を想像し、空ちゃん一人だけではなく、もう一人いてほしいと感じたそうです。空ちゃん自身も「弟か妹が欲しい」と言っていて、実際に次女が生まれた今、「激愛がすごい」とのこと。
夢に来た父
深見えり子さんが「夢にお父さんが出てきたって言ってたけど、何を言ってたの?」と尋ねると、かっぴーさんはしばらくためらった後、静かに語りました。夢の中で父が玄関に普通にやって来て、「おお」と声をかけ、抱き合っただけ。かっぴーさんは夢だとわかっていたけれど、父はいつも通りだったそうです。
まとめ
神奈川で写真屋の息子として静かに育ったかっぴーさんと、熊本で葬儀屋の家庭に生まれ、岩から飛び降りるようなやんちゃ娘だった深見えり子さん。生い立ちは正反対ですが、どちらも家族の存在が人生を形づくってきたことが伝わるエピソードばかりでした。
えり子さんの母親が25年間続けている下宿の話や、元下宿生のてっぺいさんとの絆は、「家族は血のつながりだけではない」ということを教えてくれます。そしてかっぴーさんが父の死を経て「やっぱり大事なのは家族」とたどり着いた言葉には、飾らない実感がこもっていました。
笑いながら始まり、しんみりと終わった今回。かっぴーさんの予告によると、来週は打って変わって「下ネタスペシャル」とのことです。
- 前回のビフォーアフター投稿がThreadsで約3,000ハートを記録し、「タキマキ夫婦」と称された
- かっぴーさんは未熟児で生まれ、自転車に乗れず走って追いかける小学校時代を過ごした。英語科に進学したら周囲がハーフだらけだった
- 深見えり子さんは熊本で「トトロのメイちゃん」のようなやんちゃ娘として育ち、運動神経抜群で代表リレーにも選ばれた
- えり子さんの母は25年間、高校生の下宿を赤字で続けている。元不良の下宿生が結婚報告に来るほどの信頼関係を築いている
- かっぴーさんは父の死を看取った経験から「死ぬ時に思い出すのは仕事ではなく家族」という確信に至り、二人目の子供を望むきっかけにもなった
