外見基準ではずれる理由
緊縛では、受け手に縄をかけていくことになります。このとき、外見を基準に縄をかけると、位置がずれることが多いといいます。
たかせさんが挙げるのは、背中の真ん中を取ろうとする場面です。見た目で真ん中を取ろうとすると、意外とずれてしまうそうです。
そこで「縛楽式」では、背骨の位置を確認し、それを基準にするよう教えているとのことです。
肩に縄をかける場合も同じ考え方だといいます。「肩にかける」という大まかな捉え方ではなく、三角筋の一番厚みのあるところにかけるよう指導しているそうです。
こうした位置の判断には、筋肉や骨、骨格をある程度理解している必要があると話します。
見た目と中身は一致しない
たかせさんが強調するのは、人間の体の作りには個体差があるという点です。人によって、内部の構造はかなり違うといいます。
さらに、見た目の外形と中の形が必ずしも一致しないことも指摘します。
例えばこの辺に筋肉がついていそうだなと思っても、結構そこには脂肪が付いてて、見た目にここが一番膨らんでる感じがするけど、じゃあそこが正解かというと必ずしもそうではない。
つまり、膨らんで見える場所が、狙うべき正解の位置とは限らないということです。
一方で、明確に避けるべき部位もあります。筋肉の薄いところ、特に関節周りや、腱のあるところは、基本的に縄をかけてはいけないとされています。
ただし、その付き方も人によってかなり違うといいます。「膝とはこういうものだろう」といった当て勘で進めると、うまくいかないことがあるそうです。
骨や関節を避けるための観察
体が細い人や、骨張った印象の人では、骨と骨がぶつかりやすい部位があると話します。
膝や足首のあたりは骨が出っ張っていることがあり、その骨同士が当たると痛みにつながります。
そうした場合は、当たる箇所を避けるようにかける必要があります。そして、こうしたことを予測するためにも、その人の体の作りを把握しておくことが欠かせないといいます。
外見だけで判断したり、「いつもこうやっているから」という基準で進めたりすると、フィットしない縄になってしまうと指摘します。
吊りや展開で問われる正確さ
特に、縄で吊って展開するような場合には、その人に合わせて縄をかける必要性が高まるといいます。
合っていないと、縄が緩みやすくなったり、当たってはいけないところに当たったりすることが、簡単に起きてしまうそうです。
だからこそ、そもそも何のために縄をかけているのかという前提を理解したうえで、体の構造上のどこにテンションをかけたいのか、どこにかけてはいけないのかを判断しながら進める必要があると語ります。
手順の先にある解剖図の学び
近年の緊縛では、人体の構造の理解が技術とセットになってきていると話します。
いわゆる解剖図、つまり筋肉や骨、さらには神経や血管まで含めた内部構造の理解です。これがないと、適切に縄をかけることも、適切なリスク回避も難しいといいます。
一方で、習い始めの頃から構造を完全に理解するのは難しいとも認めています。専門職でない限り難しいため、最初はある程度端折って覚えざるを得ないといいます。
そのうえで、考えずに縄が運べるほど手順が身についた後に、内部構造の理解へ進んでほしいと話します。
構造を理解して最適な場所にかけられるようになれば、安全面でも、受け手が体感する効果の面でも良くなるはずだと締めくくりました。
まとめ
縄をかける位置は、外見やいつもの手順だけで判断するとずれやすいものです。背骨や三角筋など身体の構造を基準にし、避けるべき部位を見極めることが、安全性と効果の両面につながると語られました。
- 外見で真ん中や肩の位置を取ろうとすると、位置がずれやすい
- 背骨や三角筋の厚みなど、身体の構造を基準にすると精度が上がる
- 見た目の形と内部の形は一致せず、個体差も大きい
- 関節周りや腱、出っ張った骨は避ける必要がある
- 手順を覚えた先に、解剖図など人体の内部構造の理解へ進むとよい
