物理的な距離感というテーマ
今回のテーマは、受け手との最適な距離感です。ここで扱うのはメンタル面ではなく、あくまで技術的な、物理的な意味での距離感だと最初に断りが入ります。
受け手との位置関係がうまく取れない人は多い、とたかせさんは指摘します。
そのつまずき方は、大きく2つに分かれると言います。遠慮しすぎて離れすぎるケースと、遠慮がなさすぎて近すぎるケースです。
離れすぎがなぜ良くないのか
では、どれくらいの距離がちょうどいいのか。これはプレイスタイルやどういう緊縛をするのかによって変わるため、「これが最適」と一律には言えないとされます。
ただし、緊縛を安定して施すためのポジションはある、というのがこの回の軸です。
特に遠慮しがちな人に多いのが、自分の体の重心から外れたところで縄を操作しようとしてしまうパターンです。
重心から外れると、どうしても操作が不安定になります。床に対して踏ん張れる状態でないと、縄に力が伝わらないのです。
その床に対して、ちゃんと踏ん張れる状態になってないと、その縄に力が伝わらないんですよね。
力が伝わらない結果、テンションが甘くなったり、縄のかかる位置がずれたりします。だから離れすぎは良くない、という理屈です。
「近すぎ」は必要か不必要かで決まる
一方で、近すぎる人の問題も語られます。単純に嫌がられる、というのがまず一つです。
ここで前提として、たかせさんの「縛楽式」は、相手と接触しながら縛りを進めるのが特徴だと説明されます。そのため物理的な距離はもともと近いスタイルです。
初めて縛る相手には、事前に「物理的に距離が近いです」と説明するといいます。
興味深いのは、実際にはかなり近い方なのに、受け手からは「過度に近い感じはしない」と言われる点です。
この違いを生むのが、必要な距離かどうか、意味のある接触かどうかだとされます。
要するに必要な距離であるかどうかなんですよね。緊縛を進めていく上で意味のある距離であるかどうか、必要な接触であるかどうか。
必要な接触である限り、嫌な印象は与えにくい。逆に「随分近いな」と思わせてしまうのは、不必要に近いからだ、という整理です。
近づきたいから近づいている。近づきたいっていうのは、ちょっと嫌な意味でといいますか。
たかせさんはこれを、電車の例えで説明します。そんなに混んでいないのに、なぜか近くに立たれる感覚です。
ある程度混んでる電車であっても、そこまで混んでないのに、なんでそんなに近いの?みたいな。そういうことが緊縛でも結構起こっている。
重心と縄に力が乗るポジション
とはいえ、ビビって離れすぎても縄のさばきが怪しくなります。近すぎと離れすぎ、どちらにも問題があるわけです。
だからまず大事なのは、重心を取ること、そして縄に力が乗るポジションを確保することだとまとめられます。それ以上離れると良くない、という基準です。
重心から外れて操作が不安定になり、テンションが甘くなったり縄の位置がずれたりする
必要のない接触は嫌がられる。何も言われないまま印象を悪くしていることも
その先の距離は、相手との関係性や関係値によっても変わってくる、と補足されます。
距離を「意味づけ」できるようになること
理想は、距離に理由がある状態です。こういうアプローチをしたい、そのためにはこれくらい近づく必要がある、という順序です。
受け手さんに対してこういうアプローチをしたいというのがあって、そのアプローチをするためにはこれくらい近づかないとできない。そういう理由が必要ってことですね。
この縄にこういうテンションをかけたい、そのためには自分のポジションが安定しないと入れない。だからこの距離になる、という一つ一つの意識です。
もっとも、実践中にそこまで細かく意識している人は多くないだろう、ともたかせさんは言い添えます。
距離感がうまくいっていない人は、面と向かって「近すぎる」「離れすぎている」とは言われにくいものです。近すぎるタイプは、それを自覚するのが難しいかもしれないと指摘されます。
何も言われずに嫌われていくことになってると思うんで。
だからこそ、意識としては持っておいた方がいいと結ばれます。この距離は本当に自分にとって必要な距離か、と考えられるようになることが一段階につながる、という見立てです。
緊縛をコミュニケーションとして捉えるとき、最適な距離感は日常のコミュニケーションと同じように存在する、とたかせさんは話します。
まとめ
受け手との距離感は「近い・遠い」で決めるものではなく、縄に力が乗るか、その接触に意味があるかで判断するものだと解説された回でした。距離に理由を持てるようになることが、技術とコミュニケーションの両面で次の段階につながると語られています。
- 距離感の問題は、離れすぎと近すぎの2方向で起こる
- 離れすぎると重心から外れ、縄に力が伝わらずテンションが甘くなる
- 近すぎが嫌がられるのは、その接触が不必要なとき。必要な接触は過度に感じられにくい
- まず重心を取り、縄に力が乗るポジションを確保することが基準になる
- この距離は必要かと意味づけできるようになると、技術と距離感が一段階上がる
