不安定な姿勢は縛り手の足の動きから生まれる
この回のテーマは、安定した姿勢を維持するための「膝行」です。前回の配信では、不安定な姿勢では不安定な緊縛にしかならない、という話がされました。
では、なぜ不安定な姿勢になってしまうのか。本質的には重心が取れていない、という話もありますが、その入り口として意識したいのは縛り手自身の姿勢だと言います。
縛り手の姿勢が安定していなければ、受け手の姿勢を安定させることもできません。そして縛り手の姿勢が崩れる一因が、足が動いていないことだと説明されています。
自分の体より遠い位置で縄をコントロールしようとしたとき、上半身だけを突っ込ませて腕を伸ばして操作してしまう。スタンスの外に上半身や腕が出ると、体はどうしても不安定になります。そういうときには、足を動かす必要があると話されています。
立ち上がって動くと縄が緩む
ただ、特殊な訓練を受けたことがない人は、足を出そうとするときに中腰で立ち上がって動いてしまいがちだと言います。
その立ち上がったり座ったりする動きの中で、縄が緩んでしまう。縄にテンションをかけたまま中腰で移動するのはかなり難しく、ほとんどできていないのが実際だと指摘されています。
そうならないために大切なのが、立ち上がらないこと。より厳密には、頭の位置、つまり目線を変えないことだと言います。
目線の位置を上下にぶれさせると、結構その縄の運びが歪みがちなので、目線を変えずに移動する必要があると。
膝で行くと書いて「膝行」
目線を変えずに移動するための方法として挙げられるのが「膝行」です。膝で行くと書いて膝行と読みます。
膝行は主に武術や武道の世界で行われている動きです。また、膝移動が必要になる職業の人の中には、意識せずとも自然と膝行的な動きが上手い人が稀にいるとも話されています。
膝行ができるようになると、目線の位置をぶらさずに平行に移動できます。体が不安定になりそうなときに自然と足が出て、安定した姿勢のまま縄を運んでいけるようになると言います。
武術レベルは不要。緊縛に必要なのはわずかな移動距離
たかせさん自身も、膝行の存在を知ってから、武道を習っている知り合いにレクチャーを受けたり、YouTubeに上がっている動画を見て練習し、できるようになったそうです。
ただし、武術・武道のレベルの膝行ができる必要はまったくない、と強調されています。何メートルも移動するようなハイレベルなものは基本的に求められません。
緊縛で必要になる移動距離は1メートルもないくらい。ほぼ一歩、一歩半ほどの範囲でしか移動しないため、少しかじるだけでも十分に効果が出ると言います。
本当に多分30分とか1時間とか練習すれば十分なぐらい。多少コツをつかんでしまえばすぐ実践できるので、これができるだけで本当にすごく安定するんで、縄の運びが。
縛楽式のカリキュラムでの位置づけ
たかせさんが運営する縛楽式の緊縛教室でも、膝行はカリキュラムに含まれています。ただし最初からは教えていないと言います。
序盤に膝行まで教えると話がややこしくなるため、まずは縄の扱い方をメインにしているそうです。体の使い方が全くないわけではないものの、膝行のレベルでは教えていないとのことです。
膝行を説明して実際に練習してもらうのは、カリキュラムが中盤に差し掛かったあたり。少しやればそれなりにできるようになると話されています。
最初は体の感覚として意味がわかるまで少し難しいかもしれませんが、10分から20分もやっていると「こういうことか」とわかる程度だと言います。武術・武道の経験者からは簡単ではないと言われるかもしれませんが、緊縛で最低限必要なレベルなら、それほど難しいものではないとまとめられています。
まとめ
不安定な緊縛を防ぐには、まず縛り手自身の姿勢を安定させることが入り口になります。立ち上がらず、目線を変えずに移動する「膝行」を身につけることで、縄のテンションを保ったまま安定して縄を運べるようになる、という回でした。
- 不安定な緊縛の一因は、縛り手の足が動かず上半身だけで縄を操作してしまうこと
- 中腰で立ち上がって動くと縄が緩むため、目線を変えずに移動することが重要
- 立ち上がらず移動する方法として、武術由来の「膝行」がすすめられている
- 緊縛で必要な移動は一歩から一歩半程度で、武術レベルの膝行は不要
- 30分から1時間の練習でコツをつかめば、縄の運びが安定する
