そもそも「指通し」とは何か
緊縛をしている人の多くが、指通しという技法を使っています。もちろん使わないポリシーの縛り手もいますが、現代の緊縛では指通しをする人が少なくないとたかせさんは話します。
指通しとは、受け手に縄をかけてテンションがかかった状態で、受け手の肌と縄との間に一度指を差し込んで通す操作のことです。
問題は、教室や講習会で「指通ししましょう」と教わり、ただ指を通しているだけの人が結構いることだといいます。わざわざその作業をするのは、それが必要だという意味があるからです。
受け手に縄をかけて、この受け手さんと縄との間に一回指を通す。指を差し込んで指を通すという操作のことを指通しと僕らは呼んでいます。
縄を揃え、テンションを揃える
指通しには箇所や場面によってさまざまな目的がありますが、多くの人が理解している基本的な目的が「縄を揃える」ことです。
緊縛では、意図的にそうする場面を除けば、縄は揃っているのが望ましいと考えられています。縄がねじれたり、重なったり、縄同士の間に隙間ができたりするのは望ましくありません。
さらに、ただ縄が並んでいればよいのではなく、縄が2本や4本並んでいる箇所ではテンションも揃うことが理想です。縄の張りや圧力の強さが揃っているかを確認し、揃えに行くために指通しをします。
肌と縄の接触面を整える
ここまでは理解している人が多いものの、それ以外にも大きな目的があります。その一つが、縄と受け手の肌との接触面の当たり方を整えることです。
縄を運んでいると、縄の摩擦に引きずられて皮膚の位置がずれていることが多いといいます。そのままだと、負担のかかり方やテンションの方向が望ましくない状態になることがあります。
そこで、一度肌に接触している縄を剥がして置き直すために指通しをするケースが多く、たいていの場面で必要な作業だと話されています。
ただし、テンションが強い場面で縄を浮かしきれず肌を引きずってしまうと、皮膚が正常な位置に戻らないまま縄が置かれてしまいます。これでは適正な状態になりません。
指通しをする時は必ず縄を浮かさなきゃいけない。指で受け手の肌や皮膚を引きずったりしちゃダメで、完全に浮かせて、そっと丁寧に置いてあげる。
テンションの方向をあえてコントロールする
もう一つの使い方として、指通しのときに縄をやや引っ張りながらかけることで、テンションのかかる方向をあえてコントロールすることがあります。
縄の摩擦によって体を引っ張らせるような形をとり、受け手の体の特定の部位に対して、かけたい方向へ力をかける状態を作るのです。
ただしこれはケースバイケースで、すべての局面で行うわけではなく、パーツごとの目的に合わせて必要なときに行うと説明されています。
指を通した後の状態をどう維持するか
見落とされがちなのが、指通しをした後の維持です。特に初心者に多いといいます。
テンションが弱い位置に指通しをした後、手を離して縄が緩んでしまうと、せっかく整えた縄のかかり方が崩れてしまいます。そうなると指通しをした意味自体がほぼなくなってしまいます。
つまり指通しをしたら、そこにかかるテンションは維持し続けなければいけません。指を通せばOKではなく、その状態を保ちながら先に進めることが大切だと話されています。
指を通せばOKになりがちなんですけど、そうではなくて、指通しをしたらちゃんとその状態を維持しながら先に進めていく。
せっかく指通しをしたのに台無しになっているケースは結構見かけるといいます。何のために指通しをしたのかを意識し、通した後の状態維持まで考えられるようになると、意味のある指通しになります。
一筋ごとの機能を理解する
たかせさんは、まず押さえるべき点として「縄を浮かせて肌の上に置き直すこと」と「指通しの後に状態を緩まないよう維持すること」の2つを挙げます。
それ以外の機能はケースバイケースで、縄が何のためにかかっているのか、一筋一筋の機能を理解していくことで、より適切な指通しができるようになるといいます。
こうしていくと、緊縛自体のクオリティが本当に大きく変わってくるところなので、意識して取り組んでほしいとまとめられています。
まとめ
指通しは、ただ受け手と縄の間に指を通せばよいものではありません。縄とテンションを揃え、肌との接触面を整え、通した後の状態を維持することで、はじめて意味のある操作になります。
- 指通しは、縄を揃え、テンションを揃えるための基本操作である
- 縄と肌の接触面を整えるには、必ず縄を浮かせて置き直し、肌を引きずらない
- 場面によっては、テンションの方向をあえてコントロールする使い方もある
- 指を通した後もテンションを維持しないと、指通しの意味がなくなる
- 縄一筋ごとの機能を理解すると、緊縛全体のクオリティが大きく変わる
