自分の本音を知るのが怖いという感覚
番組では、EQ開発の伴走で感情をログに残すワークを勧めることが多いといいます。そこで一定数の人が、日記を書こうとしても書けないという反応を見せるそうです。
書けなかった理由を整理してみると、共通して出てくる声があると廣橋さんは話します。
自分の本音を知るのが怖いとか、自分の負の感情を見つめてまた振り返すのが怖いとか、そういうことをおっしゃる方が結構いらっしゃるんですね。
廣橋さん自身は、その感覚をあまり持ったことがないといいます。感覚的に理解はできても、共感まではしづらいのだそうです。
本音に蓋をする人と、負の感情に浸り続ける人
河原さんは、自分の本音を知りたいタイプだと答えます。廣橋さんも近いタイプだといいます。
一方で、本音に蓋をする人にもよく出会うと河原さんは話します。隠す意図はなくても、無意識にそうしている人が多いのだそうです。
自分の本音みたいなところを奥に押し込めて、かりそめの求められる自分を演じるっていうか、それを無意識にやられてる方っていうのは結構多い気がします。
廣橋さんは、自分は蓋をするのとは逆のタイプだと明かします。落ち込むと負の感情に潜り続けてしまうそうです。
考えてもわかんないのに、ずっと頭の中でぐるぐる回し続けるみたいなことを結構やっちゃうタイプなので。
蓋をするのも、浸り続けるのも、どちらが良い悪いではないと廣橋さんは言います。ただ、本音を無視し続けたり隠し続けると、その分ストレスも溜まると考えられます。
本音を奥に押し込め、求められる自分を演じてしまう
負の感情が頭の中でぐるぐる回り、そこから抜けられなくなる
気づいて観察する、ちょうどいい距離感
河原さんは、負の感情をスルーしようとする人は、そこに向き合うと行動が止まったり、感情に囚われる自分が嫌だったりするからだと分析します。
しかし完全に封じ込めるのも良くない、と河原さんは続けます。
残るは残るし、蓄積していくし、澱みみたいなものってやっぱどんどん悪くなっていくみたいなこともあったりするから、いつかドッカンって来ることっていうのがやっぱりあるんですよね。
かといって浸るのも良くないといいます。ループに入って引きずってしまうからです。
では、どうするのがいいのか。河原さんが挙げたのは、まず気づいて、その後に観察するくらいの距離感でした。
気づく
自分の中のマイナスな感情や声にまず気づく
聞いてみる
その声を一旦、聞いてみる
理由を考える
その声がなぜ生まれたのかを考えてみる
材料にする
自分が本当に求めていることを知る手がかりとして使う
ただし、人間はロジックだけで割り切れないところが難しいと河原さんは付け加えます。距離感がわからず、飲み込まれたり封じ込めたりしてしまうのだそうです。
感情を「自分の手で扱えるもの」に変える
廣橋さんは、話を聞いて一つのイメージが浮かんだといいます。それは、感情を自分の手で扱えるものとして認識することです。
蓋をしても溢れてくる人も、放っておくとぐるぐる回り始める人も、結局は感情が手に負えない状態になっているのがよくないのだろう、と廣橋さんは整理します。
勝手に溢れさせたりぐるぐるさせたりするのではなくて、自分の手で扱える状態にふっとイメージを変換して。
自分の感情はこんな形をしていて、こんなことが書いてある。そんなふうに手に持てるものとしてイメージすると、本音や負の感情と向き合いやすくなるかもしれない、と廣橋さんは話します。
大きくなる前に、小さいうちに見つける
河原さんは、感情の認知が苦手な人ほど、負の感情が大きくなってから気づきがちだと指摘します。
扱えるぐらいにやっぱりちっちゃい状態で気づけることっていうのがすごく大事で。
それは負の感情というより、もっと前の違和感やモヤモヤの段階だといいます。小さな違和感をそのままにしないことが大切だと河原さんは話します。
その習慣がつくと、大きくなる前に対処でき、感情に振り回される機会も減っていくと考えられます。
廣橋さんは、この話を聞いてログをつける意味が整理できたといいます。ログを書くこと自体が目的ではなく、小さな感情にも気づける状態にし、記録をためていくことに意味があるのだそうです。
小さなプラス感情に気づくと幸福感が育つ
河原さんは、これはマイナス感情だけの話ではないと続けます。小さなプラス感情に気づけるようになると、日常の幸福感が増すといいます。
もう食べてるご飯がおいしいっていうだけで幸せになれるみたいな感覚だったり、子供の寝顔を見るだけで幸せな気持ちになるとか。
小さな幸せに気づけると、幸福感を得るために大げさなことをしなくて済むといいます。
大げさなことはドーパミン刺激になり、その後の反動が出る、と河原さんは説明します。
だからログをつけるときは、ネガティブなことだけでなく、嬉しかったことや「ご飯が美味しかった」でもいいと廣橋さんは話します。小さな喜びやすっきりした感情に気づいてあげることも大事なのだそうです。
まとめ
本音や負の感情は、蓋をするのでも浸り続けるのでもなく、小さいうちに気づいて観察するくらいの距離感で扱うのがちょうどいい、という対話でした。感情を自分の手で扱えるものとしてイメージし、プラスの小さな感情にも気づくことが、日常の幸福感につながると語られています。
- 本音を知るのが怖い人も、浸り続ける人も、感情が手に負えない状態になっているのが共通の課題
- 負の感情は「自分を知る手がかり」として、気づいて観察するくらいの距離感で扱う
- 大きくなってからではなく、小さな違和感やモヤモヤのうちに気づくことが予防になる
- 小さなプラス感情に気づけると、大げさな刺激に頼らず日常の幸福感を育てられる
- 感情のログは、書くこと自体より小さな感情に気づいて記録をためることに意味がある