習慣化すべきものと、結果を求めるもの
前回の続きとして、まず話題になったのは「習慣化すべきこと」と「結果が求められること」の切り分けです。
陽平さんは、いきなり大きな目標を立てて積み上げようとしても難しいと感じてきたと振り返ります。
自分なりの習慣化に至らない時に、いきなりでかい目標をボーンと立ち上げて、それに対して積み上げていくんだけど、なかなか難しい。
そのうえで、経営計画上のノルマと、習慣化すべきことは別物ではないかと整理します。
基礎体力とかコミュニケーション、英語みたいなベースは、ゼロよりは1の方がいいし、1よりは2の方がいい。朝でも夜でも30分でも習慣化していくのが、人生を豊かにするかもしれへんな。
博行さんは、結果が求められるものと、プロセスそのものに価値があるものを分けて考えてはどうかと応じます。
運動して体力ついてるみたいなのは、痩せたかどうかよりも、毎日やってることで血流が良くなってとか、いろんなメリットがある。
理論より実践。今やるべきことへの割り切り
話題は、陽平さん自身の学びのスタンスに移ります。英語は維持・向上のために続ける一方、学術的な理論は今の自分には合わないと感じているといいます。
学問的なことは正直あんまり好きじゃないって思った。経営理論とかは、わりかしもう実戦でやるしかないな。
すべてを理解してから動くタイプではないと自覚したうえで、理論武装は40代や50代など、必要になった時でよいと考えるようになったと話します。
全部100まで知って動けるタイプかって言ったら、今までの人生を振り返ってもそんなこと一回もなかった。
その結果、自己嫌悪ではなく「今やるべきことに集中する」感覚になれているといいます。
博行さんは、陽平さんが文字より人との出会いから刺激を受けるタイプだと分析します。
文字から刺激っていうよりかは、動いてなんぼやみたいな感じなんやろね。
資格の勉強と、本を読むことは何が違うのか
一方で博行さんは、資格やMBAのための勉強と、本を読むことは別物だと指摘します。
本って別に正解ないから。自分を投影しながら読む。あの本と資格とか、MBAを取るとはちょっと違うな。
そう言いつつ、博行さん自身も本が読めなくなっていったと打ち明けます。家業の大上にいた頃は「役に立つから」とビジネス書を多く読んでいたそうです。
しかし、役に立つかどうかで選んでいるうちに、小説など役に立つか分からない本が読めなくなっていったといいます。
役に立つか立たないかで決めちゃってたら、世界が狭くなっていく。いろんなジャンルの本が読めると、また違った自分への刺激になる。
陽平さんは、見城徹さんと箕輪厚介さんの対談動画で聞いた話を紹介します。
本をどれだけ読んで、そのボキャブラリーをどれだけ自分に蓄積されてるかどうかは全然違うと。小説をどれだけ読んでるかは、本当にその人の人生を変える。
陽平さんは、その話を聞いて小説を読みたいと思いつつ、読めていないと明かします。
Audibleが「本を読めない自分」に効いた理由
博行さんは、この「読めない」問題を、Audibleが解決してくれたと語ります。
Audibleにしてみたらめっちゃ読めるようになって。
博行さんには「山口周さんの本を読み終われない問題」があったといいます。買っても途中で止まる、いわゆる積読になってしまう本が多かったそうです。
本好きの人は「読み切れなくても気にしなくていい」と言ってくれるものの、結果として習慣にならず、本から遠ざかっていたと振り返ります。
読みきるみたいなことを何個か繰り返してみることも大切かもな。Audibleってずっと一定のペースで読まれていくから、何の努力もせんでも時間さえかけたら終わる。それが自分の性にすごい合ってて。
ここで陽平さんは疑問を投げかけます。ビジネス書やハウツー系なら、YouTubeの要約やAIで趣旨をつかめるのではないか、という論点です。
ビジネス書はYouTubeやAIの要約で足りるのでは。小説も含めて、なぜ一から十まで読む必要があるのか。
博行さんは、小説については要約で代替できないと明言します。
小説はやっぱり結論聞いておしまいじゃない。結論が親子関係が問題でしたっていう結論だったとしても、どんな親でどんな子の背景があって、どういう表現でっていうプロセスを聞いていくことに価値がある。
ビジネス書については難しいとしつつ、SWOT分析のようなノウハウなら、300ページの本より10分の要約の方がよい場合もあると認めます。
そのうえで博行さんは、最近の自分の読書はノウハウを取りに行くものではないと気づいたと話します。
答えが欲しいというよりも、思考をしたいっていう感じ。本を読むって、自分の価値観を揺さぶってくれるものとの対話をしてる。
ショート・Audible・紙の本のグラデーション
陽平さんは、ショート動画のような受動的なメディアだと、本が読めなくなるのではないかと指摘します。
やっぱり本が読めなくなるんやろうね。インスタントに明日良くなりたい、来週結果出したいみたいなのが節々に表れちゃう。
博行さんは、ショート動画が短いインパクトでドーパミンを出すことがスタンダードになっていると分析します。
その例として、マシュマロテストを挙げます。
今食べたいから1個取っちゃう。15分待ったらもっと増えるのに、っていうところができないと厳しい。けど今の世の中ってインスタントやから。
そのうえで博行さんは、本・Audible・YouTubeショートはグラデーションだと整理します。
博行さんは、Audibleを「間のメディア」と表現します。流していると終わるので受動的ですが、本を端折らずたどってくれる点で追体験になっているといいます。
紙の本は著者と対話しながら、新しいものを生み出す。ショートはエッセンスの抜き取り。でもショートを見て自分の内面が変わる体験までできるかっていうと、短すぎるんちゃうかな。
Audible×音声入力で作る読書習慣
博行さんは、実際にどうAudibleを活用しているかを具体的に語ります。耳から聞くのが好きなため、2倍速でも聞けるといいます。
一冊の本も4時間ぐらいやったら聞き終わるから、3〜4日で一冊終わる。
ここで博行さんが紹介するのが、聞いた直後にAIへ感想を音声で吹き込む方法です。読み終わった本の感想や自分に当てはめた気づきを、AIに5分ほど話すといいます。
博行さんは、この方法で2ヶ月に20冊以上の読書メモが積み上がったと話します。
この2ヶ月で読んだ本20何冊あんねんけど、俺の言葉を生かした読書メモが積み上がっていってる。
Audibleは対話しているうちに先へ進んでしまうため、まずは世界に没入することにしていると説明します。ランニング中はまるで映画を見ているような感覚だといいます。
もうランニング中も、その小説世界の中に完全没頭。映画見てる感じ。解釈せずに没頭して、終わった後にちょっと断片的な振り返りを。
さらに博行さんは、本を読めない人は文章も書けなくなると感じているといい、陽平さんも同意します。
もうすぐAIにぶち込んでしまうから、また当たり障りない言葉になる。これはもう現代人みんなの病やと思う。
その解決策として博行さんが挙げるのが、書くのではなく「喋る」ことです。
3日以内に聞いた内容なら思い出せることが多く、音声で感想を残すことで意外と記憶に残っていくといいます。
耳の可処分時間と、細切れにしない時間
博行さんは、Audibleを本に読み込ませておく効果も紹介します。例として『築地本願寺の経営学』を挙げます。
古い組織にビジネスマン出身の後継者が入り、改革していく話で、序盤は反発を感じたものの、後半で背景がわかると共感できたといいます。
最初は嫌なやつやなと思ったけど、やりきる力とか、自分自身もお寺のことにコミットしていったり、その人の背景が後半に出てくると、すごい共感ができる。
博行さんは、Podcastを聞ける人はAudibleにも向いているのではないかと勧めます。
本読まれへんけどPodcast聞けるんですっていう人は、Audibleとかハマるんちゃうかな。
ここから話は「耳の可処分時間」に及びます。目はYouTubeやショートで埋まっていても、ドライブや家事の時間は耳が空いている、という指摘です。
耳は空いてるよねっていうことで、ポッドキャスト市場がぐわんと来た。それやったら耳に本ぶち込んだらええやんってAmazonが気づいたんやろうな。
一方で、細切れの時間にはショート動画が有利だと博行さんは認めます。5分あればショートは見られますが、映画を5分だけ見ようとは思えないのと同じで、Audibleも同様だといいます。
細切れの時間はショートに軍配上がる。でも映画を5分で見ようとは思えへんように、Audibleも3分5分あるから聞こうにはあんま慣れへん。
だからこそ博行さんは、朝の1時間などまとめて聞ける時間を取っており、ランニングやドライブと相性がよいと話します。
まとめ
今回は「本が読めない」という悩みを起点に、Audibleと音声入力を組み合わせた読書習慣の作り方が語られました。結果を求める勉強ではなく、思考や対話としての読書に価値を置き、耳の時間を使って没入し、聞いた直後にAIへ喋って残すという実践が印象的でした。
- 習慣化すべきことと、結果が求められることは分けて考える。読書はプロセスそのものに価値がある
- 本が読めなくなるのは、明日すぐ良くなりたいというインスタント志向が節々に表れるから
- 本・Audible・ショート動画は能動性のグラデーション。Audibleは能動と受動の間の「追体験メディア」
- 聞いた直後に感想を音声でAIに吹き込むと、書けなくても読書メモが積み上がり記憶にも残る
- 耳の可処分時間を活かしつつ、細切れにしないまとまった時間を日常に確保することが読書には効く
