なぜ青いバラの花言葉は変わったのか?
番組の定例企画「うんちくエウレーカクイズ」は、問題文や答えそのものが雑学として面白いクイズです。出題役は弊社放送作家の越山さんが務めます。
今回のジャンルは植物。1問目は、アルカディアさんから寄せられた問題を改題して出されました。「2000年代初頭、ある花の花言葉が変わった。何の花か」という問いです。
堀元さんは即座に「青いバラ」と答えます。自然界には青いバラは咲かず、品種改良でも作れなかったため、花言葉は「不可能」でした。
技術革新によって(青いバラが)作れるようになって、もともとは不可能だった花言葉が夢は叶うみたいなやつに変わった。
解説によると、2002年、サントリー ── 飲料メーカーとして知られる企業。この回では、バイオテクノロジーを使って世界初の青いバラの開発に成功したエピソードが紹介されていますがバイオテクノロジーで世界初の青いバラの開発に成功しました。パンジーの青色遺伝子を入れることで、青い色素が100%のバラを作ったといいます。
この青いバラの新しい花言葉は「夢叶う」。縁起がいいため通販でも買えますが、値段は高く、補足によれば10本3万円するそうです。
自然界に咲かず品種改良でも作れなかったため、花言葉は「不可能」だった
2002年にサントリーが開発に成功し、花言葉は「夢叶う」になった
南高梅100%と名乗れない意外なワケとは?
2問目は、シロマティーさんからの問題です。梅の品種「南高梅」を使った加工品は「南高梅使用」とは名乗れても、「南高梅100%使用」とは名乗れない。そのワケを問うものでした。
堀元さんと水野さんは、他の食材に梅が混ざる説、パッケージに梅成分が含まれる説など、次々に外していきます。やがて焦点は「同じ土地に南高梅以外の梅が生えている」という点に絞られました。
なぜ他の品種の梅があるのか。答えは、南高梅自身の性質にありました。南高梅は自分の花粉では受粉しない「自家不妊性」を持ち、南高梅だけの畑ではほとんど実がなりません。
(他の木がないと南高梅はならないっていう性質がある。エウレカ。
そのため、結実させるには受粉木として別の品種を混ぜて植える必要があります。堀元さんはこれを、種付け用の牛にたとえて理解しました。
さらに、加工用の南高梅は地面にネットを敷き、落下した梅を斜面で一箇所に集めて収穫します。この方法だと他の品種が混ざりやすく、純度100%にはならないのです。
(受粉木を植えているせいで)自分の生殖能力が削られた状態になっちゃってるってことでしょ。
自家不妊性
南高梅は自分の花粉では受粉せず、単独ではほとんど実がならない
受粉木の混栽
結実させるため、別の品種の梅を受粉木として一緒に植える
落下収穫
ネットを敷き、落ちた梅を斜面で集めて収穫するため他品種が混ざる
純度が下がる
結果として南高梅以外が混ざり、100%とは名乗れない
アボカドの普及を支えた最初の仕事とは?
3問目は、ムーミンさんからの問題です。中央アメリカ原産で、アワカテ、アリゲーターペアなど様々な呼び名を持つ植物を、生産者たちが高級食材として世界に売り出すために「最初にした仕事」は何かを問うものでした。
植物の正体は、二人ともすぐにアボカドだと見当をつけます。アボカドはナワトル語で睾丸を意味し、精力増強や催淫効果があるとされてきました。
ここで話は、食材普及の名マーケティング事例に脱線します。パルマンティエがジャガイモ畑にわざと見張りをつけ、夜は外して「盗ませる」ことで普及させた話や、ザワークラウトを士官専用にして部下に食べたがらせた話が挙がりました。
二人はこうした心理を使った手法を次々と試しますが、どれも不正解。栄養面のアピールでも、特定の食べ方でも、キャンペーンでもありませんでした。
正解は、この果実に「アボカド」という統一した名前を付け、辞書出版社にアボカドという項目を設けるよう掛け合ったことでした。
当時アボカドには複数の呼び名がありました。アワカテはメキシコ風で、裕福ではないヒスパニック系との結びつきが連想される。アリゲーターは、アメリカで悪人を意味する隠語でイメージが良くない。高級品として売り出すには、どちらも都合が悪かったのです。
辞書好きの水野さんが、質問で「辞書は関係ありますか」を早々に外していたのも、この回の見どころでした。
今まで名前なかったから、ちゃんと名前つけて、これでお願いしますって言ったら、確かにそれ大事だね。
クイズの合間には、水野さんが阪急電車の前身を題材にしたクイズを出す「クイズ内クイズ」も挟まれました。乗客が見込めない沿線に、実業家の小林一三が宝塚歌劇団の前身となる劇団を作り、終点に人を集めたという話です。
メキシコ風の名で、裕福ではないヒスパニック系との結びつきが連想され、高級品として売りづらかった
アリゲーターがアメリカで悪人を意味する隠語で、イメージが良くなかった
竹の開花が、プラスチック普及を後押しした?
4問目は、たくましきボイラーことうらきゅうさんからの問題です。1950年から60年にかけて日本でプラスチック製品が普及した背景に、ある植物が関係していた。その植物は何かを問うものでした。
堀元さんと水野さんは、その植物を「木というほどではないが、木に一番近い」と絞り込んでいきます。アジサイなどを経て、たどり着いたのは竹でした。
竹は約100年周期で花を咲かせ、その後一斉に枯れる性質を持ちます。竹林は根がつながっていて成長ペースがそろうため、一帯が足並みをそろえて咲き、まとめて枯れるのです。
日本のどっかの竹が開花ブームになっていきなりなくなったからプラスチック製品が普及した。エウレーカ。
解説によると、この年代に日本で真竹が一斉に開花・枯死し、竹材の不足が起きました。ちょうどプラスチックが普及する時期と重なり、竹製品からプラスチック製品への置き換えが急速に進んだといいます。
堀元さんは補足として、竹細工が主な仕事だったザンビアの村が、近くの山の竹の開花で産業が壊滅し、村ごとなくなったという話も紹介しました。竹の開花が、一つの産業や暮らしを丸ごと変えてしまうというスケールの大きさが印象に残ります。
なお、竹の花は近年日本各地で咲いているそうですが、実際に画像を見た二人の感想は「地味で花っぽくない」というものでした。
一斉開花
竹は約100年周期で花を咲かせ、竹林一帯が足並みをそろえて咲く
一斉枯死
開花後に一斉に枯れ、この年代には真竹が枯死した
竹材不足
竹材が不足し、竹製品を作り続けるのが難しくなった
プラスチックへ
プラスチック普及の時期と重なり、竹製品からの置き換えが急速に進んだ
まとめ
植物編のうんちくクイズを通して、青いバラの花言葉、南高梅、アボカド、竹という身近な題材の意外な裏側が語られました。技術や呼び名、植物そのものの性質が、私たちの暮らしの製品や食材に思わぬ形で影響していることがわかる回でした。
- 2002年にサントリーが世界初の青いバラの開発に成功し、花言葉は「不可能」から「夢叶う」に変わった
- 南高梅は自家不妊性のため受粉木を混ぜて植える必要があり、落下収穫で他品種が混ざるので「100%」と名乗れない
- アボカドを高級食材として売り出す最初の仕事は、統一した名前を付け、辞書に項目を設けるよう掛け合うことだった
- 約100年周期で一斉開花・枯死する竹の性質による竹材不足が、竹製品からプラスチックへの置き換えを後押しした





