ラーメン屋のゴキブリ、正解のアクションは何だったのか
回の冒頭は、堀元さんがカウンターだけの小さなラーメン屋で、右隣の壁を歩く小さなゴキブリに気づいた話から始まります。
店内ではワンオペの若い女性店員が混雑のなか懸命にラーメンを作っていました。堀元さんは彼女にゴキブリの処理を頼むのは酷だと考え、自分で処理しようと決めます。
この子に言ってもさ、人類の総幸福度下がるなと思って。
堀元さんは、千葉の山奥で月額会員制の村づくりサービスをしていた経験から、虫は平気だといいます。ところがティッシュで叩こうとした一撃はゴキブリの後ろをかすめただけで、手負いのゴキブリは厨房へ走って行ってしまいました。
これ正解のアクション何だったと思う?
ふとした時にこの場面を思い出すという堀元さんに、水野さんは「暇なの?」と返します。水野さん自身は、殺す勇気がないので自分なら無視して食べるだろうと答えました。
水野さんには高校時代のゴキブリのトラウマがあります。自室に出たゴキブリに親から「自分で処理しなさい」と言われ、殺虫スプレーを浴びせたところ、弱ったゴキブリは最後に水野さんのiPodの上でひっくり返ったそうです。
あのね、スプレーまみれのビッタビタのね、iPodになんの。
堀元さんはこれを、致命傷を負った漫画のキャラクターが道連れにする「最後っ屁」になぞらえました。
新入社員が番組リスナーだった水野さんの苦悩
水野さんのもう一つの「苦情」は、会社に入ってきた新入社員の話です。研修で部署に来た新入社員の一人が、研修後に「ゆる言語学ラジオ、いつも聞いてます」と声をかけてきました。
水野さんにとって問題だったのは、その日がちょうどトイレが臭いという話をした回の公開日だったことです。しかも同じ日の企画会議で、水野さんは上司に企画を「どうかな」と渋られる姿も見せていました。
(新入社員が)絶対その挨拶しながらさ、僕のこと心の中で笑ってたでしょ。
堀元さんは「トイレ草男」というあだ名が社内で広まっているはずだと畳みかけつつ、最終的には、欠点があるほうが親しみが湧いて好感度は高いと励まします。水野さんも「意外と抜けてるんだ」と思われるならいいかと納得していました。
城の案内板は9割間違っている?城主がいない城
話題は堀元さんが読んだ本、『「城取り」の軍事学』に移ります。堀元さんによると、城に行くと立っている説明板は、城の専門家の感覚では9割が間違っているといいます。
間違っているのは、最重要情報に思える「城主」の記載です。堀元さんの説明では、城はそもそも一人の主がずっと住むものではありません。
そう、シェアオフィスみたいなもんよ、あれ。
堀元さんによれば、城は軍事拠点であり、集団が必要に応じて建て、必要な人員が必要な時に送り込まれるだけの場所です。前線が動けば、半年ごとにAさんが別の城へ移り、空いた城にはBさんが来る、という入れ替わりが起きていました。
それでも城主という発想が根づいたのは、一国一城 ── 「一国一城の主」という言い回しのほか、江戸幕府が1615年に出した一国一城令でも知られる言葉。大名の居城以外の城の破却を命じ、城の数を大きく減らしましたの主という言葉があり、天下平定後に一つの城に一人がいる時代が続いたためだと堀元さんは説明します。その結果、案内板に城主を書かないと落ち着かない状態になったといいます。
水野さんは、ゆる学徒カフェの城主として後世に堀元さんの名が残るようなものかとたとえます。堀元さんは、実際には一度も城に入ったことがない人物が城主として書かれている例もあるらしいと付け加えました。
江戸の郷土史ブームと近代軍国主義が生んだ城主
堀元さんによると、城主の誤りに拍車がかかったのは江戸時代中期以降です。平和で時間のあった人々が自分たちのルーツ探しに夢中になり、その流れで城主探しが加速しました。
当時の資料には「誰が作ったかはわからないが、誰々の領地だったので、その家臣あたりではなかろうか」程度の記述しかないこともあります。それを江戸時代の人が「城主誰々」と書き、さらに後世の人がそれを写したケースがあるそうです。
天下平定後
一つの城に一人がいる時代が続き、「城には主がいる」というイメージが定着
江戸時代中期以降
郷土史ブームで、あいまいな資料から城主を断定
近代軍国主義
郷土の英雄を飾りたいニーズから、さらに城主が作られる
現代
後世の人が出典を写し、案内板に「城主誰々」と書かれる
水野さんは、ゲームの信長の野望 ── コーエー(現コーエーテクモゲームス)の歴史シミュレーションゲーム。戦国大名となって領国を広げ、天下統一を目指しますでは大名が必ず城主になっていたと言い、大名が一番大きな城の城主ということにならないかと粘ります。堀元さんはそれを「捏造しようとしてます?」と受け、近代軍国主義だと返しました。
本によれば、近代の軍国主義のもとで忠誠心や愛国心を煽るため、土地を治めた人物を英雄として飾りたいニーズが生まれ、ここでも多くの城主が作られたといいます。
堀元さんは、ずっといる主人という思い込みが崩されたことに驚いたと話します。水野さんは、トヨタ自動車の一番大きな工場に豊田章男さんが毎日いたと後世の人が言いたがるようなものだとたとえ、二人は諦めきれない人々の熱量に「人間だな」という味わいを見出しました。
堀元さんは、聞くと切なくなる雑学として「ニヒリズム雑学」というジャンルも提案します。一方で水野さんは、ゆる学徒カフェで出会った城好きの小学生を思い出します。姫路城や熊本城ではなく、ただの丘に見える城址を喜ぶような子で、城主がいないくらいでは夢は壊れないだろう、と二人は話しました。
「この城、どう攻めますか?」は素人の質問
堀元さんが本でもう一つ感心したのは、城好きにぶつけると素人だとわかる質問です。城を見ながら合戦を想像して、つい「あなたならこの城をどう攻めますか?」と聞いてしまうのがそれにあたります。
本の著者は城の専門家で、この質問をよく受けるそうです。そのときは呆れつつ「航空隊に連絡して爆撃してもらいます」と答えるといいます。
攻めるのって難しいんですよ。攻めを決めるのって難しくて、こちらの戦力が定まってないと、攻めのプランってそもそも組み立てることができない。
手持ちの戦力が決まっていなければ攻めの計画は練れない、というのが著者の理屈です。反対に、守りには築城の段階で必ずプランがあります。
自由度が高すぎて、手持ちの戦力が決まらないと何も出てこない
城の形から、築城者が想定した兵の配置や守りのプランを読み解ける
城を見るとは、築城者の意図を読み解くことだと堀元さんは本の内容を紹介します。
水野さんは、例の小学生にも「この城どうやって守るの?」と聞けばよかったと振り返ります。話は『信長の野望』の城攻めが包囲と攻撃くらいしかなかったことや、戦国バサラで一人の武将が何百ヒットも稼ぐ豪快さへと脱線していきました。
最後に堀元さんは、思い込みを正されたと感じた一方で、そもそも城に興味がないのでどうでもいいとも思ったと明かし、水野さんに「負け」だと言われます。
結婚式15回の水野さんが見た二つのタイプ
話題は結婚式に移ります。水野さんはこれまで15回ほど結婚式に出席しており、比べられるだけのサンプルがあるといいます。
堀元さんは、新郎から「プールに飛び込んだら罰金5万円」とLINEが届いた式の話を披露します。人数で割れば安いと友達と飛び込みを相談したという堀元さんに、水野さんは城の話にからめて「守れてない」と返しました。
水野さんによれば、結婚式は大きく二つの方向に分かれます。
新郎新婦が人生の晴れ舞台として自分自身を主役にする
自分たちを形作ってくれたゲストを全力で楽しませる
ゲストとしてしか出席しない水野さんは、もてなされると嬉しいといいます。印象的だったのは、新郎が二次会のビンゴの司会まで務めた式です。
その式では、全員に9枚のシールを配り、3分ほどで交換させて自分のビンゴカードを作らせました。抽選画面には出席者の写真がランダムに表示され、交流しながら新郎側と新婦側の友人の顔と名前を知れる仕掛けになっていたそうです。
パリピな姉の結婚式は型破りの連続
水野さんの姉が結婚し、水野さんは初めて親族側として式に出席しました。姉は水野さんとはまったくキャラクターが違う、ギャルにしてパリピだといいます。
初対面の時に「やっほー堀元君元気?」って言ってきましたからね。「すごいな距離感」って思いました。
これまで水野さんが出た式は、高校や名古屋大学の友人の、いわば「ちゃんとした」式ばかりでした。姉の式はまず、披露宴会場の入口にヘパリーゼ ── ゼリア新薬工業の滋養強壮剤・肝臓水解物配合ドリンク。お酒を飲む前後に飲む人が多いことで知られていますが30個ほど並んでいるところから違っていたそうです。
新郎はお酒が飲めないため、ヘパリーゼは姉が全額自己負担で用意しました。姉は式のお酒の味を最大化するため半年ほど禁酒し、司会者は「新郎に代わって新婦が飲むので、いくらでも乾杯しに行ってください」と案内したといいます。
いやいや、だってもう会場費確定してるから、還元するだけだから。
堀元さんも、3週間ほど前の友人の式で同じ理屈で飲んだと告白します。開始前に原価率の高いシャンパンを頼んだところ、ウェルカムドリンクで出るので待つよう言われ、恥ずかしかったそうです。
歌やスピーチ、ムービーが定番の出し物のなか、姉の式の初手はシャンパンタワーでした。さらに姉は式のあと式場内の公式二次会で飲み、友人と朝まで飲んで、そのまま寝ずに宮古島へ飛び、現地で爆睡したといいます。
あの酒場でリスポーンするんですよ。
ウイスキーか麦茶か当てる余興と、腕立て伏せの謎
堀元さんには、出し物の話題で口にしかけて飲み込んだ記憶がありました。昔仲の良かった先輩が飲みサークルの人で、その結婚パーティーで見た余興です。
ステージ上の友人4〜5名が、なみなみ注いだ飲み物を一気に飲み、そのうち一人だけがウイスキーで残りは麦茶。誰がウイスキーを飲んだかを客が投票で当てるゲームで、会場には親族もいたそうです。
普通客が投票するのってさ、新婦のお色直しのドレスの色でしょ。
その人は後半で、新婦を背中に乗せて何回腕立て伏せができるかを予想させる企画もやっていました。水野さんも、ラグビー部出身らしい新郎の二次会で、4人が並んで最後まで腕立て伏せを続けた人が勝つゲームを見たといいます。
水野さんは、哺乳瓶に入れたウーロン茶をペアの女性が押しながら男性が飲み干すゲームにも参加しました。哺乳瓶はゆっくりしか出ない作りで、相当吸わないと飲めなかったそうです。
同世代の式に一通り出ると、同じ催しを避けようとして余興の「大喜利」がどんどん厳しくなる、と二人は分析しました。
席次表の肩書きは「ゆる言語学ラジオ」
堀元さんが出たある式では、席次表の名前の上に「何々高校何々部」のような具体的なつながりが書かれていました。社会人になってから偶然友人になった堀元さんの肩書きは「ゆる言語学ラジオ」だったそうです。
水野さんも、最近の式では出席者の誰かしらが番組を聴いていると話します。新婦の上司に写真を頼まれ、上司と新婦と水野さんの間でじゃんけんのような三すくみが起きたといいます。
その場で1分間のスピーチを振られた堀元さんは、会場で唯一のYouTuberという強みを活かし、最後に「チャンネル登録、高評価、感想のコメントをよろしくお願いします」と締めてウケました。
水野さんも友人代表スピーチで「この中に僕より登録者数が多い人いますか?」と切り出し、最後はチャンネル登録と高評価で締めたそうです。二人はこれをYouTuberの鉄板ボケだと認め合いました。
第2回ゆる学徒フェスの中身と今井先生の登場
結婚式に続く「重要なイベント」として、2024年夏の第2回ゆる学徒フェスの告知が始まります。会場は新宿FACEで、500人規模のイベントです。
年末のライブ配信では日程と開演・終演時刻だけを発表しましたが、すでに200枚ほどのチケットが売れたといいます。水野さんは、そのおかげで安心できたと感謝していました。
イベントは系列番組との合同ですが、堀元さんと水野さんの出演時間はかなり長めです。最初のコーナーには、多忙な世界的認知科学者の今井先生が出演し、子どもの言い間違いを読む人気企画「赤ちゃんミステイクアワード」が帰ってきます。
会場では水野さんの子どもの言い間違い集の本のサイン本も用意する予定です。今井先生のサインについては、堀元さんが代筆を提案し、水野さんに「なんであんたが書くんですか」と突っ込まれました。
系列番組の40分ずつの持ち時間と、前回の「誤算」
系列番組には、いつものペアで40分ずつ持ち時間が渡されます。前回は相方を交換する形でしたが、今回は元のペアで本来の実力を発揮してもらう形です。
前回の最大の誤算は、ゆる民族学ラジオの黒川くんの水泳の話が面白すぎて、ゆる言語学ラジオが食われたことでした。水野さんは控室で歯ぎしりしていたといいます。
あんな気合入れてくるんだこいつっていう。
今回の黒川くんは、広いステージを活かすため獅子舞を呼ぶ可能性があるそうです。トップバッターのゆる天文学ラジオのペアは、他チームの演目を聞いて先に全部やると宣言しており、水野さんは「情報漏らすな」と警戒していました。
監修者の言語学者座談会で「言語学ワードウルフ」
水野さんが1年半ほどやりたがっていた、ゆる言語学ラジオ監修者の言語学者座談会も実現します。前回の忘年会イベントで掴みを決めた黒島先生に加え、リスナーから「コーパス兄貴」と呼ばれる丸山先生も参加します。
企画案は「言語学ワードウルフ」です。言語学者以外には違いがわからないほど微妙に異なる単語が配られ、少数派はバレないように立ち回り、多数派は少数派を見つけ出します。
水野さんが挙げた例は、高田先生だけが「パロール」で他の全員が「ラング」というものです。ラングとパロール ── 言語学者ソシュールが示した区別。ラングは社会で共有される言語の体系、パロールは個人が実際に話す具体的な発話を指しますのような題材で、会場の人はスマホで違いを調べながら見ると楽しめるだろうと水野さんは話します。
堀元さんは「この世にないコンテンツ」と評価しました。ただし、問題はまだ作り上げておらず、内容は確定していないとのことです。
番組対抗早押しクイズと「相方にキレてる話」
パーソナリティ全員が集まるため、早押しクイズ大会も開かれます。裏方の海保さんが自腹で買った早押し機を使い、海保さんの司会で番組対抗戦にする方向で調整中です。
堀元さんは、ゆる学徒カフェの月1のクイズイベントで第1回は優勝したものの、第2回は押しすぎて誤答し失格になったと明かします。
締めの90分ほどは二人のトークです。堀元さんは、3年半あまり言ってこなかった「実は相方にキレてる話」を候補に挙げ、水野さんが堀元さんの妻に金玉を見せた話のエピソード2を披露したいと言い出します。
待って、危ねえ、聞いてよかった事前に。ボツですそれ。ボツです。
水野さんは、堀元さんの妻と内通しているので「堀元健寝言集」で対抗すると応戦します。テーマは協議のうえ、配信の頃には決まっているとのことです。
| 演目 | 出演・担当 | 状況 |
|---|---|---|
| 赤ちゃんミステイクアワード | 堀元さん・水野さん・今井先生 | 開催予定 |
| 系列番組の持ち時間 | 各番組ペア(40分ずつ) | 各番組が準備 |
| 言語学ワードウルフ | 監修の言語学者の先生方 | 問題は未作成 |
| 番組対抗早押しクイズ | 海保さん司会・全パーソナリティ | 形式を調整中 |
| 締めのトーク | 堀元さん・水野さん(90分ほど) | テーマ未定 |
チケットは1人5000円で、イベントは6時間15分、二人の出演時間だけでも4時間ほどあります。ライブ配信は行わず、より良い音と映像でアーカイブ動画を販売する予定です。
会場ではリスナー同士や先生方との交流も生まれるため、友達を増やしたい人にもおすすめだと二人は話します。プロレスリングを置ける会場であることから、ローション相撲の案まで出たそうです。
まとめ
ゴキブリ退治の正解から城主のいない城、パリピな姉の結婚式、そしてフェスの告知まで、雑談の中に「思い込み」と「型破り」が詰まった回でした。
- 城の多くは軍事拠点で、ずっといる城主という概念はそもそもなかったと本では説明されている
- 城主の記載は、江戸時代の郷土史ブームや近代軍国主義のもとで捏造されたものも多いという
- 城を見るなら「どう攻めるか」ではなく「どう守るか」を考え、築城者の意図を読み解く
- 水野さんの姉の結婚式は、ヘパリーゼ、半年の禁酒、シャンパンタワーと型破りの連続だった
- 第2回ゆる学徒フェスでは、言語学ワードウルフや番組対抗早押しクイズなどが予定されている







