3500部が約5時間で完売、何が起きたのか
水野太貴さんの著書『会話の0.2秒を言語学する』は、7月8日にバリューブックスで予約を開始しました。予約開始から約5時間で、バリューブックスが用意していた予約上限の3500部の在庫がなくなりました。
ちょっと想定をはるかに上回る売れ行きで、予約のスタートから5時間程度で、(バリューブックスの)予約の上限である3500部の在庫がなくなってしまいました。
この回は緊急収録で、水野さんが対応の要点を先に伝え、そのあとバリューブックスの飯田さんが細かい経緯を説明する形で進みます。
水野さんによると、動画の公開時点でバリューブックスの新しい予約ページがすでに開いています。新しい予約ページの上限は5000部で、これを超えるとバリューブックスでは予約できません。
新しいページで予約した人には、最初の3500部とは別の特典が用意されます。最初の3500部で予約した人には、もともとの特典に加えて新しい特典も付くため、同じ本を2冊買う必要はないと水野さんは強調しています。
(最初の3500部で)予約をした方に、同じ本を2冊特典目当てで買ってほしいわけではないので。
なぜ3500部という見積もりは外れたのか
飯田さんは、今回の予約の速さに、バリューブックスだけでなく版元の新潮社など関係者全員が驚いていると話します。前例がないほどの売れ行きで、事後対応に奔走している状態だといいます。
水野さんは、飯田さんの見積もりがこれまで正確だったことに触れます。初の著書『言語沼』でも、2冊目の『今日、ゴリラを植えたよ』でも、飯田さんの予測はよく当たっていたそうです。
最初は予約の上限は3000部って飯田さんが言ってたんですけど、途中で3500部に上方修正してくれて。僕はその時に「この人えらい攻めるな」って思いつつ嬉しくなった。
飯田さんの説明では、今回は出版スケジュールの都合で、予約の初速を見る前に発注数を決める必要がありました。1つの書店が1000冊、2000冊単位で本を発注すること自体がかなり稀だといいます。
冊数が多いため、予測を10パーセント外すだけで数百冊が余ってしまいます。そのため飯田さんは、毎回ほぼぴったりの販売数を狙って発注数を決めていたと説明しています。
初速を見る前に発注
出版スケジュール上、予約の数字を見る前に発注数を決める必要があった
余りを避ける方針
10パーセント外すと数百冊が余るため、ぴったりの数を狙った
参考にした数字
堀元見さんの新刊の予約実績を参考にした
想定を超える予約
約5時間で3500部に達し、買えない人が出た
見積もりの根拠は、水野さんの相方である堀元見さんの新刊『読むだけでぐんぐん頭が良くなる下ネタ大全』の数字でした。ここからの謝罪は冗談まじりで、堀元さんの「作家としての格」を見誤ったせいだ、という言い回しで笑いを誘っています。
予想以上に作家としての格が低い堀元さんの数字を僕に当てはめてしまったことで、今回(バリューブックスの)サーバーが落ちたり、買いたかったのに買えなかった人が出てしまいました。
飯田さんによると、堀元さんの本は1か月以上の予約期間を設けて、2929部の予約でした。飯田さんも同じ調子で、堀元さんの本は下品な内容で避ける人も多かったはずなのに、堀元さんの普段の言動から市民権を得ていると誤認した、とおどけて詫びています。
新予約の上限はなぜ5000部なのか、発送はいつか
新しい予約の上限は5000部です。飯田さんは、3500部が想像以上の速さで売れたため、本がどこまで伸びるか自分にもまだわからないと話します。
飯田さんは本来、予約数の上限をなくして、欲しい人の声をすべて集めたいと考えていました。新潮社とも何度も打ち合わせを重ねましたが、ここまでの予約の速さは新潮社にとっても異例の事態だったそうです。
上限を設けた理由は、本に使う紙の調達です。現状では5000部までの紙は用意できるものの、それ以上は調達が難しいため、5000部が上限になりました。5000部も完売する恐れはありますが、それ以上の確保は難しい状況だといいます。
説明をわかりやすくするため、飯田さんは最初の3500部を「旧予約」、新たに用意した5000部を「新予約」と呼び分けています。
旧予約の3500部は、発売日の8月27日付近に届くよう準備が進んでいます。一方で新予約分の発送日は現状未定で、わかり次第、商品ページやメルマガで知らせるとしています。
新予約分の本も、新潮社の尽力で発売日付近にはバリューブックスに届きます。発送日を左右するのは、バリューブックス側で最大5000冊の追加にどこまで迅速に対応できるかです。旧予約向けに人員やトラックを手配していたため、追加分の体制を社内で協議していると飯田さんは説明しています。
同じ特典を付けられないのはなぜか
水野さんは当初、旧予約の特典である付箋を増産し、新予約の人にも送るのが一番望ましいと考えていました。しかし、3500部限定と謳って予約を募った特典をあとから追加で提供すると、景品表示法 ── 商品やサービスの内容・取引条件について、消費者を誤認させる表示や過大な景品を規制する法律。「限定」などの表示もこの対象になりえますに違反するのではないかと指摘を受けたといいます。
飯田さんは弁護士とも話し合い、同じ特典を提供するのは難しいという結論になったと説明しています。旧予約3500部をいったんすべてキャンセルし、予約し直してもらえば法的な問題はクリアできるという見解もありましたが、予約した人にあまりに申し訳ないため、この手段は却下されました。
飯田さんは、こうした可能性を予見できなかったのは自分たちの知識不足によるミスだと謝罪しています。結果として、旧予約の付箋と特典動画は、新予約には提供できないことになりました。
新予約の特典は、ステッカーと別の特典動画になる見込みです。細かな中身は未確定で、決まり次第、新しい予約ページに記載されます。旧予約の人にも新予約の特典が送られるため、旧予約の人は追加で購入する必要がありません。
旧予約と新予約の違いは、次のように整理できます。
| 区分 | 上限 | 発送 | 特典 |
|---|---|---|---|
| 旧予約 | 3500部 | 8月27日付近に届く予定 | 付箋と特典動画に加え、ステッカーと新しい特典動画 |
| 新予約 | 5000部 | 未定 | ステッカーと新しい特典動画 |
水野さんは、サーバーが落ちている中で数時間粘って購入した人がいたことにも触れ、感謝を伝えています。そのうえで、新予約の人に付箋と旧予約の特典動画を届けられないことを重ねて詫びました。
普段応援いただいている方のご期待を裏切る結果になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。
まとめ
『会話の0.2秒を言語学する』の予約は、慎重に見積もった3500部が約5時間で埋まる想定外の事態となりました。紙の調達と景品表示法という制約の中で、5000部の新予約と、旧予約の人も含めて新しい特典を届ける形で対応が決まっています。
- 旧予約の3500部は約5時間で完売し、上限5000部の新予約ページが開設された
- 上限の5000部は、本に使う紙の調達の制約から決まった
- 旧予約分は8月27日付近に届く予定で、新予約分の発送日は未定
- 景品表示法の懸念から、付箋と旧予約の特典動画は新予約に付けられない
- 新予約の特典(ステッカーと新しい特典動画の見込み)は旧予約の人にも届くため、2冊買う必要はない





