リスナーの好きな料理映画「かもめ食堂」
本編に入る前に、久しぶりに届いたリスナーコメントが紹介されます。ペンネーム「神戸のチーズナン」さんからは、料理映画の回への感想が寄せられました。
好きな料理映画として挙げられていたのは、小林聡美さん主演の「かもめ食堂」です。フィンランドのヘルシンキを舞台に、日本人女性が日本食の食堂を開く物語です。
二人とも観たことがあり、ゆったりとした雰囲気とおいしそうな料理が印象に残っていると話します。ただ、こまさんはご飯ものというよりストーリーが立つ映画という印象だったと振り返ります。
トリノの人気店「スカンナブーエ」
話題は旅の本筋に戻ります。前回スローフード発祥の地ブラを訪れたあと、二人はトリノに戻り、最後の食事へと向かいました。
訪れたのはトリノの人気店スカンナブーエです。初日に断られ、2日後を予約して入った店で、ミシュランにも認定されている綺麗な店構えでした。
初日に断られて、2日後を予約したとこですね。
入った瞬間からいい匂いがして賑わっており、空調も効いて快適だったと言います。暑いなかでの食事は本来の味を100%楽しめない、という実感も語られます。
そんな綺麗な店でも、犬を連れて入ってくる客がいたことにドビ森さんは驚いたと話します。日本ではなかなか考えられない、ヨーロッパのペットフレンドリーさが印象的だったようです。
絶品タヤリンとピエモンテ料理の背景
スカンナブーエで食べたのは、ウサギのコンフィをのせたサラダやカルネクルータ(生肉)などです。なかでもドビ森さんが強く勧めるのがタヤリンでした。
これがね、もう絶対スカンナブーエ行ったら食ってほしい。タヤリン・アル・ラグー。
これに合わせたのは、バルベーラというブドウ品種の赤ワインです。イカスミのパスタは、ソースではなく麺に墨が練り込まれていて歯が黒くならない工夫がされていたと言います。
こまさんはネットで調べる過程で、スカンナブーエが日本人向けのYouTubeチャンネルを持っていることを発見し、二人で不思議がります。
本当のイタリア料理とワインをお届けするチャンネルですって。なんで?
ピエモンテ料理は肉料理が中心です。海がない土地のため、バーニャカウダやヴィッテロ・トンナートなど、アンチョビやツナといった保存食の魚を使った料理が根付いているとドビ森さんは解説します。
毎晩のジェラートと盛り方の裏技
トリノ滞在中、ドビ森さんは毎晩ジェラートを食べていたと言います。どこで食べてもおいしく、たいてい2種類ほど盛ってくれるのが定番でした。
ここでちょっとした裏技が紹介されます。2種類選ぶとき、先に言った方をベースとして多く盛ってくれるのだそうです。
例えば、バニラとチョコって言うじゃないですか。バニラが多くなります。
つまり、より多く食べたいフレーバーを先に伝えるのがコツというわけです。ちょっとした会話から、現地での楽しみ方が見えてきます。
伝説の食堂「ラッテリア・サン・マルコ」
旅の最終地はミラノで2泊です。これまで経由地として一泊するだけだった街ですが、今回は行きたい店が溜まっていたとドビ森さんは話します。
最初に向かったのが、町の食堂のようなラッテリア・サン・マルコです。地元の高齢客ばかりで、予約は取れず、開店と同時に行かないと入れない店だと言います。
僕感動で言ったらこの店が一番感動したかもしれない。
この店には劇的な経緯がありました。老夫婦が高齢を理由に一度閉店したものの、その味を惜しんだ実業家が店を買収し、直談判して同じ夫婦に営業を続けさせたのだそうです。
美味しんぼの豚カツ屋の回と一緒やんけ。
一度は泣く泣く閉店し、世界中が悲しんだと言われる名店です。かつてはマドンナやドナルド・トランプの予約さえ断ったと伝えられています。
予約取ろうとしたけど断られたらしいです。並べと。食べるなら並べと。
Googleのレビューにはアジア人が入店を断られたという口コミも見られたそうですが、ドビ森さんは快く迎え入れられ、おすすめメニューまで教えてもらえたと言います。店主夫婦はイタリア語しか話さないため、食材の名前などを断片的に聞き取りながら注文しました。
レシピ非公開の名物とレモンのパスタ
ラッテリア・サン・マルコで出てきたのは3品です。まず1品目は、スライスしたカラスミがたっぷり乗ったサラダでした。塩辛すぎず、ねっとりした食感だったと言います。
2品目は「リゾ・フレッド・アル・アルトゥーロ」。店主アルトゥーロの名を冠した冷たいリゾットで、お米の上にオレンジ色のソースがかかった一品です。
みんな再現しようと思って挫折するらしいです。レシピがわからなさすぎて。
そして最後に出てきたのが、この回で最も感動したというレモンと青唐辛子のパスタです。茹でたパスタにオリーブオイル、レモン、青唐辛子を混ぜたものをかけ、イタリアンパセリを乗せただけのシンプルな料理でした。
レモン、青唐辛子、あとイタリアンパセリだけのシンプルなパスタなんですけど、すごい爽快感なんですよ。
見た目は素朴ですが、店の雰囲気と相まって深い味わいだったと言います。ドビ森さんは日本で再現すると意気込みます。
隣席のマダムが教えてくれたローカル店
ドビ森さんがおいしそうに食べていると、隣の席にいた2人のマダムが話しかけてきました。1人はミラノ、もう1人はナポリが地元で、常連らしく店の料理は頼んでいなかったそうです。
そこで、ここと同じくらいおいしい店を教えてほしいと尋ねたところ、1軒教えてもらえました。それが「リストランテ・ヌオーバ・アレーナ」です。
日本人であんまおすすめしてるとか日本のサイトがないというか。
日本語のサイトには出てこない、まさに超ローカルな店でした。ホテルのフロントに電話してもらう形で翌日の予約を押さえます。
翌日訪れた店で食べたのは、ミラノ風リゾットとミラノ風カツレツ、牛タンのサルサ・ヴェルデ、デザートのミルフィーユです。なかでもカツレツが絶品だったと言います。
どシンプルなカツレツがめっちゃ美味しくて。
骨付きの豚肉を叩いて薄く伸ばし、上には何もかけずに揚げたシンプルなカツレツです。ボローニャ風がソースやチーズで濃い味なのに対し、ミラノ風はシンプルさが際立つと解説されます。
一方で、牛タンについては日本の方がうまいと素直に認めます。おいしいものはおいしい、そうでないものはそうでないという割り切りが語られます。
フランス、イタリアを通してレストランのデザートのレベルが高かったこともドビ森さんの印象に残っています。デザートまで楽しんでもらおうという姿勢が、食事を長く楽しむ秘訣だと話します。
円安でも行く価値はあるか
旅を振り返り、ドビ森さんは円安がピークだったことに触れます。滞在時は1ユーロ185円ほどで、カード決済では190円で切られることもあり、実質1ユーロ200円換算だったと言います。
食事は一食あたり二人で1万円から2万円ほど。それでも行ってよかったと二人の意見は一致します。
お金で持っとくよりかは断然いいと思います。
円安を理由に旅を迷っている人へ、ドビ森さんは背中を押します。円は戻らず、今が一番安いと思って行った方がいい、という考え方です。
最後にドビ森さんは、イタリアではオリーブオイルがとにかくおいしかったと語ります。いい店はいいオリーブオイルを出し、机のパンにつけて食べるだけでおいしいのだそうです。
お土産として、ブラのボッコンディビーノで実際に卓上に出されていたオリーブオイルをこまさんに手渡します。ファブリ・ルッカというイタリアのオリーブオイルでした。
まとめ
トリノの人気店からミラノの伝説的食堂、そして偶然の出会いから見つけたローカル店まで、北イタリアの食を巡る旅の最終回でした。円安のいまだからこそ、体験にお金を使う価値があると語られています。
- トリノのスカンナブーエでは、卵黄の手打ちパスタ「タヤリン」が特におすすめとして挙げられた
- ミラノのラッテリア・サン・マルコは、一度閉店したものの実業家の直談判で復活した名店で、レモンと青唐辛子のパスタが最も感動した一皿
- 隣席のマダムに教わった「リストランテ・ヌオーバ・アレーナ」では、シンプルなミラノ風カツレツが絶品だった
- 牛タンは日本の方がうまいなど、正直な評価も交えて語られた
- 1ユーロ200円換算の円安下でも、北イタリアの食は行く価値があるという結論で一致した
