ヒトラー回の後に現れた、毎晩聴くリスナー
コテンラジオの番外編第9回は、ヒトラーを扱った重い本編の収録を終えた直後に始まります。深井龍之介さんと樋口聖典さんは、ヒトラー回が重かった分、番外編は軽くいきたいと口をそろえます。
お疲れ様です。いや、ちょっとね、ヒトラー重すぎっすよ。
重いので、今回の番外編はもう本当に軽くいきたい。
樋口さんはこの番外編に、一人のゲストを連れてきました。株式会社ブック社名表記の青柳さんです。収録を終えてスタジオを出たところ、エントランスで青柳さんが楽器を演奏していたため、そのまま中へ連れてきたといいます。
青柳さんはコテンラジオの大ファンで、毎晩欠かさず聴いているそうです。宗教のシリーズは何度も聴き直したものの、毎回途中で寝落ちしてしまい、後半は一度も聴けていないと笑いを誘います。
(寝落ちするなら)睡眠の導入としてはいいね。
青柳さんによれば、コテンラジオを聴くことはすでに生活の習慣になっていて、車での移動中にも聴いているとのことです。「面白いな」と思いながら聴いているうちに、気づけば朝になっているといいます。
リスナーが一番気になっているのは「ヤンヤンさん」?
樋口さんは青柳さんに、ラジオ番組もYouTubeも選択肢が多いなかで、なぜコテンラジオを選んだのかを尋ねます。青柳さんは答えに迷いながらも、まず挙げたのがヤンヤンこと楊睿之さんの存在でした。
青柳さんが直近で聴いたのは、ヤンヤンさんが霊媒師と出会う「宗教体験」の話です。青柳さんにとっては宗教体験そのものより、親戚のおばの家に預けられていたという幼少期の話が、誰にも突っ込まれずに流されていたことが衝撃だったといいます。
青柳さんは、深井さんの経歴は歴史を学び、企業に入り、今の仕事に至るという流れで納得できる一方、ヤンヤンさんは「謎でしかない」と話します。なぜあれほど日本語が上手いのかも気になるそうです。
ちなみにね、僕から見ても謎ですからね。
樋口さんも、TwitterやFacebookに上がってくるヤンヤンさんの画像がすべて謎だと同調します。顔写真を老人に変えるアプリの画像を唐突に送ってきたこともあったそうで、深井さんは「何のために生きてるんだろうって思います」とまで話します。
コテンという会社と、ヤンヤンさんのパラレルキャリア
青柳さんが一番聞きたいことは、シンプルに「ヤンヤンさんは普段何をしているのか」でした。あわせて、株式会社コテンという企業自体も外からは謎に見えるといいます。
深井さんの説明によると、コテンは歴史に関する活動をしている会社で、コテンラジオは広報活動にあたります。実際の事業としては世界史のデータベースを研究開発していますが、まだ収益は出ていないため、深井さんはベンチャー企業のコンサルティングにも入っています。
僕しか入ってないところもあって、彼(ヤンヤン)はフルで別にやってるわけじゃなくて、自分も自分で個人事業主でもやってるんですよ。そっちの仕事は何回聞いても俺も意味がわかんない。
ヤンヤンさん自身が語った最初のキャリアは、意外にも農業でした。大学卒業後、故郷である中国・四川でイチゴとトマトを作っていたといいます。
四川っていうところが故郷なんですけど、そこでイチゴとトマトを作ってました。
四川の人口を聞かれたヤンヤンさんが「1億人」と答えると、青柳さんは「バリバリおるやないか」と驚きます。ヤンヤンさんはその後日本に戻り、人生で初めて会社員として環境系のコンサル会社に勤め、そこを辞めて独立しました。
現在のヤンヤンさんは、深井さんの会社に入るほか、福祉系のベンチャーにも籍を置き、実家の農業コンサルも手伝っています。農業コンサルは、中国で日本の農業技術を求める人に技術者を紹介したり、中国からの視察をアテンドしたりする仕事です。
ただしヤンヤンさんは、農業コンサルについて「僕は給料もらえてないです」と話します。両親が営む会社の家業の手伝いという位置づけで、軸足はむしろ深井さんとの事業やライターの仕事に置いているそうです。
女子大生のふりをしたゴーストライター
深井さんが「言っていいのかな」と前置きしながら明かしたのが、ヤンヤンさんの日本語のライターの仕事です。ヤンヤンさんはゴーストライター ── 名前を表に出さず、別の人物の名義や設定で文章を代わりに書く書き手のこととして、ある企業のシリーズ記事を書いていたといいます。
シリーズで。俺もうそれ爆笑したもん。
女子高生が書いてると思って読んでたら、本当はヤンヤンが書いてるんでしょ。
深井さんは当初「女子高生のふり」と説明しましたが、ヤンヤンさん本人によると正確には女子大生の設定でした。青柳さんは、日本の女子学生のふりを中国出身の人が書いていることに「日本の闇だわ」と大笑いします。
正確には女子大生なんですけど、ちょっと勉強ができる好奇心の強い女子大生という設定で、ある企業さんのシリーズをちょっと書いたり。
ヤンヤンさんの仕事はそれだけではありません。福祉系のベンチャーでは補助金事業に関わるほか、会社として論文を書いて学会に投稿する活動にも携わっています。論文のリサーチや取りまとめを担う、研究コンサルという立場だそうです。
ここまでに出てきたヤンヤンさんの仕事を整理すると、次のようになります。
| 仕事 | 内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 深井さんの会社 | コンサル先への参画など | 軸足の一つ |
| 農業コンサル | 日本の農業技術者の紹介、中国からの視察のアテンド | 実家の家業の手伝い(給料なし) |
| ライター | 企業のシリーズ記事のゴーストライター | 軸足の一つ |
| 福祉系ベンチャー | 補助金事業、論文のリサーチや取りまとめ | 研究コンサル |
縁もなかった農業に飛び込んだ理由と、30代の構え
深井さんが一番意味がわからないと言うのは、大学卒業後にいきなり農業へ進んだことです。ヤンヤンさん自身も、農業には縁も興味もなかったと振り返ります。
何がしたいかは全然その時わかんなくて。で、院に行ってモラトリアムを長引かせようという風に、クソみたいな考え方を持ってたんですけど。
その時ちょうどうちの両親が中国にいて、農業やるけんお前戻ってこいって言われて、農業か、まあいっかと思って戻って好きになりましたね。
話を聞いても謎は深まるばかりで、深井さんも「何回聞いてもよく意味がわかんない」と苦笑します。そんな中でヤンヤンさんは、今の働き方について自分なりの考えを示しました。
ヤンヤンさんは、仕事を絞り込むのはその後でもいいと考えているようです。話は断捨離に移り、深井さんは髪の毛で人生半分ぐらいの断捨離を経験したと冗談めかしつつ、捨てることはやっぱ気持ちいいと話します。ヤンヤンさんも、防御を捨てることで動きが軽くなると応じていました。
まとめ
ヒトラー回の重さから一転、番組初のゲストである青柳さんの素朴な疑問をきっかけに、ヤンヤンさんの謎多き経歴が明かされた番外編でした。四川での農業から、環境コンサル、女子大生設定のゴーストライター、研究コンサルまで、30代はいろいろな場所に足を突っ込むという姿勢が見えてきます。
- 青柳さんは毎晩コテンラジオを聴くヘビーリスナーで、ヤンヤンさんの経歴が一番気になっていた
- コテンはラジオを広報活動とし、世界史データベースを研究開発している
- ヤンヤンさんは大学卒業後に四川でイチゴとトマトを作り、その後環境コンサル会社を経て独立した
- 現在は深井さんの会社、福祉系ベンチャーの研究コンサル、家業の農業コンサル、ライターを並行している
- 女子大生の設定で企業のシリーズ記事を書くゴーストライターの経験もある



