ChatGPTが作った質問に即答する企画とは?
この回は、樋口さんが「今日ちょっと僕がやりたいことをやらせてもらっていいでしょうか」と切り出して始まります。企画名は「100の質問ヤンヤン編」です。
ヤンヤンさんは「今更こんなハゲの話誰が聞きたいですかね」と謙遜しますが、樋口さんは「世界はずっとヤンヤンに興味がある」と押し切ります。
100の質問は、樋口さんがChatGPTに「コテンラジオのヤンヤンに100個質問したい」と頼んで書いてもらったものです。樋口さん自身もまだ全部は読んでいない状態で収録に臨んでいます。
多分作家とか僕とかが本気で考えたらこんな質問しないだろうなっていうやつも入ってるんですけど、逆にそんな質問に答えてもらうことで意外な答えとかも出るかも。
ヤンヤンさんも、スプレッドシートの質問を見ながら「絶妙にしょうもない質問があるのはいい」と面白がります。進め方は、10問ずつ即答し、気になったものを1つだけ深掘りするという形に決まりました。
最初の10問の答えは、自分を一言で表すと「ハゲ」、休日は「読書、そして寝る」、欠かせないものは「携帯電話」、日本で好きな場所は「神社」と、短く率直なものが続きます。
番組で話してよかったエピソードには「天動説と地動説と、あと穴の話」を挙げました。好きな音楽には宇多田ヒカル、鬼束ちひろ、CHINZANDOPENESS、好きな作家には『推しの子』原作の赤坂アカ ── 漫画原作者。『かぐや様は告らせたい』の作者として知られ、『【推しの子】』では原作を担当していますさんの名前が出ます。
子どもの頃に言われていた性格は「女々しい」、やってみたい習い事は「ピアノなど楽器」、番組で予想外だった歴史の事実は「シンドラー」でした。
星空の写真を送った大学時代の「黒歴史」
最初の10問から樋口さんが深掘りに選んだのは、第6問の「人生で一番恥ずかしかった瞬間」です。ヤンヤンさんの答えは、大学時代にそこまで仲良くない女の子に星空の写真を送ったことでした。
ヤンヤンさんによると、今の年齢になって振り返ると、異性との関わり方で「ものすごくキモいこと」をたくさんしていたそうです。星空の写真はその中の一つにすぎないといいます。
樋口さんが「好きだったんですか」と聞くと、ヤンヤンさんは好きではなかったと答えます。思い返すと、ロマンチストな自分に酔っていたのかもしれない、と自己分析しています。
相手から返信があったかどうかは、ヤンヤンさんの記憶でも「特にないかもしれない」とのことです。樋口さんは「これだけで1本撮れるぐらい聞いていきたい」と惜しみつつ、次の質問へ進みます。
座右の銘は「ない」、動物に例えると「カメ」
第11問から第20問でも、ヤンヤンさんの答えは短く飾り気がありません。座右の銘や信念は「ないです、特に」、毎朝最初にすることは「携帯を見ること」、気分転換は「YouTubeとゲーム」です。
あまり知られていない特技を聞かれると、ヤンヤンさんは料理が好きで、掃除も含めて家事一般はだいたいできると答えています。
リスナーに知ってほしい歴史人物やエピソードという質問には、「絶対公開されない」深井龍之介さんの10代・20代の頃のエピソードを挙げました。樋口さんが「深井さんが歴史上の人物になったらやれますよね」と返すと、ヤンヤンさんは「やばすぎて言えないでしょ」と笑います。
日本で驚いた食文化には「出汁の文化」、好きな性格のキャラクターには『ドラゴンボール』の「クリリン」を挙げます。自分を動物に例えると「カメ」で、理由は単純にカメが好きだから、ということでした。
日本と中国の歴史の見方の違いについては、近現代史、特に戦争の歴史は全然違う、と短く答えています。
赤ちゃんから育てるカメは「目を合わせてくれる」
第11問から第20問で樋口さんが深掘りしたのは、ヤンヤンさんが最近ハマっている「カメを飼うこと」です。ヤンヤンさんにとって、カメを飼うのは人生で2回目だといいます。
ヤンヤンさんとカメの関わりは子どもの頃から続いています。飼い始めるまでの経緯を時系列で整理すると、次のようになります。
ヤンヤンさんが飼っているのは、比較的飼いやすいミシシッピニオイガメ ── 北米原産の小型の水棲ガメ。成長しても十数センチほどと小さく、ペットとして飼育しやすい種類として知られていますです。メダカとは別の水槽で飼っており、メダカを飼ったことで「うちにペットが導入された」のがきっかけになったと話しています。
ヤンヤンさんが語るカメの魅力は、目を合わせてくれること、そして姿を見せると餌をねだってバタバタすることです。ヤンヤンさんは、その様子から「自分が世界から必要とされてるっていう感覚が得られます」とまで言います。
樋口さんは爬虫類があまりピンと来ておらず、ヘビは苦手だと明かします。それでもヤンヤンさんは、カメは表情があって笑っているように見え、なついてくるのでおすすめだと勧めていました。
サプライズもプレゼントも「実はちょっと苦手」
第21問から第30問では、ヤンヤンさんの価値観がにじむ答えが増えていきます。周囲からは「腹が据わっている」「覚悟ができる人」と言われることがあるそうですが、本人にはまったく自覚がないといいます。
変わった癖は、小さい頃からの爪いじりです。10年後になっていたい自分は「人様に迷惑をかけない自分」と答え、樋口さんは「ちょいちょい出るな、価値観」と反応します。
一番嬉しかったサプライズやプレゼントを聞かれたヤンヤンさんは、「ないかも」と答えました。サプライズもプレゼントも実はちょっと苦手で、大喜びした記憶はあまりないそうです。贈ってくれた人には申し訳ない、とも付け加えています。
リスナーに伝えたい歴史の面白さについては、いつもと少し方向性を変えて「すごく質の高い時間つぶし」と表現しました。
ほかにも、行ってみたい場所は「火星」、好きな四字熟語は「四面楚歌」、最近心に残った本は『推しの子』と、ヤンヤンさんらしい答えが並びます。収録中に「これは使えない」と思ったことには「自分のセクシュアリティ」と答えています。
2つのエンジンがぶつかるとき
第21問から第30問の深掘りに、樋口さんはプレゼントの話を選びます。ヤンヤンさんは、自分の中で2つの「エンジン」が同時に動いていると説明しました。
1つはマイペースでいたいエンジンで、ヤンヤンさんにとってはこれが一番気持ちよく、ウェルビーイングに直結しています。もう1つは、相手や人や世間に合わせようとするエンジンです。
自分のリズムやペースで過ごすことが一番気持ちよく、ウェルビーイングに直結している
プレゼントやサプライズを受けたら、礼儀として喜ばなければと強く働く
ヤンヤンさんによると、プレゼントやサプライズを受けると世間向けのエンジンが強く動き、動けば動くほどマイペースのエンジンとぶつかってしまいます。自分のペースや「気の流れ」を乱される感じが苦手なのだそうです。
そのためヤンヤンさんは、贈り物をするならむしろ事前に相談してほしいと話します。「こういうものを贈ろうと思うんだけど、どういうものがいい」と認識を合わせる場があるほうが、個人的には助かるといいます。
樋口さんのパターンは少し違い、サプライズはありだけれど、プレゼントをもらうのは苦手だそうです。
正確に言うと気持ちが相当嬉しいのに、それ(プレゼント)を保有しておくのが結構つらいというか。大切であればあるほど保有しないといけないですけど、僕は物を1個でも減らしたいから。
ヤンヤンさんは、根本的な自分の価値観と人間社会の慣習が微妙にかみ合わないところが難しい、とまとめ、樋口さんも「人間社会難しいですね」と応じました。
三国志リバイバルと、笑えないガスコンロの失敗
第31問から第40問は、最近面白いと思ったコンテンツの話から始まります。ヤンヤンさんは『推しの子』以外なら三国志で、特定の作品というより三国志の歴史そのものが自分の中でリバイバルしているそうです。
よくやってしまう失敗を聞かれたヤンヤンさんは、年を重ねるごとにケアレスミスが増えた実感があると話します。最近2回にわたって、ガスコンロのグリルの火を消し忘れるという危険な失敗をしてしまったそうです。
1回目はパンを焼いたまま忘れて黒焦げにし、リビング中が煙だらけになりました。2回目は空焚きです。ヤンヤンさんは、これまでこんな失敗はしたことがなく、何か対策を打たないと危ないと話しています。
自分の変わっているところには「ハゲの受容」、つまり薄毛を受け入れていることを挙げました。誰にも負けない分野は「正直わからん」とのことです。
今後紹介したいテーマとしては、三国志の魏・呉・蜀のうち、呉を深掘りしたいと答えています。ヤンヤンさんによると、曹操や劉備がとても尖っているのに対して、孫権 ── 三国時代の呉の初代皇帝。父の孫堅、兄の孫策の跡を継いで江南に勢力を築き、魏・蜀と並ぶ呉を建国しましたは中国でも日本でも脇役として見られがちだといいます。
ヤンヤンさんは、孫権を深掘りすれば面白さや学びがあるという直感があると話します。樋口さんも強い興味を示し、コテンラジオでは意外と三国志をまとめて扱っていないことを確認し合いました。
小さな幸せを感じる瞬間には、料理がうまく作れた時と、空や雲がきれいな瞬間に出会った時を挙げています。幸せとは「たまたま入った店のご飯がおいしかった」「たまたま入った本屋でいい本に出会った」ようなもの、という答えも印象的です。
タイムマシンで行きたい場所は「ブラックホールの中」、得意料理は最近ならオムライス、番組制作で大変なところは「全部」でした。
ケアレスミスが増えるのは「情報の圧縮」のせい?
第31問から第40問の深掘りで、樋口さんはガスコンロの件を取り上げます。ヤンヤンさんは、疲れている時のケアレスミスが20代の頃と比べて顕著だと感じているそうです。
樋口さんも最近ケアレスミスがやばくなってきていると共感し、年齢の影響について自分なりの仮説を語ります。樋口さん本人は「勝手な想像」と前置きし、誰か答えを教えてほしいと話しています。
機能が低下しているというよりは、取捨選択だったり、情報の圧縮が上手になってきている感覚はあるんですよ。
樋口さんの説明では、子どもは電車や車の台数など、生活に必要ない情報まで全部同等に受け取ります。一方で大人は、必要な情報だけを取り、いらない情報を切り捨てるようになっているといいます。
ヤンヤンさんは、その圧縮には思考パターンが限定される弊害もありそうだと応じます。2人のやり取りを流れで整理すると、次のようになります。
子どもの頃
必要ない情報も含め、すべてを同等に受け取る
年を取ると
必要な情報だけを取り、いらない情報を切り捨てる圧縮が上手くなる
固定化された生活では
圧縮によって効率化が進む
変化があると
思考パターンが限定されて変化に弱くなり、バグ(ミス)が起きやすい
ヤンヤンさんは最後に「メタ認知が必要だな」とつぶやき、話は次の10問へ移っていきます。
北海道も沖縄も、まだ行ったことがない
第41問から第50問では、無人島に持っていきたいものに「小説と漫画とスマホ」を挙げ、樋口さんに「スマホ反則だけど、まあいいや」と許されます。
ファッションは「最低限、人に不潔感を与えない装い」、子どもの頃の遊びは車や戦車のおもちゃを床に並べて一人でする戦争ごっこでした。こだわりは特になく、「説得されやすいし、空気に流されます」と答えています。
人生で最も驚いたことは、以前にも話した、頭頂部に髪の毛が生えていない部分を見つけた時だそうです。まだ実現していない企画としては、スティーブ・ジョブズのような近現代のビジネスパーソンをコテンラジオで扱うアイデアを挙げました。
この10問で樋口さんが深掘りしたのは、ヤンヤンさんが体験してみたい行事として挙げた札幌雪まつりです。ヤンヤンさんは北海道にも沖縄にも行ったことがなく、あまり旅行をしてこなかったといいます。
樋口さんは両方とも大好きで、沖縄には大学時代にスキューバダイビングの免許を取りに行き、北海道は高校時代に弟と2人でユースホステルを巡ったそうです。ヤンヤンさんは「青春やな」と返し、雪で作るオブジェを見てみたいと憧れを語りました。
バスの広告で知った「王監督は生きていた」
第51問から第60問では、趣味の料理へのこだわりとして、使ったことのない食材や調味料をその場で調べて使ってみるのが好きだと話します。今の仕事を始めたきっかけは「深井くんに声かけられたから」でした。
人生で心に残っているワンシーンとして、ヤンヤンさんは小学4年生で中国から福岡に来た時の思い出を語ります。福岡空港から乗ったバスに「ありがとう王監督」という広告があり、王貞治さんの写真が載っていたそうです。
ヤンヤンさんは中国にいた頃、学校の副読本で王貞治さんのことを知っていました。教科書に載る人は昔の偉人だと思い込んでいて、王さんもすでに亡くなった人だと思っていたといいます。
中国で
副読本で王貞治さんを知り、昔の偉人だと思い込む
福岡に来た日
バスの広告を見るが、まだ平仮名が読めず形だけ覚える
平仮名を覚えた後
あの広告が「ありがとう王監督」だったと思い出す
気づき
「え?生きてるの?」と一番びっくりした
樋口さんが「ベートーベンコンサートやりますみたいな感じですよね」とたとえると、ヤンヤンさんは「ほんとそんな感じ」と同意していました。
ほかにも、雨の夜にビニール袋を提げて歩く人を見ると「雨の夜とビニール袋はマッチする」と感じること、癒しはやはり「カメ」であることが語られます。リスナーからのメッセージでは、番組開始1年目、2年目の、まだ聴く人が少なかった頃にもらったものが一番心に残っているそうです。
人生をやり直すなら、もう一度小学校から
最後に樋口さんが深掘りしたのは、人生をやり直せるなら「もう一回小学校から通い直してみたい」という答えです。ヤンヤンさんは、近所の小学校に通う子どもたちを見ると、あの時代いいなと思うのだそうです。
ヤンヤンさんの小学校時代は楽しかったといいますが、それとは別に、コナン君のようにもう一度通ってみたら面白いかもしれない、と話します。
僕ね、子供が今小1なんすけど、この時代、この場所でもう1回小学生やったらどうなるんやろってのはあります。
樋口さんは1981年生まれで、その時代の田川しか知らないため、デジタルデバイスやYouTubeやゲームがある今の環境で小学生をやったらどうなるかを考えるといいます。ヤンヤンさんは、SDGsや平和教育を今の学校でどう教えているのか気になり、歴史の授業で先生に「クソみたいなツッコミ」をしてみたいと冗談を言います。
結局この日は、思ったより盛り上がって時間が経ったため、60問で終了となりました。ヤンヤンさんは企画の「絶妙感」を評価し、樋口さんは次は1000問を6時間やりたいと言って「人権侵害」とつっこまれます。反響があれば、別の番組などでもやってみたいと締めくくられました。
まとめ
AIが作った質問に即答し続けるシンプルな企画から、ヤンヤンさんの率直さと、マイペースを大切にする人生観が浮かび上がる回でした。深掘りのたびに、カメへの愛情や王貞治さんの思い出など、ふだんの歴史回では見えない素顔が語られています。
- ChatGPTが作った100の質問を10問ずつ即答し、1問だけ深掘りする形式で60問まで進んだ
- 赤ちゃんから育てるミシシッピニオイガメは、目を合わせてくれて「世界から必要とされている感覚」をくれる存在
- プレゼントやサプライズが苦手なのは、マイペースのエンジンと世間に合わせるエンジンがぶつかるから
- ケアレスミスの増加について、樋口さんは加齢による「情報の圧縮」が変化への弱さを生むという仮説を語った
- 来日直後に見た「ありがとう王監督」の広告で、偉人だと思っていた王貞治さんが生きていると知った驚きが心に残っている


