チャーハンを炒める動画が止まらないのはなぜ?
番外編の冒頭で「地味に好きなYouTubeはあるか」と振られた出演者は、最近ずっとチャーハンを炒めている動画を見てしまうと明かします。
もう一人の出演者もこのチャーハン動画には共感し、一時期は食事をしながら、料理人が黙々と料理を作る動画を見るのが好きだったと話します。
紹介されたチャーハン動画は、YouTuber自身が料理するものではありません。町中華の店でプロの料理人が客に出す一皿を撮影し、YouTuberがアップしているタイプの動画です。
同じ店の動画には野菜炒めや天津飯、ラーメンなども並びますが、チャーハンを炒めている動画とそれ以外では満足感の差が大きいといいます。近いのは魚を捌く動画くらいだそうです。
惹かれる理由について、最初は食欲だったかもしれないが、今はもう食欲ではなく所作の美しさや職人芸に惹かれているのだろう、という話になります。
チャーハンの工程にもいくつもの「流派」があると細かく語られます。
この一連の所作が気持ちいい、という点で二人の感覚は一致します。
空手の演武と舞台裏ドキュメンタリー
チャーハン動画の魅力を話すうちに、出演者の一人は「空手の型なのかもしれない」と気づきます。
空手や格闘技の動きは本来、相手を倒すために最適化されたものです。一方で演武は倒すためではなく、見せるために行われます。
料理は食べさせるため、武術は相手を倒すために動きが最適化されている
動画や演武では、最適化された所作そのものを見て楽しんでいる
実際、チャーハン動画をよく見る出演者は、普段チャーハンをそれほど食べないそうです。食べたいから見ているわけではない、というのがこの話の核です。
もう一人の出演者は、料理動画の中でも高級フレンチのシェフの舞台裏が好きだと話します。慌ただしく動きながらも正確な仕事を重ねていく様子が「性癖に刺さる」といいます。
この出演者が好きなのは、職人芸に加えて最適化された段取りです。ファッションショーやアニメ制作の舞台裏など、チームが締め切りに追われながら、ときに罵声も飛びつつ最後になんとか形になる、という混乱ごと楽しんでいます。
一方で、大工動画もよく見るという出演者は、混乱やカオスの要素にはあまり惹かれないと答えます。同じ「職人を見る動画」でも、好きなポイントが少しずれているのが面白いところです。
ほかに、中華一番やうどん・そばの店の動画、韓国語や中国語で日本の食を紹介する動画も話題に上がります。海外の撮影者が切り取る映像は視線が違い、美しいと話されています。
仲里依紗のYouTubeはなぜ嫌味がないのか
次に、もう一人の出演者が好きなYouTuberとして挙げたのが、女優の仲里依紗さんです。女優業をしながら、YouTubeにも多くの動画を出しています。
仲里依紗さんの動画には、爆買いや爆食、海外イベントへの参加といったセレブリティな場面もあります。それでも見せつける感じがなく、生活を楽しむ様子やかっこ悪い部分も演出なしに出しているところが良いといいます。
コストコでの爆買い、パリのファッションショーへの招待、そして息子の運動会のために徹夜で弁当を作る回まで、振れ幅も魅力として挙げられます。
この出演者はYouTubeを見るのはほぼ食事中だけで、仲里依紗さんの動画も食べながら見ているそうです。ドラマはあまり見ていないものの、「離婚しようよ」は全話見たといいます。
対してもう一人は、いろいろな企画をこなす「いわゆるYouTuber」で好きな人はいないかもしれない、と話します。人ではなくコンテンツで好きになるタイプのようです。
アットホームチャンネルがホームレスを「なめていない」理由
コンテンツで選ぶ出演者が挙げたのが、アットホームチャンネルです。中学の同級生と組んでいたコンビの相方が運営する、東京のホームレスを取材するドキュメンタリーのチャンネルです。
アットホームチャンネルについて、この出演者は「コテンラジオを聴いている人ならぶっ刺さる」と考えています。ホームレスになった人には全員それぞれの理由があり、望んでなった人も望まずになった人もいて、その人生を垣間見られるからです。
好きなホームレスの方として紹介されたのが、エノビさんエノビです。社会で生きるのが嫌になって自ら世を捨て、公園で一人絵を描いていた人物で、相方の提案でギャラリーでの個展を毎年開くようになったといいます。
職のない人を雇ってくれる人を番組内で募り、実際に雇われた先で揉めてしまう、といった事件もアットホームチャンネルはすべて見せています。「マジのリアル」と表現されるゆえんです。
この出演者はアットホームチャンネルのアドバイザーをしていた時期があり、ほかのホームレス関係のチャンネルも多く見たそうです。その中には、ホームレスを下に見ておもちゃにしているチャンネルも多かったといいます。
ホームレスを下に見ておもちゃにし、出演側も金がもらえるからと割り切っている
一人の人間として向き合い、揉め事も含めた現実をそのまま見せる
ジャンルとして好きというより、一人の人間として向き合っているアットホームチャンネルだから好きなのだ、と語られます。
ぺえの食事動画が刺さるのは「自然」だから
続いて挙げられたのが、タレントでYouTuberのぺえさんです。名前を聞いて一瞬別の人物を思い浮かべるやりとりもありつつ、ひらがなの「ぺえ」だと確認されます。
ぺえさんのチャンネルは、ひたすら自分の好きなものを食べる動画が中心です。食べながら話す動画は世の中に数えきれないほどありますが、ぺえさんの動画は何かが刺さるといいます。
その理由として挙げられたのは、コンテンツとして世に出すことが先に来ていない点です。美味しそうに食べていて、それをついでにYouTubeに流している感じが自然だと話されます。
寝起きのような飾らない姿で、カロリー高めのジャンキーな食べ物を山ほど並べて一つずつ食べる。見ている側に「今これを食べたい」と思わせる力があるそうです。
ぺえさんはトークも魅力で、適当に話しているようでいて、刺さる真理をシンプルな言葉で言うことがあるといいます。食事以外のさまざまな雑談でも、その言語表現が光るようです。
鈴木ジェロニモは水道水をどう説明したのか
言葉のセンスつながりで紹介されたのが、人力舎所属のピン芸人、鈴木ジェロニモさんです。短歌が趣味で、短歌の方面でも評価されているといいます。
鈴木ジェロニモさんのチャンネルで最も再生されているとみられるのが、水道水の味を説明する動画です。水道水をゴクッと飲み、その味を言葉で表していきます。
特に「1の味」について、紹介した出演者は本当にそうだと感じたそうです。0は味がないことですが、1は基準の味であり、水道水には味があるものの何をかけても変わらないという意味で1なのだろう、と解釈しています。
この段階まで来ると、ただの食レポではありません。その瞬間に感じたことを大きく抽象化して言語化している点がすごい、と語られます。
鈴木ジェロニモさんは同じ手法を、つまようじ、冷却シートのつけ心地、アイマスクをつけたときの視界、呼吸、引き抜いたイヤホンから流れる音など、味以外にも広げています。
クリエイターズ・ファイルの秋山竜次はどんな人?
芸人つながりで話題はロバートの秋山さんと、YouTubeシリーズ「クリエイターズ・ファイル」へ移ります。最近では村上隆さんとのコラボが面白かったと話されます。
実は出演者の一人は芸人時代に吉本と関わりがあり、秋山さんが歌う「とかくか」とかくかという曲をプロデュース・作曲したことがあります。広告の仕事で一緒に働いたこともあるそうです。
その経験から語られた秋山さんの印象は、笑いに対して「めちゃくちゃストイック」というものでした。
秋山さんの力に頼った広告企画の打ち合わせで、本来は代理店やプランナーが担うネタ作りに、秋山さん自身がどんどん案を出したといいます。
企画の前提
商品テーマで「秋山歌謡ショー」のような動画を作る
打ち合わせ
秋山さん自身がボケの軸や別案を次々に提示する
自己判断
要素が足りない案は「今回は成立しない」と自ら取捨する
結果
1時間ほどの打ち合わせで案が5個も6個も出る
作家としてだけでもすごかった、人間離れしている、と語られます。生で聞く声の力や、いるだけで面白いオーラが出ている点も挙げられました。
もう一人の出演者が衝撃を受けたのが、クリエイターズ・ファイルで新種の微生物「ヤマトゴンズラ」に扮した回です。顕微鏡で拡大すると秋山さんの頭のようなものが見える、という企画でした。
微生物の役を演じるという発想に一瞬脳がバグったといい、企画はこんなに自由でいいのだと感動したそうです。
尊すぎる芸人たちへのリスペクト
芸人が選ぶすごい芸人のランキングがあれば、秋山さんは必ず上位に入る、と元芸人の出演者は話します。大喜利、ネタ、演技、パフォーマンス、歌まで、六角形のパラメータがほぼトップクラスだという評価です。
この出演者は、芸人のYouTubeチャンネルを挙げ始めたらきりがないといいます。同期のニューヨークはネタもトーク番組も企画もすべて見ているそうです。
ほかにもバカリズムさん、かまいたちさん、キングオブコント常連のファイヤーサンダーさん、ジャルジャルさんなど、名前が次々に挙がります。チェックというより、本当に好きだから見ているのだそうです。
もう一人から「違う路線で突き抜けた」と言われても、元芸人の出演者は「芸人ちょっとやってたレベル」だと謙遜します。芸人という人種が尊すぎて、とても同じフォルダには入れない、と話しています。
柴山サリーが歌うZARDは次元が違う?
YouTuberではないものの、歌う人として紹介されたのが柴山サリーさんです。ZARDの「歌ってみた」で有名になった人物です。
柴山サリーさんのZARDは完璧にそっくりで、数多くある歌ってみた系の中でも次元が違うといいます。テレビのものまね番組に出たこともあり、生まれ変わりかと思うほどのクオリティだそうです。
言葉では伝えきれないので、ぜひYouTubeのチャンネルで聴いてほしい、とリスナーにも勧めています。
再生時間トップはシナぷしゅ
最後に、元芸人の出演者が「再生時間だけでいえば一番」と挙げたのがシナぷしゅです。自身のYouTubeアカウントで最も再生されているのはシナぷしゅチャンネルだろうといいます。
2歳の子どもがいて、ご飯の準備をするときにシナぷしゅを流すと泣き止むのだそうです。映像と音楽の力への感謝を、制作者に向けて何度も伝えていました。
雑談を終えて、「意外と楽しかった」と振り返る形でこの番外編は締めくくられます。
まとめ
この回では、チャーハン動画から芸人のYouTube、子ども向け番組まで幅広い動画が紹介されました。共通していたのは、職人芸や言語表現、人への向き合い方といった「なぜ惹かれるのか」を言葉にしようとする姿勢です。
- チャーハン動画の魅力は食欲ではなく、空手の演武のように最適化された所作を鑑賞することにある
- 仲里依紗さんやぺえさんの動画は、飾らない自然さが刺さると語られた
- アットホームチャンネルは、ホームレスを一人の人間として向き合う姿勢が評価された
- 鈴木ジェロニモさんや秋山さんには、言語化と企画の力で芸人としての凄みが語られた
- 再生時間トップはシナぷしゅで、子育ての支えとして感謝が伝えられた





