撮影スタイルの変化と「チャンネル登録1000人」のお願い
コテンラジオのアレクサンドロス編第1回は、収録スタイルの変化の話から始まります。これまでの収録は、3人が向き合って話す形でした。この回からは前にカメラを置き、カメラに向かって話す形に変えています。
樋口さんは、それまでの収録を「誰からも見られてない体で、個室で、暗室で、地下室で、地獄の釜の底で」話していたと冗談めかして振り返ります。照明も入れたこの回は、やはり雰囲気が違うそうです。
続いて樋口さんは、コテンラジオの再生数が急に伸びていると報告します。前回の曹操編の公開収録の時点で19万再生でしたが、そこから1ヶ月半ほどで40万弱に達したといいます。
(曹操の公開収録の)その時に19万再生おめでとうって言ってたんですよ。今ってあれから1ヶ月半ぐらい経ったんですけど、もう40万弱いってるんですよ。
一方で、番組のチャンネル登録者数には大きな差があります。Podcastが約4500人なのに対し、YouTubeは約460人で、およそ10分の1にとどまっています。
YouTubeで広告を入れるには、チャンネル登録者数1000人が条件になります。そのため樋口さんは、リスナーにYouTubeでのチャンネル登録を呼びかけました。チャンネル登録を「0円でできる0カロリーでできる社会貢献」と表現しています。
楊さんが「なんかやります」と応じたことから、1000人を達成したら楊さんに何をしてほしいかをリスナーから募集する流れになりました。
なぜ今、アレクサンドロス大王なのか
この回のテーマは「人の夢は終わらねえ。アレクサンドロス英雄列伝」です。樋口さんがジャンプ漫画風にタイトルコールしています。テーマに選んだ理由について、コテン側はまず、アレクサンドロス大王が「キャラとして超絶面白い」と説明します。
番組ではこれまで、吉田松陰やヒトラー、ナポレオン、曹操など多くの人物を扱ってきました。それでも「英雄」というジャンルで見れば、アレクサンドロス大王がトップだといいます。実績でも伝説でも、ナポレオンや曹操を評判で凌駕する英雄中の英雄という位置づけです。
コテン側は、ナポレオンやカエサルに「英雄は誰か」と直接聞けば、アレクサンドロスと答えるだろうと話しています。ヨーロッパではそれほど広く知られた存在です。
アレクサンドロス大王が活躍したのは、2350年ほど前、紀元前350年ごろのギリシャです。番組のスパルタ編で触れた、ペルシアがギリシャに攻めてきた時代の直後にあたります。
「大王」という呼び名は、英語の「アレキサンダー・ザ・グレート」の「ザ・グレート」にあたります。この称号は、歴史上とても高く評価された人物にしか付かないそうです。樋口さんが真っ先に「かめはめ大王」を思い浮かべ、スタジオが笑いに包まれる場面もありました。
一度も負けなかった少年漫画の主人公
アレクサンドロス大王のすごさとしてまず挙げられたのは、戦争で一度も負けなかったことです。しかも基本的には、自分より強い相手としか戦っていなかったといいます。
コテン側の説明によると、どんな英雄でも何度かは負けています。織田信長も徳川家康も、ナポレオンも曹操も負けたことがあります。そのなかで全戦全勝を続けたことが、アレクサンドロス大王を少年漫画の主人公のような存在にしています。
悟空ですら何回か死んでますから。
アレクサンドロス大王は、戦場での判断が即断即決即行動で、いつも自分が先頭に立って戦っていました。指揮官としても戦士としても、最高レベルだったことになります。
学問の面では、家庭教師が人類最高レベルの学者アリストテレス ── 古代ギリシャの哲学者で、プラトンの弟子。論理学や自然学、政治学など幅広い分野の基礎を築き、「万学の祖」と呼ばれますでした。そこにスパルタ式の教育も加わり、戦争にも学問にも強い人物に育ったと紹介されています。
見た目にも逸話があります。アレクサンドロス大王は左右の目の色が違うオッドアイで、黒と青みがかった灰色だったといわれています。髪は金髪のオールバックだったと伝わっていて、樋口さんが「俺の金髪と全然違うな」と自分の髪と比べる一幕もありました。
3つの王位を兼ねた男と、今に残る名前
アレクサンドロス大王は33歳で亡くなっています。それでも20代前半にはすでに英雄になっていました。番組では、その英雄ぶりを3つの肩書きで説明しています。
アレクサンドロス大王は、もともとはギリシャの外れにあるマケドニア王国の王でした。さらに、当時の世界の3分の1ほどを占めた超大帝国ペルシアの皇帝になり、エジプトのファラオ ── 古代エジプトの王の称号。王であると同時に神の化身とみなされ、政治と宗教の両方で頂点に立つ存在でしたにもなります。
| 地域 | 立場 | 番組での説明 |
|---|---|---|
| マケドニア・ギリシャ | マケドニア王国の王 | ギリシャの外れの国の王で、ギリシャ全体も統べる |
| ペルシア | ペルシア帝国の皇帝 | 当時の世界の3分の1ほどを占めた超大帝国 |
| エジプト | ファラオ | エジプトの王 |
この規模を現代に置き換えた例えも出ています。楊さんは「アメリカとロシアと中国の大統領」を挙げました。コテン側からは「GoogleとマイクロソフトとAmazonの社長が全部同じ人」という例えも出ています。
アレクサンドロス大王の名前は、現代にも多く残っています。エジプトに建てた都市アレクサンドリアには、当時最高峰のアレクサンドリア図書館 ── 古代最大級とされる図書館。各地から写本が集められ、学問の中心地として多くの学者が集まりましたがありました。AmazonのAIアシスタント「アレクサ」は、この図書館が語源だと紹介されています。
ほかにも、宇宙戦艦ヤマトに出てくる「イスカンダル」は、アレクサンドロスのアラビア語読みだそうです。「韋駄天」の語源もアレクサンドロスだという説が紹介されています。
右肩上がりの人生と、30歳での内部崩壊
アレクサンドロス大王の人生は、幼いころからずっと右肩上がりでした。子どもの頃から優秀だと言われ、家庭教師のもとで学んだ仲間のなかでも成績が良かったといいます。王に即位した瞬間から活躍し、戦争には勝ち続けました。
ところが、外交や戦争ですべて成功していたアレクサンドロス大王は、30歳ごろに挫折します。原因は外の敵ではなく、内部の崩壊でした。味方が彼についてこなくなるという形の挫折です。
少年期
優秀だと評され、家庭教師のもとで学ぶ
即位後
王になった直後から活躍し、全戦全勝を続ける
30歳ごろ
味方がついてこなくなり、内部から崩壊して挫折
33歳
挫折の後に亡くなる
アレクサンドロス大王は半分神様のように扱われ、本人も自分を半分神様だと思っていました。当時のギリシャでは、神様は今より身近な存在だったからです。コテン側は、アレクサンドロス大王を「人類レベルで多分最高の自己肯定感」の持ち主だったのではないかと話しています。
コテン側がシリーズを通して伝えたいのは、そんな英雄が挫折してから死ぬまでの儚さです。ただし、細部を知らないまま聞いても意味が伝わらないため、結末の詳しい話は後の回に回すとしています。
樋口さんは、結末を知る前提で栄光の話を楽しんでほしいという提案を受け、楽しみだと応じました。次回は、アレクサンドロス大王が生まれた時代背景から話が始まる予定です。
まとめ
アレクサンドロス編の初回は、アレクサンドロス大王がどれほど規格外の英雄だったかを示しました。そのうえで、シリーズの終着点として、内部崩壊による挫折という「儚さ」を予告する導入回になっています。
- アレクサンドロス大王は紀元前350年ごろのギリシャの人物で、カエサルやナポレオンも尊敬した英雄中の英雄
- 自分より強い相手とばかり戦いながら全戦全勝し、アリストテレスに学ぶなど文武両面で最高レベルだった
- マケドニア王、ペルシア皇帝、エジプトのファラオを兼ね、「アレクサ」や「イスカンダル」にも名前が残っている
- 30歳ごろに味方がついてこなくなって挫折し、33歳で亡くなる。この結末がシリーズの核になる




