広報活動だった番組を、なぜ事業にするのか?
深井さんは、番組を金銭的に応援できるプログラムを始めると告知しました。告知の目的は、プランの中身よりも、その背景にある3人の思いをリスナーにしっかり伝えることだといいます。
このプランを始めたきっかけは、多くのリスナーから「金銭的に援助したい」という声が何度も寄せられていたことです。一度きりではなく、かなり多くの人から同じ申し出があったと深井さんは話しています。
深井さんはもともと、この番組を会社の広報活動として位置づけていました。広報は売上を上げなくてよい部門なので、経費がかかっていても「広報だしな」と考えて続けてきたそうです。
で、広報活動ってさ、不採算部門じゃん。
ところがリスナーが増えるにつれて、番組作りに使う時間も大きく増えました。歴史について適当なことは言えないため、準備に相当な時間をかけているといいます。
ちゃんと勉強してね。
深井さんは社長個人の思いとして、楊さんと樋口さんにしっかりした人件費を払いたいと考えています。そうしなければ番組を永続的に続けられないため、メディア事業として立ち上げ、売上を上げることにしたと説明しています。
会社の広報活動。不採算でもよいとして、経費は会社が持っていた
メディア事業として売上を上げ、出演者の人件費を出して番組を永続的に続ける
ただし深井さんは、番組の良さを考えた結果、3人が趣味の延長線上で楽しんでいることが何より大事だという結論に至っています。
僕とヤンヤンが楽しめなくなったら、ぶっちゃけ終わりだなと思ってて。
そうね、お金のためにやってるわけじゃないからね。
無料のまま、払える人だけ払ってほしい
深井さんは、リスナーをクライアントにしたくないと考えています。そのため、番組の配信はこれまでどおり無償で続けると明言しました。
深井さんの考える形は、無料で配信を続けながら、払える人だけが払うというものです。お金を受け取れると、番組を続けるうえで大きく助かるといいます。
普通に無償でやるんだけど、お金を払える人は払ってほしいんです。そうすると僕たちはすごくやりやすいんですよ。
深井さんは、リスナーには中学生や高校生もいて、少ないお小遣いから出してほしいとは思っていないと話しています。ほかにもさまざまな理由で払えない人がいることを前提に、払えない人は応援の気持ちを持つだけで十分力になるとしています。番組を他の人に紹介してもらえるだけでも、本当に嬉しいそうです。
樋口さんが金額について尋ねると、深井さんは月1000円ほどを考えていると答えました。本を毎月1冊買うくらいの金額というイメージです。
樋口さんは、番組1本を作るために深井さんと楊さんが2人で合わせて30冊、40冊の本を読んでいることを挙げます。深井さんも、それだけの本をキュレーションして話しているので、本1冊分の価値は確実にあると話しています。
月額本1冊買うぐらいのお金で30冊、40冊をキュレーションして、しかも分かりやすく噛み砕いてくれたものが(聞けるってことですね)。
それでも払わなくても聞ける形にしているのは、お金を対価として受け取ると「お金をもらっているから頑張る」という関係になってしまうからです。深井さんは、そうなると楊さんがいなくなるかもしれない、と冗談まじりに語っています。
お礼のボーナスエピソードは「神社のお守り」
サポートしてくれた人には、対価ではなくお礼の気持ちとして、ボーナスエピソードを届ける予定です。支援者だけが聞ける番外編や、単発の歴史の話などが想定されています。
何にもないのもなんかなと思ったんですよ。
このお礼の位置づけを、楊さんは神社のお守りにたとえました。払っても払わなくても番組は聞けるけれど、払ったほうがなんとなく良い、という距離感です。
樋口さんは「番外編はデータのお守りなのか」と受けて、楊さんのステッカーを作ろうと提案します。深井さんによると、リスナーに喜んでもらえるグッズも検討中で、こうした情報は番組のホームページで告知していくそうです。
想いはホームページに。やめ方もわかりやすく
深井さんは普段、自分が話したい話をリスナーが聞きたいかわからないため、こうした思いはあまり口にしてこなかったといいます。今回はよい機会なので伝えることにしたと話しています。
今回話した内容は、番組のホームページ「COTENRADIO.FM」にも文章でまとめられています。深井さんは「文章が下手で気持ちが伝わっていないかもしれない」と謙遜していますが、樋口さんはまずそれを読み、賛同できる人に寄付という形で参加してほしいと呼びかけました。
月額のサポートはいつでもやめられ、やめ方もわかりやすく書いてあるといいます。深井さんは最後に、そういう気持ちになった人だけにお願いしたいと締めくくりました。
まとめ
このサポートプランは、番組を永続的に続けるための事業化でありながら、無料配信と「楽しんでやる」姿勢を守るように設計されています。お金は対価ではなく応援として受け取り、支援者へのお礼として番外編を届ける形です。
- 番組は会社の広報活動から、出演者の人件費を賄うメディア事業へと位置づけが変わる
- 配信は無料のまま続け、払える人だけが月1000円ほどで支える
- 対価にしないのは、お金のために頑張る関係になると番組の楽しさが失われるから
- 支援者にはお礼として番外編などのボーナスエピソードが届き、楊さんはそれを神社のお守りにたとえた
- 詳細はホームページに掲載され、月額サポートはいつでもやめられる




