年末年始の休みと、Spotify公式プレイリスト
2023年最後となるコテンラジオ番外編は、深井さんによる年末年始の休みの告知から始まります。12月28日、1月1日、1月4日の配信は休みとし、1月8日の月曜日から再開する予定です。
再開後の最初は、菅原道真に関係するゲスト回の番外編になると告知されました。深井さんによれば、ヤンヤンこと楊睿之さんにとって2023年で一番緊張した収録だったそうで、樋口さんは「歴史を勉強しすぎたことによる畏れ多さ」があったのではと添えています。
もうみんなもちゃんと休みましょう。ほんとね、これを聞いている休んでない人も休んでください。
もう1つの告知は、Spotifyでコテンラジオの公式プレイリストが作られたことです。Spotifyで「コテン」と検索して出てくるアカウントをフォローすると、番外編のまとめ聞きなどができるプレイリストを見られます。
樋口さんによれば、これまではリスナーが個別にプレイリストを作ってシェアしてくれていたといいます。それを公式で用意したことで、番組がより聞きやすくなったのではないかと話されています。
1年でこれだけ配信した?2023年のシリーズを一気に確認
告知のあと、樋口さんが2023年に配信したシリーズを順に読み上げていきます。1月最初の配信は「障害の歴史」で、樋口さんは「いきなり重いやつから入ってる」と振り返ります。
障害の歴史のシリーズは、樋口さんにとって特別な思い入れがあるといいます。収録を終えた後に次男のゆいたさんが障害を持って生まれ、その後に配信されたという時期の重なりがあったためです。
その後も、ヘラルボニーのゲスト回、社会福祉の歴史、ゲッベルス、全12回のサラディンと十字軍、ライト兄弟、ウクライナ戦争の当事者回と続きます。さらにハンニバル、千葉先生によるキリスト教、龍の歴史、シンドラー、資金調達の話、矢田さんのコミュニティナース、菅原道真、民主主義と、テーマは多岐にわたりました。
ゲッベルスについては、深井さんが「ゲッペルスではなくゲッベルスです」と念押しする一幕もありました。龍の歴史は「ワニの話をずっとしてるやつ」として、深井さんが面白かったと振り返っています。
一覧を見終えた深井さんは、1年間でこれだけ勉強したのだから、来年もまた同じ量の新しい何かを知ることになるのが楽しい、と話します。一方で、頭にどれくらい残っているかを樋口さんに聞かれると、プロットは残るもののディテールは忘れる、と答えています。
アウトプットするまでインプットしてると、なんだかんだやっぱ残る。ディテールは忘れるけど。
樋口さんが「情報は忘れても、構造や感覚は覚えているのでは」と尋ねると、深井さんは構造も感覚も覚えていると応じます。構造と感覚が残っているからこそ、台本作りもメンバー全体で習熟してきたと考えられています。
市場の本を大体読んで話す、その価値とは
コテンラジオのリサーチチームの話から、深井さんは「ドキュメンタリーを作りたい。自分たちではやらないが、誰か撮ってほしい」と語ります。それほど、コテンラジオの台本作りは難しい作業だといいます。
そのうえで深井さんがリスナーに伝えたいと切り出したのが、コテンラジオでは市場に出ている本を大体読んだうえで話している、という点です。誰がどんな意見を持ち、どの意見が優勢なのかまで把握して話しているのが基本だといいます。
全体観を見た人からの意見ってすげえ大事で、それを実現するためのインプット量って格段に多いんですよ。
深井さんによれば、本を2、3冊まとめた動画と結果として同じことを言っていたとしても、そこに至る労力も価値も全く違います。ただし、その違いはアウトプットだけを聞いていてもわからず、自分で勉強してみないと実感しにくいといいます。
一部だけを見て話す。広告で稼ぐならこちらのほうが効率がよい
誰がどんな意見を持ち、どれが優勢かを把握して話す。インプット量が格段に多い
深井さんは勉強の過程をダニング・クルーガー曲線 ── 学び始めに自信が過剰に高まり、理解が深まると一度自信が下がり、さらに学ぶと再び確かな自信がつく、という認知の傾向を表した曲線。一般向けの説明でよく使われますにたとえます。一度何もわからなくなり、またわかり始める曲線の右側に届くまでアウトプットしないため、非常に大変だといいます。
しかも、こうした手間には市場価値や広告価値がありません。深井さんは、広告収入を狙うなら2、3冊をまとめたほうが儲かるとしたうえで、まさにその部分がコテンラジオの挑戦なのだと、5年目にしてあらためて話しています。
樋口さんも、コテンラジオ「っぽい」ことをやろうと思えばできる人はたくさんいるが、全部を見ているかどうかは言わないと伝わらない、と補足します。「この人たちは何もわかってない」というレビューは、捨てた数冊だけを読んだ人から来ることもあり、そう思われるのは悲しいと話します。
悲しくありますよね。まあ別にいいっすよ。やりたいことやってるだけなんで。
樋口さんは、歴史を学んで発信する行為そのものは尊く、裾野が広がるのはよいことだとしたうえで、コテンラジオは誠実さにこだわっているのが個性だと話します。深井さんと楊さんが純粋にやり、樋口さんが伝える役を担うという役割分担が「ちょうどいい」と、二人はうなずき合いました。
老いと障害はなぜ別のシリーズになった?優生学を入れた理由
ここから、各シリーズの印象を台本を開きながら振り返っていきます。最初は障害の歴史です。樋口さんによると、老いと障害の歴史というテーマを提案したのは深井さんでした。
深井さんによれば、当初は老いと障害の歴史を1つのシリーズにする予定でした。ところが突き詰めてみると、自分の中で「福祉」という言葉で勝手にくくっていただけで、老いと障害には共通点がないとわかったといいます。
当初の構想
老いと障害の歴史を1つのシリーズでやる予定だった
調べて気づいたこと
福祉という言葉でくくっていただけで、両者に共通点はなかった
分割
老いと障害を別々のシリーズにした
社会福祉を追加
制度の発展も伝えるべきと考え、社会福祉の歴史を調べた
準備メンバーが論文も読みながら取り組んだこのシリーズで、深井さん自身は、ダイバーシティがなぜ大事なのかを論理的に理解できたといいます。DEIやD&Iが、どういう理由で大事で、どう行動すべきかについて自分なりの定見ができたそうです。
ノーマライゼーション ── 障害のある人もない人も、地域で普通の暮らしを送れる社会を目指す考え方。20世紀半ばに北欧で生まれ、福祉政策の基本理念として広まりましたやインクルーシブの流れに加えて、二人が特に挙げたのが優生学 ── 遺伝的に「優れた」形質を残し、「劣った」形質を排除すれば社会が良くなるとする思想。20世紀には断種政策などの深刻な人権侵害につながりましたです。深井さんは、障害の歴史に優生学を入れたのは自分でいうのもなんだが慧眼だった、と振り返ります。
IQが高くてもね、これね、乗り越えられないんですよ。優生学がなぜ間違っているかって、頭の良さで乗り越えられない系で。
深井さんは、優生学は過去の積み重ねを見ないと違うとわからない、歴史を学んでこそわかる類のものだと話します。X(旧Twitter)ではいまだに優生学っぽいことを言う人が多いといい、その人が悪いとまでは思わないが、歴史を知ればそう考えない可能性が高くなるだろうと語っています。
深井さんによれば、このシリーズの根底には明確な狙いがありました。倫理観で差別はいけないと言える人は多くても、ロジックで「だからダメなんだ」と言える人は少ない。その根拠を、何十万人のリスナーに体系立てて届けることに社会的価値があると考えて作ったといいます。
社会福祉の歴史に込めた狙いと、「どこまでを仲間とするか」
社会福祉の歴史を選んだ理由について、深井さんは、先進国がいま社会福祉の問題に大きくぶつかっているからだと説明します。2025年問題 ── 団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者になり、医療・介護・社会保障の費用が急増するとされる問題。日本の人口構成から早くから予測されていましたはあと1年に迫っており、20年ほど前から人口動態を見れば予測できていたことだといいます。
深井さんは、福祉のここがダメだと現状を否定するのは簡単でも、代案がなければ何も起こらないと指摘します。社会福祉の歴史は、各国の福祉のメリット・デメリットやその社会的なルーツを示し、日本がどんな選択をすべきかを国民主権を持つ人が自ら考えるための基礎として作ったといいます。
大事なのはね、何と何がトレードオフになってて、代案は何を犠牲にして何で成り立つのかってことを理解して選択することだと思ってるんですよ。
万人がそれを理解するのは難しくても、その数と割合を増やすことはできると深井さんは考えています。働いている人がゼロから勉強するには大きなコストがかかるため、そのコストをコテンラジオが肩代わりしている感覚で作っていたそうです。
樋口さんが印象に残ったのは、「どこまでを仲間とするかによって考え方が全部変わる」という話でした。深井さんもこの考え方は、いま起きている戦争を考えるときや、企業の社会善活動、つまりソーシャルグッドを定義するときに役立っているといいます。
深井さんによれば、哲学からもアプローチしたうえで、いま最も頼りにしているのは経験則からソーシャルグッドを考える方法です。原理原則からではなく、「こうすると良くないことが起こりうる」「こうして悪いことが起きたことはない」と歴史の挙動から判断するほうが間違いが少ないといいます。
理論や原理から正しさを導く
歴史の中でどんな挙動があったかをもとに判断する。深井さんは間違いが少ないと考えている
深井さん自身はこれをプラグマティズム ── 観念や理論の正しさを、実際の結果や有用性で判断しようとする哲学的立場。19世紀後半のアメリカで生まれましたに近い考え方だと表現し、その土台となった勉強が社会福祉の歴史だったと話しています。
人物テーマなのに構造を語る。サラディンと十字軍
深井さんが楊さんに話を振ると、話題は近年のコテンラジオの変化に移ります。人物をテーマにしようとして、結局は構造を大きく語らなければならない回が増えている、という指摘です。サラディン、シンドラー、収録を終えたばかりのケマル・アタテュルクがその例に挙がりました。
初期の「ヤバい人列伝」はサクッと終わっていたのに対し、最近は骨太になってきたという変化も語られます。深井さんは、社会福祉の次に配信したサラディンがまさにその典型だったと振り返ります。
深井さんによれば、サラディンは文献が少なく、英語の文献もそれほど多くないうえ、日本語の文献はさらに限られていました。人物像をつかみにくい中で、背景にある構造と十字軍が面白かったため、十字軍のほうに焦点を当てたといいます。
俺はキリスト教が千年かけて広まったとかもすごいここで学んだね。千年かかったんだと思って。
一番ワクワクしたのはハンニバル
樋口さんにとって、2023年で一番シンプルに面白かったシリーズはハンニバルでした。学びがあったというよりも、漫画を読むような感覚で夢中になれたといいます。
学びがあったとかっていうよりは、よっしゃハンニバル行けみたいな。こう漫画読んでる感じで。
深井さんは、ハンニバル編はストーリーとして面白かったうえに、ローマについて一層考えさせられたと語ります。樋口さんが思い出したのは、個人の強さとシステムの強さの対比でした。
ハンニバルという個人が強かった
トップが次々に変わってもシステムが強かった。最終的にはシステムのほうが勝った
ローマについては、帝政期のアウグストゥスや五賢帝など、まだ扱っていないテーマが多く残っています。深井さんは、ローマだけで1年分くらいできると話していました。
シンドラー編で伝えたかった、ミクロとマクロの同時保有
樋口さんにとってシンドラー編は、ハンニバルとは真逆の面白さでした。聞いているだけでもしんどかったと話すと、深井さんは、1か月以上浸り続ける勉強する側はもっとしんどいと応じます。
樋口さんが特にきつかったというのは、レオンくんという少年の存在です。深井さんによれば、これは台本制作の段階で意図したもので、レオンくんの話は1冊の本だけから取っているといいます。複数の文献を比べるいつものやり方とはあえて変えたそうです。
深井さんが狙ったのは、構造の話と感情移入の話を交互、あるいは同時に走らせることでした。同じ水晶の夜 ── 1938年11月にナチス・ドイツで起きた、ユダヤ人の商店やシナゴーグへの大規模な襲撃事件。割れたガラスが散乱した様子からこう呼ばれますの話でも、構造として聞くときとレオンくんの話として聞くときでは、受け止め方が全く違うといいます。
社会全体の仕組みや流れとして出来事を理解する
1人の少年の体験として感情移入しながら聞く
深井さんによれば、2つの視点を同時に持つのは脳のモードが違うためコストが高く、しんどいものです。それでもウクライナとロシアの戦争を考えるときのように、ミクロだけでもマクロだけでもいけないというのがシンドラー編の隠れたメッセージだったといいます。
もう1つのテーマは善性です。深井さんは、人間は因果関係を実際より単純に捉えてストーリーとして理解しがちだと話します。本当の因果はランダム性や偶然が重なったカオスなのに、脳が認知の負荷に耐えられず、1つの原因に1つの結果を当てはめてしまうといいます。
そうしたストーリー理解によって善悪の判断が簡単になることが実際に何を引き起こすのかを、リスナーと一緒に考えたかったのがシンドラー編だった、と深井さんは説明します。背景には、ネットで誰もが何でも言えるようになり、人を簡単に悪い人だと決めつけて批判する風潮への個人的な問いもあったそうです。
それはシンプル理解すぎて、解像度が低すぎる理解だよ、人間に対して。
ただし深井さんは、自分の考えは番組内では言わないようにしていると補足しています。ネットの風潮の話は、あくまで調べる動機になっていた個人的な問いでした。
1から1万まで紙に書く。樋口さんが体感したミクロの数字
ミクロとマクロの話に強く共感した樋口さんは、シンドラー編をきっかけに、1から1万までの数字を紙に書きながら声に出して数えたといいます。かかった時間は6時間ほどで、YouTubeで生配信したそうです。
一万という塊は理解してるけど、一が一万個あるっていう感覚で一万を捉えてないなと思ったんで。
数え終えた感想を聞かれた樋口さんは、「1万めっちゃあった」と答えます。小学生にとって「100まで数えないとお風呂から上がれない」ときの100が大きな数だったように、1万のボリュームを身体で感じたかったといいます。
深井さんがそれを「数字の人格を捨象しない」と表現すると、樋口さんはまさにそうだと応じます。数えながら、8008は左右対称、127は好きな素数、4048は2のべき乗、というように1つずつの数字にキャラをつけていったそうです。
この配信は、樋口さんのギチの完全人間ランド ── 樋口聖典さんが関わるYouTubeチャンネル。1から10000まで数える企画は前編・後編の2本の動画として公開されていますの公式YouTubeチャンネルに残っています。深井さんは、こうした唯一無二の行動ができるところが樋口さんのエンターテイナーな部分だと話しています。
民主主義編はなぜ難しかったのか
2023年の最後に配信した民主主義編には、難しいという意見が多く寄せられました。樋口さんは、コテンラジオの難しさには2種類あると整理します。
第一次世界大戦や日露戦争のように、どの国がどの文脈で動いているかの情報量が多く、頭のメモリを超える
マルクス・エンゲルスの資本論や、ルソーの一般意志のように、概念そのものが難しい
樋口さんによれば、民主主義編はこの2つの難しさを両方含んでいました。いろいろな国の事例や思想家の話が出てくる情報量の多さに加えて、概念の難しさもあったといいます。
話しながら樋口さんが言語化できたのは、一般意志 ── 18世紀の思想家ルソーが『社会契約論』で示した概念。個々人の利害の総和とは異なる、共同体全体の共通の利益を目指す意志を指し、解釈が難しいことで知られますの厄介さでした。資本論は「わからない」と自覚しながら聞けたのに対し、一般意志はわかった気になれてしまうことが難しかったといいます。
例えば多数決で決まったことが一般意志なんだよって誤認識できるじゃないですか。本当は全然違うのに。
自分の知っている何かにすぐ結びつけてしまいそうになるのを、あえて避けながら聞く必要があったというのが、樋口さんの実感です。深井さんも、耳で聞くにはめちゃくちゃ難しいだろうと同意しています。
最後に深井さんは、ルソーが実は大して何も考えずに響きのよさそうな言葉を書いただけだったら超面白い、と冗談めかして話し、二人で笑い合いました。
リクエストを聞かない理由と、テーマ選びのセンス
深井さんが今後聞いてみたいテーマを尋ねると、樋口さんは芸術を体系的に知りたいと答えます。芸術全体の歴史では広すぎるため、ルネサンスなどを例に挙げました。
僕らって芸術のことをわかってないと思うんですよ。なんか芸術ってただ単純に見て楽しむぐらいの感じでしか、多分解像度でしか多分捉えられてないですけど。
樋口さんは、葛飾北斎のような日本のクリエイターや、ゴッホがなぜ評価されているのかにも興味があるといいます。深井さんも、芸術を語り尽くせれば新しいアプローチを習得できそうだと応じます。
今後の予定として、収録を終えたケマル・アタテュルクのシリーズにも触れています。深井さんは簡単だと思っていたが難しく、なじみのない文化の人物を勉強するのは頑張ってキャッチアップするしかないと話します。樋口さんは、珍しいネタだからこそ価値は高いと返しました。
龍の歴史のような気の抜けるテーマもたまには、という樋口さんの提案に対し、深井さんは気が抜ける歴史は意外とないと答えます。シリーズが長くなっているのは、自分たちが歴史に詳しくなり続け、軽く調べるだけでは面白くないからではないか、と深井さんは考えています。
話題は、コテンラジオがリスナーのリクエストをほとんど受けていないことに移ります。深井さんによれば、面白くなるかどうかはテーマ決めでかなり決まり、歴史をどう切り取るかに最もセンスが表れるため、人には渡せないといいます。
樋口さんは、テーマ決めの瞬間に「これをやりたい」とエネルギーが湧くことも大事だと付け加えます。深井さんも、その後に頑張って勉強する以上、自分たちが興味を持てるかは超大事で、過去にコラボでの調査をあまりしてこなかったのもそれが理由だと話しています。
ポッドキャストを当てたいなら、当てようとしない
樋口さんは、ポッドキャストをどうすれば当てられるかという相談をよく受けるといいます。その答えは、基本的に当てようと思って当てるのは無理だと思ってほしい、というものです。
樋口さんによれば、コテンラジオが当たったのは、面白いことを突き詰める人たちがたまたま面白かったからです。狙って作ろうとしても無理で、究極のアマチュアリズムだと表現しています。
深井さんの言葉が、その話を裏づけます。ケマルの勉強と2日間のキツキツの収録を終えた翌日、深井さんは次のテーマである百年戦争、つまりジャンヌ・ダルクの勉強をしたくてたまらなかったといいます。樋口さんは「化け物」「もののけの類」と驚いていました。
やっぱり終わった瞬間、あっ、これでジャンヌ・ダルクの勉強できるな、楽しいって思ったもんね。
樋口さんは、このエネルギーの出し方はプロが真似するのは難しいだろうと話します。一方で、プロのクリエイターも同じようなメンタリティで持久走を続けているのではないか、とも考えています。
樋口さんの見立てでは、プロになろうとしてなるのではなく、このエネルギーを保てる人が結果としてお金を稼ぎ、プロと見なされているのだといいます。順序が逆だという指摘に、深井さんは「おもろいですね」と応じました。
最後はクリスマスの挨拶で締めくくられます。ヤンヤンへのプレゼントは不要で、送りたい人は神社にお供えを、という冗談を交えつつ、二人はリスナーに年末年始はしっかり休むよう呼びかけ、1月8日の再会を約束しました。
まとめ
2023年のコテンラジオを振り返るこの回では、各シリーズの思い出だけでなく、市場の本を大体読んで全体を把握してから話す姿勢や、テーマ選びに表れるセンス、自分たちが面白いと思えるかというエネルギーの大切さが語られました。障害・社会福祉やシンドラー編に込めた狙いからは、歴史を使って人間と社会を考える番組の軸が見えてきます。
- 老い・障害・社会福祉の3部作は、差別がなぜダメかを論理で理解し、福祉の代案を自ら考えるための基礎知識として作られた
- 人物テーマでも構造を語る回が増え、サラディン編では十字軍の構造に焦点が移った
- シンドラー編では、構造の話と1人の少年の話を重ね、ミクロとマクロを同時に持つ大切さを伝えようとした
- 民主主義編の難しさは、情報量の多さと、一般意志をわかった気になってしまう概念の難しさの両方にあった
- 樋口さんは、ポッドキャストは当てようとせず、面白いことを突き詰めるアマチュアリズムこそが唯一の道だと語った


