深井龍之介さんのnoteはどう作られている?
コテンラジオの深井龍之介さんが、個人のnoteを開設しました。noteはブログのようなサービスで、深井さんは自分の考えや、これまでの経験から共有したいことをテキストで発信しています。
連載のタイトルは「コテン深井龍之介の歴史アルゴリズム」と紹介されています。エピソード説明では『コテン深井龍之介の レキシアルゴリズム』と表記されており、noteで「深井龍之介」と検索すれば見つかるといいます。
樋口さんが1本の記事のボリュームに触れると、深井さんは制作の裏側を明かしました。文章を書くのが苦手な深井さんは、コルクラボギルドに依頼し、ライターさんに文章化してもらっています。
内容はね、僕がちゃんと考えたことで、僕が喋ってることを文章に変えるところをやっていただいてるんですけど、非常によくまとめてくれてるなと思って。
深井さんによれば、ライターさんが書いた原稿は最後に一緒にチェックしているそうです。樋口さんはこの関係を「ゴーストライターじゃなくてジョジョのスタンド」と例えて笑いを誘いました。
記事にはイラストレーターのイズイズさんによるオリジナルのイラストも入っています。深井さんはイラストについて何も指示しておらず、文章を読んだイラストレーターさんが自由に発想して描いたものだといいます。
僕、才能に触れるの好きなのですごいなと思いましたね。
あーそうね。才能フェチだからね。
深井さんはnote連載を、ライターさんとイラストレーターさんの才能を掛け合わせた仕事として紹介しています。
深井さんが語る
内容は深井さん自身が考え、話す
ライターが文章化
プロのライターが話を文章にまとめる
一緒にチェック
書かれた原稿を最後に深井さんと確認する
イラストを添える
イラストレーターが文章を読み、自由に描く
ラジオを聴く人がnoteも読むと何が起きる?
深井さんのnoteは、週に1回ぐらいのペースで更新していく予定です。ラジオで話していない内容も、ラジオで話した内容も書いていくといいます。
楊さんは、深井さんの考えを文章で読めることを歓迎しました。深井さんも、耳で聞くより文章で読むほうが理解しやすい人もいると話しています。
樋口さんは、noteで扱っている「存在だけで価値がある」というテーマに注目しました。コテンラジオで何度も語られてきた考えなので、ラジオの記憶と結びつくと見ています。
多分また聞いてる状態でパーッて読むと、はいはい、あの時のあれのことねみたいな感じで、なんか思い出すトリガーにもなるのかなと思って。
深井さんもこの見方に同意し、ラジオとnoteを併せて受け取ることで、余計に理解が深まるのではないかと話しています。
楊睿之さんのnoteはなぜ「塩辛」なのか
深井さんは、楊睿之さん(番組内での呼び名はヤンヤン)が自分よりずっと前からnoteを書いていることを紹介しました。深井さんは楊さんの文章を、アーティスティックな日本語だと評価しています。
楊さんは自分のnoteを、好みがはっきり分かれる食べ物にたとえました。
いやもうほんと僕のはもう本当にあれですよね、塩辛みたいなもんで。
好きな人はもうね、好きだけど、もう口に合わない人はゴミですから。
樋口さんは楊さんのハレー彗星についての記事が好きで、Twitterでも紹介したといいます。深井さんと樋口さんは、人生を電車にたとえた記事も良かったと振り返っています。
楊さんによると、楊さんは夜に書いて、朝に読み返すと自己嫌悪に陥ることもあるそうです。深井さんはその出し方こそ芸術的だと受け止めました。
排泄物のように出てしまうからね。出したくて出るというか、出さざるを得なくて排出していくみたいなものだと思うんですよ、noteって。
深井さんは、この比喩が否定的な意味ではないと念を押しています。出さないと体調が悪くなるように、表現せずにいられないものが文章になっているという見方です。
樋口さんは楊さんの文章のリズムを、ミュージシャンの竹原ピストルさんの独特な歌い方にたとえました。深井さんも、楊さんの文章は外国出身の人が書いたものには見えないと驚いています。
楊睿之さんがしびれた井筒俊彦の文章とは?
話が少し脱線し、深井さんは楊さんに、これまで一番しびれた文章は誰のものかと尋ねました。楊さんが挙げたのは、慶應義塾大学にいた東洋思想の研究者、井筒俊彦 ── 日本の言語哲学者・東洋思想研究者。イスラム研究で知られ、『コーラン』の翻訳や東洋哲学に関する著作を多く残しましたです。
楊さんは、井筒俊彦さんが10か国語ぐらいを使いこなした人物だと紹介しています。大学生のときに恩師から紹介されて読み、衝撃を受けたといいます。
なんつうのかな、美しさとロジックと、あと知性がもうすごい高度に融合されてる感じが。
大体(美しさ、ロジック、知性の)3つのどれかが突出してる(文章が多い)じゃないですか。あの人は全部揃ってるんですよね。
深井龍之介さんが芥川龍之介を推す理由
深井さんが一番好きな文章として挙げたのは、芥川龍之介です。深井さんは自分でも「すごいベタ」と言いながら、芥川を本物の天才だと評しています。
深井さんが芥川の文章で挙げた魅力は、まずリズムの完璧さです。声に出して読めばすぐにわかるといいます。
彼の小説でしか出てこない単語ってたくさんあるんですよ。全部意味がわかるわけ、細かく。
さらに深井さんは、芥川の文章は映像が全部浮かぶように書かれていて、書き手が思い浮かべている映像まで伝わってくる感覚があると話しました。深井さんは特に羅生門 ── 芥川龍之介が1915年に発表した短編小説。平安時代の荒廃した京都を舞台に、生きるための悪を描いた作品で、高校の国語教科書の定番ですを読み直すよう勧めています。
深井龍之介さんという名前は、父親が芥川を好きだったことに由来するそうです。実家には芥川の本がすべてそろっていて、深井さんは当時読んでいなかったものの、読んでみてそのすごさに驚いたといいます。
樋口さんは、羅生門が青空文庫で無料で読めることや、短編で読みやすいことに触れました。普段は本をまったく読めないという樋口さんも、頑張って読もうかなと話しています。
もう何回も見たんじゃないかなと思う。校正し続けてこれになってるかなと思うぐらい、非の打ちどころのない完成度だと思う、文章として。
深井さんは、芥川が古典を極めていたことが、日本語のリズムを身につけた理由ではないかと考えています。最後は深井さん自身が「めっちゃ話それた。告知だったよ、これ」と笑い、樋口さんがまずはnoteの記事を見てほしいとまとめて締めくくりました。
まとめ
この回は、深井龍之介さんのnote連載開始の告知から始まり、制作に関わる人たちの才能や、出演者それぞれが心を動かされた文章の話へと広がりました。
- 深井さんのnoteは、深井さんが考えた内容をプロのライターが文章化し、最後に一緒にチェックして作られている
- ラジオで語られたテーマをnoteで読むと、理解が深まるきっかけになると話されている
- 楊睿之さんは、美しさ・ロジック・知性が融合した井筒俊彦の文章に衝撃を受けた
- 深井さんは、リズム・映像性・完成度の点で芥川龍之介の文章を高く評価し、羅生門を勧めている




