宣伝ゼロで19万再生、なぜ伸びたのか?
コテンラジオの番外編は、本編の収録を終えた3人のねぎらいから始まります。樋口さんは、気づけば番組を始めてもう1年ほど経っていると切り出しました。
樋口さんによると、最初の歴史ラジオを録ったのは前年の9月中旬ごろです。楊さんは「まだ昨日のようですよね」と応じ、深井さんも「本当に1年経ってるじゃないですか」と驚いています。
おかげさまでポッドキャストとYouTube含めて19万再生突破です。すごくないですか。
深井さんは、何も宣伝していない割にはすごい数字だと受け止めます。楊さんが樋口さんの腕のおかげだと持ち上げると、樋口さんは冗談めかして胸を張りつつ、素直に「めちゃくちゃ嬉しい」と語りました。
一方で樋口さんは、お二人が台本の準備にはかなりの努力をしているのに、番組の宣伝については特に何もしていないと振り返ります。
聞いて面白いですって言ってくださる方はいらっしゃるのはあったので、ちゃんと届きさえすれば響く方はいるんだろうなと思ってる。
それでも樋口さんは、なぜここまで再生回数が伸びたのか分析できていないと打ち明けます。楊さんの「皆さんに感想を聞きたいですよね」という一言をきっかけに、この回の本題であるお便り紹介へと進みます。
樋口さんによると、感想はメール、ポッドキャストのレビュー欄、YouTubeのコメント欄、Twitter、メンバー個人のSNS、リスナー自身のブログなど、さまざまな場所に届いています。紹介は名前を伏せて行い、名前を出してよい人はコメント欄などで知らせてほしいと呼びかけました。
シドニーから届いた最初の「ラブレター」
樋口さんが「リスナーからのラブレター」と題して読み上げた最初のお便りは、オーストラリアのシドニーからのものでした。
いつもオーストラリアのシドニーからポッドキャスト聞いております。歴史好きの私にはたまらなく楽しい番組ですね。出会えて嬉しいです。ぜひ取り上げてほしい人物として竹中半兵衛があります。他には色々と逸話の多い伊達政宗もお願いします。
私は世界史は知らないことがたくさんあり、勉強になります。また、日本史も目からウロコの新情報などもあり、皆様の知識の深さに脱帽です。これからも応援しております。長く長く番組が続きますように。
樋口さんが驚いたのは、収録環境との落差です。番組は福岡県田川市の片田舎にある建物の、真っ暗で密閉されたスタジオで録られています。
ここと今ね、3人しかいないじゃないですか、この空間には。そこでダラダラ喋ってるのがシドニーまで届いてるんですよ。
樋口さんがシドニーを「首都ですよ」と言い、深井さんに即座に否定されて「首都はキャンベラか」と訂正する一幕もありました。
リクエストされた竹中半兵衛と伊達政宗について、深井さんは日本史も好きなのでどこかでやりたいと答えます。これまで個人を取り上げた日本史の回は吉田松陰だけで、戦国時代はまだ手をつけていないといいます。
竹中半兵衛ってね、戦国時代の人ですし、立花宗茂もそうですけど、当然どっかでやりたいですね。めちゃくちゃ面白いですからね、日本の戦国時代。
樋口さんは、番組は「これが面白いんじゃないか」という想像で探り探り作っている部分が大きいため、こうした具体的なテーマのリクエストはありがたいと話しました。
スペイン在住リスナーが望むザビエルとピサロ
2通目は、スペイン在住のリスナーがお酒の力を借りて送ったという「人生初のファンレター」です。樋口さんは「マジで告白みたいになってきたな」と笑いながら読み上げました。
スペイン在住で、ほぼ日本語にも日本の文化にも触れることがない中、このラジオが生活の癒やしにもなっております。昔から世界史が好きだったのですが、笑いあり学びありのこのラジオを聴いて、新しい発見の連続でさらに歴史が好きになりました。
いつかスペインのやばい人のお話や歴史エピソードも聞いてみたいです。ザビエルとかピサロとか。この情熱を抑えきれず、ことあるごとに周りの人に語っているのですが、スペイン人なのでラジオを勧めるわけにもいかず(笑)。海外進出の際はぜひお手伝いさせてください。
樋口さんは、日本語に触れる機会が少ない環境で番組を見つけてもらえたことに、「ありがたすぎて理解ができない」とまで語ります。どんな検索やおすすめから辿り着いたのか、本人に聞いてみたいそうです。
深井さんは、スペインの偉人はぜひやりたいと応じます。とくにフランシスコ・ザビエル ── 16世紀のスペイン(ナバラ)出身のカトリック宣教師。イエズス会の創設メンバーの一人で、1549年に日本へ来航し、初めてキリスト教を伝えたことで知られますについては、意外とイメージと違う人物で、イエズス会 ── 1534年に結成されたカトリックの修道会。海外宣教や教育に力を入れ、アジアや南米への布教で大きな役割を果たしましたも掘り下げると面白いといいます。
当時の日本なんてマジでジパングレベルなんで。頭剃ってなんかちょんまげ作ってる謎の民族がいるんですよ。
その民族に言葉も通じない(のに)キリスト教を布教するって、結構やっぱすごいと思いますよ。すごいメンタリティーだと思いますよ。
楊さんは、ザビエルの日本滞在は2年ほどだったらしいと補足します。樋口さんは、初めての食べ物ばかりの中での暮らしぶりに興味を示し、深井さんは聖職者という立場に触れながら、冗談まじりに応じていました。
ロシア革命のリクエストと、世界史を習わなかった樋口さん
3通目は短いながらも、ロシア革命をテーマにしてほしいというリクエストです。深井さんは「いいところついてきますよね」と喜び、絶対にやりたいと答えました。
ロシア革命について、楊さんと深井さんはその位置づけを樋口さんに説明します。フランス革命より後で、その影響を強く受け、第一次世界大戦の後に起きた出来事だという整理です。
これであれですから、共産主義が生まれ、生まれたというか、本当に社会に進出して、今の世界の構図を作ってる。もうね、中国もこれに影響を受けてるわけだし。
樋口さんが「共産主義はこれ以前はなかったのか」と尋ねると、深井さんは、概念としてはあったものの、国家としてそれでやっていた例はまだなかったと答えています。2人の説明の流れは、次のように整理できます。
フランス革命
ロシア革命はその後に起き、強い影響を受けた
第一次世界大戦後
ロシア革命が起きる
共産主義国家の登場
概念だった共産主義が国家として社会に進出した
今の世界の構図
中国もこの影響を受けている
ここで樋口さんは、自身の高校時代の話を明かします。通っていた高校では、世界史の教科書だけ買わされ、世界史の授業時間に地理などを教わっていたそうです。
単位を取らせないといけないけど、僕理系やったんで、一個に絞った方がその効率がいいじゃないですか。だから世界史を全く開いてないパキパキの教科書がうちにある。
樋口さんは、自分には中学レベルの歴史知識しかないと話し、世界史を勉強したいと締めくくりました。
「経典」はきょうてんか、けいてんか?
4通目は、日本文学を専修する留学生からの指摘です。樋口さんの紹介によると、「経典」という字は読み方によって意味が変わるという内容でした。
仏教関係の書物を指す
儒教関係の書物を指す
指摘は、本編の中で「経典」の読み方が文脈に合っていなかった箇所についてのものでした。樋口さんは当初仏教の回かと思っていましたが、フランス革命の回での発言だったようです。楊さんは、バイブルについて話した場面ではないかと振り返っています。
いやすげぇ、だからめちゃくちゃ聞いてくれてるってことですよ。下手なこと言えないですよ。
深井さんは、今後もちょいちょい間違えると思うので、こうして教えてほしいと呼びかけます。自分たちも「全然勉強中」だという姿勢です。
優しく。優しく、優しくしてもらえれば。そんなにメンタル強くないんで。豆腐なんで豆腐。
樋口さんは、お二人も勉強しながら話していることを理解したうえで、それでも指摘はしてほしいと補足しました。間違いは優しく指摘してほしいというのが、3人共通の願いのようです。
吉田松陰は本当に手で漕いだのか?
5通目は、深井さんのファンだという女性リスナーからの質問です。第3回の吉田松陰の放送が大好きで、黒船に小舟で乗り込むシーンをネットで調べてみたといいます。
深井さんの言っていた小舟で黒船に近づいた時、オールがなかったから手で漕いだという記述を見つけることはできませんでした。昔のことなので諸説あるとは思うんですけども、オールがなかったという文献があれば教えていただけないでしょうか。
この質問に対し、深井さんは自分の記憶違いだったとあっさり認めます。
正確にはですね、オールがなかったんじゃなくて、なんかね、オールを固定する(器具がなかった)。オールはあったみたいですね。
楊さんは、その固定具を「ろぐい」と呼ぶのではないかと補足しました櫓杭。深井さんによると、吉田松陰は固定具の代わりにふんどしでオールを固定して漕いだのであって、手で漕いだわけではなかったそうです。
オールがなかったので手で漕いだ(本編での深井さんの説明)
オールはあったが固定する器具がなく、ふんどしで固定して漕いだ
出典は、吉田松陰本人が書いた回顧録です。楊さんによると、その中の「3月27日の夜に記す」という章で、黒船に近づいていく様子を松陰自身が書いています。
それ、国立国会図書館のデジタルライブラリーで見れますので、皆さん検索してみてください。
深井さんは、本の中ではこの記述を見つけられなかったといいます。国立国会図書館 ── 日本の国立図書館。国内の出版物を網羅的に収集・保存しており、所蔵資料の一部をデジタル化してインターネットで公開していますのサイトで一部の資料が学術用に公開されているため、ネットで検索すれば出てくるそうです。樋口さんはその場で原文を読もうとしますが、難しすぎて「しかるになんたら」としか読めませんでした。
お便りから生まれたライブ配信の構想
お便り紹介を終えて、深井さんは「やる気出ますね」と率直に語ります。こうした反応を受け取ることで、自分たちの話が届いていると実感できたようです。
あのね、俺、独り言してたわけじゃなかったんだ。
楊さんは、歴史好きのリスナーと一緒に語り合う会をしたいと話します。そこから、YouTubeライブやニコ生などの生配信でその場でコメントをもらい、どんどん答えていく企画のアイデアが出てきました。
YouTubeできますよ。YouTubeチャットみたいなのがあるんで。
深井さんは乗り気になりつつも、どの題材を選ぶかが難しく、質問が出やすいテーマがいいと指摘します。樋口さんも「ちょっと考えてやりましょうか」と応じました。
樋口さんは最後に、1周年に加えてまもなく20万再生になることから、スペシャル企画を1つ考えていきたいと語ります。今後も番外編などでお便りを紹介していくので、感想や企画のアイデアをどしどし送ってほしいと呼びかけて、この回を締めくくりました。
まとめ
開始1年・19万再生の節目に、コテンラジオの3人は海外を含むリスナーからのお便りを読み、テーマのリクエストや誤りの指摘に一つずつ応えました。届いた声が番組づくりの手がかりになり、新しい企画の構想にもつながっています。
- 宣伝をしていないにもかかわらず、ポッドキャストとYouTubeで19万再生を突破し、シドニーやスペインからも感想が届いた
- 竹中半兵衛、伊達政宗、ザビエル、ピサロ、ロシア革命などのリクエストに、深井さんはどれも前向きな姿勢を示した
- 「経典」の読み方や、吉田松陰の小舟のエピソードへの指摘を受け、深井さんは記憶違いを認めて出典を示した
- リスナーのコメントにその場で答える生配信や、20万再生に向けたスペシャル企画の構想が語られた





