📝 エピソード概要
フランス王シャルル7世の戴冠という大目的を果たした後、ジャンヌ・ダルクを取り巻く環境は一変します。平和を望む王室にとって、戦いを継続しようとするジャンヌの存在は次第に「邪魔」なものとなり、パリ攻略の失敗を機に彼女の神格化された名声(バブル)は崩壊します。最終的にコンピエーニュの戦いで敵軍に捕らえられますが、利用価値を失った彼女は王に見捨てられ、物語は悲劇的な異端審問へと向かいます。
🎯 主要なトピック
- 戴冠後の「ジャンヌ・バブル」崩壊: シャルル7世が王としての正統性を得たことで、ジャンヌの強い主戦論が周囲と温度差を生み、疎まれ始めます。
- 神の声の消失とパリ攻撃の失敗: ジャンヌに神の声が聞こえなくなり、ビジョンを欠いたまま強行したパリ攻撃で敗北。負傷とともに彼女の無敵神話が崩れます。
- 貴族への列せ(れっせ): 王から貴族の地位を授けられますが、これは王による「恩義の精算」や、彼女を秩序の中に組み込みコントロールする意図があったと推察されます。
- コンピエーニュでの捕縛: わずか数百の兵で出撃したジャンヌは、敵軍に包囲されます。味方の守備隊からも見捨てられ、ついにブルゴーニュ派の捕虜となります。
- 見捨てられた乙女: 宿敵イングランドやブルゴーニュ派が捕縛を喜ぶ一方、シャルル7世は多額の身代金を払ってまで彼女を救うメリットを感じず、放置を決め込みます。
💡 キーポイント
- ホモサピエンスの振る舞い: 人々は不安を払拭してくれる間はジャンヌを「預言者」として崇めますが、状況が変わり都合が悪くなると一転して「邪魔者」として扱うという、人間の冷徹な側面が描かれています。
- 恩寵(おんちょう)の解釈: 当時の価値観では「一度の敗北」は神に見捨てられた証拠と見なされました。成功体験に依存した突撃戦法が通じなくなった時、彼女の求心力は急速に失われました。
- 止まれなかったジャンヌ: 貴族として身を引く選択肢もありましたが、自身の性質に従い戦い続けたことが、結果として彼女を破滅へと導きました。

