タイトルコールが毎回「一発録り」な理由
厚利少売ラジオの冒頭では、川原卓巳さんが今日はタイトルコールがうまく合ったと喜ぶ一方、すがけんさんは自分は合っていなかったと返し、どちらかが合うともう一方が合わない不思議なゲームだと笑い合います。
じゃあやめますか?って言われると、いや、やっぱタイトルコールぐらいは毎回ね、その日のコンディションでいかせてくださいって思っちゃうよね。
川原さんは、普段からメッセンジャーでやり取りしていても、タイトルコールで「ラジオモード」のスイッチが入ると話します。編集はほぼそのままだと言いかけたところで、すがけんさんが編集担当の立場に立って突っ込みを入れました。
ゴリゴリやっとんねん、こっちは。そう見えないように。
ナチュラルメイクほど化粧めっちゃしてる話みたいなもんですよ。
川原さんは編集担当のこんさんに謝罪と感謝を伝え、本題のお便り紹介へと進みます。
東京駅で出会った1冊が経営を変えた?
お便り紹介の1通目は、川原さんが運営するプロデュースの学校の2期生(現在は卒業生)である松本博美さんからのメッセージです。経営者合宿が開催されるなら、ぜひ入試を受けたいという内容でした。
出張先の東京駅構内で厚利少売の書籍が目に留まったあの日から、私の人生は大きく動き始めました。なぜあの時目が留まったのか、いまだに自分でもわかりませんが、翌日には読破し、その後ラジオ全回を遡って拝聴し、自分が薄利多売をしていることに気づかされました。全くそのつもりはなかったですし、むしろ高値をつけているつもりでした。でも、結果的に自分のことも、周りの人たちのことも安く値付けしていた。その結果、苦しんでいたと根本的な原因に気づくことができました。
松本さんの会社は設立12年を迎え、前期の後半には自分たちの得意やスキル、自分たちにできる厚利少売は何かを考え抜いたといいます。その結果、残すものと手放すものを決め、新しい期に合わせて会社のミッションも掲げ直しました。
高値をつけているつもりで、自分や周りの人を安く値付けし、苦しんでいた
提供価値を考え直し、残すものと手放すものを決め、ミッションを掲げ直した
今51歳で随分周りから指摘してもらう機会も減りました。だからこそ飛び込みたい。世界を知る経営者の二人から、世界視座で私の脳天をバッサリとカチワっていただきたい。
すがけんさんは「乱暴だな」と笑いつつ、長文の結論が「行きたい」だったことに触れ、言ってくれるなら来てほしいと応えました。
SNSではなく「本」から始まった出会い
川原さんによると、松本さんはデザインやマーケティングで長いキャリアを持つ方です。厚利少売の本ですがけんさんを知り、ラジオで川原さんを知って、プロデュースの学校に入ったという順番でした。
なんかその一般の接点じゃないですか。SNSでとかじゃなくて。ね、それはなんか珍しいっていうか、嬉しいですね。
川原さんは、松本さんがプロデュースの学校の生徒たちにも良い刺激を与えてくれたと振り返ります。フットワークが軽く、みんなの相談に乗りつつ自分も相談するという姿に、すがけんさんは「ハブになる感じ」と表現しました。
「脳天をかち割る」フィードバックはなぜできるのか
松本さんの「脳天をかち割ってほしい」という言葉を受け、川原さんは、すがけんさんのフィードバックは「目から鱗」では足りない衝撃だと語ります。
俺、本当に人ってここまで歯に衣着せず、刃を研いだまま人をバッサリいけるんだなって、なんか気持ち良さすら感じるんですよね。
すがけんさんは、はっきり言う理由を説明します。二度と会わないかもしれない相手だからこそ、なでても仕方がないという考えです。
傷つけたいというより、気づいてほしいから、なんか思ったことはできるだけ言おうと思って。
川原さんは、そう思っていても実際にやれるかは別だと指摘します。人は相手に矢印を向けても、自分がどう見えているかが自動的によぎるものですが、すがけんさんはそのスイッチがないと答えました。
川原さんは、普段のすがけんさんが相手からどう映るかを意識して動く人だと知っているからこそ、モードを切り替えると「0か100か」で振り切れる点をプロの仕事だと評します。経営者合宿はそれを浴び続ける「脳天カチ割り祭り」になりそうだと期待を語りました。
値上げで満足度が上がったドッグカフェ
2通目は、イベントサポーターのヨシタケさんからです。筋トレ中にラジオを聴いているというヨシタケさんが、厚利少売を体感で理解した出来事を送ってくれました。
私は都内に住んでいるのですが、1時間以上かけて時間も交通費も使って何度も通っているドッグカフェがあります。理由はとてもシンプルで、人懐っこいワンちゃんが膝の上に乗ってきてくれて、とにかく癒される場所だからです。そのお店が最近価格改定をしていました。
ヨシタケさんによると、料金は30分800円から1200円に、60分1500円から2100円に上がりました。最初は「結構上がった」と思ったものの、実際に利用すると結果は逆だったといいます。
以前は混雑していることも多く、60分ではワンちゃんと十分に触れ合えず、30分延長して2300円支払うこともしばしばありました。一方、今回は価格が上がったことでお客さんの滞在時間が短くなり、ワンちゃんが一人のお客さんの膝に長時間座らなくなり、その結果、膝の上に来てくれるワンちゃんの回転が早くなったんです。
値上げがどのように体験の向上につながったのか、ヨシタケさんの説明を順に並べると次のようになります。
価格改定
30分800円→1200円、60分1500円→2100円
滞在時間が短くなる
お客さんが長居しなくなり、混雑も減る
ワンちゃんの回転が早まる
一人の膝に長時間座らず、多くの客の膝に来る
満足度が上がる
延長なしの2100円で、以前以上に満足できた
滞在時間が短くなったことで、ヨシタケさんは鎌倉のほかのお店を楽しむ時間も増え、街全体の体験も良くなったと書いています。
スタッフの「余裕」が新しいサービスを生んだ
ヨシタケさんがもう一つ印象的だったと挙げたのが、ドッグカフェのスタッフの変化です。
混雑が減り、余裕が生まれたことで、スタッフさんが写真を撮ってくれる新しいサービスが始まっていました。これが本当に嬉しくて、価格を上げたことでサービスの質まで上がるんだと感動しました。
ヨシタケさんは公務員で、2026年3月の退職を決めています。このドッグカフェでのアルバイトも検討しており、時給が最低賃金を大きく上回っている点にも触れていました。
お客さん、お店、スタッフさん全員が幸せになる好循環を現場で見た気がしました。頭では理解していた厚利少売ですが、ここまで体験として腹落ちしたのは初めてです。
客数が減っても「三方よし」になるのはなぜ?
すがけんさんは、ドッグカフェ自体が厚利少売であり、ヨシタケさんがラジオを聴いていたからこそ気づけた点も大きいと評価します。
多分客数は変わっちゃったっていうか、ちょっと落ちたと思うんですけど、利益は多分増えてるはずだから、結局全体的に満足度上がって、お客さんも嬉しくて、ワンちゃんも嬉しくて、働く人も嬉しくて、お店も嬉しいみたいな。
川原さんは、800円から1200円への1.5倍の値上げは経営側にとって勇気のいる決断だと語ります。すがけんさんは、延長込みで2300円だった支払いが2100円になり、お客さんの金銭的負担まで下がっている点を「優秀」と表現しました。
60分1500円では足りず、30分延長して2300円払うことも多かった
60分2100円で、以前以上に満足できる体験ができた
すがけんさんの見立てでは、ドッグカフェは価格を上げたことで、客も店も働く人も得をする形を作れています。ただし客数や利益については、すがけんさん自身も「多分」と推測の形で話しています。
薄利多売の職場に人が集まらなくなる理由
川原さんは、ドッグカフェの事例から、働く人にとっても良いかどうかという視点が経営者として大事だと改めて感じたと話します。
これからね、人を採用するの大変だから、やっぱ働く人にとってもフレンドリーじゃないとやっぱやれないですよ。
二人ともドッグカフェには行ったことがなく、今回初めて興味を持ったといいます。川原さんは、カフェは一人で考え事をしたり人と話したりする場所だと思っていたため、犬が膝に乗ることで癒されるという体験価値が新鮮だったようです。
すがけんさんは、1時間2100円はカラオケより高いと指摘しつつ、それでも人が通う理由に関心を示しました。ヨシタケさんに案内してもらう企画を冗談交じりに提案する場面もありました。
「高いけど、こっちがいい」と思えるものは何か
すがけんさんは、リスナーが思う「厚利少売な店」をもっと教えてほしいと呼びかけます。川原さんも、高いけれど絶対こっちがいいと思うものは身の回りに多いと応じました。
なんだったらそのテーブルとテーブルの隙間をもっと広く取ってくれてるっていう意味で、高い方を選んでたりもするもん、やっぱり。
すがけんさんはホテルのラウンジを例に挙げ、コーヒー1杯が1000円や2000円でも、それで十分だと感じると話しています。
1000人の経営者に届けたいコンテンツと、お便りの価値
番組の最後のお知らせで、すがけんさんは経営者向けの5万円のオンラインコンテンツを紹介しました。合宿や1対1の支援では会える数に限りがあるため、10人ではなく1000人の経営者に影響が出るものを今年はやりたいと語っています。
すがけんさんは書籍『厚利少売 薄利多売から抜け出す思考・行動様式』を、川原さんは『人生をSTAGE2に生きるための47の秘訣』を紹介しました。
川原さんは、番組がどの回のどの話が良かったのかは自分たちではわからないとして、お便りを呼びかけます。すがけんさんは視聴数よりも個人の声に価値を置いていると話しました。
なんか全体の数字じゃなくて一人の声の方がでかいと思ってるんで。
まとめ
今回のお便り回では、本との偶然の出会いから自社の値付けを見直した経営者と、ドッグカフェの値上げで体験の向上を実感したリスナーという、2つの「体験としての厚利少売」が語られました。
- 松本博美さんは、高値のつもりで自分や周りを安く値付けしていたと気づき、提供価値を考え直した
- すがけんさんの率直なフィードバックは、好かれるかより気づけるかの損失を重く見る考えから来ている
- ドッグカフェの値上げは滞在時間を短くし、ワンちゃんの回転と満足度を上げ、支払い総額まで下げた
- スタッフの余裕が写真撮影という新サービスを生み、客・店・働く人の好循環につながった
- 薄利多売でヘトヘトになる職場には、これから人が集まりにくくなると指摘された

