ゆるい会話で結果が出る番組とは?
厚利少売ラジオは、薄利多売のビジネスモデルから抜け出すための考え方や行動のヒントを、ざっくばらんに話すビジネス対談型のポッドキャストです。この回の冒頭、すがけんさんと川原さんは、自分たちでも番組を聞き返していると打ち明けます。
僕ら自身もそれ(番組)をリスナーとして、実は自分が戻ってくる場所みたいになってますよね。
聞いて、あ、これいいな、やんなきゃってまた思ったりしますけど。
二人が番組を「難しくない」と評するのは、聞けば「やろう」という気持ちにしかならないからだといいます。川原さんは、このくらいの会話のレベル感の人でもビジネスで結果を出しているという事実を、リスナーへの朗報として挙げています。
このぐらいでいいんだってっていう基準を僕らは世界に打ち出したい。
すがけんさんは、リスナーから「仕事ってこんなにおもしろいんだ」「経営ってこんなにわかりやすかったんだ」という声が届くことを嬉しいと話します。川原さんは、そうした「人」の部分が今回のテーマにもつながると前置きし、本題に入ります。
AIだけがなぜ「奪われる話」になったのか
今回のテーマは「AI時代にこそ人間の感性が高値で売れる理由」です。きっかけは、川原さんが空き時間に読み進めている、サム・アルトマンの半生を追った書籍『生成AIで世界を手にした起業家の野望』でした。
川原さんはこの本を、いま時代を作っている真っ最中の人物が、どんな経緯ややりとりで現在の現実を作ってきたのかをつないでくれる本だと紹介します。そのうえで、AIを使わない未来はもう来なさそうな不可逆な時代だからこそ、人の役割や厚利少売できるポイントはどこにあるのかを、すがけんさんに問いかけます。
すがけんさんはまず、AI時代を楽観しているのはIT業界の人くらいで、多くの人は悲観していると指摘します。川原さんも、仕事を奪われる論や、使いこなせていない不安があるだろうと応じます。
すがけんさんが違和感を示したのは、これまでの技術との扱いの差です。インターネットやスマホ、そこから生まれたSNSや、TSUTAYAのCDやDVDから置き換わったストリーミングは「便利になった」と語られてきました。
なんかAIになった途端、使いこなす話から奪われる話になっちゃったけど。
すがけんさんの見立てでは、AIへの悲観は「人間と同じようなものが生まれる」という点に過剰に反応しているだけです。メールやパソコン、スマホ、SNSを使わない人がいないように、そのうちAIを使わない人がいなくなるだけだと一旦思っておいてよい、と話しています。
「便利になった」「使いこなす」話として受け止められてきた
人間と同じようなものが生まれるという点に反応し、「奪われる」話になった
AIが持たない「何々したい」とは?
すがけんさんは、AIはGoogle検索より有能に調べ、提案までしてくれる存在だと話します。ただし、AIは自分から何かをしたいとは思わないため、問いを入れるのは人間の側です。
わー釣りしたいみたいな、一から釣りするにはどうしたらいいんだろうとかって思わないと(AIは)調べてくんないし、自分が入れるんで。
だからこそ、人間らしく生きること、欲望を持つこと、「何々したい」と思うことの価値が上がるというのが、すがけんさんの考えです。「何々したい」を叶えてくれるツールがAIであり、人間はその使う側の感性を磨く必要があるといいます。
すがけんさんは、ひとつの動機からAIを使って行動が広がっていく例として、釣りにハマった人の話を挙げます。
動機
釣りにハマる
上達
気づいたら釣りが上手になる
仲間づくり
釣りコミュニティの作り方をAIに聞く
ものづくり
理想の釣りグッズをOEMで作る方法を調べる
ただの55歳のおじさんなのにみたいなことが起きるだけなので、なんかその動機を磨くみたいなことがすごい求められてるような気がします。
すがけんさんは、AIで仕事を効率化して空き時間を作ったり、副業でお小遣いを稼いだりすればよいと続けます。そして、可処分所得と可処分時間を増やす人を増やしたいという川原さんのミッションは、AIとの相性がとてもよいと話します。
一方で、恐れて何も使わない人は、AIを使いこなす人たちと比べられる時代になるとも指摘します。今どきメールを使わない人や、パートで来たのにレジを打てない人と同じような扱いを受けてしまう、というたとえです。
AI使うのと使わないのって、メール使ってる人とお手紙自分で届けに行く人ぐらいの差があるよね。
すがけんさんは、AIを対人のように「奪われるのでは」と見るのではなく、使いこなせば人生は10年前より良くなるはずだと話します。タダでこれだけのものが使えるのだから「全然ラッキー」だというのが、すがけんさんの受け止め方です。
「人生の家庭教師」は友達の姿をしている
川原さんは、人がAIを恐れる理由の一つとして、これまでは「何を知っているか」という左脳的な部分が過剰に価値を持っていた点を挙げます。すがけんさんも、外部記憶がない時代には脳内の知識が重要だったと応じます。
知識の量だけではAIに勝てないからこそ、そこにどうアクセスして自分の人生に生かすかという感性や意志が大切になる、と川原さんは整理します。すがけんさんの言葉を借りれば、動機がAIへアクセスする線になるということです。
すごい乱暴に言うと、人生の家庭教師手に入っちゃったわけだから。
人生の家庭教師がなんか数千円とか、下手したらタダで手に入ったんだから使い倒したらって感じですよね。
ここで、すがけんさんは子どもの頃の友達、和雅くんの話をします。インターネットがない時代に、新聞に載っていたことを聞くと何でも答えてくれる友達だったそうです。
だから僕、人生の家庭教師をあの一時期借りてたんですよ。
すがけんさんにとってAIは、しょうもないことも言いふらさず、バカにもせず、丁寧に教えてくれる「いいダチ」だといいます。川原さんは、Siriに話しかけるような使い方に近いと応じました。
すがけんさんは、X上で多くの人がGrok ── X(旧Twitter)上で使えるAIアシスタント。投稿への返信で呼びかけて質問する使い方が広がっていますに「これ本当か教えて」と聞くようになった様子を、まさに隣にいる友達に確認する使い方だと紹介します。
川原さんは、AIに問いかけているときは、自分が能動的でしたいことがある状態だとわかるバロメーターにもなると指摘します。すがけんさんも、したいことを見つけて、AIという友達にいっぱい聞けばいいと応じています。
AIにとって「つまんない友達」にならないために
すがけんさんは、AIが友達なのだとしたら、何も質問できず話題も振れない人間の側が「つまんない友達」になってしまうと話します。
だって友達なのだとしたら、その友達に何にも質問もできなくて、何にも話題も振ってあげれないようなつまんない友達側なんですよ、僕が。
すがけんさんが勧めるのは、「今週のテレビのあれは何だったの?」「ワンピースはどうなるのかな」といった気軽な問いから、AIと友達のように付き合うことです。何でもいいのだといいます。
この話を聞いた川原さんは、ワンピースの展開など、かつて興味があったことに今は何も関心を持っていない自分に驚いたと話します。代わりにワクワクするのは、どうすれば可処分時間と可処分所得が増えるかという問いだそうです。
それ(その問い)聞いたら人生は捨てをおすすめされる可能性ありますよ。
川原さんは実際に、AIから「こういう本がありまして」と紹介されたことがあると笑って返しました。最後に二人は、自身の著書を紹介し、リスナーにおすすめのAIの使い方をコメントやSNSで教えてほしいと呼びかけて番組を締めくくっています。
まとめ
今回の対談では、AIを仕事を奪う脅威ではなく、何でも教えてくれる友達や人生の家庭教師として捉える視点が示されました。知識の量では勝てない時代だからこそ、「何々したい」という動機や感性を持つ人間の価値が高まると語られています。
- AIへの悲観は「人間と同じものが生まれる」点への過剰反応で、メールやスマホと同じく使いこなせばよいツールだと語られた
- AIは自分から「したい」とは思わないため、人間の動機を磨くことが重要になる
- すがけんさんは子どもの頃の物知りな友達になぞらえ、AIを「人生の家庭教師」「いいダチ」と表現した
- AIに問いかけている状態は、自分が能動的でしたいことがあるバロメーターにもなる
- 気軽な問いからAIと付き合い、AIにとって「つまんない友達」にならないことが勧められた




