価格を上げてお客さんが来なかったらどうする?すがけん流「需要」の掴み方と事業設計
企業の10倍成長を支援するアドバイザー・すがけん(菅原健一)株式会社Moonshot代表。企業のマーケティング戦略や事業成長を支援する専門家。スマートニュースの執行役員などを経て現職。氏と、世界的なプロデューサー・川原卓巳KonMari Media Inc. CEO。「こんまり」こと近藤麻理恵氏のプロデューサーとして、世界的な片づけブームを巻き起こした。氏によるポッドキャスト番組「厚利少売ラジオ」。今回は、価格改定に伴う集客不安にどう立ち向かうか、そして「需要」をどう見極めるかについて深掘りします。その内容をまとめます。
オーディションへの熱狂と「聞くだけじゃない」ラジオの進化
番組冒頭では、現在募集中の厚利少売プロデュースオーディション番組発のプロジェクト。選ばれた1社に対して、すがけん氏と川原氏が4ヶ月間無料で伴走し、事業の「厚利少売」化を支援する企画。に対する凄まじい反響が語られました。川原氏は「想像以上の情熱が届いている」と話し、リスナーが単に情報を消費するだけでなく、自らの事業を本気で変えようとする「宣言」の場になっていることを強調します。
すがけん氏も、熱心なリスナーが同じ回を5周も聴き込んでいる事実に驚きつつ、「需要があるところに応えていきたい」と意気込みを語りました。このオーディションは、自分自身の強みや課題を言語化するトレーニングとしての側面も持っています。
薄利多売の呪縛を解く「高単価サービスの良い客」への変身
「価格を上げて、お客さんが来なくなったらどうしよう」という不安。これに対し、すがけん氏は「薄利多売の環境で働いていると、その流派に染まってしまう」と指摘します。例えば、ホットペッパービューティー国内最大級の美容院・リラクゼーションサロン検索予約サイト。クーポンによる安価な集客が主流になりやすい側面がある。などで安売り競争をしているサロンに勤めていると、高単価なビジネスの作り方が分からなくなってしまうのです。
ここで重要なのが、自分自身が「高単価なサービスの良い客」になることです。料理の世界では、作り手が「いい食べて(食客)」であることが珍しくありません。数万円の料理を自ら体験し、何に価値を感じるのか、どのような層が来店し、どのような会話がなされているのかを徹底的にリサーチすることが、自らのサービスに本質価値機能やスペックといった「提供価値」の裏側にある、顧客が本当に求めている精神的な満足や問題解決の核心。を宿す第一歩となります。
クーポンや安さで集客し、競合と比較される。提供者側の視点だけでサービスを作る。
自ら高単価サービスを体験し、本質価値を理解する。顧客の「困りごと」から逆算する。
需要>供給をコントロールする「区画」の絞り込み
「お客さんが来るか不安」という悩みは、需要と供給経済学の基本概念。需要(買い手)が供給(売り手)を上回れば価格は上がり、逆なら下がる。厚利少売では、意図的に需要過多の状態を作る必要がある。のバランスをコントロールできていないことに起因します。すがけん氏は、事業を開始する前に「自分を待っているファンを50人作っておくこと」を推奨します。SNSなどを通じて、「あなたにやってほしい」と言われる状態を作ってから開業するのです。
また、市場全体では「供給過多」であっても、特定の「区画」に絞れば「需要過多」の状態は作れます。「このエリアで一番」「この技術なら唯一」といった、自分が勝てる狭い領域(区画)を設計することが重要です。供給をあえて絞り、「予約が取れない状態」を維持することで、価値は維持され、価格を上げても顧客が離れない健全な循環が生まれます。
「やりたいこと」を捨て、目の前の「困りごと」に自分を合わせる
集客に苦労する人の多くは「自分がやりたいこと」を基準に事業を考えています。しかし、ビジネスの本質は「他者の困りごとの解決」です。すがけん氏は、あるイベント事業者が「特定の業界が下火なので、他業界に横展開したい」と相談してきた際、真逆のアドバイスをしました。
「今のお客さんと仲が良いなら、イベント以外の『もっと困っていること』を聞いて、自分の事業内容(提供物)の方を変えてしまえばいい」。すでに信頼関係がある顧客の深い悩みを聞き出し、それに合わせて自分をアップデートする。この「自分を変えることの容易さ」に気づくことが、市場に求められる唯一無二の存在になる近道です。自分を主役にするのではなく、顧客を主役に据え、黒子として何を叶えるかに徹するプロフェッショナリズムが、厚利少売の土台となります。
トレンドを数値で捉える「Googleトレンド」活用術
優れたビジネスマンは常に「需要」を見ています。すがけん氏が活用しているのがGoogleトレンド特定のキーワードがGoogleでどれくらい検索されているかの推移を確認できる無料ツール。世の中の関心度や需要の変化を客観的な数値で把握できる。です。例えば、「ダイエット」というキーワードはかつて圧倒的でしたが、現在は落ち着きを見せています。一方で「睡眠」は右肩上がりで伸びており、これがリカバリーウェア着用することで疲労回復や睡眠の質向上をサポートする衣服。近年、健康意識の高まりとともに市場が急拡大している。やタクシー広告のトレンドに直結しているのです。
トレンドを掴むコツは、大きな市場(例:ネイル業界)そのものに参入するのではなく、その中にある「これから伸びる小さな芽」を見つけることです。例えば、インバウンド訪日外国人旅行。人口減少が進む国内市場において、数少ない成長分野の一つ。需要を見込んで「浅草で雷門のネイルを施す」といった、誰もやっていないけれど確実に需要があるポイントを突く。トレンドを「人数」に分解し、具体的な顧客像が見えるまで解像度を高めることが、失敗しない集客の鍵となります。
まとめ
価格を上げることへの不安は、マインドセットと設計の両面から解消できます。薄利多売の流派を捨て、自らが高単価なサービスを体験し、顧客の「困りごと」に敏感になること。そして、市場全体ではなく自分が勝てる「区画」を絞り、需要過多の状態を意図的に作り出すことが重要です。
「やりたいこと」というエゴを脇に置き、世の中のトレンドや目の前の顧客が抱える痛みに寄り添うこと。その姿勢こそが、結果としてあなたを「高くても選ばれる存在」へと導きます。現在募集中のオーディションは、まさにこの思考プロセスを実践し、事業をアップデートするための絶好の機会です。自分自身の事業を「厚利少売」へと進化させる第一歩を踏み出してみませんか。
- 「良い食べて」になる:高単価サービスを自ら体験し、何に価値があるのか(本質価値)を学ぶ。
- 供給を絞る:あえて予約の取りにくい状況を作り、需要が供給を上回る「区画」を設計する。
- 顧客の困りごとに自分を合わせる:自分の提供物に執着せず、顧客の深い悩みから事業を再構築する。
- トレンドを数字で見る:Googleトレンド等を活用し、これから伸びる小さな需要をいち早く掴む。
- オーディションへの挑戦:自分の課題を言語化し、プロの視点を取り入れることで事業を加速させる。
