📝 エピソード概要
発酵デザイナーの小倉ヒラク氏をゲストに迎え、「今を生きる伝統とは何か?」を深める対談の第2回。小倉氏の著書『僕たちは伝統とどう生きるか?』をベースに、伝統を固定された「結果」ではなく、担い手たちの「プロセス(連なり)」として捉える生命論的なアプローチを展開します。変化する時代の中で「変わらなさ」を感じさせるためのクリエーションや、微細なズレの価値について議論を深めます。
🎯 主要なトピック
- 「完コピ」不可能性とズレの肯定: 異なる人間や時代における完璧な再現は不可能であり、そのズレ(表現の揺らぎ)こそが生命性として肯定されるべきであると指摘します。
- 大文字と小文字の伝統: 伝統を固定化された権威(大文字)ではなく、生成と消滅を繰り返すプロセスや代謝(小文字)の連なりとして捉え直します。
- トロンボーンにみる「変わらなさ」の演出: 空間に合わせて微調整するトロンボーンを例に、受け手に「変わらない」と実感させるための微細なイコライズ(調整)の必要性を議論します。
- 3%の差分と本歌取り: ヴァージル・アブローの「3%ルール」や和歌の「本歌取り」を引き合いに、同一性と認識できるギリギリの範囲で意味をずらすクリエイティブな手法について探ります。
💡 キーポイント
- 伝統の本体は「プロセス」にあり: 伝統を俯瞰してコントロールできる人は存在せず、その時々の担い手たちがもがくプロセスの連なりや「ままならなさ」自体が伝統の真の姿である。
- 「変わらない」ための意図的なアップデート: 完全に同じものを維持するだけでは時代の変化から浮いてしまうため、文脈に合わせて微細な調整(代謝)を行うことこそが偉大なクリエーションである。
- 表現とは模倣の失敗である: 完全に真似ようとしても素材や身体の差で生まれてしまう「差分」こそが、次の世代の個性や新しい伝統の芽となる。
