Googleマップに載らない店と同じことがAIで起きる?
ごうさんがこの回のテーマに掲げたのは「AI時代はPodcastの文字起こしで勝負が決まる」です。きっかけは、ごうさん自身が最近Podcastを始めて、あれこれ考える中で腑に落ちた気づきでした。
ごうさんはまず、Googleマップに載っていないお店は、今ではほとんど存在しないのと同じだという話から入ります。お店を営む人にとって、Googleマップへの登録はもう当たり前になっています。
これからのAI時代、このGoogleマップ登録に当たるものが、このポッドキャストアンド文字起こしになり得るなと思ったんですよ。
ごうさんによれば、これまでGoogleやGoogleマップで検索していた人たちが、少しずつ生成AIに聞くという動き方に移っています。そうなると、自分のビジネスや商品がAIにおすすめされるかどうかが、とても大事になります。
GoogleやGoogleマップで検索する。お店はGoogleマップ登録が当たり前
生成AIに聞く人が増える。AIにおすすめされるかどうかが重要になる
ごうさんは、こうした動きは最近出てきた話ではないとも補足します。AIO ── AI Optimizationなどの略で、生成AIの回答に自社の情報が取り上げられやすくするための取り組み。検索エンジン向けのSEOのAI版として語られることが多い言葉ですと呼ばれる「SEOのAI版」は2年ぐらい前から言われ始めていて、ごうさんも知ってはいました。ただ、Podcastを続ける中で、その解像度と理解度が上がってきたといいます。
整理しなくても「らしさ」が乗るPodcastの強み
ごうさんが注目するのは、テキストとPodcastのメディア特性の違いです。ネット記事のようなテキスト情報は、これまで、ある程度きれいに整理された状態で公開されてきました。
一方でPodcastは、そこまで情報を整理したり構造化したりしなくても発信できるメディアだと、ごうさんは説明します。今話している内容をnoteの記事にするなら、言葉のノイズをそぎ落とし、何度見返しても耐えうるロジックに加工する必要があります。
言葉のノイズをそぎ落とし、何度読み返しても耐えうる形に整理・加工してから公開する
きっちり構造化しなくても伝わり、話し言葉の前後の文脈や「その人らしさ」も乗せて届けられる
喋り言葉の中に含まれている前後の文脈、まあいわゆるその人らしさ、そのお店らしさというのも乗せて、人に、誰かに届けることができます。
さらにごうさんは、AIの側の変化にも触れます。AIは一人ひとりに合わせて答えるのが標準の機能になっていて、多少整理されていない情報でもしっかり拾ってくれるようになっています。
そのため、お店や人の「らしさ」を含む情報が多ければ多いほど、AI検索をした人の中で相性のいい人に、自分をおすすめとして出してもらいやすくなる。ごうさんはそう考えています。
広がりにくいPodcastは「AIに読ませるメディア」になる
ごうさんは、Podcastの弱点も率直に挙げます。それは、なかなか拡散しにくく、広がりにくいメディアだという点です。
ごうさんによると、XやnoteのようなテキストやYouTubeなら、一発でドンと拡散される可能性があります。Podcastは少数の人にじわじわと深く届けるメディアで、たくさんの人に届けたい用途にはこれまで向かないと感じていたそうです。
ところが、Podcastを人だけでなく「AIに向けた発信」と捉え直したことで、ごうさんの中でPodcastの立ち位置がガラッと変わりました。
ごうさんはもう一つ、AIには言語の壁がないことを挙げます。日本語で話した内容が、その人らしさを含む前後の文脈ごと、海外の人にも届く可能性があるということです。
例として挙がったのが、海外から多くの人が訪れる観光地としての三豊です。東京や京都ではなく、わざわざ三豊に来るような人は、きっとAIでこのあたりのことを調べてくるだろうと、ごうさんは見ています。
(三豊には)こういう面白いお店、スポットがありますよって出るか出ないかって、めちゃくちゃでかくないですか。
ライバルだけがAI対策をしていたら何が起きる?
ごうさんは次に、今やらなかった場合に何が起きるかを考えます。既存のテキスト情報だけでも、ある程度はAIに拾われるかもしれません。ただ、自分たちが対策をせず、ライバル企業だけがAI対策をしていたら、とてもまずい状況になるといいます。
ごうさんが挙げた例は宿探しです。誰かがAIに「この辺で自分にぴったり合いそうな宿はありますか?」と聞いたとします。
ライバルが情報を出す
AIが読める形でたくさん情報を出しているのがライバルの宿だけ
AIがライバルを勧める
AIはライバルの宿を勧める確率が高くなる
候補に入れない
情報をAIが拾えない状態では、あなたの宿が候補に入る余地がない
存在しないのと同じ
お客さんにとっては、Googleマップに載っていないお店と同じ状況になる
AIが候補を1つ出すか3つ出すかは場合によります。それでも、自分の宿の情報をAIが拾えない状態なら、おすすめに載ることはありません。ごうさんは、この状況を想像すると「めちゃくちゃやばい」と気づくのではないかと話します。
まずPodcastを始めるべき理由とは
ごうさんの結論は、AI対策は「いつかやった方がいい」ではなく「今すぐやった方がいい」レベルのことだというものです。そして、最初の一歩はとにかくPodcastを始めることだといいます。
Podcastも、始めるまでや更新に慣れるまでは大変です。それでもごうさんは、YouTubeを作り続けることや、noteの記事を自分で書き続けることに比べれば、ずっとハードルが低いと感じています。
文章ほどきっちり整理しなくても発信できて、動画のような視覚情報の編集もありません。ごうさんは、発信のハードルという観点ではPodcastのほうがやりやすいと話します。
ごうさんは、音声入力も同じだと付け加えます。音声入力に慣れると、自分から情報を出力する効率がとても良いことに気づき、人間は話すことで意外とたくさんの情報を出せるとわかるそうです。
情報量が少なければ、AIにとってはなんか解像度が粗いモザイクみたいに自分のことが映るかもしれないし、いっぱい喋って情報が多ければ多いほど、AIから見た時は超クリアに映ります。
音声だけでは足りない。文字起こしとPodyの使い方
ただし、Podcastを始めるだけでは「ワンクッション」足りないと、ごうさんは続けます。今の技術では、音声のままだと文字に比べて段違いに拾われにくいからです。
ごうさんの見立てでは、AIは音声を処理するために無駄なトークン ── AIが文章を処理するときの単位。処理するトークンが多いほど、計算コストや時間がかかりますを使うより、ネット上に同じような文字情報があればそちらを拾って、さっさとユーザーに答えてしまう可能性が十分にあります。
そこで必要になるのが、Podcastの内容を文字起こしして、文章としてネット上に置いておくことです。
ごうさん自身の例として挙がったのが、最近使い始めたPodyというサービスです。Podyは、文字起こしをしてAIで要約や記事化をするサービスで、Podcastに力を入れている起業家のケンスーさんが運営しているとごうさんは紹介します。
かなり精度が高い、クオリティ高く、記事化までもうワンクリックでできて、ちょっと僕感動しちゃってるんだけども。
Podyでの記事化はクレジット ── サービス内で利用できる量を表すポイントのようなもの。記事化などの機能を使うと消費されますを消費するため、完全無料ではありません。ごうさんは、全員に勧めるのは難しいと承知しつつ、仕事をしている人なら必要経費に入るレベルだと感じています。
ごうさんによると、収録時点ではPodyの初回登録で、60分番組1本分、30分番組2本分ぐらいを記事化できるクレジットが無料で付与されます。まずはそれで過去の番組を記事化して試し、追加で使うかを決めればいいと話します。記事化するエピソードを自分で選べるので、特に残したい回だけを記事にする使い方もありだといいます。
ごうさんは、Podyの広告のようになったと断りつつ、他のサービスに詳しくないだけで、良いものがあればそちらでもいいと話します。自前のAIで仕組み化する選択肢もありますが、Podyと同じクオリティを目指すならPodyのほうが安上がりになるだろうという見立てです。
ライバルがやり始める前の今、そこをしっかりやり始めて対策しておけば、何手か先に振り返った時に、今この地点がオセロの角を取った状態の状況を作れる。
三豊オンエアで記事を読めるようにした狙い
ごうさんは、自身の番組とは別に、三豊のPodcastを集めたサイト「三豊オンエア」も運営しています。そのサイトでも、Podyで記事にしたエピソードを読めるように改善しました。
ごうさんによると、三豊オンエアで気になる番組を見つけても、すぐには耳で聞けない人がいます。そうした人も、記事でエピソードの中身をざっと確認できるようになりました。
三豊オンエアの記事化は、配信者にとってもメリットがあるとごうさんは考えています。AIに番組や配信者をおすすめしてもらえる確率が上がり、趣味嗜好の似た人や「三豊のおすすめのお店」を探す人に取り上げてもらえる可能性が高まるからです。
さらに、AIから見て「三豊はPodcastで面白いことをやっているエリアだ」と捉えやすくなります。三豊がPodcastで盛り上がっているエリアとして認知されていけば面白い、とごうさんは話します。
本編の締めくくりで、ごうさんはPodcastの拡散しにくさの話に戻ります。聞く人が少なかったのではなく、AIという聞き手にまだ届いていなかったという捉え方です。
お便りコーナー:わたあめの客層から漁船の追加まで
後半はお便りコーナーです。この番組では、AIに質問を作らせ、マシュマロで届いた人間のお便りも混ぜた上で、ごうさんがどちらかわからないまま答えています。今回から質問を生成するAIへの指示を変えたそうです。
先日娘とイベントに行ったら綿飴を作っているのを待っている人がいて面白かったんです。Goさんはイベントで綿飴を買ってくれるお客さんってどんな方が多いですかね。
電線をまたぐ猫 さんから
イベントで綿飴買う方は、今のところ95パーセントお子さんですね。
ごうさんは、いろいろな年齢層に届けられるよう試行錯誤もしたそうです。それでも、わたあめは大人が自分で買うものとは思われにくく、そこは割り切ってやっているといいます。
父の漁を継いで3年になります。父はもう出れません。今の規模だと魚が取れなくなってきて、船を1艘だけ増やしたいと思っています。漁協の融資の話も出てきて、Goさんならどう判断しますか?
塩の目のあゆみ さんから
難しい質問だと受け止めたうえで、ごうさんは、自分なら船を増やさないかもしれないと答えます。漁業への理解は高くないと断りながら、判断の軸を示しました。
ごうさんが重視するのは、船を1艘増やしたときに出ていくお金の額です。売り上げは増える可能性が高い一方で、船の購入費、追加のスタッフ、燃料費も増えるため、利益ベースでどれだけ増えるかが重要だと話します。
ごうさんは同時に、船を増やさずに利益を増やす方法も考えるといいます。今の漁獲の範囲で単価を上げる方法、取った魚の加工への展開、できるかはわからないとしながら養殖のような漁以外の方法も選択肢に挙げました。
売り上げは増える可能性が高いが、船の購入費、スタッフ、燃料費も増える。利益ベースでの増加を見る
今の漁獲の範囲で単価を上げる、加工に広げる、養殖など漁以外の方法を検討する
第6回の自分のペースの落とし穴、ちょうど今の自分の状況に刺さって黙ってるのズリちゃいました。ちょうどいい調子で続けてください。
鯖の塩焼き さんから
タイトル綿飴職人が語るにはの語るの対象がないのがいいなと思っています。Goさんの語るって誰に向けてるんですか?
深夜のコンビニ さんから
(語る相手は)ピンポイントでこの人っていう感じではないものの、ぼんやり、過去の僕がもやもやしてたポイントで同じようにモヤモヤしてる人がいれば、その人の役に立てばいいかなぐらいで喋ってます。
取材の合間にラジオを聴いていたら、Goさんの声に驚きました。番組の台本ってGoさんの言葉のメモみたいな感じなんですかね。喋るのと書くのどっちが楽ですか?
シャッターオン さんから
ごうさんの答えは、楽なのは話すほうでも、伝えたいことをきちんと伝えるのは書くほうが得意だというものです。これまで法務として契約書を読み書きしてきた「完全に読み書きの人間」なので、話すのは苦手な方だといいます。
一方で、タイピングが速い方だったごうさんも、音声入力はとても楽だと感じています。そのため最近は、話すことも意外とありだと思うようになってきたそうです。
文字起こしと記事化はどう違う?エンディングと告知
エンディングでごうさんは、収録日を2026年10月30日と伝えています。Podyで自分の番組を記事化し、三豊オンエアでも記事を読めるようにした話を振り返りつつ、本編ではテンションが上がって早口になっていたかもしれないと謝っています。
ごうさんが本編で補いきれなかった点として挙げたのが、文字起こしと記事化の違いです。似ているようで全然違うと、ごうさんは強調します。
話した内容をそのまま文字にする
内容を要約・整理して、読める記事にする
ごうさんは、AIでここまでできるのかと感動したそうです。番組を配信している人には、無料分のクレジットでいいので一度試し、この感動を共有してほしいと呼びかけました。
最後に、東京・有楽町で開催されるマルシェ「瀬戸内かがわ三豊マルシェ」への出店が告知されました。日時は11月22日(日)の11時から16時、場所はJR有楽町駅の中央口を出てすぐの有楽町駅前広場です。ごうさんではなく別のスタッフが参加します。
マルシェには、三豊のフルーツを使ったわたあめ「三豊果実」を持っていきます。味はいちご、レモン、ぶどう、マスカット、桃、はちみつの6種類で、好みは人それぞれなので、自分が一番好きな味を見つけてほしいとごうさんは話しています。
まとめ
ごうさんは、AI検索が広がる中で、Podcastと文字起こしは、お店にとってのGoogleマップ登録のような存在になりうると語りました。広がりにくいと思われてきたPodcastも、AIに読ませるメディアと捉え直せば、ライバルより先に始める価値が見えてきます。
- 生成AIに聞いて探す人が増え、AIにおすすめされるかどうかが重要になっている
- Podcastは整理しすぎなくても発信でき、その人やお店らしさを文脈ごとAIに届けられる
- 音声のままではAIに拾われにくいため、文字起こしをしてネット上に置くことが必要
- ライバルだけがAI対策をしていると、自分のお店はAIの候補から消えてしまうおそれがある
- お便りコーナーでは、わたあめの客層や漁船の追加の判断など、AIの質問と人間のお便りに答えた



