電極で塩味をハック、Rentioで家電を借り倒す——限界突破な二人のガジェット選び哲学
限界突破ライフハック第16回は、けんすうさんと田中渓さんが「ガジェット・家電選び」をテーマにトーク。ロボット掃除機は買うより借りる時代、空気清浄機はカタログ畳数の2倍で選ぶ、電極付きスプーンで塩味の知覚をハックする——二人の"限界突破"な家電遍歴から見えてきた選び方の哲学と、まだ発展途上の未来テクノロジーまで、その内容をまとめます。
ロボット掃除機は「買う」より「借りる」が正解
けんすうさんはかつてルンバの最上位モデルを使っていたものの「そんなに良くない」と感じ、Ankerモバイルバッテリーで知られるAnker社のロボット掃除機ブランド。「eufy(ユーフィ)」シリーズを展開しています。系列のeufy最上位機種に乗り換えたそうです。モップ洗浄からゴミ収集まですべて自動で行ってくれる点が気に入っているとのこと。一方、田中渓さんは中国メーカーのNarwal(ナワル)中国発のロボット掃除機メーカー。吸引と水拭きの両対応モデルが特徴で、クリーン水と汚水を分離するタンクを搭載しています。を使用。機能はほぼ同等で、クリーンな水でモップを洗い、汚水は別タンクに分離される仕組みです。
しかし二人が口を揃えたのは、ロボット掃除機は「壊れやすい」という現実でした。田中渓さんが行き着いた結論は、Rentio(レンティオ)家電やカメラなどを月額サブスクリプションでレンタルできるサービス。壊れたら返却して新品に交換できるため、修理待ちのストレスがありません。で借り続けること。サブスクリプション型のレンタルなので、調子が悪くなったら理由を問わず返却し、すぐ新しいものを送ってもらえます。
二年くらい使ったら物を買った方がいいんですけど、二年以内に絶対壊れるし、途中で新しいのに変えてくれたりするんで、まあこっちだよなっていう感じ
けんすうさんもAnkerのサポート対応自体は良かったものの、毎回2週間待ちになること、サポートが思いつきそうな対処法を全部試した上でまた聞かれるストレスを感じていたそうです。壊れる前提で考えれば、購入よりサブスクの方が合理的かもしれません。
2年以上使えばコスト有利
故障時はサポートとやり取り(数日〜2週間)
処分・買い替えの手間あり
2年以内に壊れるならコスト有利
不調→即返却→新品交換
途中で最新モデルに切り替え可
ダイソンの光が暴く「見えないゴミ」問題
けんすうさんが最近買って良かったものとして挙げたのが、ダイソンイギリスの家電メーカー。サイクロン式掃除機の先駆者として知られ、近年はレーザー搭載のスティック掃除機が人気です。のハンディ兼スティック掃除機。最大の特徴は、掃除中に床面を照らす特殊なライト機能です。
これによって、普通の照明下では見えなかった微細なゴミやホコリが鮮明に浮かび上がります。けんすうさんいわく「楽しくてめっちゃやってます」。ゴミが見えることで達成感が生まれ、掃除のモチベーションが上がるという、シンプルながら強力なハックです。
見えてないゴミを一生懸命掃除機やっても全然意味なくて
じゃあ目使ってゴミ見つけるのはもう古い
普通の照明 → ゴミが見えない → やった感がない → 掃除が面倒
レーザーライト → ゴミが丸見え → 達成感が出る → 掃除が楽しい
空気清浄機・加湿器は「畳数の2倍」で選ぶ
けんすうさんが紹介したのは、バルミューダ Rainバルミューダ社の気化式加湿器。上から水を注ぐだけで給水できるデザインが特徴。最新モデルでは給水時に金魚のアニメーションが表示されます。の最新型。上から水を注ぐと金魚の映像が表示されるギミックに「7万円の価値がある」と絶賛しています。
しかし田中渓さんは、バルミューダの対応畳数の小ささを指摘。ここから出てきたのが「カタログ畳数の2倍スペックで選ぶ」という法則です。
田中渓さん自身は見た目度外視の業務用レベルの空気清浄兼加湿器を部屋にドンと置いているそうです。けんすうさんも花粉対策としてエアドッグ米国Airdog社の空気清浄機。TPAフィルター(フィルター交換不要の集塵方式)を採用し、病院や公共施設にも導入されています。の病院用サイズを自宅に導入済み。
一方で、二人が揃って失敗談として語ったのがドイツ製の空気清浄機。性能は高いものの、とにかく音がうるさかったとのこと。田中渓さんいわく「あの人たちはケルヒャードイツの清掃機器メーカー。業務用の高圧洗浄機で世界的に有名。パワー重視の設計思想が特徴です。の発想」で、パワーさえ出せばいいというノリが日本の住環境には合わなかったようです。
電極で塩味をハックする「ソルトスプーン」の可能性と限界
田中渓さんがXで紹介して反響を呼んだのが、電極付きのソルトスプーンキリンホールディングスが開発した「エレキソルト」スプーン。微弱な電流で舌の味覚神経を刺激し、塩味の感じ方を約1.5倍に増幅させる技術を採用しています。価格は19,800円。。スプーンに通った電極が舌に微弱な電気信号を送り、実際には塩を摂取していないのに「しょっぱい」と感じさせる——味覚のハックです。
そもそもなぜ塩分を気にするのか。田中渓さんは、ナトリウム過多になると体が浸透圧のバランスを保つために水分を溜め込み、血液量が増え、結果として高血圧・心臓病・脳梗塞・腎臓病のリスクが高まると説明しています。
塩分をこの粒で取るのはダサい。海から取ってくるとか何億年前からやってるような話なんで、そこはちょっとサイエンスしなきゃダメだなと思って
実際に使ってみると、スープなどの液体には確かに効果を感じるそうです。けんすうさんも購入して試し、同様の感想を持ったとのこと。しかし問題は、私たちが塩分を過剰に摂取しがちなのは固形物——つまり普段の食事のメインディッシュだという点です。スプーンでは箸を使う料理には対応できません。
田中渓さんは「コース料理でスープの1皿だけしょっぱくなっても……」と正直に限界を認めつつ、塩味を電気信号でコントロールするという発想自体には大きな可能性を感じているようです。ニューラリンクイーロン・マスクが設立した脳インターフェース企業。脳にチップを埋め込み、神経信号を直接読み取る技術を開発中。2024年に初の人体埋め込み試験を実施しました。のような脳インターフェースが普及する未来の「先駆け」として、今後の進化に期待したいところです。
具材ごとに「専用の焼き器」を持つという発想
キッチン周りのガジェットで盛り上がったのが、「具材ごとに専用の調理器具を持つ」という考え方。けんすうさんは焼き魚に特化したフライパンを購入。コの字型で内部が波形になっており、特殊な蓋で中の空気を循環させる構造だそうです。これで焼いた魚がパサパサにならず、ふっくら仕上がるとのこと。
さらに肉にはBRUNO(ブルーノ)イデアインターナショナル社のライフスタイルブランド。コンパクトホットプレートが代表製品で、一人用〜少人数向けの調理家電が人気です。の一人用グリルを愛用。卵は専用の卵焼き器、魚は魚専用フライパン、肉はブルーノ——という具合に、調味料で工夫するのではなく「焼く機械を変える」ことで、料理のハードルを下げつつ美味しさを上げる戦略です。
料理するの大変じゃないですか、調味料。でも焼く機械買うと焼くだけで美味しいならいいよねと思って
ホットクックの低温調理が店のクオリティを自宅で
田中渓さんはホットクックシャープが開発した水なし自動調理鍋。食材を入れてメニューを選ぶだけで調理が完了します。最新モデルはWi-Fi対応で、スマホからレシピを本体に転送可能です。の発売初日に購入したという筋金入りのユーザー。一般的な煮込み料理には飽きが来ることもあるそうですが、低温調理機能を使えば鶏胸肉がジューシーに仕上がり、シンガポールチキンライスレベルのクオリティが自宅で再現できるとのことです。
最新のホットクックはWi-Fiでレシピを本体に飛ばせるため、温度設定や時間管理もほぼ自動。田中渓さんが使っているのは第一世代ですが、それでも低温調理の便利さは変わらないそうです。
調味料で工夫する
手間がかかる・味が安定しない
具材ごとに専用器具を使う
「焼くだけ」で美味しい・再現性が高い
食洗機論争とMieleの謎のWi-Fi機能
二人とも食洗機ユーザーですが、田中渓さんはSNS上での「食洗機は良くない」という炎上に首をかしげています。正しい使い方——軽い予洗いで固形物を流す、食器の向きや間隔に気をつける、大きいものは下段に入れる——を守れば、水道代も節約できて時短効果は絶大だと力説します。
洗濯機ぐらいの期待値でいくと、ちょっと思ったより洗えてないみたいな感じなんでしょうね
グラスの曇り問題についても、食洗機で高温洗浄+リンス剤を使えばピカピカになるとのこと。けんすうさんはMiele(ミーレ)ドイツの高級家電メーカー。ビルトイン食洗機が特に評価が高く、日本でもシステムキッチンに組み込む形で導入するユーザーが増えています。の食洗機を使っており、リンス機能でグラスがきれいになる点には満足しているようです。
ただし一つ不思議な機能が。MieleにはWi-Fi接続で外出先からオンにできる機能があるのですが、「食器を入れて蓋を閉めた時にボタンを押すのでは?」と田中渓さんが突っ込み、二人とも使いどころが分からないまま話題が流れていきました。
最後に、田中渓さんが勝間和代経済評論家・著述家。家電やガジェットの徹底的なレビューでも知られ、著書『勝間家電』では自腹で試した膨大な家電の中からベストを選定しています。さんの著書『勝間家電』を読んで「全然選べてなかった」と反省したエピソードが飛び出しました。けんすうさんいわく「もう一人マイベスト専門家が実際に商品を購入・検証して比較するWebメディア「mybest」のこと。カテゴリごとにランキング形式でベストバイを紹介しています。みたいなことやってますよね」と称賛。いつかゲストに呼びたいという宣言で、今回のトークは締めくくられました。
まとめ
ルンバからの卒業、Rentioサブスクの合理性、ダイソンの光によるゴミの可視化、空気清浄機の2倍ルール、電極で塩味をハックするソルトスプーン、具材ごとの専用調理器具——今回のトークで浮かび上がったのは、「カタログスペックを鵜呑みにせず、実体験から最適解を見つけ出す」という二人の家電選びの哲学でした。
すべてを真似する必要はありませんが、「壊れる前提で借りる」「畳数の2倍で選ぶ」「調味料より器具を変える」といった思考法は、日々の家電選びに応用できるヒントになりそうです。ソルトスプーンのように、まだ発展途上のテクノロジーも含めて、生活を「サイエンスする」姿勢が印象的な回でした。
- ロボット掃除機は2年以内に壊れることが多い → Rentioのサブスクで借り続けるのが合理的
- ダイソンのレーザーライトでゴミを可視化すると、掃除の達成感とモチベーションが上がる
- 空気清浄機・加湿器はカタログ畳数の2倍スペックを選ばないと、期待する性能が出ない
- ソルトスプーンは電極で塩味の知覚をハックできるが、現時点ではスープ系限定で発展途上
- 調味料で工夫するより、具材ごとに専用の焼き器を持つ方が簡単で美味しい
- 食洗機は正しい並べ方と予洗いを覚えれば、時短・節水の強力な味方になる
