物事を「ゲーム」として捉えるようになった変化
この回のテーマは「ボードゲーム制作は苦難を超える」という、少し壮大なものです。Manaさんは、ボードゲームを作り始めてから人生観や生き方が変わったと話します。
何が変わったのかというと、いろんな物事をゲームとして捉えるようになったという点が大きいそうです。
普段からボードゲームのアイデアを頭の中で巡らせているため、世の中のものすべてを「ゲームに置き換えられないか」「ゲームの種にならないか」と考えながら生きるようになったといいます。
その結果、日常の些細なことにも「何を目指すのか」というゴールや勝利条件を細かく設定する癖がついたそうです。ビジネス的に言えば目標設定にあたりますが、そこまで大それたものではなく、ちょっとしたことにも当てはめているといいます。
道の混雑もX運用も、すべてゴール設定で楽しくなる
Manaさんは、超些細なことからゲーム的に考えていると話します。例えば道が混んでいるときも、目的地までのルートや到着時刻をゴールとして捉えるそうです。
ボードゲーム制作でも同じで、「Xを伸ばそう」となったときに、先に1万人フォロワーになった人が勝ち、というふうに考えるといいます。そのうえで、どうやって達成するかの戦略や勝ち筋を考えていくそうです。
こうした捉え方をすると、日常生活そのものが楽しくなると話します。夏に登山へ行こうと考えたときも、ルートや時間を細かく詰めていくといいます。
仕事でもプライベートでも、何かを成し得るための目標が昔より明確になり、どの段階で何をすればクリアなのかが見えるようになったそうです。
飲食店の待ち時間すら「面白いゲームの種」になる
ゲーム的に考えると、いろんな気づきも出てくるとManaさんは話します。例えば飲食店でご飯がなかなか出てこないとき、「なぜ出てこないのか」「裏側はどう動いているのか」と考えを巡らせるそうです。
そしてその裏側の動きを「ゲームとして面白そうだ」と捉えられるようになったといいます。嫌なものも、ゲームにすると面白いと考えられるようになったと話します。
突発的な不幸は「良くないイベントカードを引いた」だけ
突発的に嫌なことが起こることは、誰にでもあります。Manaさんは、どうしようもない不幸や想定外のアクシデントも、ゲームで考えると捉え方が変わると話します。
(想定外のアクシデントも)良くないイベントカード引いちゃったなくらいに思えるわけなんですよ。
以前なら「最悪だ、なんでこんなことになってるんだ」と思っていたものも、「じゃあこんなイベントカードがあったら面白いんじゃないか」と考えられるようになったといいます。そうすると、嫌なことにもちゃんと向き合おうと思えるそうです。
トリプルブッキングも「予定を詰め込むゲーム」に変わる
Manaさんは自身のスケジュールが「ぐっちゃぐちゃ」で、調整が非常に難しい状態だと話します。トリプルブッキングや、不確定だが重要な予定が入ってくることもあり、大変だといいます。
決まっていた予定に重要なアクシデントが入ると、全部組み直したり何かを我慢したりする必要が出てきます。それでも「どうやってクリアするのか」という考え方に至るようになったそうです。
予定を組み合わせて、決まった枠の中で最大限詰め込むこと自体を、面白いゲームとして捉えられるといいます。人間関係で嫌な人が現れたときも「お邪魔虫カード」のように考えるそうです。
だから嫌なことや自分の失敗があっても、以前ほど落ち込まなくなったと話します。ボードゲームではプレイングの失敗など日常茶飯事で、失敗したら次にどうリカバリーするかを考えるようになったといいます。
スヌーピーの名言と「配られたカードで戦う」という考え方
Manaさんは、自分ができること・できないこと、持っている材料やスキルを改めて見直す習慣がついたと話します。いわゆる自分を客観的に見ることです。
どうしてもやりたいと思っても、そのスキルが自分にないこともあります。逆に、思いもつかないスキルをここで使えないかと客観的に考えられるようにもなったそうです。これは自分の手札の中で最良の選択をするプレイングの影響ではないかといいます。
ここでManaさんは、うろ覚えと断りつつ、スヌーピーの名言を紹介します。犬であるスヌーピーに、人間の世界で犬になってかわいそうだ、といった趣旨のことが投げかけられた場面です。
この言葉は深いと思いつつ、Manaさんは以前は真には捉えられていなかったといいます。今は、カードが配られていないことを嘆いてもしょうがなく、ある中で勝負するしかないと考えられるようになったそうです。
さらに、手札は強化していけるものだとも話します。これまで培ったものによってカードの強さが決まり、足りなければ新しいカードをドローしたり、持っているカードを強化したりできると捉えているそうです。
限られたリソースで最大成果を出すという発想
Manaさんは、ないことを悲しむのではなく、自分にあるスキルをフル活用して解決しようと考えられるようになったのは、ゲームならではだと振り返ります。
これはビジネス的にもかなり強い考え方だといいます。限られたリソースの中で最大限のパフォーマンスを発揮し、目標への勝ち筋を考えて最短ルートで進む、というビジネス用語で語られることが、ボードゲームにすべて詰まっているというわけです。
さらに、プレイヤーとしてだけでなく制作する側になると、そうした考え方や思考そのものをメイキングすることになるとManaさんは話します。
どこで悩ませたいか、どこでイベントカードを使うか、目標はどのくらいがちょうどいいか、といったところまで設定します。だからちょうどいい目標設定や段階的な設計がやりやすく、状況が変わったら拡張セットを出す、といった発想も日常に生かせるといいます。
ゴール設定
何を達成すれば「勝ち」なのかを先に定める
手札の分析
今持っているスキルやリソースを客観的に見直す
勝ち筋の設計
限られたリソースで最短ルートを考える
状況対応
イベントカード的なアクシデントに対応していく
「降りる」という選択肢を持てるようになった
大きく変わった点として、Manaさんは「降りる」という選択肢を持てるようになったことを挙げます。以前は、やりたいもの・やらなきゃいけないものを、目標設定もなくただやり続ける状態だったといいます。
目標に対して自分の手札が弱すぎるとき、ボードゲームでは「降りる」という選択をします。Manaさんはポーカーを例に出します。
ポーカーなんてもうほんと降りるゲームって言われてるぐらいですから
自分の手札を見て、周りが強気なら挑むべきではないと判断して降りる。無理に対戦を続ければチップが減っていくのがポーカーだといいます。だから他者の観察も、自分の手札の分析も重要になります。
感情で「いけるから」「いきたいから」やるのではなく、手札を分析していけるかどうかを判断する。初期から降りるのか、途中まで見て勝ち目がないから降りるのかという撤退判断も、選択肢に入れられるようになったそうです。
諸条件を踏まえて「無理・無謀」が減った
Manaさんにもチャレンジしたいことはたくさんあります。しかし、今置かれている資金力、時間、家族や友人関係、住んでいる地域など、動かせない諸条件が多くあると話します。
そうした条件と、これまで培ったスキルや物理的に持っているものを踏まえ、まずゴールを定めます。そのうえで、自分が立ち向かえるのか、勝ち筋が見えるのか、イレギュラーに対応しきれるのか、楽しめるのかまで考えるそうです。
そこまで考えて「無理だ」「勝ち目がない」と思えば、降りることができます。その結果、無理や無謀ということが本当に減ったといいます。
無駄な動きをしなくなり、お金や時間といった限られたリソースを無駄遣いしなくなったそうです。そしていける場面に集中的にベットできる、という考え方もできるようになったと話します。
運に見放されても「そういう時もある」と割り切れる
ボードゲームには運の要素も多く、最良の選択をしてもダメなときはダメだとManaさんは話します。それでも毎回発狂していたら意味がありません。
だから「そういうこともあるよね」という考え方が必要になるといいます。どんなについていなくても「運だしな」と思えるようになったそうです。
一発の損失や失敗があっても、長期的にプレイし続けて最終的な勝ち点が高ければ、収支はプラスになる、という捉え方です。
(失敗しても)まあそういう時もあるよね。次もやっていこう。やり続けていけば最終的にはそうなるはずさ。
すべてを受け止めて食らってしまうと、逆にビビって次のアクションが取れなくなります。「これは運のせいだ」と、いい意味での言い訳として割り切れるようになったといいます。
ボードゲーム制作は「人生のメイキング」に近い
Manaさんは、ボードゲームはプレイするだけでも人生が豊かになると感じているといいます。そのうえで、制作するとなると意味合いが変わると話します。
些細な出来事や、やろうと思ったことを、目標設定から事実関係、市場調査まで冷静にやって立ち振る舞えるようになったといいます。だからボードゲームはプレイも制作もおすすめだと語ります。
ボードゲームが広げる、世代も職種も越えた人間関係
人生を豊かにするという点で、Manaさんはボードゲームを通じた人間関係の広がりも挙げます。意識的に広げない限り、人は似たような人のコミュニティに留まりがちだといいます。
同い年や同僚が中心になりやすい中で、ボードゲームはさまざまな職種の人が遊び、年齢層も子供から年配の方まで幅広いと話します。ボードゲーム会にそうした人々が集まる状況は、かなりレアな環境だといいます。
年齢が離れた人同士が話す機会や、様々な業種・性格・男女の人がまとまって話す経験は、なかなかないものです。趣味を通じた集まりも似た人が集まりやすい中で、ボードゲームはその点でいいのではないかとManaさんは話します。
どん詰まりのときは「机でうならず外に出る」
最後にManaさんは、少しテーマから逸れると断りつつ、ボードゲーム制作で行き詰まったときの話をします。机の上でうなっても何も出てこないと話します。
アイデアはこれまで培ってきたものからしか出てこないため、新しい刺激を受けたり一度忘れたりしてリフレッシュしないと、新しいものは出てこないといいます。だから外に出かける、誰かと会う、とにかくアクションすることが大切だと話します。
これはプレイでも同じで、盤面で最良の選択がわからず長考しても最善手は出ないといいます。今思いついた一手を進めてみると、周りの反応や盤の状況が変わり、新しい道筋が見えてくることがあるそうです。
これまでほんと培ってきたものからしかアイデアって出てこないので、新しい刺激だったりだとか一回忘れるだとか、そういう風にリフレッシュさせないと、新しいアイデアっていったものは出てこないです。
Manaさんは、ボードゲームが強い人にはビジネスパーソンも多いイメージがあるとし、こじつけかもしれないと前置きしつつ、ビジネス観点でもボードゲームはおすすめだと締めくくりました。
まとめ
Manaさんは、ボードゲームを作り始めてから、日常の出来事も苦難も「ゲーム」として捉えられるようになったと語りました。ゴール設定、手札の分析、降りる判断、運の割り切りといったボードゲーム的な思考が、人生やビジネスにそのまま生きるという話です。
- 物事をゲームとして捉えると、目標や勝利条件が明確になり日常が楽しくなる
- 突発的な不幸も「良くないイベントカードを引いた」と捉え直せる
- 配られた手札で戦い、足りなければ強化するという発想を持てる
- 勝ち目がないときは「降りる」ことで無駄なリソースを使わなくなる
- 運に見放されても、長期的に続ければ収支はプラスになると割り切れる






