なぜ「修正」でデザイナーを見分けられるのか
今回のテーマは、いいデザイナーへ発注するためのコツです。デザインを自分でできず、固定のデザイナーもいない発注者に向けた話として語られています。
Mana(マナ)さんはボードゲーム以外にもさまざまな企画を手がけており、その都度デザインを外注してきました。自分ではデザインができないため、発注先を新しく探す機会も多かったといいます。
数あるコツの中でも今回取り上げるのが「修正」です。修正に対する考え方が、デザイナーのタイプを見分ける一つの入り口になるといいます。
この修正っていう部分を考えますと、結構デザイナーによってタイプが分かれるなというふうに考えております。
発注する側であるクライアントの立場から、修正や変更に対してどう感じているのか。そのリアルな意見として語られていきます。
発注前に見える「修正への3つのスタンス」
デザイナーは発注前の段階で、修正についての条件を提示することが多いといいます。Mana(マナ)さんは、その提示の仕方が大きく3つのパターンに収束すると整理します。
1つ目は、修正を無制限で対応すると明言するタイプ。2つ目は、何回までは無料でそれ以上は有料と、明確な線引きを定義するタイプです。
3つ目は、修正について何も触れてこないタイプです。Mana(マナ)さんはこのいずれのパターンでも発注経験があるといいます。
無制限、または「何回まで無料」と発注前に定義する。会話や条件から傾向を探りやすい
修正に触れない。自信の表れか経験不足かは、見積もり金額の差で判断しやすい
どのパターンに当たるかは、発注者の力量やデザインへの理解、デザイナーとの相性にもよると前置きしつつ、それぞれの特性を振り返っていきます。
「修正無制限」が自信の表れである場合
まず、修正は無制限、直しはいくらでもやると言うタイプです。パッと見の印象としては、デザインに自信があるように見受けられるといいます。
Mana(マナ)さんの経験では、こうしたデザイナーはオーダーした内容を超えて、期待以上のデザインを出してくれる人が多かったといいます。進行の仕方もしっかりしている印象です。
基本的にはですね、オーダーした通りのデザインはしてくれないです。これあくまでいい意味です。
発注する側は、デザインについては素人です。だからこそ、デザイナーが知見をもとに「こうした方がいい」と説明したり、伝えきれなかった部分まで汲み取ってくれることで、結果的に修正がほぼ不要になるといいます。
進め方も上手で、ラフの段階から徐々に見せて認識をすり合わせていくため、手戻りが起こりにくいと語られます。
自信のあるデザイナーが「クライアントを選ぶ」理由
しっかりしたデザイナーほど、逆にクライアントを選んでいる印象があるとMana(マナ)さんは言います。デザイナー側が発注者を見定めているという構図です。
これはですね、私がデザイナーを選んでいるっていうわけではなくて、デザイナーが私たちクライアントを選んでいるっていうようなところですね。
修正無制限を掲げる以上、不毛なチェックバックやよくわからない修正依頼を繰り返すクライアントは、デザイナーにとって危険な存在です。だからこそ、ゴールが明確でコミュニケーションが取れる相手を選んでいるといいます。
同じ「無制限」でも真逆な、安請け合いタイプ
一方で、同じ「いくらでも直します」でも、意味が真逆のパターンがあります。安請け合いを売りにしている人です。
これは自信の表れの逆で、デザインに自信がないからこそ「いくらでも直す」と言っているケースです。品質的にはダメでも粘り強く頑張る、という意図が裏に潜んでいるといいます。
この場合はうまくいかず、お互いが不幸になるパターンが多いと語られます。違いはデザイン能力そのものではなく、仕事へのスタンスにあるとMana(マナ)さんは指摘します。
安請け合いタイプは、クライアントから言われたことを行うのがベースになっている印象だといいます。ここで問題になるのが、クライアント自身も素人だという点です。
極論言いますと、そんな素人意見を鵜呑みにして対応したとしても、あんま意味ないんですね。
発注者が求めているものを的確にオーダーできるとは限りません。素人意見をそのまま反映し続けると、消耗戦のような進め方になり、出来上がりも素人的なデザインに陥ることが多いといいます。
「修正を語らない人」をどう読むか
次に、修正について何も語らないタイプです。ここには、こだわりがないだけのプロと、経験の浅い素人が混ざり合っているといいます。
クライアントが満足しなければ直すのは当然と考え、あえて明言しない人。もしくは、何度も修正が終わらない「修正地獄」を経験していない駆け出しのデザイナー。このいずれかだと整理されます。
このタイプは会話だけで見定めるのが難しいといいます。そこでMana(マナ)さんが判断基準にするのが、見積もり金額の妥当性です。
見積もり金額に「差が出る人」の正体
修正無制限のタイプは、素人でもプロでも見積もり金額に意外と差が出ないといいます。何度も修正する前提で高めに出す人と、ある程度の金額でサクッと終える人とで、結果的に近づくためです。
一方、修正について何も明言しないタイプは、金額差が出やすいと経験則で語られます。特に修正地獄を経験していない人の金額は、非常に安い傾向があるといいます。
特に地獄経験していない人の金額といったものはめちゃめちゃ安いです。
相場を知らず、修正回数のセオリーも知らず、自分に自信もないため安くなる、というのがMana(マナ)さんの見立てです。求める品質や予算次第では、こうした人に頼むこともあるといいます。
ただし、過度な期待はすべきではないと釘を刺します。しっかりしたデザインを求めて依頼すると、何度も修正が必要になり、安かろう悪かろうになりかねないためです。
納期直前に「突然できました」が起きる仕組み
経験の乏しいデザイナーで起きがちなのが、納期の直前に突然「できました」と提示されるパターンです。
慣れた人はラフから徐々にイメージを近づけ、納期には完成しているといいます。一方、経験の浅い人は納期ギリギリまでが自分の作業時間だと思っている節がある、とMana(マナ)さんは指摘します。
一発でOKが出るはずもなく、そこから修正が入れば納期は超過します。クライアントは不満を抱き、デザイナーもギリギリまで作ったものを覆されて熱が入らなくなり、双方の消耗戦になっていきます。
これ本当に不幸ですよね。ただ、本当にこれよくある話なんですよ。
「何回まで無料」に潜む勘違いデザイナー
修正地獄を経験したデザイナーは、自分を守るために修正回数に制限を設けようと考えます。フリーランス向けのノウハウでも「何回まで無料、それ以上は有料」が推奨されているといいます。
もっとも、これ自体は否定されていません。プロのデザイナーが、揉めた時のセーフティネットとして定義しているだけのケースもあるとMana(マナ)さんは補足します。
問題は、過去の実績が乏しいのにこの定義をしている人です。あくまで超個人的な感想と前置きしつつ、危険な人が多い印象があるといいます。
言葉を選ばないで言いますと、デザイナーっていうより、ただの作業員っていうものに近い人が多い印象があります。
鍵になるのは、何に対して報酬が発生するかという考え方です。プロには成果への報酬が求められますが、このタイプは自分が稼働した時間に対して報酬が払われるべきと考える傾向がある、と語られます。
仕上がりや提案の価値に対して報酬を受け取ると考える。継続や紹介につながりやすい
やった分だけもらえると考える。言いなりのデザインになりやすく、修正のたびに費用が発生
修正のたびに課金される「無限地獄」の構造
稼働時間への報酬というスタンスの人と組むと、極端には、どんなデザインを出してもチェックバックがすべて修正としてカウントされ、費用が発生する事態になりかねません。
発注者からすれば、微妙なデザインだからこそ修正を頼んでいるのに、そのたびにお金がかかります。なぜこちらばかり払うのか、という不満が溜まっていくといいます。
さらに、言われたことをやればお金がもらえるスタンスのため、クライアントの言いなりでデザインする人が多いといいます。冒頭の「言った通りには出てこない優れたデザイナー」とは真逆の構図です。
結果、素人の意見を形にしただけの微妙な仕上がりになり、発注者も自分のオーダーが正解か分からないまま修正を重ねます。満足できず、無限の修正地獄へ突入していくといいます。
もうクレームで終わるみたいな、そういったパターン。これ以上修正の費用を出し切れません。だったらもう一旦終わりにしましょうみたいな。
こうした進め方では、報酬は得られても継続的な発注や紹介は期待できません。だからこそ、常に新規クライアントを探して獲得し、また地獄を繰り返す消耗戦に陥るデザイナーもいると指摘します。
3タイプの見分け方と、実績という最終判断
ここまでを、Mana(マナ)さんは3つのタイプとして整理します。まず修正無制限系は、提案してくれる自信のあるデザイナーか、安請け合いの作業系デザイナーの二択です。
無制限系は納期が守られるケースが多く、どちらのタイプかは発注前のコミュニケーションである程度判断できるといいます。ただし金額は両者で同じくらいになりやすいと語られます。
次に修正未定義系は、自信のあるデザイナーか、経験の乏しい新人の二択です。ここは見積もり金額が大きく違うため、求める品質や予算で選択できるといいます。
最後の「何回まで無料」系は、慣れているデザイナーか、勘違いしているデザイナーの二択です。慣れた人なら納期は守られますが、勘違いタイプは納期をクライアントのせいにして遅らせることもあると指摘します。
難しいのは、勘違いタイプもセオリー通りの相場に合わせるため、金額差が出ないことがある点です。そこで唯一の手がかりになるのが実績だといいます。
Mana(マナ)さんは、事前のコミュニケーション、見積もり金額の高低、過去の実績を総合し、どのパターンに該当するかを見て発注を判断していると語ります。
| タイプ | 正体の二択 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 修正無制限系 | 自信ある提案型/安請け合いの作業系 | 事前のコミュニケーション。金額差は出にくい |
| 修正未定義系 | 自信あるデザイナー/経験の乏しい新人 | 見積もり金額の差が大きい |
| 何回まで無料系 | 慣れたデザイナー/勘違いデザイナー | 過去の実績と継続案件の有無 |
最後にMana(マナ)さんは、この配信をデザイナーが聞いている可能性にも触れ、あくまで一人のクライアントからはこう見られているという参考として受け取ってほしいと語り、無視してもらってもかまわないと添えています。
まとめ
デザイナーの「修正への向き合い方」は、能力よりもスタンスを映す鏡だとMana(マナ)さんは語ります。発注前のコミュニケーション、見積もり金額、そして実績を組み合わせて見れば、どのタイプかをある程度見抜けるという実践的な回でした。
- デザイナーは修正への提示で「無制限」「何回まで無料」「未定義」の3タイプに大きく分かれる
- 同じ「無制限」でも、自信の表れの提案型と、自信のない安請け合い型では真逆の結果になる
- 修正未定義タイプは見積もり金額の差が大きく、安すぎる場合は過度な期待をしないほうがよい
- 稼働時間への報酬と考える「勘違いデザイナー」と組むと、修正のたびに課金される地獄に陥りやすい
- 金額差が出ないときは、過去の実績と継続案件の有無が最終的な判断材料になる




