コミュニティ形成って、実は「遊ぶシーン」の話
この回のテーマは「ボドゲのコミュニティ形成」です。ただし、コミュニティをどう作るかという方法論の話ではないと最初に断りが入ります。
Manaさんが伝えたいのは、ボドゲが遊ばれるシーンをちゃんと考えて提案しようよという視点です。
ボードゲームには一人プレイもありますが、多くは誰かと遊ぶことがポイントになります。つまり、ボドゲだけあっても遊べないという前提から話は始まります。
コミュニティをどう作っていくのかっていった方法論ではありません。
ボドゲって遊ぶシーンのことをちゃんと考えて提案していこうよっていうようなお話になっております。
「面白そう」の正体は、遊んでいる自分がイメージできるか
ボドゲを買う行為のメインは、やはり遊ぶことです。だから面白そう、楽しそうというものが買われます。
では、どういう意味で面白そう・楽しそうと思うのか。Manaさんは、購入者が自分たちの遊んでいる姿を想像できるかどうかに尽きると話します。
自分たちが楽しんでいる姿を想像できるのか、そういったところに尽きるのかなと思います。
だからこそ、どういったシーンで、どういったコミュニティで遊ばれるのかを、制作者は意識すべきだと言います。
同じ二人用でも、カップルと親子ではシーンが違う
わかりやすい例がプレイ人数です。二人用なのか四人用なのかは重要で、いつも二人で遊ぶ人が四人用を買っても、遊ぶイメージがつきにくいと指摘します。
ただし、人数だけを意識すればいいわけではありません。同じ二人用でも、大人のカップル、親友同士、親子など、コミュニティの特性によってシーンは分かれます。
そこで、こういうシステムだから面白い、という説明だけでなく、こういうふうに楽しんでね、と提案するセールスコピーや宣伝の仕方が大事になると話します。
同じ二人プレイだったとしても、いろんなシーンが分かれているわけですよ。
オープン会で使い勝手のいいゲーム、悪いゲーム
複数人プレイでも同じで、じっくり考え込むタイプなのか、パーティー的な要素なのかで刺さる相手は変わります。
人間関係がまだできていない場、たとえばボドゲのオープン会で使い勝手のいいゲームもあります。初対面の人たちがコミュニケーションを取りながら楽しめるかどうかが鍵になります。
その例として挙げられたのが「ボブジテン」です。遊べる人数が広く、自然と会話も生まれるため、ボドゲ会で活用されているイメージがあると話します。
一方で、二人用のゲームをオープン会に持ち込むと、小さな卓が一つ立って他は別で遊ぶ形になり、使い勝手が悪くなることもあります。二人用は二人用縛りの会など、向いた場に提案していく必要があると言います。
遊べる人数が広く、初対面でも自然と会話が生まれる。ボブジテンなどが活用されやすい。
人数の広い会では卓が分かれてしまいがち。二人用縛りの会など向いた場への提案が必要。
一人プレイも「一人のコミュニティ」として提案する
何を楽しいと思うかは人それぞれですが、いつどこで誰と遊ぶのかを意識することがとても重要だとManaさんは繰り返します。周りを見ると、その観点が欠けている点があると感じるそうです。
では一人用はコミュニティと違うのかというと、ある意味で一人のコミュニティと考えていいと言います。
一人で自宅の夜に楽しむ、お酒を飲みながらゆっくり楽しむといったシーンを意識すれば、こういう時にこう楽しめますよ、というアプローチができます。
提案だけでは足りない。作者がコミュニティを作る番
ここから話は一歩進みます。提案をしようという話だけではなく、作者自身がコミュニティを形成することも求められる、という論点です。
例として、将棋やチェスのようなアブストラクトゲームを真剣に指す場を想像します。親友同士でガチのバトルを、と提案したとしても限界があると言います。
二人だけで遊び続けると、どちらかが強い・弱いという偏りが出て、何度も遊ぶことにつながりにくくなります。
そこで、力を発揮する場として大会を開く。これも一つのコミュニティになると話します。自分たちで遊ぶところから、まだ見ぬ相手に力を示す挑戦へとシフトチェンジしていく発想です。
自分の力を示す挑戦をするっていうコミュニティ、そういったシフトチェンジをしていく。
「どこかに行けば遊べる」作品は強い
四人用やパーティー系も、一人では遊べず、同じメンバーで続けるだけでは飽きが来ることがあります。ルールを見て面白そうでも、遊ぶ相手がいない人もいます。
そういう人たち向けに、作者自身がボドゲ会を開くなど、積極的にコミュニティを作ることが今後求められるのではないかと話します。
誰も知らない作品なら、毎回自分でインストして遊んでもらうしかありません。一方で、この作品ならどこかにコミュニティがあるだろう、という状態になると強いと言います。
麻雀は雀荘、ポーカーはポーカールーム、囲碁や将棋にもすでに場があります。どこかしらに行けば遊べる作品は、めちゃめちゃ強いと表現します。
さらに、この人のゲームなら遊べる、この人のコミュニティなら遊べる、という信頼も重要だと言います。パーティーゲームばかり作る人なら、それを手軽に遊べる場を自分で作り、そこに巻き込んでいく発想です。
パーティーゲームを手軽に遊べるような場は自分たちで形成しておいて、そこにどんどん巻き込んでいく。
作者自身のコミュニティ形成はまだ少ない
そうした場で遊べば、新作の宣伝や試遊会もでき、コミュニティの盛り上がりも育っていきます。
どういったシーンで遊ばれるかを意識し、さらにその遊ばれる場を作者目線から作ってしまう。これが一歩先のコミュニティ形成だとまとめます。
最近はインフルエンサーが自主開催のボドゲ会や試遊会、テストプレイ会、人数縛り会などを開き、コミュニティを形成しています。ただ、作者自身がやっているケースはあまり聞かないと言います。
いきなり大人数の大きなコミュニティを作る必要はないものの、ボードゲーム好きと定期的にコミュニケーションを取る場は、今後作っていった方がいいだろうと話します。時間も場所も労力も大変ですが、理想はその形だと考えているそうです。
コミュニティが伸びを加速させる
Manaさんは、テストプレイ会の大手やインフルエンサーのボドゲ会の強さに注目します。ブラッシュアップと新作宣伝が同時にでき、参加者との利害も合致するからです。
新しいボードゲームに出会える場を提供しつつ、YouTubeやTikTokで発信すると、参加コミュニティの人たちとメリットが噛み合います。自分に合った特性のボドゲ会を持つところは、ボドゲも売れ、チャンネルも伸びていると言います。
伸びているからコミュニティができる面もありますが、コミュニティによって伸びに拍車がかかる面も大きいと分析します。
コミュニティによって伸びていってるっていう部分が拍車かかってるっていうのも、とても要因としてはあるのかなと思っております。
だからボドゲ作家は、作品を中心に一か所ではなく全国各地、世界中でコミュニティが生まれていくような広い視点を持つべきだと言います。自分で作るというより、コミュニティを提案していくという発想です。
最後に、このポッドキャスト自体もコミュニティ形成の一つになればと考えて発信していると語り、今後も戦略の話を続けていくと結ばれました。
まとめ
ボドゲは作品そのものだけでなく、いつどこで誰と遊ばれるかまで含めて設計するもの、というのがこの回の軸です。さらに、その場を作者自身が作っていく「コミュニティ形成」が、これからの強さにつながると語られました。
- 購入者は「遊んでいる自分」を想像できるかで買う。遊ぶシーンの提案が重要
- 同じ人数でもカップル・親友・親子でシーンは違い、刺さる提案も変わる
- 一人用も「一人のコミュニティ」として楽しみ方を提案できる
- 二人用は大会、パーティー系は自主開催の会など、作者が遊ばれる場を作る発想が有効
- どこかに行けば遊べる作品は強く、コミュニティが作品やチャンネルの伸びを加速させる





