ゲームマーケット直前製造は本当に主流のままか
この回のテーマは、ボードゲームの製造タイミングです。ここでいう製造タイミングとは、ゲームマーケットに向けた新作を作るタイミングを指します。
Manaさんによれば、これまではゲームマーケット基準で新作を作る人が多く、直前になんとか間に合わせる形が一般的だったといいます。
やっぱりゲームマーケット直前に丁合祭りですね。結構ギリギリになってなんとか間に合うかどうかというふうに製造しているっていう人が多かったのかなと思っております。
しかし最近は、その製造タイミングがどんどん早まっているとManaさんは感じています。言い換えると、ゲームマーケットに新作を必ずしも当てに行かない人が増えてきているということです。
早く作るほど有利になる理由
なぜ製造を早めるのか。Manaさんが挙げる大きな理由は、プロモーション期間の確保です。
直前まで製造をしていると、新作の宣伝や告知、他の試遊会への参加がなかなかできません。そこで、できる限り早く製造を完了させ、プロモーションに時間を回すやり方が徐々に主流になってきていると話します。
もう一つの要因が、発表の場の増加です。以前はゲームマーケットくらいしかなかった即売会が、今は全国各地で開催されるようになりました。
ある意味いつ作ってもいいのかなっていう風になってきていると思います。
売れるピークをゲームマーケットにどう持っていくか
ただし、ゲームマーケットはたくさんの人が訪れるメインのイベントです。だからこそ、販売のピークをゲームマーケットにどう持っていくかが重要になるとManaさんは指摘します。
いきなり本番に新作を出すのではなく、少し前の他の即売会で先に発売し、そこで一度話題にしておく。そこで買った人がSNSに実際に遊んだ感想を投稿することで、口コミが広がっていきます。
この事前情報が世の中に広まっていれば、ゲームマーケット当日の売れ行きは大きく変わってくるだろうと考えられています。
前回のゲームマーケット
次回作の内容とアートワークを決め、告知する
翌月に早割で製造
割引を受けつつ数か月前に製品を完成させる
事前の即売会で先行発売
口コミと感想がSNSで広がる
ゲームマーケット本番
話題化した状態で新作が売れる
当日の集客を活かす
訪れた客にさらに次回作を告知する
製造費が安くなる「早割」の存在
製造タイミングの早まりを後押しするのが、製造費の早割です。早く作るほど安く作れる仕組みがあるといいます。
特にあの萬印堂さんとかですと、早割を使うと結構安いらしいですね。早割A、早割Bみたいな形で、早ければ早いほど安く作ることができる。
この早割は非常に早く始まります。Manaさんによれば、ゲームマーケットが終わった翌月にはもう始まっているとのことです。
つまり、その時点で入稿するには、アートワークやゲームの内容が前回のゲームマーケットの時点で決まっている必要があります。早期製造は、企画の前倒しとセットで初めて成り立つ流れだと言えます。
新規参入者に見られる「もったいない」遅れ
一方で、こうした早まりの流れとは逆に、以前より遅れてしまっているケースも見受けられるとManaさんは話します。特に新規参入者に多いようです。
その代表例が、ゲームマーケット公式サイト(ゲムマサイト)への新作登録です。ここに登録されていないと、正直、発売されていないも同然だといいます。
ゲームマーケット2025秋ですと、千以上の新作の登録があったんですけども、今もう2、3週間前ぐらいにも関わらず、まだ500ぐらいしか登録をされていませんでした。
新作が急に半減するはずはないので、明らかに登録していない人が多いのではないかとManaさんは見ています。予算がある人ほど早めに購入対象を決めるため、情報を出すのが遅れると選考から漏れてしまうと考えられます。
同じく、公式カタログのブースカットが空欄で、サークル名だけになっている例も目立ったといいます。カタログに載せるチャンスを逃すのはもったいない、と話しています。
情報は「決まった分だけ」早めに出す
Manaさんは、ボドゲ制作の期日感が二極化してきていると感じています。昔からやっている人は直前製造のまま、最近始めて勢いのある人は早期化している、という構図です。
自身も初出店の頃は、ゲムマサイトはそれほど見られないだろうと思っていたそうです。しかし実際は、多くの人が参考にしているという声を聞き、重要性を実感したといいます。
そこでManaさんが勧めるのが、決まっている分だけでも早めに情報を出すというやり方です。公式サイトは後から更新できるため、まずタイトルやパッケージ画像だけでも載せておくとよいと話します。
公式サイトでは作品情報だけでなく、ブログ形式の記事も投稿できます。この記事も結構読まれているそうで、新作解禁やルール追加、アートワーク公開などを段階的に発信していくのもよい方法だと紹介します。
ブログは事前だけでなく当日にも読まれるといいます。入場を待つ列で、来場者がカタログやブログを見て最終チェックや暇つぶしをするため、予約がなかった人への最後の追い込みにもなると考えられます。
早く動ける人ほど恩恵を受けるサイクル
プロモーションを考えると、やることはたくさんあります。だからこそ、早ければ早いほどよく、告知期間も長いほどよいというのがManaさんの結論です。
早めに動けば製造費も安くなり、すべてがよいスキームで回っていくといいます。ただし、その恩恵を大きく受けられるのは、毎回新作を出し、いろいろな展示会に出展する人だと補足しています。
今まさに直前製造をしている人が、いきなりこの流れに切り替えるのは難しいかもしれません。それでも、どんどん作っていく体制がある人ほど、早めの製造と早めのプロモーションを意識する価値があると話されています。
ちょっと早めに作って早めにプロモーションを開始するといったものを意識して、次から動き出すといいかなというふうに思っているというお話でした。
まとめ
ボドゲの製造タイミングは年々早まっており、鍵になるのはプロモーション期間の確保と、ゲームマーケットに売れ行きのピークを合わせる設計です。決まった分だけでも情報を早く出すことが、機会損失を防ぐ第一歩だと語られました。
- 製造を早めるほど宣伝や試遊会の時間が取れ、早割で製造費も安くなる
- 事前の即売会で先行発売し、口コミを広げてからゲームマーケット本番に臨むと売れ行きが変わる
- 公式サイトへの新作登録やカタログのブースカットは、早めに出さないと機会を逃す
- 内容が固まっていなくても、タイトルや画像だけ先に載せ、後から更新していけばよい
- 恩恵を大きく受けるのは、毎回新作を出し多くのイベントに出展する制作者





