過去最大を更新したゲムマの来場者数
この回のテーマは、ゲームマーケットゲームマーケット ── アナログゲームの制作者・企業が新作を頒布する日本最大級のイベント。通称ゲムマ。春と秋の年2回開催されるの来場者数と出展数です。
Manaさんはまず、来場者数がどんどん増えている現状を紹介します。
直近の2025年秋は、両日合わせて3万人が来場し、過去最大の人数を更新したと話されています。
去年の2025年秋に関しては、これまでのゲームマーケットの来場者数の一番最大の人数を更新したっていうお話もありました。
ただし、大きなピークはコロナ前にも一度ありました。
2019年秋の来場者数は2万9300人で、これが長らくのピークだったと説明されています。
去年ようやくその水準を超えて、過去最大に盛り上がったという位置づけになります。
コロナで半減、そこからのじわじわ回復
Manaさんは、来場者数の流れをコロナ前からたどり直します。
2019年は2万9300人でしたが、2020年春はコロナ真っただ中で開催されませんでした。
2020年秋は開催されたものの、来場者数は1万3300人と、半分ほどに落ち込みました。
さらに2021年春は1万2500人と、いったん底を打つ形になります。
ここで、春よりも秋のほうが来場者数が多い傾向があると補足されています。
その後は秋に1万8000人まで復活し、2022年春は1万6000人、2022年秋は2万1000人と巻き返していきます。
2023年春は2万2000人、2023年秋は2万5000人と、春の落ち込みも小さくなっていきました。
2024年春は2万5000人、2024年秋は2万6000人、2025年春は2万7000人、そして2025年秋で3万人に到達します。
上がり下がりを繰り返しつつ、コロナ後はじわじわと元の水準に戻ってきた、というのがManaさんの見立てです。
イベントを成長させる「人と出展者のバランス」
来場者数が伸びること自体を、Manaさんは前向きにとらえています。
来場者が多いほど盛り上がり、ボードゲームを知ってもらう機会や頒布の促進にもつながるからです。
その上で、来場者と出展者は互いに影響し合うと整理します。
人が来るから売る人も増え、売る人が増えるからさらに人も来る、という循環でイベントは大きくなっていくという考え方です。
だからこそ、どちらかが多すぎるとアンバランスになると指摘します。
ここまでは来場者数の話でしたが、次に出展数のデータを重ねると、少し違和感のある数字が見えてきたと切り出します。
1ブースあたり何人来るのかを計算してみる
Manaさんは、来場者数を出展数で割って「1サークルあたり何人が訪れる計算になるか」という指標を持ち出します。
出展数には個人サークルと企業の両方を含めています。
乱暴な計算だと前置きしつつ、均等に均したときに一体何人の客と話せるのかを見る数値だと説明します。
コロナ前のピークである2019年秋は、来場者2万9300人に対し、個人が1161サークル、企業が254社の出展でした。
これを割ると、1サークルあたり20.71人という数字になります。
ここでManaさんは、来場者数が少なくても出展数が少なければ客はよく来る、という関係に注目します。
2018年は「1ブース25人」だった
その例として挙げられるのが2018年です。
2018年春は来場者約2万人に対し、個人710サークル、企業111社ほどでした。
2018年秋は来場者2万2000人に対し、個人677サークル、企業208社です。
2018年は春も秋も1ブースあたり24人台、つまり約25人が訪れる計算になります。
来場者数が最大だった2019年より、1サークルあたりの人数は5人も多いことになります。
出展数が少なく来場者数は多いため、特定のブースに人が殺到しているように見えていたのではないか、とManaさんは推測します。
来場者より出展者が増える「供給過多」
一方、コロナ明け以降は様子が変わります。
来場者数は増え続けていますが、出展数の伸びのほうがさらに激しいというのがManaさんの見立てです。
その結果、増えた来場者を出展者同士で分け合う構図が強まり、レッドオーシャン化していると表現します。
需要である来場者数に対し、供給する出展者が増えすぎている、というわけです。
象徴的なのが2025年秋です。
来場者3万人は過去最大でしたが、出展は個人1723サークル、企業176社にのぼりました。
これを割ると、1ブースあたりわずか15.8人しか来ていない計算になります。
約25人。特定ブースに人が集中しやすい状況
約15.8人。過去最大の来場でも1ブースあたりは減少
予約数に見える「格差」の広がり
平均で15人という数字は、あくまで全体を均した値です。
Manaさんは、実際には出展者間の格差が大きく開いていると話します。
プロモーションのうまさや、昔から続けてきた信頼の高さが、結果に顕著に表れているためです。
その例として、2025年秋前後のSNSでの予約数の投稿を挙げます。
予約だけで600以上という人もいれば、200や300といった数百規模の予約も多く見かけたと言います。
Manaさんの体感では、予約数の3倍ほどが当日販売も含めた販売数になるとのことです。
仮に600予約なら両日で1800ほど売れている計算になる、と話します。
一方で、この1800という数字は、1個1500円換算なら100サークル分がゼロだったのと同じになる、という見方も示します。
ヒットしているブースに人が集中し、売れないブースには本当に人が来ないという格差が広がっているのではないか、というのがManaさんの分析です。
出展者は敵ではなく「協力ゲームの仲間」
去年は例年になくサークル数が多く、売れなくなったという投稿も見かけたとManaさんは振り返ります。
面白さも作者への信頼も変わっていないのに売れないのは、他に客を取られているからではないか、と話します。
ただし、だからといって周りの出展者を敵と考える必要はない、と強調します。
取られるからといって、みんな敵だっていうわけではないです。出店者たちがいっぱい集まってこないと、来場者数ってそんな増えていかないですから。
多くの場合、来場者が増えて出展者が増えるのではなく、出展者が多いから人が集まると考えているためです。
だからこそ出展数が増えている今は、次回以降の来場者数増加が狙えるとも見ています。
作り手が増えることは市場拡大の証拠
出展者数が来場者数を上回る動きに、Manaさんは業界全体の盛り上がりを感じるとも話します。
遊んだことのない人がいきなり作りたいと思うことは少なく、まず遊んで面白いと感じてから作り始める人がほとんどだと考えているためです。
つまり、作り手が増えているのは、遊んでいる人も増えている証拠だという見立てです。
作る人が増えれば「あの祭りは面白そう」と人が集まり、ゆくゆくは5万人、10万人規模に広がってほしいと期待を語ります。
この数字全体を振り返り、Manaさんは近年の傾向のいびつさを指摘します。
2024年春は約17人、2024年秋は約15人、2025年春は約17人と、コロナ明けは来場者数と出展数がバランスを取りながら増えていました。
ところが2024年秋と2025年秋だけ15人台に落ち、出展数が先行して増えた点が面白い傾向だと話します。
1ブース15人時代の立ち回り方
今後についても、Manaさんは市場拡大に前向きです。
メディアでボードゲームが取り上げられる機会も増え、ジェリジェリカフェ ── 番組内で言及されたボードゲームカフェ。全国に店舗を広げているとManaさんが紹介しているのようにボドゲカフェが全国に広がっていることを、遊びたい層が増えている証拠だと見ています。
そのうえで、伸びていく市場の中でどう立ち回るかが重要だと話します。
以前の回で触れた販売価格のように、周りの動きやプロモーションを参考にしながら伸ばしていくのがよいという考えです。
1サークルに来る人数が15人という現実は、確かに厳しい戦いだと認めます。
ただ、予約が爆発している人は数千の出展の中でも限られており、そればかり見るとへこんでしまうとも指摘します。
逆にそっちの方が異常時というか、おめでとうっていうところなので、自分がそこまで行かなかったとしても、行かない方が普通なので、あんまりそんな数字に心を乱される必要もないのかなとは思います。
売れているものは実際に面白く、自分も買って楽しんでいると、明るく締めくくっています。
まとめ
来場者数は過去最大を更新した一方で、出展数の伸びがそれを上回り、1ブースあたりの来場者は約15人まで下がっています。Manaさんは、この供給過多を格差の広がりととらえつつも、作り手の増加を市場拡大の証拠と前向きに読み解いています。
- 2025年秋は来場者3万人で過去最大を更新し、コロナ前のピーク2019年秋を上回った
- 来場者数を出展数で割ると、2018年は約25人、2025年秋は約15.8人と、1ブースあたりは減少している
- 来場者より出展者の伸びが激しく、需要に対して供給過多が進みレッドオーシャン化している
- 予約数の投稿に見られるように、ヒットするブースへ客が集中する格差が広がっている
- 作り手が増えるのは遊ぶ人が増えた証拠であり、出展者は敵ではなく市場を盛り上げる仲間だとManaさんは考えている




